「選手名鑑」カテゴリーアーカイブ

ブランドン・ニモ


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Brandon Nimmo (フルネーム/Brandon Tate Nimmo)

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1993-03-27生|191cm93kg|外野手 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 ワイオミング州シャイアン

ドラフト/2011年NYM1巡目(全体13位)指名

メジャーデビュー/2016-6-26
■選手紹介

笑顔が魅力的なメッツの生え抜き外野手。野球不毛の地ワイオミング州の出身で、コロラド州の真隣の街シャイアンに住んでいたため、ゴリゴリのロッキーズファンだった。出塁能力が高い。本来は両翼タイプだがチーム事情でセンターでよく出場している。サメ釣りが趣味。

少年時代、右利きのニモに父親は左打ちを練習させ、10歳までスイッチヒッター。それ以降は左打席に立つようになった。ゴルフも左打ちにさせようとしたがクラブが無かったため右で打っている。コロラド州出身の父の影響でロッキーズの試合をよく観ており、同じ左打ちのトッド・ヘルトンの大ファンになり、打撃フォームを参考にした。ただしメジャーリーガーになってもヘルトンとはニアミスが続き、対面は2021年まで実現しなかった。2010年のアンダーアーマー・オールアメリカ(高校野球のオールスター戦)でニック・バーディとともにMVPに選ばれる活躍をした。

ニモ以前はワイオミング州の選手では1966年にマイケル・ビーバーが6巡目(全体109位)で指名されたのが最高位だったが、2011年にニューヨーク・メッツからドラフト1巡目(全体13位)で指名された。メッツ入団後はマイナーでフォアボールを良く選び、高い出塁率を武器に評価を上げていった。同時に左膝や手首などのケガで昇格に時間がかかった。

2016年6月にメジャーに初昇格した。選球眼の良さを生かし、2017年以降は.370以上の出塁率を毎年記録している(2022年6月現在)。2020年のオフの間にサウスポー対策の特訓をした。2020年までの対左投手の通算打率.243・出塁率.358だったのが2021年は打率.306・出塁率.429に劇的に向上した。

スイングしかけたバットを止めるのが上手いので非常に出塁能力が高いが、そのうえ初球打ちの打率も高い。俊足でメジャーでも上位20%に入るほど速いのに盗塁の技術に乏しい。外野守備の反応もそこそこ良く、センターも守れるができれば両翼で使いたいタイプである。

唯一の欠点はケガによる離脱が多すぎること。様々な箇所の怪我でIL入りを繰り返していて、140試合出場の2018年以外はシーズン100試合未満にとどまっている。オールスターに選ばれる実力は持っているので、ピークを過ぎないうちにフルシーズンの活躍を期待したい。

寄稿日:2022-06-07 最終更新日:2022-06-07
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼"ほぼ地元"クアーズフィールドで2ホーマー・4安打の大活躍のブランドン・ニモ

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2016 NYM 32  73  20  1 0  1  6  6 1 20  0 .274 .338 .329

2017 NYM 69 177  46 11 1  5 21 33 2 60  2 .260 .379 .418

2018 NYM 140 433 114 28 8 17 47 80 22 140  9 .263 .404 .483

2019 NYM 69 199  44 11 1  8 29 46 5 71  3 .221 .375 .407

2020 NYM 55 186  52  8 3  8 18 33 6 43  1 .280 .404 .484

2021 NYM 92 325  95 17 3  8 28 54 5 79  5 .292 .401 .437


ネスター・コルテスJr.


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Nestor Cortes (フルネーム/Nestor Cortes)

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1994-12-10生|180cm95kg|先発 左投右打

出身地/キューバ マヤベケ州スルヒエドロ・デ・バタバノ

ドラフト/2013年NYY36巡目(全体1094位)指名

メジャーデビュー/2018-3-31
■選手紹介

日本では"コルテスおじさん"などと呼ばれている実力派先発左腕。2021年に大谷翔平との投球時に見せた幻惑投法が日米で話題をさらった。メジャー定着までにヤンキースを2回出ているが、今や先発の柱として欠かせない存在になっている。キューバ系アメリカ人。

コルテスJr.はキューバで生まれ、生後7か月のときにビザの抽選に当たったことで一家でフロリダ州に移住した。MLB公式やBaseball-Referenceといった専門サイトでは、当初はフロリダ州ハイアリア生まれと掲載されていたが、しばらくしてキューバのスルヒエデロ・デ・バタバノ出身に訂正された。

プロ入り前、地元のハイアリア高校に通っていた。同高はなかなかのビッグネームをMLBに輩出している。通算216勝ナックルボーラーのチャーリー・ハフ、波乱の人生を歩んだアラン・ウィギンス、ワンゲーム・プレイオフで大活躍したバッキー・デント、2012年にウォーレン・スパーン賞のジオ・ゴンザレス、近鉄バファローズにいたマリオ・バルデスやオリックスのランヘル・ラベロが在籍していた。

ドラフト36巡目(1094位)の低い順位でヤンキースに入団したが、マイナーではどの階級でも打ち込まれることが少なかった。2017年オフにルール5ドラフトでボルティモア・オリオールズに移籍し、翌年の開幕メジャー枠を勝ち取り、念願のメジャーデビューを果たした。しかし、4度の登板機会で2本満塁弾を浴び(ジョシュ・レディックとジョシュ・ドナルドソン)、開幕してから2週間でヤンキースに戻された。2019年にシアトル・マリナーズに移籍したが5試合・7回2/3で6本のホームランを浴び、2020年オフにマイナー契約でヤンキースに2度目の出戻りとなった。

2021年のコルテスJr.は緩急を使ったピッチングが冴え、別人のように活躍した。14先発を含む22試合・93回・防御率2.90・奪三振103でシーズンを終えた。規定投球回未満ではあるがゲリット・コールより優秀な投球内容にヤンキースファンは沸き、"ナスティ・ネスター"の愛称を付けて称賛した。2022年4月にはイマキュレイト・イニングを達成している。

フォーシームはメジャー平均より遅い91マイルほどだが、カッター・スライダー・チェンジアップを緩急よく効果的に投げる。カッターはマイナー時代に習得したものだが完成度が高い。ピッチングフォームは特徴的で、(日本で散々こすられた)大谷相手に見せた幻惑投法のように、ワインドアップのテンポや腕の角度を変えてタイミングを外しにかかる。一番の武器はコマンド。どの球種もストライクゾーンぎりぎりを突くので、フレーミングの良い捕手と組ませないと厳しい。

蛇足だが、2021年に一度代走で出たことがある。ヤンキースでは投手が代走に起用されるのはA.J.バーネット以来10年ぶりだったが、その3年前、代走として一塁に送り出された王建民が右足の靱帯を断裂し、キャリアが暗転した"事故"がある。そのため投手の代走起用にトラウマがあるヤンキースファンは固唾を飲んで見守ったが、何事もなく残塁してチェンジとなった。

寄稿日:2022-05-30 最終更新日:2022-05-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼恐らくみんな1回は見たことがある「絶対に打たれたくないコルテスおじさんの幻惑投法」

▼気迫のダイビングでベースタッチを試みるコルテスJr.

▼イマキュレイト・イニングを達成するコルテスJr.

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2018 BAL  4 0 0 0  7.71  4.2 10  4  2  4 0  3 3.00 0.75

2019 NYY 33 5 1 0  5.67 66.2 75 42 16 28 1 69 1.55 2.46

2020 SEA  5 0 1 0 15.26  7.2 12 13  6  6 2  8 2.35 1.33

2021 NYY 22 2 3 0  2.90 93.0 75 30 14 25 2 103 1.08 4.12


ポール・シーウォルド


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Paul Sewald (フルネーム/Paul Stanton Sewald)

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1990-05-26生|191cm93kg|リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ネバダ州ラスベガス

ドラフト/2012年NYM10巡目(全体320位)指名

メジャーデビュー/2017-4-8
■選手紹介

シアトルに来た途端大活躍したリリーフ右腕。メッツでの4年間は1勝14敗・防御率5.50・bWAR-1.2だったのが、マリナーズで投げた2021年は10勝3敗・防御率3.06・bWAR1.6。ラスベガス生まれで、少年野球では年下のブライス・ハーパーとプレーした。両親は会計士。

プロ入り前のシーウォルドは地元の高校を卒業後、ラスベガスを離れてサンディエゴ大学へ進学。最初の2年は防御率9.14、10.29と戦力にならなかったが、ジュニア(3年生)時代にリリーフ兼スターターで67イニングに登板。シニア(4年生)ではスターターとしてAll West Coast Conferenceの1stチームに選ばれた。両親の影響で会計学を専攻して卒業している。

ドラフト10巡目入団のメッツではリリーフとして育てられ、2017年にメジャー昇格。57試合・0勝6敗・防御率4.55を記録した。しだいに登板機会が減り、2020年には5試合の登板にとどまり防御率13.50。同年オフにFAとなった。

2021年はシアトル・マリナーズに拾われ、開幕はAAAで迎えたが序盤にメジャー昇格。1点差の場面でよく使われ、ケンドール・グレイブマンが放出されてからはセーブシチュエーションでも起用された。最終的にリリーフのみで10勝(3敗)を挙げ、64回2/3・被安打42・与四球24・奪三振104の好成績を残した。奪三振率14.5はアロルディス・チャップマンに次いでリーグで2番目に高かった。

フォーシームはリーグ平均に満たない90~92マイルの球速ながら、上位10%に入る高回転数を誇る。大きくブレーキがかかるスライダーの2ピッチで勝負する。メッツ時代は時折チェンジアップを使っていたが、マリナーズに来てからはコーチの助言もあり投げなくなった。コントロールが非常によく、四球で崩れる場面はほとんどない。2021年に大谷翔平に食らった43号2ランも決して失投ではなかった。

ちなみにシーウォルドはメッツ時代にナ・リーグ記録を更新している。必ずしもリリーバーが勝利投手になる必要は無いが、メッツ時代になかなか勝ちが付かず、2019年にキャリア初勝利を挙げるまでに14敗したのがナ・リーグ史上最多となっている。メジャー記録は1980年頃に投げていたテリー・フェルトンの16連敗。ルーキーだった1980年に0勝3敗、1982年には48試合・117イニングを投げながら0勝13敗を喫し、ついに1勝も挙げられなかった。

寄稿日:2022-05-28 最終更新日:2022-05-28
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼大谷にストライクからボールになるスライダーを掬われお手上げのシーウォルド

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2017 NYM 57 0 6 0  4.55 65.1 58 33  8 21 3 69 1.21 3.29

2018 NYM 46 0 7 2  6.07 56.1 62 38  8 23 1 58 1.51 2.52

2019 NYM 17 1 1 1  4.58 19.2 18 10  3  3 1 22 1.07 7.33

2020 NYM  5 0 0 0 13.50  6.0 12  9  1  4 1  2 2.67 0.50

2021 SEA 62 10 3 11  3.06 64.2 42 22 10 24 0 104 1.02 4.33


ロビー・レイ


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Robbie Ray (フルネーム/Robert Glenn Ray)

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1991-10-01生|188cm98kg|先発 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 テネシー州ブレントウッド

ドラフト/2010年WSH12巡目(全体356位)指名

メジャーデビュー/2014-5-6
■選手紹介

MLB屈指の荒れ球投手として認識されていたが、FAイヤーにサイ・ヤング賞に輝いた大物先発左腕。2021年オフにシアトル・マリナーズと5年$115Mで契約した。サイ・ヤング賞受賞以前はDバックス時代の2017年以外は平均以下の実績しか残しておらず、リスクが大きい契約だと考えられている。雑音を撥ね退け、フェリックス・ヘルナンデス以来不在となっている"真のエース"になることを期待されている。

ナッシュビル都市圏のテネシー州ブレントウッドで生まれた。ムーキー・ベッツとは少年野球で同じチームでプレーすることがあった。また、レイはブレントウッド高校に、ベッツは10km程度しか離れていないジョン・オーバートン高校に通い、良きライバルとして互いに活躍していた。ブレントウッド高校でレイは7勝1敗・防御率0.50・95奪三振・13与四球と圧倒。まだノーコン投手の片鱗を見せていなかった。トニー・ケンプがいるセンテニアル高校相手の完全試合を含め、3回ものノーヒッターを達成している。

アーカンソー大学への進学を考えていたが、ワシントン・ナショナルズから12巡目指名ではあるが4巡目相当の契約金を積まれ、ドラフトの契約期限最終日に正式契約して入団を決めた。マイナーでは高校時代からは想像できないくらい制球に苦しむようになった。

トレードで移籍したデトロイト・タイガースでメジャーデビュー後、ダイヤモンドバックスで先発投手としてメジャーに定着。2017年にピッチャーライナーが頭に当たり1ヶ月近く離脱したことがあったが、無事に復帰している。同年は自身初の完封勝利を記録し、出場機会は無かったがオールスターに選ばれている。2020年シーズン途中までローテーションで投げ続けたが、2020年は7試合に先発して防御率7.84と絶不調。シーズン中にトロント・ブルージェイズに放出された。

2021年は、前年の絶不調がウソのような大活躍。13勝7敗・防御率2.84・奪三振248の好成績に加え、与四球率は2.4個とメジャー平均を上回る良さだった。サイ・ヤング賞投票では30票のうち29票の1位票を集める準満票だった。

ピッチングスタイルは、92~95マイルのフォーシームと80マイル中盤のスライダーで三振を量産する。試合展開ではチェンジアップとカーブも織り交ぜる。肩とヒジに大きな故障歴が無いのも強みのひとつだ。メジャーでの打撃成績は振るわないが、もしアーカンソー大に進学していたら二刀流としてプレーすることになっていた。

寄稿日:2023-05-23 最終更新日:2023-05-23
オールスター:1回(17)

主な表彰:ALL-MLB 1st1回(21), サイ・ヤング賞1回(21),

タイトル:最優秀防御率1回(21), 最多奪三振1回(21),

▼キャリア最初で最後になりそうなホームランを放つロビー・レイ

▼サイ・ヤング賞を獲得したロビー・レイの2021年シーズンハイライト(MLB公式)

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2014 DET  9 1 4 0  8.16 28.2 43 26  5 11 0 19 1.88 1.73

2015 ARI 23 5 12 0  3.52 127.2 121 50  9 49 8 119 1.33 2.43

2016 ARI 32 8 15 0  4.90 174.1 185 95 24 71 6 218 1.47 3.07

2017 ARI 28 15 5 0  2.89 162.0 116 52 23 71 5 218 1.15 3.07

2018 ARI 24 6 2 0  3.93 123.2 97 54 19 70 5 165 1.35 2.36

2019 ARI 33 12 8 0  4.34 174.1 150 84 30 84 5 235 1.34 2.80

2020 ARI  7 1 4 0  7.84 31.0 31 27  9 31 1 43 2.00 1.39

2020 TOR  5 1 1 0  4.79 20.2 22 11  4 14 0 25 1.74 1.79

2021 TOR 32 13 7 0  2.84 193.1 150 61 33 52 4 248 1.04 4.77


チェイス・シルセス


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Chase Silseth (フルネーム/Chase Robert Silseth)

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2000-05-18生|183cm98kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ニューメキシコ州ファーミントン

ドラフト/2021年LAA11巡目(全体321位)指名

メジャーデビュー/メジャー経験なし
■選手紹介

エンゼルスに突如現れた右の先発ローテーション候補。球団のプロスペクトランクでは上位に入っていなかったが、AAでの支配的なピッチングが認められて飛び級でメジャー昇格した。2021年ドラフト指名選手の中でメジャーデビュー1番乗りとなった。

ニューメキシコ州ファーミントンにあるピエドラ・ビスタ高校に通っていたシルセスは、ジュニア(3年生)シーズンに8勝2敗・防御率0.56・奪三振116と圧倒的な成績を残した。ピエドラ・ビスタ高校のOBでドラフトにかかった選手(大学経由を含む)は10人いたが、メジャーまでたどり着いた選手は皆無だった。卒業後にテネシー大学でリリーバーとしてプレーしたが、先発機会を求めて短大の南ネバダ大学へ転入。6試合・30回1/3を投げて被安打13・奪三振55と圧倒的なピッチングをする。短大卒業後に強豪のアリゾナ大学へ編入し、防御率は5.55と振るわなかったが打高投低のパシフィック12・カンファレンスで8勝1敗と先発投手として奮闘した。

ドラフトの翌年2022年にAA(サザン・リーグ)で5先発し26イニング・被安打15・与四球7・奪三振37と打者を圧倒。4月のサザン・リーグの月間最優秀投手に選出された。5月にはメジャー40人枠に入れられ、AAAを飛び越えて即メジャーデビューとなった。

持ち球はフォーシーム、落ちるスライダーとカーブ、スプリッターを使い分ける。フォーシームはデビュー戦で99マイルに迫るスピードを出していたが、マイナーでは92-96マイルほどの球速帯である。85マイルのVスライダーとさらに数マイル遅いカーブは、低めにコントロールできているときは奪三振マシーンになる。また、スプリッターの握りで投げるチェンジアップはプロ入り後にグレードアップさせ、試合で使えるようになった。

平均以上のファストボールを持つ一方で183cmの小柄な体格から、チームメイトのオリバー・オルテガのようにミドルリリーバーに転向する可能性を指摘されていた。ただ、オルテガと違ってファストボール以外の精度が高く、さらにレベルアップすればスターターとして生き残ることが出来るだろう。

寄稿日:2022-05-23 最終更新日:2022-05-23
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼6回無失点の素晴らしいメジャーリーグ初登板を飾るシルセス

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

(~2021年メジャー経験なし)


マット・ダフィー


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Matt Duffy (フルネーム/Matthew Michael Duffy)

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1991-01-15生|188cm86kg|三塁手、二塁手 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロングビーチ

ドラフト/2012年SF18巡目(全体568位)指名

メジャーデビュー/2014-5-22
■選手紹介

2022年は地元エンゼルスでプレーすることになったカリフォルニア州ロングビーチ出身の内野手。ジャイアンツ時代のルーキーイヤーにナ・リーグ新人王投票で2位にランクインした。右投げ右打ちだが日常生活では左利き。

大学も地元のカリフォルニア州立大ロングビーチ校でプレーしていたダフィーは、2012年にサンフランシスコ・ジャイアンツから18巡目(全体568位)の低順位指名でプロ入り。メジャーデビューまでは短く、2014年8月にメジャーに昇格すると同年のプレーオフにベンチ入りし、ジャイアンツの世界一を経験した。翌2015年は3番・サードでスタメン出場するようになった。

2016年にトレードでレイズへ移籍した。しかし2017年以降は足の故障に悩まされ、2019年オフにレイズからDFAされた。2021年にカブスでメジャーで奮闘したがオフにFAとなり、2022年からエンゼルスと1年契約を交わした。

バッティングは長打力に欠けるもののコンタクト力と出塁能力に長けている。2021年までの通算打率.283のハイアベレージをマーク。出塁率も.300を割った年が無い。また、内野守備には定評があり、サードとセカンドではメジャー平均以上の守備力がある。本職はサードだが、今後のキャリアはセカンドでの出場が多くなりそうだ。

5にまつわる背番号にこだわりがあるのか、ジャイアンツでのデビュー時は50番を、2年目に5番に変更して以来、移籍先でもずっと5番を着け続けている。また、実際にメジャーで初出場したのは2014年8月1日だが、5月22日の試合が雨のため9月1日に順延し、この試合に出場したため、メジャー公式のデビュー日が5月22日になっている。

寄稿日:2022-05-19 最終更新日:2022-05-19
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼満塁ホームランを放つカブス時代のマット・ダフィー

▼レギュラーシーズン個人成績

2014 SF  34  60  16  2 0  0  8  1 2 14  0 .267 .302 .300

2015 SF 149 573 169 28 6 12 77 30 5 96 12 .295 .334 .428

2016 SF  70 257  65 11 2  4 21 20 4 40  8 .253 .313 .358

2016 TB  21  76  21  3 0  1  7  3 0 13  0 .276 .300 .355

2018 TB 132 503 148 22 1  4 44 47 7 93 12 .294 .361 .366

2019 TB  46 147  37  8 0  1 12 19 2 29  0 .252 .343 .327

2021 CHC 97 289  83 12 0  5 30 25 7 63  8 .287 .357 .381


カート・スズキ


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Kurt Suzuki (フルネーム/Kurt Kiyoshi Suzuki)

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1983-10-04生|180cm95kg|捕手 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ハワイ州ワイルク

ドラフト/2004年OAK2巡目(全体67位)指名

メジャーデビュー/2007-6-12
■選手紹介

日系人かつ大谷翔平の同僚のため日本でも知名度抜群のベテラン捕手。もともとキャッチングに問題があり、近年の年齢による守備の衰えは投手陣に大きな負荷をかけている。2022年はエンゼルスと再契約してもらえたが、これがメジャー契約のラストチャンスとなるかもしれない。

地元ハワイの高校を卒業したスズキは、ハワイを離れて名門カリフォルニア州立大フラートン校で活躍。ジョニー・ベンチ賞(最も優れたキャッチャーに贈られる賞)に3年連続で選ばれた。ジュニア(3年生)ではカレッジワールドシリーズの決勝戦で、スズキの勝ち越しタイムリーヒットによって全米制覇を成し遂げた。個人としても同年から制定されたブルックス・ウォレス賞に選ばれ、初代受賞者として球史に名前が残った。

2004年にドラフト2巡目でオークランド・アスレチックスに入団。2007年にメジャーデビューを果たすと、翌年途中から正捕手に定着。2012年以後はワシントン・ナショナルズ(2度)、ミネソタ・ツインズ、アトランタ・ブレーブスを渡り歩いた。2019年にプレーしたナショナルズでは初めてチャンピオンリングを手にした。

キャッチャーの中では比較的バッティングが良く、インサイドワークも悪くなかった。ベテランになっても経験を買われ、丁度良いバックアップ捕手として買い手に恵まれていた。さすがに40歳近くに差し掛かると攻守両面に衰えを隠せず、特にフレーミングの酷さはメジャー最低レベルで、「フレーミングをする気がまったく無い」捕球の動画が話題になることもあった。また、2021年は大谷の登板日にスズキも先発出場することが多く、日本人ファンの間で不満の声が上がっていた。

スズキは母方の祖母が名古屋市出身の日系3世。腕のタトゥーは漢字で"鈴木"と彫ってある。2007年には同じハワイ出身のシェーン・コミネとバッテリーを組んだが、ハワイアンバッテリーは意外にもメジャー史上初だった。慈善活動にも積極的で2012年にカートスズキファミリー財団を設立した。2018年にはロベルト・クレメンテ賞のファイナリストに選ばれている。

寄稿日:2022-05-19 最終更新日:2022-05-19
オールスター:1回(14)

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

2007 OAK 68 213  53 13 0  7 39 24 3 39  0 .249 .327 .408

2008 OAK 148 530 148 25 1  7 42 44 11 69  2 .279 .346 .370

2009 OAK 147 570 156 37 1 15 88 28 8 59  8 .274 .313 .421

2010 OAK 131 495 120 18 2 13 71 33 12 49  3 .242 .303 .366

2011 OAK 134 460 109 26 0 14 44 38 7 64  2 .237 .301 .385

2012 OAK 75 262  57 15 0  1 18  9 3 53  1 .218 .250 .286

2012 WSH 43 146  39  5 0  5 25 11 2 20  1 .267 .321 .404

2013 WSH 79 252  56 11 1  3 25 20 3 32  2 .222 .283 .310

2013 OAK 15  33  10  2 0  2  7  2 0  3  0 .303 .343 .545

2014 MIN 131 452 130 34 0  3 61 34 9 46  0 .288 .345 .383

2015 MIN 131 433 104 17 0  5 50 29 7 59  0 .240 .296 .314

2016 MIN 106 345  89 24 1  8 49 18 5 48  0 .258 .301 .403

2017 ATL 81 276  78 13 0 19 50 17 13 39  0 .283 .351 .536

2018 ATL 105 347  94 24 0 12 50 22 13 43  0 .271 .332 .444

2019 WSH 85 280  74 11 0 17 63 20 6 36  0 .264 .324 .486

2020 WSH 33 111  30  8 0  2 17 11 4 19  1 .270 .349 .396

2021 LAA 72 219  49  8 0  6 16 12 11 44  0 .224 .294 .342


ジャック・メイフィールド


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Jack Mayfield (フルネーム/David Jack Mayfield)

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1990-09-30生|180cm86kg|三塁手、遊撃手 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 テキサス州デルリオ

プロ入り/2013年6月HOU契約

メジャーデビュー/2019-5-27
■選手紹介

ドラフト外でプロ入りしてビッグリーグまで辿り着いたユーティリティ。メジャーリーガーとして崖っぷちにいた2021年、球宴後だけで10本塁打を放ち、メジャー定着へ活路を見い出している。妻と2人の息子の4人家族で、ジャックの妻の名前はジャッキー、長男はジャクソン。

テキサス州デル・リオ出身のメイフィールドは、メキシコとの国境から6kmしか離れていない町で生まれた。母はヒスパニック系。地元のデル・リオ高校で野球をやり、通算打率.400超を記録し、地区代表に3年連続で選ばれた。その後オクラホマ大学に進学して卒業までプレーした。2年間は二刀流で、投手として65回2/3・防御率2.88を記録しているが、ヒジの手術でボルトを入れた影響から内野手専任になった。

大学在学中のドラフトでは、なぜかどこからも指名されず、最終的にヒューストン・アストロズにドラフト外で契約した。有望株の扱いは受けなかったが、徐々に階級を上がっていく。AA時代に頬骨の骨折で入院する出来事があったが、2019年にメジャーデビューを果たした。

プロ入り時のアストロズはシーズン100敗を繰り返すメジャー最弱球団だったが、メイフィールドがマイナーにいる間に強豪へと成長。鉄壁の内野陣が形成されて出場機会を得られず、2020年オフにDFAとなった。2021年はエンゼルスが獲得→DFA→マリナーズが獲得→DFAとなったところを再びエンゼルスが拾うと、7月以降は三塁手の準レギュラーとして活躍。後半戦に限ると大谷に次ぐ10本塁打を放った。

2022年をメジャー契約で迎えることができたが、エンゼルスはタイラー・ウェイドやアンドリュー・ベラスケス、マット・ダフィーら内野手を補強。生え抜きのルイス・レンヒフォも含めたポジション争いに勝たなければならないが、前年に引き続きバッティングでアピールすれば大いにチャンスはあるだろう。

寄稿日:2022-05-19 最終更新日:2022-05-19
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼ライトフライで飛び出した一塁ランナーからフォースアウトを奪うメイフィールド

▼レギュラーシーズン個人成績

2019 HOU 26  64  10  5 0  2  5  1 0 16  0 .156 .169 .328

2020 HOU 21  42  8  1 0  0  3  2 1 14  0 .190 .239 .214

2021 LAA 75 232  52 14 0 10 36 16 3 58  5 .224 .282 .414

2021 SEA 12  34  6  1 0  0  3  1 0 10  0 .176 .200 .206


アンドリュー・ベラスケス


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Andrew Velazquez (フルネーム/Andrew Velazquez)

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1994-07-14生|175cm77kg|遊撃手、二塁手 右投両打

出身地/アメリカ合衆国 ニューヨーク州ブロンクス

ドラフト/2012年ARI7巡目(全体243位)指名

メジャーデビュー/2018-9-2
■選手紹介

地味だが堅い守備が魅力のミドルインフィールダーで、ニューヨークのブロンクス出身。スイッチヒッター。課題はメジャーレベルだととにかく打てないバッティングに尽きる。

ブロンクスで生まれ育ったベラスケスは、地元のフォーダム高校に通い、センターとショートを守った。最終学年ではニューヨーク・ポスト紙に"オールブロンクス・オブ・ザ・イヤー"に選出された。また、短距離走と高跳びの選手としても大会に出場していた。

バージニア工科大へ進学予定だったが、2012年ドラフトでダイヤモンドバックスの指名を受け入れて入団。2018年にレイズでメジャーデビューした後、インディアンス、オリオールズを経てヤンキースに移籍。地元のメディアから"ブロンクス・キッド"として紹介され、ヤンキースでは珍しい守備の達人っぷりがファンの心を掴んだ。2021年8月にはヤンキースタジアムでキャリア初ホームランを放ち、感動を呼んだ。

2022年からはエンゼルスとマイナー契約。スプリングトレーニングに猛打を見せ開幕メジャーロースター入りを勝ち取った。

新天地では2022年5月現在、出塁率・長打率ともに.300を割る厳しい打撃成績でレギュラーポジションが遠のいている。ただ、シングルAにいた2014年に74試合連続出塁のマイナーリーグ記録を打ち立てている。パワーも無いわけではなく、果たしてメジャーへ適応できる時が来るだろうか?

寄稿日:2022-05-19 最終更新日:2022-05-19
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼シンダーガードもビックリの守備力を誇るベラスケス

▼家族が涙したブロンクス産ベラスケスのキャリア初HR

▼レギュラーシーズン個人成績

2018 TB  13  10  3  1 0  0  0  1 1  3  1 .300 .417 .400

2019 TB  10  12  1  1 0  0  0  0 0  6  0 .083 .083 .167

2019 CLE  5  11  1  1 0  0  0  1 0  7  1 .091 .167 .182

2020 BAL 40  63  10  1 1  0  3 10 0 23  4 .159 .274 .206

2021 NYY 28  67  15  4 1  1  6  1 0 23  4 .224 .235 .358


タイラー・ウェイド


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Tyler Wade (フルネーム/Tyler Dean Wade)

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1994-11-23生|185cm85kg|遊撃手、二塁手、三塁手 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州マリエータ

ドラフト/2013年NYY4巡目(全体134位)指名

メジャーデビュー/2017-6-27
■選手紹介

2022年からエンゼルスでプレーすることになった俊足内野手。盗塁の技術が高い。パワー以外はレギュラークラスで選球眼にも優れている。新天地ではユーティリティとしての役割が期待されるが、チーム状況次第ではレギュラー確保もありうる。

エンゼル・スタジアムから車で1時間ほどにあるマリエータ・バレー高校で活躍。2013年の最終学年では打率.524をたたき出している。サンディエゴ州立大からコミットされていたが、ドラフト4巡目指名を受けたヤンキースに入団した。

2017年に初めてAAAへ昇格し、85試合・打率.310・26盗塁・OPS.842の好成績を残し、6月に初めてメジャー昇格を果たした。マイナーオプションを有する3年間はメジャーとAAAを繰り返し往復したが、2020年は短縮シーズンではあったがフルシーズンをメジャーで過ごした。翌2021年には自己最多の103試合に出場。打率.268・出塁率.354・17盗塁を記録。守備でも内外野6ポジションでスタメン起用され、貴重なユーティリティ・プレーヤーとしての地位を築いたが、ルール5ドラフトの有望株流出対策に伴いDFAとなった。

2022年は開幕からアクティブ・ロースター入りを果たし、アンドリュー・ベラスケスやマット・ダフィー、ジャック・メイフィールドら似たタイプの内野手とポジションを争うが頭一つ抜き出ている。また、5月にはデービット・フレッチャーが故障離脱しており、ヤンキースでは成しえなかったショートでのレギュラー確保も不可能ではない。

なお、ロサンゼルスのチームに移籍したウェイドだが、ロサンゼルス近郊育ちなのにニューヨーク・ヤンキースのファンである。子供時代に旧ヤンキースタジアムを訪れたことがきっかけで宗旨替えした。

寄稿日:2022-05-19 最終更新日:2022-05-19
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

2017 NYY 30  58  9  4 0  0  2  5 0 19  1 .155 .222 .224

2018 NYY 36  66  11  4 0  1  5  4 0 23  1 .167 .214 .273

2019 NYY 43  94  23  3 1  2 11 11 1 28  7 .245 .330 .362

2020 NYY 52  88  15  3 0  3 10 12 3 22  4 .170 .288 .307

2021 NYY 103 127  34  5 1  0  5 16 1 37 17 .268 .354 .323