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コリン・レイ


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Colin Rea (フルネーム/Colin D. Rea)

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1990-07-01生|196cm107kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 アイオワ州カスケード

ドラフト/2011年SD12巡目(全体383位)指名

メジャーデビュー/2015-8-11
■選手紹介

2021年と22年にソフトバンクホークスに所属した先発投手。"Rea"と綴って"レイ"と発音する。同じ球団に出戻ってプレーするのを何回か繰り返している。

2011年に12巡目指名でサンディエゴ・パドレスから指名を受けてプロ入りしたレイは、15年にメジャーデビュー。先発ローテーションに食い込み、メジャーに定着しつつあったが、翌16年のレギュラーシーズン中にマイアミ・マーリンズに一度トレードされた。

マーリンズ移籍後最初の試合で右ヒジを壊し、トミー・ジョン手術が必要な重症を負った。トレードの際、パドレスがメディカルレポートにレイのヒジの状態を意図的に書かなかったとしてマーリンズ側が抗議。結果、トレードは無効となり、この1試合に登板しただけでパドレスに送り返された。同年シーズンオフにトミー・ジョン手術を受けた後DFAとなったレイが、新天地のシカゴ・カブスでメジャー復帰するまでに4年の歳月を費やした。

2021年にはソフトバンクと契約を結んだが、コロナ禍で開幕から2か月遅れて合流した。そのうえ、東京五輪期間にアメリカに一時帰国したが、さなかに夫人が早産のため来日が難しくなり、6試合の先発実績を残して退団することになった。翌22年には再度ソフトバンクと1年契約を結び、23試合の先発登板で5勝6敗・防御率3.96を記録した。

2度目のソフトバンク退団の後、2023年からはブリュワーズとマイナー契約。ブリュワーズは最初のソフトバンク退団後にメジャー復帰を果たした球団で、別のチームを経て出戻るのはパドレス、SBホークスに次ぐ3球団目となった。開幕時はマイナーで迎えたものの程無くしてメジャー26人枠を勝ち取り先発ローテの一角に食い込んだ。23年シーズンの初めての登板では、ソフトバンク時代に同僚だったニック・マルティネスと投げ合っている。

球種は多彩。3種類のファストボール(カッター、ツーシーム、フォーシーム)を6割程度使い、スライダー、カーブ、スプリットを満遍なく織り交ぜるピッチングをする。スライダーは22年にドライブラインで新たに取得したスイーパータイプのもの。ただ、今のところ変化量は平均以下で通用しているとは言い難く、ほかの球種もスプリット以外は空振りが取れず痛打されている。

寄稿日:2023-04-30 最終更新日:2023-04-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2015 SD  6 2 2 0  4.26 31.2 29 15  2 11 1 26 1.26 2.36

2016 SD  19 5 5 0  4.98 99.1 101 55 12 44 8 76 1.46 1.73

2016 MIA  1 0 0 0  0.00  3.1  1  0  0  0 0  4 0.30  ∞

2020 CHC  9 1 1 0  5.79 14.0 15  9  3  2 0 10 1.21 5.00

2021 MIL  1 0 0 0  7.50  6.0  7  5  2  0 0  5 1.17  ∞


デビン・ウィリアムズ


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Devin Williams (フルネーム/Devin Terran Williams)

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1994-09-21生|188cm91kg|リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ミズーリ州セントルイス

ドラフト/2013年MIL2巡目(全体54位)指名

メジャーデビュー/2019-8-7
■選手紹介

2023年のWBCアメリカ代表で日本戦にも登板したリリーフ右腕。空気を切り裂く様を表した"エア・ベンダー"と呼ばれるチェンジアップの使い手で知られている。ウィリアムズのチェンジアップはサークルチェンジの握りで強烈なシュート回転をかけ、スクリューボールのような独特の軌道を描く、分かっていても打てないマネーピッチである。2021年にはチームが地区優勝した夜、興奮しすぎて利き手で壁を殴り骨折してしまいポストシーズンを棒に振ったお茶目な(?)一面も持っている。

【球歴】
アメリカ・ミズーリ州で生まれ育ったウィリアムズは、高校時代から高いスポーツの才能を見せ、2013年のドラフトで高校生ながら2巡目(全体54位)で指名された。マックス・シャーザーらを輩出した超強豪ミズーリ大学に進学予定だったが、オーバースロットとなる契約金135万ドルでブリュワーズに入団した。

マイナーでは先発投手として投げていたが、2017年に右ヒジの尺側側副靱帯の断裂でトミー・ジョン手術を受けた。リリーバーに転向して復帰した2019年にトリプルAでの好投をそのままにメジャーデビューを果たし、翌20年に突如ブレイク。短縮シーズンではあったが22試合に登板して防御率0.33・K/9=17.7の驚異的な数字を残してナ・リーグ新人王を獲得。サイ・ヤング賞やMVPの選定では得票もあった。

翌年以降もセットアップマンとして申し分ない成績を残しているが、2022年途中に左腕クローザーのジョシュ・ヘイダーが放出されたため、以降クローザーを担っている。23年のWBCではアメリカ代表に選抜。いまやメジャーを代表するリリーバーとしての地位を築いた。

ファストボールは4シームを投げている。デビュー時は95~97マイル出ていたが年々球速が低下。2022年は93.9マイルに留まっているが、球持ちが良いのとエア・ベンダーの割合を増やして打ち取っている。たまにしか使っていなかったスライダーを封印しカットボールを持ち球に加えたがスライダー以上にほぼ使わない。観戦中に見られたら相当レアである。

【その他】
野球よりサッカー好き疑惑があるメジャーリーガーの1人。高校時代は類まれな運動能力でサッカーとバスケットボールもやっていたが、特にサッカーに熱を入れていた。2018年のトミー・ジョン手術のリハビリをやっていた時期には、大学に入りなおしてサッカーをやろうと考えていたこともあった。

寄稿日:2023-04-30 最終更新日:2023-04-30
オールスター:1回(22)

主な表彰:ALL-MLB 2nd1回(20), 新人王1回(20), 最優秀救援投手1回(20),

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2019 MIL 13 0 0 0  3.95 13.2 18  6  2  6 2 14 1.76 2.33

2020 MIL 22 4 1 0  0.33 27.0  8  1  1  9 1 53 0.63 5.89

2021 MIL 58 8 2 3  2.50 54.0 36 15  5 28 2 87 1.19 3.11


クリスチャン・イエリッチ


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Christian Yelich (フルネーム/Christian Stephen Yelich)

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1991-12-05生|191cm88kg|左翼手 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州サウザンドオークス

ドラフト/2010年FLO1巡目(全体23位)指名

メジャーデビュー/2013-7-23
■選手紹介

急に成績を落としてファンを困惑させている元ナ・リーグMVP。大ブレイク以前から背中や腰の痛みで故障離脱を繰り返していて、スイング時に強く踏み込めなくなったことが影響している。ただその急落っぷりは禁止薬物やサイン盗みを疑われることがあるほどで、過去にビジターでの打撃成績が極端に悪かったり、ダルビッシュ有からは打席中の視線を怪しまれてゴミ箱疑惑をかけられたりした。なお、5chでは家富豪の愛称で呼ばれることがある。

ロサンゼルスに近いサウザンドオークスで生まれたイエリッチは高校時代にオールアメリカの2ndチームに選ばれるほどの逸材だった。2010年に高校生ながらドラフト1巡目(全体23位)指名を受け、フロリダ・マーリンズに入団した。

チームがマイアミ・マーリンズに名前を変えた翌2013年、21歳の若さでメジャーデビューを果たすと、14年はレフトの定位置を確保しフルシーズンをメジャーで過ごした。マーリンズでは高い打率と出塁率が期待できる中距離打者のイメージだったが、2018年にブリュワーズに移籍すると突如スラッガーに変身。同年には打率.326・36本・110打点・OPS1.000・rWAR7.3を記録してMVPを受賞。翌19年も打率.329・44本・OPS1.100とさらに長打を増やし、rWAR7.0でMVP得票2位となった。

2年連続の大活躍にブリュワーズは2020年開幕前、原契約に延長する形で9年2億1500万ドルの大型契約を結んだ。しかし、コロナ禍の短縮シーズンとなった2020年は打率.205と不振を極め、21年は117試合でわずか9本塁打と急激にパワーが低下した。2023年現在もかつての打力が戻る気配がなく不良債権となりつつある。

2017年にWBCのアメリカ代表だったイエリッチが3年後、再びWBCの代表メンバーに選ばれるぐらいの打棒復活を期待したい。なお、イエリッチは母方の祖父が日本人である日系選手だが恐らくWBCの出場資格は無いはずで、イエリッチを日本代表に…的なニュース記事があったら気を付けてもらいたい。

寄稿日:2023-04-30 最終更新日:2023-04-30
オールスター:2回(18,19)

主な表彰:ALL-MLB 1st1回(19), MVP1回(18), ゴールドグラブ賞1回(14), シルバースラッガー賞3回(16,18,19), ハンク・アーロン賞2回(18,19),

タイトル:首位打者2回(18,19),

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2013 MIA 62 240  69 12 1  4 16 31 1 66 10 .288 .370 .396

2014 MIA 144 582 165 30 6  9 54 70 3 137 21 .284 .362 .402

2015 MIA 126 476 143 30 2  7 44 47 2 101 16 .300 .366 .416

2016 MIA 155 578 172 38 3 21 98 72 4 138  9 .298 .376 .483

2017 MIA 156 602 170 36 2 18 81 80 6 137 16 .282 .369 .439

2018 MIL 147 574 187 34 7 36 110 68 7 135 22 .326 .402 .598

2019 MIL 130 489 161 29 3 44 97 80 8 118 30 .329 .429 .671

2020 MIL 58 200  41  7 1 12 22 46 1 76  4 .205 .356 .430

2021 MIL 117 399  99 19 2  9 51 70 3 113  9 .248 .362 .373


ウェイド・マイリー


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Wade Miley (フルネーム/Wade Allen Miley)

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1986-11-13生|188cm100kg|先発 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 ルイジアナ州ハモンド

ドラフト/2008年ARI1巡目追補(全体43位)指名

メジャーデビュー/2011-8-20
■選手紹介

サービスタイムが11年を超えるベテラン先発左腕(2023年開幕時点)。デビューしてから途中何年間か打ち込まれる年が続いたが、ずっと先発で投げ続けている。23年からは5年ぶりにミルウォーキー・ブリュワーズで投げることになった。

アメリカ・ルイジアナ州に生まれブレーブスファンとして育ったマイリーは、2008年のドラフトで1巡目追加補完(全体43位)でアリゾナ・ダイヤモンドバックスに入団。2011年にメジャーデビューすると、翌年は開幕ローテを掴んでオールスターに選出されるなどシーズンを通して活躍。16勝11敗・防御率3.33の素晴らしい実績を残した。新人王にふさわしい成績ではあったが、同年はブライス・ハーパーのデビューイヤーであり、ナ・リーグ新人王争いは僅差でハーパーに敗れ2位にとどまった。(5位には青木宣親がランクインした。)

Dバックスに欠かせない主力投手となったマイリーだったが、投球内容はジリ貧になっていく。ブレイクした2012年から5年連続で防御率が悪化し、投球イニング数も徐々に減らしていった。15年に所属したレッドソックスでは前半に打たれまくった印象が強く、降板を促されて監督と衝突したり、ファンからのブーイングがひときわ大きく苦しむキャリアを象徴していたシーズンだった。

しかし、2018年にマイナー契約で入団したブリュワーズでは配球を見直したことが功を奏した。シーズンの半分程度の稼働だったが16試合に先発して防御率2.57を残した。翌19年にはデータ活用に長けるアストロズに加入すると、球団主導でカットボールを軸にしたスタイルへと変貌を遂げ、3年ぶりに規定投球回をクリアし14勝6敗と完全復活。レッズに移籍したあとの2021年には、自身初のノーヒッターや週間MVPを受賞するなど一線級の先発投手の地位を固めていった。

2023年現在の投球スタイルは130km/h台後半のカットボールを主体に、140km/h前半のフォーシーム、スライダー、チェンジアップ、カーブを投じる。最近はマシになったが対右打者に分が悪い。また、牽制がうまいため23年から適用の新ルールへの影響が少ないのは優れた点だ。

寄稿日:2023-04-29 最終更新日:2023-04-29
オールスター:1回(12)

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2011 ARI  8 4 2 0  4.50 40.0 48 20  6 18 0 25 1.65 1.39

2012 ARI 32 16 11 0  3.33 194.2 193 72 14 37 2 144 1.18 3.89

2013 ARI 33 10 10 0  3.55 202.2 201 80 21 66 4 147 1.32 2.23

2014 ARI 33 8 12 0  4.34 201.1 207 97 23 75 4 183 1.40 2.44

2015 BOS 32 11 11 0  4.46 193.2 201 96 17 64 4 147 1.37 2.30

2016 SEA 19 7 8 0  4.98 112.0 117 62 18 34 3 82 1.35 2.41

2016 BAL 11 2 5 0  6.17 54.0 70 37  7 15 3 55 1.57 3.67

2017 BAL 32 8 15 0  5.61 157.1 179 98 25 93 4 142 1.73 1.53

2018 MIL 16 5 2 0  2.57 80.2 71 23  3 27 5 50 1.21 1.85

2019 HOU 33 14 6 0  3.98 167.1 164 74 23 61 5 140 1.34 2.30

2020 CIN  6 0 3 0  5.65 14.1 15  9  1  9 2 12 1.67 1.33

2021 CIN 28 12 7 0  3.37 163.0 166 61 17 50 3 125 1.33 2.50


グリフィン・キャニング


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Griffin Canning (フルネーム/Griffin Alexander Canning)

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1996-05-11生|188cm82kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州ミッションビエホ

ドラフト/2017年LAA2巡目(全体47位)指名

メジャーデビュー/2019-4-30
■選手紹介

今季復活を期す先発投手。短縮シーズンながら先発ローテを守った2020年にゴールドグラブを受賞も、その後のケガでスぺ体質との烙印を押されてしまっている。

キャニングはエンゼルスタジアムからほど近い、オレンジ郡のミッションビエホで生まれた。大学はUCLAに通いエンゼルスに入団・メジャーデビューした正真正銘の地元っ子である。UCLAではエースとして君臨し、ゴールデン・スパイク賞のセミファイナリストの実績を引っ提げドラフト2巡目でプロ入りした。

2018年にA+からスタートしたキャニングはマイナー各階級で好投。AAのモバイル・ベイベアーズでは2度の継投ノーヒッターに絡み、翌年のプロスペクトランキングでは63位(メジャー公式)に急上昇。翌19年は開幕からAAAで3試合を投げ防御率0.56・WHIP0.938・与四球率1.1。マイナーでやることがなくなり1年ちょっとでメジャーに到達した。

短縮シーズンとなった2020年に開幕から先発として投げ続け、防御率3.99を記録。同年は新型コロナによる影響でレギュラーシーズンは同地区内のチームでしか対戦しなかったため、ゴールドグラブの選考がデータに基づいて決められた。結果、両リーグ合わせて11人(18人中)が初受賞となり、キャニングもその1人となった。ちなみにア投手のファイナリストには前田健太もノミネートされていた。

21年は夏場に腰椎を疲労骨折し、それに関連して背中を痛めて戦線離脱。22年シーズン終了まで投げられず、19年に右ひじの故障でシャットアウトになった過去もあって故障に弱い選手のイメージが定着してしまった。

2023年はスプリングトレーニングで平均球速は95マイルを計時。健康体をアピールしていたのも束の間、開幕直前になって鼠径部の痛みであえなく負傷者リストで開幕を迎えることになった。復帰後は一度手放した先発ローテの座の奪還を誓う。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:ゴールドグラブ賞1回(20),

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2019 LAA 18 5 6 0  4.58 90.1 80 46 14 30 8 96 1.22 3.20

2020 LAA 11 2 3 0  3.99 56.1 54 25  8 23 1 56 1.37 2.43

2021 LAA 14 5 4 0  5.60 62.2 65 39 14 28 1 62 1.48 2.21


アーロン・ループ


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Aaron Loup (フルネーム/Aaron Christopher Loup)

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1987-12-19生|180cm95kg|リリーフ 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 ルイジアナ州レースランド

ドラフト/2009年TOR9巡目(全体280位)指名

メジャーデビュー/2012-7-14
■選手紹介

トレード下手のエンゼルスがリスクを冒して獲得した元・左殺し専門のリリーバー。2012年からメジャーでプレーしており22年にサービスタイムが10年を超えた。

【球歴】
少年時代にブレーブスの先発3本柱を目標にしてきたループは、2009年に地元ルイジアナ州の大学からトロント・ブルージェイズへドラフト9巡目で入団した。11年にシングルA+で打ち込まれて自信を失いかけていたループに投手コーチがサイドスローに挑戦させ、これがキャリアを好転させた。

スライダーとシンカーのキレが良くなり、A+で防御率が一時期7点台だったときから1年ちょっとでメジャーに到達。対左打者で積極的に起用され、シチュエーショナル・レフティの座を確固たるものにした。

2020年にルール改正があり、最低3人投げなければイニング途中に交代できなくなった。右打者対策にチェンジアップを磨き、21年にキャリア最高の防御率0.95の好成績をマーク。オフにエンゼルスから2年1700万ドル+球団オプションの好契約を獲得した。

22年のシーズン序盤は前年と変わらぬ好調を維持していたが、チームが泥沼の14連敗を喫したのと同調するかのようにループも打たれ始め、シーズン後半の防御率は4点台に終わった。慣れないセットアップマンの役割を担ったせいか、もしくは年齢による衰えなのかは23年シーズンに判明する。

【その他】

ベースボール・リファレンスによるとエアリン・ループと発音するらしいが、そのような表記をしている日本語サイトは皆無。MLB名鑑.comも右に倣えでアーロンと表記している。

三冠王の声も上がるほど好調だったフレディ・フリーマンにぶつけて骨折させてしまったことでクラッシャーと揶揄された。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2012 TOR 33 0 2 0  2.64 30.2 26  9  0  2 0 21 0.91 10.5

2013 TOR 64 4 6 2  2.47 69.1 66 19  5 13 7 53 1.14 4.08

2014 TOR 71 4 4 4  3.15 68.2 50 24  4 30 6 56 1.17 1.87

2015 TOR 60 2 5 0  4.46 42.1 47 21  6  7 6 46 1.28 6.57

2016 TOR 21 0 0 0  5.02 14.1 15  8  2  4 3 15 1.33 3.75

2017 TOR 70 2 3 0  3.75 57.2 59 24  4 29 6 64 1.53 2.21

2018 TOR 50 0 0 0  4.54 35.2 44 18  4 13 3 42 1.60 3.23

2018 PHI  9 0 0 0  4.50  4.0  4  2  0  1 1  2 1.25 2.00

2019 SD  4 0 0 0  0.00  3.1  2  0  0  1 1  5 0.90 5.00

2020 TB  24 3 2 0  2.52 25.0 17  7  3  4 3 22 0.84 5.50

2021 NYM 65 6 0 0  0.95 56.2 37  6  1 16 4 57 0.94 3.56


パトリック・サンドバル


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Patrick Sandoval (フルネーム/Patrick Jordan Sandoval)

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1996-10-18生|191cm86kg|先発 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州ミッションビエホ

ドラフト/2015年HOU11巡目(全体319位)指名

メジャーデビュー/2019-8-5
■選手紹介

大谷翔平の同僚として日本でも有名な先発左腕。2023年のWBCのメキシコ代表に選ばれ、準決勝で日本打線を苦しめたのは記憶に新しい。サウスポーが多いエンゼルス先発陣の柱としてこれまで以上の活躍が期待される。

メキシコ人の父親を持つサンドバールは、エンゼルスの本拠地に近いカリフォルニア州オレンジ郡で生まれ、8歳のときに挑戦して以来ピッチャーとしてプレーするようになった。高校も地元に通い、野球とフットボールを両立させ、高校卒業時にはエンゼルスの同僚のグリフィン・キャニングらとともにオレンジ郡を代表するプレイヤーとして注目を集めた。

高校卒業後は南カリフォルニア大学(当初はバンダービルト大学だった)から内定をもらっていたが、ドラフト指名されたヒューストン・アストロズに入団を決めた。11巡目指名だったが標準を80万ドル以上上回る90万ドルの契約金をゲtット。当時のドラフト10巡目以下のオーバースロット額の最高記録だった。入団4年目の2018年、マーティン・マルドナドとの交換トレードでエンゼルスに移籍した。

翌19年にデビューし、メジャー初昇格を果たすと、毎年登板機会を増やし続け、22年にブレイク。27試合の登板で6勝9敗と負け越したが防御率2・91の好成績をマーク。8月のタイガース戦にはマダックス(100球未満の完封)を成し遂げた。

ピッチングはファストボールの平均球速93マイルほどだが、チェンジアップ、スライダー、カーブを制球よく投げ分ける。新人の頃はフォーシーム主体だったところをシンカー中心にシフトしてごろ打球比率をアップさせた。コントロールは決して悪くないが三振狙いで決めきれず歩かせるケースがあり、与四球率の改善が課題になっている。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2019 LAA 10 0 4 0  5.03 39.1 35 22  6 19 1 42 1.37 2.21

2020 LAA  9 1 5 0  5.65 36.2 37 23 10 12 0 33 1.34 2.75

2021 LAA 17 3 6 1  3.62 87.0 69 35 11 36 4 94 1.21 2.61


ライアン・テペラ


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Ryan Tepera (フルネーム/Dennis Ryan Tepera)

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1987-11-03生|185cm88kg|リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 テキサス州ヒューストン

ドラフト/2009年TOR19巡目(全体580位)指名

メジャーデビュー/2015-5-10
■選手紹介

グラウンド外で2度有名になったことがあるリリーフ右腕。2022年から2年1400万ドルでエンゼルスに迎え入れられた。移籍初年度はセットアップマンとしては不満の残る成績に終わり、今季は巻き返しを誓っている。

2015年にメジャーデビューしたテペラはトロント・ブルージェイズのセットアップマンとしてはまあまあな成績を残していたが、19年オフにDFA。翌年シカゴ・カブスに拾われると21年に同じシカゴのホワイトソックスに途中移籍し、両チームで防御率2点台をマークして自身の価値を上げた。オフにエンゼルスからリリーバーとしては高額な2年1400万ドルの好待遇で招き入れられた。

1度目に有名になったのはカブス時代の2020年。ナ・リーグのMVP投票で1人の記者がトレイ・ターナー(Turner)を選ぶつもりが誤って1つ上(Tepera)を選択してしまい、テペラに1ポイントが入った。記録上もちゃんとMVP投票18位タイとなっており、1人だけrWAR0.2の平凡な選手が混じっている異様な状態になっている。

2度目はホワイトソックスに移籍した21年のポストシーズン。アストロズと当たった地区シリーズの3戦が終わったあとの会見で、アストロズの再びサイン盗みを疑う発言をした。17年にサイン盗みをしていたことが公になったアストロズだが、21年はテペラが言うような疑惑の根拠がなく、逆にアストロズのモチベーションを高める養分になってしまった。チームは呆気なく敗退、不用意な発言は物議を醸した。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2015 TOR 32 0 2 1  3.27 33.0 23 12  8  6 3 22 0.88 3.67

2016 TOR 20 0 1 0  2.95 18.1 17  6  1  8 3 18 1.36 2.25

2017 TOR 73 7 1 2  3.59 77.2 57 31  7 31 8 81 1.13 2.61

2018 TOR 68 5 5 7  3.62 64.2 55 26  9 24 4 68 1.22 2.83

2019 TOR 23 0 2 0  4.98 21.2 20 12  5  8 0 14 1.29 1.75

2020 CHC 21 0 1 0  3.92 20.2 17  9  2 12 1 31 1.40 2.58

2021 CHC 43 0 2 1  2.91 43.1 22 14  3 12 3 50 0.78 4.17

2021 CWS 22 0 0 1  2.50 18.0 13  5  1  7 1 24 1.11 3.43


タッカー・デービッドソン


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Tucker Davidson (フルネーム/Joseph Tucker Davidson)

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1996-03-25生|188cm98kg|先発、ロングリリーフ 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 テキサス州アマリロ

ドラフト/2016年ATL19巡目(全体559位)指名

メジャーデビュー/2020-9-26
■選手紹介

2022年に抑えのライゼル・イグレシアスの交換トレードでエンゼルス入りした先発左腕。23年は先発6番手兼ロングリリーフで開幕を迎えるが、結果が出なければ早いうちに切られる可能性もある。

テキサス州北部で生まれたデービッドソン。高校では野球のほかアメフトでクォーターバックを務めるアスリートだった。高校卒業後にMLBに入りたかったがドラフトで指名漏れしたため、NAIAに属するミッドランド大学に進学し2年後のドラフト指名を待った。

2016年のプロ入り後は投球フォームとスライダーを改良に成功。順調に昇格し20年シーズン終盤に初昇格を果たす。メジャーデビューまではとんとん拍子だったが初登板では2回持たず7失点の大炎上だった。翌年のレギュラーシーズンでは4試合しか登板機会がなかったが、ワールドシリーズの第5戦に急遽先発登板した。

22年は出場機会を増やすも調子が上がらず、8月にライゼル・イグレシアスとのトレードの駒となりエンゼルスに移籍。新天地でも1勝5敗・防御率6点台と結果を残せなかった。

ファストボールはメジャー平均以上の93~95マイルが出てスライダーもある程度メジャーで使えているが、制球力が悪い。与四球率が多いのも問題だが、空振りをとりたいときに変化球を狙ったところに投げられずにBB/K(与四球と奪三振の比率)が非常に悪い。

2023年はマイナーオプションが切れているデービッドソンが若手より優先して26人ロースターに入る。結果が出ないようだとグリフィン・キャニングやチェイス・シルセスあたりの若手先発候補に代わられる可能性が高く、結構危ない立ち位置にいる。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2020 ATL  1 0 1 0 10.80  1.2  3  2  1  4 0  2 4.20 0.50

2021 ATL  4 0 0 0  3.60 20.0 15  8  3  8 0 18 1.15 2.25


セサール・バルデス


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Cesar Valdez (フルネーム/Cesar Miguel Valdez)

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1985-03-17生|188cm102kg|先発、リリーフ 右投右打

出身地/ドミニカ共和国 首都地区サントドミンゴ

プロ入り/2005年5月ARI契約

メジャーデビュー/2010-5-3
■選手紹介

2023年に38歳となってもまだ先発で投げている大ベテラン。ドミニカ共和国のサントドミンゴ出身で2017・23年のWBCの代表に選ばれている。

2005年に国際FAでアリゾナ・Dバックスと契約し、10年にメジャー初出場を果たすもオフにDFA。ここからジャーニーマンの人生を歩むことになる。

翌年、メジャー3球団をたらい回しになったあと、メキシカンリーグでも3球団でプレー。そこから台湾のラミゴ・モンキーズに移籍するが不振で2か月で解雇。アメリカに戻りアストロズのAAAで12勝1敗の好成績を残すもののメジャーから声はかからなかった。

2017年にWBCのドミニカ共和国代表に選出されると運が向いてきたのか、アスレチックスで7年ぶりにメジャー昇格を果たした。それから再びメキシカンリーグに行ったが2020年にオリオールズで3年ぶりにメジャー復帰し一時はクローザーを任されるほど戦力になった。

2022年からエンゼルスとマイナー契約を結び、AAAで先発投手として待機。メジャー再昇格を待ち続けている。

もともとファストボールは速くないが、近年は投球の80%以上をチェンジアップに頼っている。チェンジアップはグリップを変えることで違う変化をさせることができるため、実質3球種以上変化球を持っているようなピッチングをする。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2010 ARI  9 1 2 0  7.65 20.0 29 17  2 10 1 13 1.95 1.30

2017 OAK  4 0 0 0  9.64  9.1 14 10  4  4 0  5 1.93 1.25

2017 TOR  7 1 1 0  6.75 21.1 27 16  3  7 1 16 1.59 2.29

2020 BAL  9 1 1 3  1.26 14.1  7  2  0  3 0 12 0.70 4.00

2021 BAL 39 2 2 8  5.87 46.0 62 30  8 14 1 45 1.65 3.21