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ウォーカー・ビューラー


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Walker Buehler (フルネーム/Walker Anthony Buehler)

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1994-07-28生|188cm84kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ケンタッキー州レキシントン

ドラフト/2015年LAD1巡目(全体24位)指名

メジャーデビュー/2017-9-7
■選手紹介

小柄な体格からは想像できない豪速球が魅力のエース右腕。名門ドジャースの先発ローテーションに欠かせない存在となっている。2024年は自身2度目のトミー・ジョン手術からの復活を目指す。愛称はビューたん、または"フェリス"。

【球歴】
ケンタッキー州レキシントンで生まれ育ち、高校まで過ごした。大学は超名門バンダービルト大へ進学。フレッシュマン(1年生)ながらスターターとして公式戦に出場。ソフモア(2年生)の2014年に12勝2敗・111奪三振・防御率2.64と圧倒的な成績を残し、ダンズビー・スワンソンとともにチームをカレッジワールドシリーズ制覇に導いた。この年は全米に知名度が高かったタイラー・ビーディ(2023年に巨人に在籍)が前年から成績を落としており、1学年上の先輩をフライデースターターの座から引きずり下ろしての大活躍だった。

2015年にドラフト1巡目(全体24位)でドジャースに入団して間もなく右ヒジの靭帯に異常が発覚。1度目のトミー・ジョン手術を受けた。イチから出直しとなったが順調に回復し、トリプルAに到達する頃には先発1~2番手を担える逸材として各媒体に取り上げられるトッププロスペクトになっていた。2018年開幕前のメジャー公式の有望株ランキングでは全体13位に挙げられていた。

2018年から常時ドジャースの先発ローテに入り、毎年防御率3.50以内に収める安定感抜群の投球を継続。絶対的エースのクレイトン・カーショウに次ぐ地位を築いた。2021年には33試合に先発して207回2/3・16勝4敗・防御率2.47・212奪三振の好成績をマーク。自身2度目のオールスター選出、サイ・ヤング賞投票でコルビン・バーンズ、ザック・ウィーラー、マックス・シャーザーに次ぐ4位にランクインした。

翌年のシーズン開幕前、デーブ・ロバーツ監督はビューラーを開幕投手に指名。ドジャースでは2010年の元SBのビセンテ・パディーヤ以来、12年ぶりにカーショウがアクティブな状態でカーショウ以外の投手が開幕投手を務めることが決定(※19~20年は故障離脱中により別の投手が先発)。故障者リスト入りが目立つようになっていたカーショウから、名実ともにエースの称号が移った瞬間だった。

その2022年はシーズン序盤に無四球108球でキャリア初完封勝利をマークするなど、エースの肩書にふさわしいピッチングをしていたが、シーズン中に右ヒジを故障。自身2度目のトミー・ジョン手術を受けるに至った。23年の終盤に復帰を目指していたが、マイナーでの中4日のリハビリ登板間の回復が思わしくなく、改めて24年シーズンに完全な状態で再スタートすることになった。

【その他】
ビューラーの生まれ故郷レキシントンはキーンランド競馬場があり、有数のサラブレッドの生産地と知られている。数多くの牧場が存在し、全米の1/3の勝ち馬がレキシントン産というデータがあるほど盛んな町である。ビューラーも競馬ファンとして育ち、2020年には自身が小口馬主になっているオーセンティックが勝利したレースを観戦した。また、結婚相手は地元の高校時代のクラスメイトのため、レキシントンに居を構えた。

寄稿日:2024-02-26 最終更新日:2024-02-26
オールスター:2回(19,21)

主な表彰:ALL-MLB 1st1回(21),

タイトル:なし

▼2022年に無四球でキャリア初完封を飾るウォーカー・ビューラー

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2017 LAD  8 1 0 0  7.71  9.1 11  8  2  8 0 12 2.04 1.50

2018 LAD 24 8 5 0  2.62 137.1 95 40 12 37 6 151 0.96 4.08

2019 LAD 30 14 4 0  3.26 182.1 153 66 20 37 7 215 1.04 5.81

2020 LAD  8 1 0 0  3.44 36.2 24 14  7 11 1 42 0.95 3.82

2021 LAD 33 16 4 0  2.47 207.2 149 57 19 52 6 212 0.97 4.08


ジェイソン・ヘイワード


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Jason Heyward (フルネーム/Jason Alias Heyward)

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1989-08-09生|196cm109kg|外野手 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 ニュージャージー州リッジウッド

ドラフト/2007年ATL1巡目(全体14位)指名

メジャーデビュー/2010-4-5
■選手紹介

若干20歳の頃から常時メジャーの試合に出続けているベテラン外野手。特に外野守備が抜群に優れ、5度のゴールドグラブ受賞歴がある。メジャーデビューした頃の注目度はホアン・ソトに匹敵するほど大きいものだったが、期待値や年俸に見合った打撃成績を残せず、批判を受けるシーズンが続いた。マイナー契約から出直した2023年は3年ぶりにOPS.800超をマーク。クラブハウスではリーダーシップも発揮し、名門ドジャースに欠かせないピースとなった。

ニュージャージー州で生まれ、間もなくアトランタ都市圏に引っ越したヘイワードは幼いころからアスリートとして非凡な才能を見せていた。高校から野球に専念し、2年までは投手を兼任していたが上腕のケガで野手専任に。外野手でプレーした3年次にオールアメリカンに選出された。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)への進学が内定していたが、地元アトランタ・ブレーブスからドラフト1巡目指名を受け、熟考の末プロ入りを決断した。

入団後マイナー3年間で毎年打率3割をマークし、もはやマイナーで勉強すべきことがなくなった。2010年4月、19歳でメジャーデビューすると初打席でホームラン。新人王投票では高校時代にジョージア州内のライバルだったバスター・ポージーにわずかに及ばなかったが、オールスターに出場、打率.277・18本塁打・OPS.849の好成績を収めた。

2年目に松井稼頭央以来メジャー2人目となる、デビューから2年連続初打席ホームランを放つが、この年から故障で万全のコンディションが整わないままプレーするキャリアが続くことになる。ブレーブスで5年、セントルイス・カージナルスで1年在籍後にFAとなり、シカゴ・カブスに8年1億8400万ドルの大型契約で入団した。入団会見の際に言葉が足りず、カージナルスに対してネガティブな発言ととらえられてしまい禍根を残すことになった。

カブスでは2016年に山羊の呪いを解く世界一に貢献。ワールドシリーズではリーダーシップを発揮していたと称賛されている。ただ数字の面では短縮シーズンの2020年以外、OPSが.750を超えたシーズンが1度(19年のOPS.772)しかなく、常連だったゴールドグラブ賞も2017年を最後に縁が無くなり、2021年以降は若手に出場機会を奪われていった。22年には右ヒザの炎症で夏場に故障者リスト入りしたままシーズンが終わり、契約を1年残してカブスを追い出された。

初めてスプリングトレーニングを招待選手の立場で迎えたヘイワードは、打撃改造が奏功し開幕ロースター入りを果たした。主に対右投手用のプラトーン要員の役割を担い、124試合に出場して打率.269・15本塁打・OPS.813をマーク。2ケタ本塁打は21本塁打を放った2019年以来4年ぶり。OPS.800超は短縮シーズンを除くとブレーブス時代の2012年以来となる11年ぶりのことだった。かつてはメジャートップレベルの優秀さだった走塁はさすがに30代中盤に差し掛かり下降線に入っているが、外野守備の指標はDRSやOAAがメジャー平均を大きく超え、いまだ一流であることを証明した。ヘイワードの復活はムーキー・ベッツの内野転向を後押しし、ドジャースの戦術にも好影響を与えた。

ところで、ヘイワードは高校時代に仲の良かったチームメイトを交通事故で亡くしたことで、彼の背番号22をプロ入りしてから継続して着用していた。ただし新天地のドジャースでは22番はクレイトン・カーショウが新人から背負っている番号だったため、仕方なく23を付けてプレーしている。

寄稿日:2024-02-26 最終更新日:2024-02-26
オールスター:1回(10)

主な表彰:ゴールドグラブ賞5回(12,14,15,16,17),

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2010 ATL 142 520 144 29 5 18 72 91 10 128 11 .277 .393 .456

2011 ATL 128 396  90 18 2 14 42 51 4 93  9 .227 .319 .389

2012 ATL 158 587 158 30 6 27 82 58 2 152 21 .269 .335 .479

2013 ATL 104 382  97 22 1 14 38 48 8 73  2 .254 .349 .427

2014 ATL 149 573 155 26 3 11 58 67 6 98 20 .271 .351 .384

2015 STL 154 547 160 33 4 13 60 56 2 90 23 .293 .359 .439

2016 CHC 142 530 122 27 1  7 49 54 5 93 11 .230 .306 .325

2017 CHC 126 432 112 15 4 11 59 41 3 67  4 .259 .326 .389

2018 CHC 127 440 119 23 4  8 57 42 2 60  1 .270 .335 .395

2019 CHC 147 513 129 20 4 21 62 68 5 110  8 .251 .343 .429

2020 CHC 50 147  39  6 2  6 22 30 2 37  2 .265 .392 .456

2021 CHC 104 323  69 15 2  8 30 27 3 68  5 .214 .280 .347


エバン・フィリップス


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Evan Phillips (フルネーム/Evan John Phillips)

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1994-09-11生|188cm98kg|リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 メリーランド州ソールズベリー

ドラフト/2015年ATL17巡目(全体510位)指名

メジャーデビュー/2018-7-3
■選手紹介

ドジャースに来て突如ブレイクしたリリーフ右腕。ドジャースが得意とするスライダーの改造・カットボールの習得によりメジャー有数のリリーフピッチャーに成長した。ブルペンでの役割はクローザー・バイ・コミッティにより勝ちパターンならイニングに限らず登場すると思われる。

2015年にアトランタ・ブレーブスからドラフト17巡目で指名されプロ生活をスタート。18年にメジャーデビュー後、ケビン・ゴーズマンを獲得するための交換要員となってシーズン途中にオリオールズにトレードされた。メジャーに定着できるだけの成績を残せず、21年にオリオールズを解雇。2球団目のレイズではアピールする間もなくDFAとなり、その後ドジャースに拾われてリリーバー再生工場に入った。

ドジャースでは、もともと持っていたスライダーは握りを変えてスピン量と横の変化幅を増やし、スイーパーに分類される球種に進化した。さらにカットボールとシンカーをレパートリーに加えた。その結果、弱小チームの生存競争に敗れたリリーバーが1年足らずのうちに常勝ドジャースで最も信頼されるブルペンの柱へと成長した。

本格的にブレイクした2022年は64試合・防御率1.14・77奪三振をマーク。翌年はシーズン途中からクローザーに昇格し62試合・防御率2.05・66奪三振と2年連続で好成績を残した。24年はブレイク・トレイネンらクローザー経験のある投手が戻って来ることもありクローザー・バイ・コミッティ(専任を置かずクローザーを相性や調子などで決めるブルペン戦術)を採用されると予想され、あらゆる勝ちパターンで起用される可能性が高い。

寄稿日:2024-02-26 最終更新日:2024-02-26
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2018 ATL  4 0 0 0  8.53  6.1  6  6  3  4 0  3 1.58 0.75

2018 BAL  5 0 1 0 18.56  5.1  7 11  2  6 1  5 2.44 0.83

2019 BAL 25 0 1 0  6.43 28.0 32 20  2 20 5 40 1.86 2.00

2020 BAL 14 1 1 0  5.02 14.1 14  8  1 10 3 20 1.67 2.00

2021 TB  1 0 0 1  3.00  3.0  3  1  1  0 0  2 1.00  ∞

2021 LAD  7 1 1 0  3.48 10.1  8  4  0  5 1  9 1.26 1.80


アレックス・ベシア


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Alex Vesia (フルネーム/Alexander Victor Vesia)

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1996-04-11生|185cm95kg|リリーフ 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州アルパイン

ドラフト/2018年MIA17巡目(全体507位)指名

メジャーデビュー/2020-7-25
■選手紹介

荒れ気味の投球フォームとコントロールで空振りを誘う、超フライボール系リリーフ左腕。高回転量のフォーシームと曲がりの小さいスライダーのほぼツーピッチで抑える。2021年にドジャースに来てブレイク、強力なブルペン陣の一角を担っている。

ベシアはカリフォルニア州出身で州内の大学に進学。新入生のときから即戦力になりスターターとして結果を残していたが、ドラフトイヤーのジュニア(3年生)シーズンに成績を落とし、もう1年大学でプレーしてからプロ入りした。マイアミ・マーリンズからの17巡目指名だった。

2020年にメジャー初昇格。すべてリリーフで5試合に登板するが被打率.350・防御率18.69・WHIP3.23と派手に打ち込まれ、オフに変則リリーフ右腕のディラン・フローロとのトレードでドジャースに移籍した。

ドジャースでは移籍初年度に突如開花。2021年は41試合・防御率2.25、22年は63試合・防御率2.15と2年続けて好成績を残し、プレーオフでも貴重な左腕として重圧のかかる場面での登板を任された。23年は四球直後に被弾を繰り返し、信頼を若干失った感がある。

投球の7割を占めるフォーシームは、球速はメジャー平均より少し速い94マイルほどだが高スピン量を誇る。いつもど真ん中を狙っているように見えるが、不思議と多く空振りを奪う大事な球種である。スライダーはあえて曲がり幅を小さくしているのか、小さく落ちるような軌道を描く。稀にチェンジアップも投げることもある。

寄稿日:2024-02-26 最終更新日:2024-02-26
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2020 MIA  5 0 1 0 18.69  4.1  7  9  3  7 0  5 3.23 0.71

2021 LAD 41 3 1 1  2.25 40.0 17 10  6 22 2 54 0.98 2.45


テオスカー・ヘルナンデス


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Teoscar Hernandez (フルネーム/Teoscar Jose Hernandez)

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1992-10-15生|188cm93kg|左翼手 右投右打

出身地/ドミニカ共和国 サンチェス・ラミレス州コトゥイ

プロ入り/2011年2月HOU契約

メジャーデビュー/2016-8-12
■選手紹介

粗さはあるが打線の中軸を担うだけの実力があるパワーヒッター。両翼を守り、もともと強肩で鳴らしていて捕殺が多い。外野守備は不安定との評価だったが2023年に指標が向上。30代に入ってから予想外に守備力をアップさせた。またパワーと強肩の陰に隠れているが脚が速かったりする。控えめな性格と言われ、人格面の評判も良い。

ドミニカ共和国出身のヘルナンデスは国際FAでアストロズに入団後、2016年にメジャー初昇格。デビュー戦で左腕フランシスコ・リリアーノからホームランを放ったが、アストロズではマイナーとのエレベーターから抜け出せなかった。

2017年のシーズン途中、そのリリアーノを交換相手にブルージェイズへ放出。このトレードが好転のきっかけとなった。持ち前の強打を開花させ、2020年から2年続けてシルバースラッガー賞を受賞。短縮シーズンとなった2020年はキャリアハイのOPS.919をマーク。翌21年は打率.296・32本塁打・116打点・OPS.870の好成績を残した。

FAを1年後に控えた2023年、ブレージェイズとの契約延長の望みも虚しく、長打力不足のマリナーズに求められてトレード移籍。自己最多の160試合に出場して26本塁打・93打点をマークした一方、選んだ四球は38個、三振はリーグワースト2位の211三振。シーズンオフに「三振を減らす」大号令のもと、マリナーズは打撃の荒い野手を大胆にコストカットしていった。ワースト1位のジーノを対価に見合わぬと悪評のトレードで放出し、ヘルナンデスに対してはクオリファイング・オファーを提示せず、二大巨頭(巨砲)を追い出した。

短縮シーズンの2020年を除いて、2018年にレギュラー野手になって以来6年連続で20本塁打以上を、19年以降は25本塁打以上を記録。バレル率やハードヒット率はメジャー最上位レベルの数字を叩き出しており、コンスタントに長打が期待できるのは大きな強みだ。また、キャリアを通じて左腕に強いのが特徴。マリナーズを追い出され、2024年シーズンから所属するのは勝つために資金を惜しまないドジャース。新戦力の大谷をはじめフレディ・フリーマンら主力に左打者が多く、ヘルナンデスは左腕キラーとしてスター軍団の中でも決して見劣りしない輝きを魅せてくれるだろう。

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:1回(21)

主な表彰:ALL-MLB 2nd1回(21), シルバースラッガー賞2回(20,21),

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2016 HOU 41 100  23  7 0  4 11 11 0 28  0 .230 .304 .420

2017 HOU  1  0  0  0 0  0  0  0 0  0  0 --- --- ---

2017 TOR 26  88  23  6 0  8 20  6 0 36  0 .261 .305 .602

2018 TOR 134 476 114 29 7 22 57 41 3 163  5 .239 .302 .468

2019 TOR 125 417  96 19 2 26 65 45 1 153  6 .230 .306 .472

2020 TOR 50 190  55  7 0 16 34 14 1 63  6 .289 .340 .579

2021 TOR 143 550 163 29 0 32 116 36 7 148 12 .296 .346 .524


マックス・マンシー


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Max Muncy (フルネーム/Maxwell Steven Muncy)

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1990-08-25生|183cm98kg|三塁手、二塁手、一塁手 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 テキサス州ミッドランド

ドラフト/2012年OAK5巡目(全体169位)指名

メジャーデビュー/2015-4-25
■選手紹介

ドジャース移籍を契機にオールスター選手に成り上がった待ち球系スラッガー。内野の複数ポジションを守りながらレギュラーを張っているが、ランナーと交錯したことでヒジを負傷してから明らかに打撃成績を悪化させている。そろそろファースト専任のチームで主軸を打つ方が合いそうだが、2025年まで契約延長した。ここドジャースで打棒復活なるか?

【球歴】
マンシーはテキサスで生まれ育ち、大学もテキサス州のケラー大学でプレーした。高校生のときにドラフト指名を受けているがプロ入りせず、ケラー大で実績を残してアスレチックスからドラフト5巡目で入団。2015年にメジャーデビュー後、複数ポジションを務めながらメジャー定着を目指したが放出された。

新天地のドジャースで2018年にブレイク。これまでは選球眼に優れた中距離ヒッターだったのが35本塁打を放ってレギュラーに、翌年にはオールスターにも選ばれ、一流選手の仲間入りを果たした。

2021年もオールスター選出・36本塁打をマークするも、シーズン最終戦にファーストの守備中にランナーと交錯してヒジを脱臼してしまう。その影響はポストシーズンに出られなかっただけに留まらず、翌年以降のバッティングに大きく響いた。22年は打率.196・21本塁打と低迷。23年はホームラン数は36本だったが打率.212と不満の残る結果が続いている。

これまで圧倒的に強かったフォーシームに対して、2022年以降は凡退するケースが急増した。2018~23年の対フォーシームの打率は.295→.287→.235→.310→.193→.194。特に2023年は高めの速球にバットが空を切る場面が目立ち、対フォーシームのK%もイメージ通り過去最悪の数字だった。

セカンドとサードを中心に複数ポジションを平均レベルに守ってきたが、ベテランの域に入って守備範囲が急激に狭くなった。元々弱肩なこともありファーストにつかせるのがベスト。しかし、フレディ・フリーマンの加入によって完全にサードに回ると、24年は大谷翔平を迎え入れフルタイムでサードを守らざるを得ない状況になった。

【その他】
2021年のドラフト1巡目全体25位に同姓同名のマックス・マンシーという大学生が指名されたが、指名したのが同じチーム(アスレチックス)だっただけでなく2人の誕生日まで同じだったことが話題になった。

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:2回(19,21)

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2015 OAK 45 102  21  8 1  3  9  9 0 31  0 .206 .268 .392

2016 OAK 51 113  21  2 0  2  8 20 0 24  0 .186 .308 .257

2018 LAD 137 395 104 17 2 35 79 79 5 131  3 .263 .391 .582

2019 LAD 141 487 122 22 1 35 98 90 8 149  4 .251 .374 .515

2020 LAD 58 203  39  4 0 12 27 39 4 60  1 .192 .331 .389

2021 LAD 144 497 124 26 2 36 94 83 11 120  2 .249 .368 .527


ギャビン・ラックス


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Gavin Lux (フルネーム/Gavin Thomas Lux)

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1997-11-23生|188cm86kg|遊撃手、二塁手 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 ウィスコンシン州ケノーシャ

ドラフト/2016年LAD1巡目(全体20位)指名

メジャーデビュー/2019-9-2
■選手紹介

膝の大ケガを乗り越えてショートのレギュラーに就きたい元トッププロスペクト。高校時代に全米の年間最優秀選手に選ばれた野球エリートであり、マイナー時代から二遊間のレギュラーになることを期待され続けている。打撃では余計なボール球を振らない能力に長け、送球は怪しいが内野の守備範囲に定評がある。

ラックスはウィスコンシン州出身。地元の高校のスター選手で、高3のときに打率.560を記録。ゲータレード年間最優秀選手賞に選ばれ全国レベルの知名度を得た。ドジャースからドラフト1巡目(全体20位)指名を受け、名門アリゾナ州立大への進学か悩んだ末、プロ入りを選択した。

ラックスの叔父であるオージー・シュミットもかつてドラフト1巡目でプロ入りしている。同じショートを守っていた。ブルージェイズに全体2位の高順位で入団しただったが、後に5度オールスターに選ばれることになる若き日のトニー・フェルナンデス(1年だけ西武ライオンズに在籍)が台頭した時期と重なり、また自身は故障渦に見舞われメジャーに上がることはなかった。

入団後のラックスはマイナーを問題なくクリアし、2020年にはメジャー公式の有望株ランキング2位の評価を受け、今後のキャリアを期待された。しかしドジャースは生え抜きのコーリー・シーガー、途中加入のトレイ・ターナーや他にもショートを守れるスーパーユーティリティを抱え、選手層が厚すぎるドジャースでは出場機会が限られていた。

2022年オフ、ショートのFA市場に大物が溢れていたが翌年の大谷翔平獲得を控え、ドジャースは大型契約が必要な選手の獲得を回避していた。球団もラックスをショートのレギュラーに据えると公式に発表し、ラックスにとって初めてと言って良い大きなチャンスがやってきた。スプリングトレーニングで精力的にアピールしていた矢先、オープン戦で走塁中に2ヶ所のヒザの靭帯を断裂した。WBCに出るはずだったミゲル・ロハスが辞退して年間をショートで出るための再調整を行った。

2024年のスプリングトレーニングでは、再度レギュラー獲りに向けて順調に備えているように映った。長所だったスピードと守備範囲がどれ程回復したかが大いに気になるところ。今年こそはアマチュア時代からの期待値通りの実績を残せるだろうか?

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2019 LAD 23  75  18  4 1  2  9  7 0 24  2 .240 .305 .400

2020 LAD 19  63  11  2 0  3  8  6 0 19  1 .175 .246 .349

2021 LAD 102 335  81 12 4  7 46 41 3 83  4 .242 .328 .364


エメット・シーアン


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Emmet Sheehan (フルネーム/George Emmet Sheehan)

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1999-11-15生|196cm100kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク

ドラフト/2021年LAD6巡目(全体192位)指名

メジャーデビュー/2023-6-16
■選手紹介

2023年にAAで圧倒的な成績を残したため飛び級でメジャー昇格を果たし、一気にドジャースの先発候補に名乗りを上げた若手右腕。24年は負傷者リストの先輩たちが戻ってくる前に実績を積み上げ、名門の先発ローテーションの座を不動のものとしたい。

【球歴】
シーアンはニューヨーク・ブロンクス生まれ。5歳のときにコネチカット州に移り住んで野球を始めた。ベン・カスパリウス(ドジャースから5巡目指名を受け同期入団)とはそこそこ家が近く、リトルリーグを通じて友人になった。高校はニューヨークにあるフォーダム・プレップに3年通った後、再びコネチカット州の高校に転入。高校在学中はドラフト指名がなかったため、誘いがあったボストン大学へ進み文武両道に明け暮れた。

2021年にドジャースから6巡目指名を受け入団。2023年のダブルAで開幕から快進撃を続けた。リハビリ中のホゼ・アルトゥーベから三振を奪うなど圧倒的なピッチングを披露し、評価が急上昇。メジャーではフリオ・ウリアスのDV問題、ジャスティン・メイトニー・ゴンソリンがともにヒジの再手術で先発ローテに大穴が空き、AAAの有望株たちを差し置いて飛び級でメジャー昇格が実現した。もちろん同期入団の誰よりも早い昇格でもあった。

デビュー戦はフレディ・フリーマン、ムーキー・ベッツの両MVPに助けられながら6回ノーヒットに抑える華々しいものとなった。最終的に防御率4.92であったが被打率、奪三振率はメジャー平均以上の数字で、これからも十分にメジャーでやっていける期待を持たせた。

【投球スタイル】
最近トレンドの低いリリースポイントから浮き上がるようなハイファストボールを投げる。球持ちもリーグ平均以上のデータを残している。

95~97マイルのフォーシームはシンカーに近い動きをする。非速球系は2種類のスライダーとチェンジアップを持ち、どれもレベルが高い。落差の大きなチェンジアップは前評判から高かったが、それ以上にハードスライダー(スイーパーに分類されている)が非常に効果的に使えている。2023年はメジャーでも左右両打席でほとんど打たれなかった。マイナーでカーブを捨ててまでして習得した甲斐があった。

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼先輩たちに助けられながらデビュー戦を6回ノーヒットに抑えるシーアン

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

(~2022年メジャー経験なし)


ディエゴ・カルタヤ


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Diego Cartaya (フルネーム/Diego Armando Cartaya)

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2001-09-07生|191cm99kg|捕手 右投右打

出身地/ベネズエラ アラグア州マラカイ

プロ入り/2018年7月LAD契約

メジャーデビュー/メジャー経験なし
■選手紹介

ドジャース傘下No.1プロスペクトだったベネズエラ産有望株キャッチャー。メジャーで30本を打つ捕手になれると期待されていたが、ダブルA級で思わぬ苦戦を強いられ評価を落とした。

2018年に国際FAでドジャースと契約。各種媒体で最高評価を受けていて、250万ドルの高額契約となった。渡米後はシングルA~A+でプレーした2022年にフューチャーズゲーム(マイナーの球宴)に出場、シーズン後にはドジャース傘下の最優秀選手に選ばれた。しかし翌年のAAでは打撃、守備両面でリーグワースト級の成績を残してしまった。とりわけ非速球系の球に対しては全くダメだった。

正捕手ウィル・スミスをいつか脅かす存在とさえ言われたトッププロスペクトも改めて出直しのシーズンとなる。ゲームプランニング、コミュニケーション能力、リーダーシップ、メイクアップといったキャッチャーに必要な資質は依然評価が高いだけに、キャッチャーとして育ってほしい存在だ。

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

(~2023年メジャー経験なし)


ギャビン・ストーン


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Gavin Stone (フルネーム/Gavin Blaine Stone)

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1998-10-15生|185cm79kg|先発、リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 アーカンソー州レイクシティ

ドラフト/2020年LAD5巡目(全体159位)指名

メジャーデビュー/2023-5-3
■選手紹介

メジャー初年度は壁に阻まれた先発の有望株。大学でほとんど使っていなかったチェンジアップとプロ入り後レベルアップしたファストボールを軸に投球を組み立てる。2022年にマイナーで最優秀投手賞を獲得、翌年メジャーデビューもトリプルAでも成績を大きく落とした。まずはメジャー定着を目指す。

セントラルアーカンソー大学でリリーフを中心に投げ、ジュニア(3年生)シーズンに先発に転向。4試合目にノーヒッターを達成したが、コロナパンデミックの影響でこの試合が大学最後の登板となった。2020年のドラフトではドジャースから5巡目(全体159位)指名を受け入団した。大学野球の知名度が低いセントラルアーカンソー大では5巡目は歴代3番目、21世紀に入ってからは最も高い指名順位だった。

この年のドラフトは各球団5巡目までに制限されたシーズンだった。アーカンソー州立大に在籍中の2歳年上の兄コリンも球界入りを目指していたが、コリンの方は2021年まで在学するもドラフトにかからず、独立リーグの球団で1年プレーして引退した。

AA~AAAで過ごした2022年は、マイナーリーグ全体でトップとなる防御率1.48を記録、マイナーの最優秀投手賞(Branch Rickey Minor League Pitcher of the Year)に選出された。しかし23年はAAAでも防御率4.73、メジャーでは防御率9.00、31イニングで8本塁打を浴びメジャーの壁に大いに阻まれた。

【投球スタイル】
速球はプロに入って球威が増したフォーシームとシンカーの2種類。最速は98マイルを計時したがメジャーでは平均94マイルを投げていた。大学時代はほとんど投げていなかったチェンジアップはスプリットに近い握りで、変化量よりスピード差を念頭に置いている。左右どちらにも決め球に使えるクオリティの高い球種だ。スライダーとカットボールは使用頻度が少なく、カーブは封印した。

体格やスタミナ面が先発適正に疑問符を付けられる一方、コマンドは優秀。デビューイヤーに打ち込まれはしたものの制球に困る場面は少なかった。メジャーレベルで空振り率を上昇させられれば、ロングリリーフ~先発ローテ入りが見えてくるか。

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

(~2022年メジャー経験なし)