【確定版】WBC2026 オランダ代表メンバー一覧|選手名鑑


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最終更新日:2026/3/8

【寸評】「ホーフトクラッセ」という自国リーグを持ち、長年にわたって欧州野球を牽引してきたオランダだが、現在は明らかに過渡期。今回のWBCだけでなく、厳しい戦いが当面続きそうだ。

 オランダ代表は「投手=本土系」「野手=カリブ系」という役割分担が長年の伝統となってきたが、近年はどちらも人材不足になりつつある。特にショートは、かつてはアンドレルトン・シモンズ、ディディ・グレゴリアス、ザンダー・ボガーツ、ジュリクソン・プロファーらが次々と出てきた“ショート大国”だったが、現在はむしろ人材難。攻守ともに世代交代の波に直面しており、チーム力の再構築が急務となっている。

 さらに、先発投手希望の星だったセム・ロバースが昨春にTJ手術を受け、WBCが絶望的となった。

 そんな中、MLB通算434本塁打のアンドリュー・ジョーンズが監督に就任。本土出身選手とアルバ・キュラソーなどカリブ組との融合が難しいとされるが、起用法やチーム作りに注目が集まる。

▼目次 – オランダ代表選手一覧
【先発】
アントワン・ケリージェイトワン・ケリーラーズ・ハイヤーシャイロン・マルティスJ.C.スルバランダイラン・ウィルソンライジェテリ・メリテデレク・ウエスト

【リリーバー】
ケンリー・ジャンセンジェイデン・エスタニスタアライ・フランセンショウンドリック・オデュベルウェンデル・フローラヌスケビン・ケリージャムドリック・コーネリアエリック・メンデスジャスティン・モラレス

【捕手】
ヘンドリック・クレメンティナチャドウィック・トロンプ

【内野手/ユーティリティ】
オジー・アルビーズザンダー・ボガーツジュレミ・プロファーシャーロン・スコープディディ・グレゴリウス

【外野手】
セダン・ラファエラドリュー・ジョーンズデイソン・クルースジュリクソン・プロファーレイ=パトリック・ディダーデラーノ・セラッサ

【指名投手枠】
ライアン・ハンティントンマイケル・ビルチェス / そのほかの投手

【不参加、選考漏れ】
セム・ロバースジュランジェロ・サインチェトム・デブロック

【監督/主なコーチ/GM】
アンドリュー・ジョーンズエフェルト・ヤン・トホーンジェア・ジャージェンスランドルフ・オドゥバーダシェンコ・リカルド

――――――――――――――――――――――――
【参考1:過去の名選手】
バート・ブライレブンシドニー・ポンソンロジャー・バーナディーナジェア・ジャージェンスアンドレルトン・シモンズ

【参考2:日本に来た助っ人外国人】
ヘンスリー・ミューレンス / ランドール・サイモン / アンドリュー・ジョーンズ / ウラジーミル・バレンティン / リック・バンデンホーク

◇先発
58 アントワン・ケリー (パイレーツ傘下AA)
22歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2003年9月1日生/出身地:アルバ オラニェスタット
WBC2023
 アルバ出身の実践向き先発右腕。2021年からパイレーツ傘下で投げている。プロ入り直後のルーキーリーグ時代、始めの数試合はコントロールが定まらなかったが、その後は安定して順調に昇級中。

 小柄だが150~155km/hをコンスタントに投げ、カーブを武器に打ち取る。予想より早いメジャー昇格があるかも?

34 ジェイトワン・ケリー (Dバックス傘下A)
18歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2007年6月29日生/出身地:アルバ アヨ
 アントワン・ケリーの弟で、現在ダイヤモンドバックス傘下に所属。兄と違って体格に恵まれるが、ファストボールは兄の方が評価が高い。チェンジアップが武器。

16 ラーズ・ハイヤー
32歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
1993年9月22日生/出身地:オランダ 北ホラント州ハールレム
WBC2017 WBC2023
 オランダ国内では1・2を争う優秀な先発投手。ファストボールは140km/h台前半、チェンジアップがマネーピッチ。

 元マイナーリーガーで、2010~14年にマリナーズ傘下で投げていた。2015年に帰国して以来ホーフトクラッセで支配的なピッチングを続けており、本土出身者が中心のオランダ投手陣ではエース級の働きを求められる。

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39 シャイロン・マルティス
38歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 右投右打
1987年3月30日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
WBC2006 WBC2013 WBC2017 WBC2023
 第1回大会(2006年)の代表メンバーであり、これで5回目の代表入りとなった元メジャーリーガー。2008年にメジャーデビューし、翌年は先発ローテーションに入って15試合に登板。しかしそれ以降はチャンスに恵まれず、メジャー定着はならなかった。

 マイナーをDFA後は、独立リーグを経てホーフトクラッセの球団に加入。毎年圧倒的な成績を残し続け、2024年は11勝無敗・防御率1.45をマーク。

 大ベテランになっても活躍しているが、逆に言えば、いまだにマルティスに頼らなざるを得ないオランダ代表投手陣はつらい。

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45 J.C.スルバラン
36歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
1989年11月9日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
WBC2009 WBC2017 WBC2023
 ホアン・カルロス・スルバランの名前で10年ぐらい前までマイナーにいた。高校時代に野球留学のため渡米し、ドラフトでプロ入り後は3Aまで到達したが、惜しくもメジャーリーガーにはなれなかった。

 2018年から母国オランダリーグに活動の場を移すと毎年活躍し、最優秀防御率や最多勝のタイトルを獲得している。ただし、カリブの冬季リーグやメキシカンリーグではよく炎上しており、国際大会で抑えられるかは疑わしい。

20 ダイラン・ウィルソン (マリナーズRkリーグ)
20歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2005年12月1日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
 マリナーズ傘下のRookieリーグにいる原石。一応スターターとして育成されているが、近いうちにリリーフに転向しそう。

52 ライジェテリ・メリテ (レッズDSL)
20歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 左投左打
2005年12月16日生/出身地:オランダ ロッテルダム
 恐らく今大会では台湾の吉力吉撈鞏冠に次ぐ難読選手。若いピッチャーでたまにいる痩せ型だが、いくらなんでも細過ぎる。カリブの原石タイプか・・・と思いきや、実はオランダ本土出身。

0 デレク・ウエスト (FA)
29歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 右投右打
1996年12月2日生/出身地:アメリカ合衆国 フロリダ州オレンジシティ
WBC2023
 以前はアストロズ傘下の2Aで投げていた元有望株。最速99マイルのファストボールを持っていたが、制球に苦しんでマイナーリーグを追われ、現在はメキシカンリーグに所属している。

 150km/h台をコンスタントに投げられるのはオランダ代表では希少。ただ、大きなケガが多いせいで年齢のわりに経験不足なのが懸念材料。トミー・ジョン手術とヒザの故障で2年ブランクがあり、プロ入り前もバスケットボール中のケガのため大学ではジュニア(3年生)になるまで試合に出られなかった。

 先発投手だが、少年時代からヤンキースファンでマリアーノ・リベラがお気に入りだったため、カットボーラーになりたい願望を持っている。フロリダ生まれだが、母方の祖父母がオランダからの移民。母親もアメリカ生まれだがオランダ国籍を持っていたため、現行WBCのルールではギリギリ代表資格があるパターンである。

 
◇リリーバー
74 ケンリー・ジャンセン (デトロイト・タイガース)
38歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投両打
1987年9月30日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
オールスターx4 最優秀救援x2 WBC2009 WBC2013 WBC2017
 威力抜群のカットボールを軸に400セーブ以上を積み上げた大物クローザー。一時期の不振から立ち直ったものの、ここ数年は防御率3点台のシーズンが続いていた。

 長いこと勤続疲労がささやかれているが、エンゼルスに所属した昨季は4年ぶりに防御率2点台を記録した。ただし被本塁打は増え、奪三振率も大きく低下。

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32 ジェイデン・エスタニスタ (フィリーズ傘下AA)
24歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
2001年10月3日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
WBC2023
 キュラソー出身の細身のリリーフ右腕。2019年オフに国際FAでフィリーズと契約、コロナ明けの2021年からルーキーリーグで投げ始めた。球が速く奪三振能力に長けている。階級を上げるごとに順調に結果を残しており、まだ2Aだが将来メジャー昇格の可能性がある逸材。

 前回WBCの頃は、先発やロングリリーフなどテスト登板のような使われ方をされていたが、現在は完全にリリーフに固定されている。

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17 アライ・フランセン (FA(前レッズ傘下))
24歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ、先発 右投右打
2001年5月20日生/出身地:オランダ デーフェンテル
 レッズ傘下に所属する右投げ投手。国際大会ではリリーフ起用が多いが、マイナーでは先発とブルペンどちらに適性があるか模索している段階。

 昨季5月は、野球大好きな祖父をホームゲームの始球式に招待。家族で特別な時間を過ごした。

35 ショウンドリック・オデュベル (ドジャース傘下A)
21歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
2004年12月16日生/出身地:アルバ デ・ブラインウィク
 ドジャース傘下のマイナー下位にいる若手右腕。長いイニングを投げることもあるが、リリーフでの育成に落ち着きそう。

99 ウェンデル・フローラヌス (北米独立リーグ)
30歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
1995年4月16日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
WBC2023
 前回WBCメンバーの一人。球威はイマイチで、アメリカではRookieリーグ止まりだった。日本の新球団くふうハヤテベンチャーズ静岡から獲得オファーがあったが、入団には至らなかった。

 ところで、大谷翔平がアニメ化されたショートムービーの第1話は、2016年の東京ドームでの侍ジャパンvsオランダ戦が題材になり、大谷のホームランが“天井を突き破る一撃”として盛られて描かれた。実際には天井の隙間に消えていった打球だったが、あの特大アーチを浴びたのが、他でもないフローラヌスだった。

33 ケビン・ケリー
35歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
1990年5月27日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
WBC2023
 キュラソー出身のベテランリリーフ右腕。オクラホマ州の短大に留学したがドラフト指名されず、オランダに渡ってからは10年以上活躍している。

30 ジャムドリック・コーネリア (メッツDSL)
20歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 左投左打
2005年11月17日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
 2023年からメッツのドミニカンサマーリーグのチームで投げている20歳のリリーバー。プロキャリア1年目はボールが荒れまくっていたが、直近2年は好成績。2Aぐらいまでは昇格するんじゃないかと思う。

29 エリック・メンデス
26歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
1999年12月3日生/出身地:アルバ クラ・カバイ
WBC2023
 アルバ出身のまだ若いリリーフ右腕。2018年からダイヤモンドバックス傘下で投げていたが、2年連続でシングルAより上に上がれず、ストライクが取れず苦しんだ。

 一見オーソドックスに見える投球フォームなのだが、脚を上げた際に一度キャッチャーミットから目線を切るクセは気になる。

46 ジャスティン・モラレス (ベスーン=クックマン大学)
21歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
2004年12月14日生/出身地:アルバ オラニェスタット
 今大会では5人いる現役大学生の1人。リリーフ投手らしい。

 
◇捕手
12 ヘンドリック・クレメンティナ (メキシカンリーグ)
28歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手 右投右打
1997年6月17日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
 2023年までマイナーでプレーしていた打撃型捕手。最高で3Aまで昇格したが、同年オフにリリースされた。

 2024年はベネズエラのサマーリーグでホームランを量産し、メキシカンリーグへの移籍を果たす。秋のプレミア12にも召集されるなど、アメリカ球界を離れてからむしろ存在感を増している。

14 チャドウィック・トロンプ (ブレーブス傘下AAA)
30歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手 右投右打
1995年3月21日生/出身地:アルバ オラニェスタット
WBC2017 WBC2023
 アルバ出身の強打のキャッチャー。ブレーブスの2〜3番手捕手の序列だったが、ここ2年ほど3A暮らしが長くなっている。再びメジャー定着を狙う。

 前回WBCではホームラン後にチーム全員で「ウーッ!」と叫ぶような派手なセレブレーションをしていたが、さすがメジャー経験者のオーラは違うのか、トロンプが一番目立っていた。

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◇内野手/ユーティリティ
1 オジー・アルビーズ (アトランタ・ブレーブス)
29歳 ※WBC開幕時点 本職:二塁手 右投両打
1997年1月7日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
オールスターx3 シルバースラッガーx2
 小柄ながら通算rWAR20超を記録しているスイッチヒッター。ブレーブス一筋でプレーし、長年レギュラー二塁手の座を守ってきた本物のフランチャイズプレイヤー。

 しかし、2023年の故障離脱以降は打撃成績の悪化もあり、立場が揺らぎつつある。ちなみにその時のケガが原因で前回代表入りを辞退しており、意外にも今回がWBC初選出。

 日本語表記では、オルビーズ派とアルビーズ派がいる。

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2 ザンダー・ボガーツ (サンディエゴ・パドレス)
33歳 ※WBC開幕時点 本職:遊撃手、二塁手 右投右打
1992年10月1日生/出身地:アルバ オラニェスタット
オールスターx4 シルバースラッガーx5 WBC2013 WBC2017 WBC2023
 レッドソックスの超有望株として大きな期待を受け、2014年にメジャーデビュー。これまで打撃タイトルこそ無いものの、毎年のように打率3割前後をキープし、オールスターレベルの遊撃手として活躍してきた。

 2023年から11年2億8000万ドルの超大型契約でパドレスに移籍。しかし、以降はレッドソックス時代の成績を下回るシーズンが続いている。守備でもゴールドグラバーの金河成(キム・ハソン)にポジションを譲る形でセカンドに回ることもあった。

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13 ジュレミ・プロファー
30歳 ※WBC開幕時点 本職:三塁手、一塁手 右投右打
1996年1月30日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
WBC2023
 ジュリクソン・プロファーの弟で名前も似てるため、メジャー未経験にしては知名度のある元マイナーリーガー。最高位は3Aで、今でも1A+~2Aクラスの実力はありそう。アメリカを離れているため国際大会に参加しやすく、オランダ代表の常連になっている。

 若い頃は兄と同様にショートを守っていたが、ベテランになって一・三塁の両コーナーに回っている。

15 シャーロン・スコープ
38歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投右打
1987年4月15日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
WBC2009 WBC2017 WBC2023
 プロファー兄弟とは逆の境遇にある元マイナーリーガー。弟のジョナサンはメジャーの正二塁手になったが、シャーロンは打撃で苦戦。3Aに昇格した年は4年もあったが、結局メジャーには上がれなかった。

18 ディディ・グレゴリウス (メキシカンリーグ)
36歳 ※WBC開幕時点 本職:遊撃手 右投左打
1990年2月18日生/出身地:オランダ アムステルダム
WBC2017 WBC2023
 2010年代に輝かしい実績を残した元メジャーリーガー。デビューしたての頃は”ディディ・ディフェンス”と名付けられた華麗なショートの守備を見せていた。ヤンキースに移籍してからは急に長打を打てるようになり、コンスタントにシーズン20本塁打を記録していた。

 価値の高い「打てるショート」として活躍していたが、2020年代に入って急激に衰え、最近はメキシカンリーグなどでプレーを続けている。なお、生まれはオランダ本土だが、父の故郷であるキュラソーで育った。

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◇外野手
3 セダン・ラファエラ (ボストン・レッドソックス)
25歳 ※WBC開幕時点 本職:中堅手、内野手 右投右打
2000年9月18日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
ゴールドグラブx1
 二遊間とセンターをハイレベルにこなす、才能の塊のようなスター候補生。小柄だが長打力と高い守備力を兼ね備えており、レッドソックスが得意とする育成パターンにしっかり嵌っている。2026年のWBCでは一気に名前が売れるかも。

 ちなみに彼のフルネームは”Ceddanne Chipper Nicasio Marte Rafaela”なのだが、母親が大のブレーブスファンだったことから、ミドルネームにあの殿堂入り三塁手の名前が刻まれている。

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4 ドリュー・ジョーンズ (Dバックス傘下A+)
22歳 ※WBC開幕時点 本職:中堅手 右投右打
2003年11月28日生/出身地:アメリカ合衆国 ジョージア州アトランタ
 アンドリュー・ジョーンズの息子、ドリュー・ジョーンズ。2022年に高校生ながらドラフト全体2位で指名され、ダイヤモンドバックスに入団した。

 昨季はシングルA+で苦戦。殻を破ってほしい。

5 デイソン・クルース (ジャイアンツ傘下AAA)
26歳 ※WBC開幕時点 本職:二塁手、三塁手、外野手 右投左打
1999年10月8日生/出身地:アルバ ノールト
 アルバ島出身のヒッティングマシーン。大学時代をイリノイ州などで過ごしたが、MLBドラフトにはかからず、独立リーグ(アメリカン・アソシエーション)からプロキャリアをスタートした。

 そこで2年連続で高打率を記録し、活躍が認められて昨季ジャイアンツとマイナー契約。遠回りした影響で年齢はすでに20代後半だが、下位リーグながらも打率3割を維持している。

 とはいえ、守備は二塁・三塁までが限界で、ショートを任されるほどの信頼は得ていない。また、パワーに欠けてシングルヒットが多いのも、今後のキャリアにおいて障害になるかもしれない。

10 ジュリクソン・プロファー (アトランタ・ブレーブス)
33歳 ※WBC開幕時点 本職:中堅手、遊撃手、二塁手 右投両打
1993年2月20日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
オールスターx1 シルバースラッガーx1 WBC2013 WBC2017 WBC2023
 かつてレンジャースの正遊撃手エルビス・アンドレスの後釜として期待された元・超有望株。マイナー時代にみんなが期待したようにはならなかったが、内外野をこなしながら”打てるユーティリティ”に活路を見出し、メジャー定着に成功した。

 ただし、昨季は長期契約を結んだ矢先、禁止薬物使用が発覚。80試合の出場停止処分となり、関係者とファンを大いに失望させた。

11 レイ=パトリック・ディダー (FA)
31歳 ※WBC開幕時点 本職:遊撃手、外野手 右投右打
1994年10月1日生/出身地:アルバ オラニェスタット
WBC2023
 アルバ出身のユーティリティで、スピードを武器に二遊間とセンターをこなす。2024年までパドレス傘下のマイナー上位でプレーしていた。

 打撃に課題があり、出塁率は高いが三振が四球の倍以上もあり、実態は待ち球系というよりバットに当たらないタイプ。コンタクト能力に問題を抱えている。

22 デラーノ・セラッサ
26歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手、右翼手 右投右打
1999年10月25日生/出身地:オランダ
 ホーフトクラッセでMVPの受賞歴があるスター選手。内野手を本職としながら、その脚力を生かして外野もこなす。近年はプレミア12などA代表に選出されることが増えている。

 オランダ生まれなのは確かだが、Baseball Reference に出身地が載っていない。かつて所属していたHCAWの本拠地に因んで北ホラント州ブッスム出身とする媒体もあるが、信憑性に欠ける。

 
◇指名投手枠
ライアン・ハンティントン
29歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 左投右打
1996年8月25日生/出身地:アルバ オラニェスタット
WBC2023
 右投げに偏りがちなオランダ代表には貴重な左腕投手。サイドスローに近い投球フォームから、スライダーとシンカーを上手く織り交ぜる。

マイケル・ビルチェス (ドジャース傘下A)
21歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
2004年6月3日生/出身地:キュラソー ウィレムスタット
 2004年生まれの若きリリーフ右腕。2016年のリトルリーグ・ワールドシリーズにキュラソー代表の一員として出場。サインチェらとともに、調布リトルと戦って見事勝利している。

 2021年からドジャース球団のドミニカンサマーリーグで投げ、昨季はシングルAで防御率3.10と健闘。4月には3イニングを6奪三振・無失点の「長尺セーブ」を達成し、ドジャースの情報サイト「True Blue LA」に特報された。チャンスがあれば選んでほしいピッチャー。

その他の投手 クーン・ポステルマンス、ブランドン・ハーボルド、コノル・プリンス、スコット・プリンス
 
◇不参加、選考漏れ
セム・ロバース (カージナルス傘下AAA)
24歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2001年10月12日生/出身地:オランダ ユトレヒト州ゼイスト
 高く期待されているオランダ本土出身の先発投手。ファストボールは速くないがコントロールに優れ、大きめの投球動作から複数の変化球で三振を奪う。

 昨季は年明け時点ではシーズン中のメジャー昇格確実、そしてWBCではエースとしても大活躍・・・となる未来を想像していた。それが昨季5月にトミー・ジョン手術という事態に。残念すぎる。

Embed from Getty Imagesオープン戦登板前、チームメイトたちに見守られる中で投球練習するロバース

ジュランジェロ・サインチェ (マリナーズ傘下A+)
22歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 両投両打
2003年5月31日生/出身地:オランダ ハーグ
 マイナーリーガーだが、世にも珍しい両投げピッチャーとして既に有名。オランダ本土で生まれ、キュラソーで育った。

 エース候補のロバースがTJ手術で出場不可能になっていたため、サインチェには主戦投手としての責任がのしかかると思われたが、レギュラーシーズンに集中するため辞退。

トム・デブロック
29歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
1996年5月8日生/出身地:オランダ 北ホラント州アムステルフェーン
WBC2017 WBC2023
 WBCで好成績を挙げている元マイナーリーガー。全盛期は過ぎたものの、大柄な体格から140後半~150km/hの速球を投げ込む。マイナーリーグに行く前、楽天イーグルスが育成枠で獲得しようとしたことがあった。

 2020年代に入ってから毎年故障で満足に登板できていなかったが、2023年に完全復活。ホーフトクラッセで2年続けて防御率1点台をマークし、健康なら代表メンバーに欠かせない投手であることをアピールしている。

◇監督/主なコーチ/GM
監督 アンドリュー・ジョーンズ
通算rWAR:62.7
殿堂入り オールスターx5 ゴールドグラブx10 シルバースラッガーx1 ホームラン王x1 打点王x1 WBC2006 WBC2013
 メジャー通算434本塁打、ゴールドグラブ賞10回と、名実ともに歴代最高レベルの実績を持つ名手。これまでオランダ代表の指揮は元NPB戦士のミューレンスが長く担ってきたが、今回は殿堂入りメジャーリーガーが満を持して監督に就任した。

 ただし監督としての力は未知数。オランダ代表は、本土出身とアルバ・キュラソーなどカリブ組の選手をどう起用するか?という特有の難しさがあり、新任監督の手腕が試される。

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ベンチコーチ エフェルト・ヤン・トホーン
通算rWAR:-
 ヨーロッパ球界を代表する指導者。2024年のプレミア12で代表監督を務めた。

 現役時代は1995年にエンゼルス傘下にドラフト指名。メジャー昇格には至らなかったが、3大会連続でオリンピックに出場。欧州選手権では4度優勝に貢献したオランダ代表の常連選手だった。

投手コーチ ジェア・ジャージェンス
通算rWAR:10.4
WBC2017
 ⇒過去の名選手 参照

一塁コーチ ランドルフ・オドゥバー
通算rWAR:-
WBC2013 WBC2017
 ナショナルズ傘下でプレーしていた元外野手。まだ37歳と若いが、アルバ島出身の指導者として存在感を増しつつある。

ブルペン捕手 ダシェンコ・リカルド
通算rWAR:-
WBC2013 WBC2017 WBC2023
 今大会から代表コーチとして働く元マイナーリーガー捕手。打撃はあまり期待できないが守備力が高く、キャッチャーとしての資質を備えていた。

 前回までWBC3大会連続で代表入り。2013・17年大会は正捕手だった。

◇参考1:過去の名選手
 バート・ブライレブン
通算rWAR:94.5
殿堂入り オールスターx2 最多奪三振x1
 メジャー通算287勝を挙げた元レジェンド投手。オランダ本土出身者では桁外れのrWAR 94.5(!)を積み上げ、殿堂入りも果たしている。

 オールスター2回、サイ・ヤング賞トップ4入り3回、rWARリーグ最高も2度(当時WARは無かったが…)記録している一方で、MVP投票では一度も10位以内にすら入ったことがない。実績のわりに地味な選手というイメージだった。

 ちなみに、ツインズ時代に1シーズン50被本塁打というMLBワースト記録保持者でもある。ホームランの出やすいメトロドームで、縦カーブを武器にストライクゾーン高めで勝負する配球が影響していたとされる。

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 シドニー・ポンソン
通算rWAR:11.1
WBC2009
 ボガーツがブレイクする前は、アルバ島の野球選手といえばポンソンだった。表ローテの先発投手としてオリオールズで活躍したが、かなりの問題児としても有名だった。

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 ロジャー・バーナディーナ
通算rWAR:1.4
WBC2013 WBC2023
 メジャー好きからの人気が高かった元外野手。2008年にワシントン・ナショナルズでメジャーデビュー、一時期外野のレギュラーを掴みかけ7年で548試合に出場した。

 全盛期を過ぎた後は韓国や台湾などに渡ったほか、石川ミリオンスターズ(BCリーグ)と契約合意したが来日しなかったことがあった。

 ジェア・ジャージェンス
通算rWAR:10.4
オールスターx1 WBC2017
 2000年代のブレーブスには、エースではないが味のある先発投手がよく頭角を現していた。ジャージェンスもその1人。ブレーブスの先発ローテで投げ、2ケタ勝利を3回達成した。

 スペイン語圏ではJを発音しないため「エア・ユリエンス」と表記されることもあったが、メジャー公式の発音ガイドでは「ジェア・ジャージェンス」が正しい読み。

 アンドレルトン・シモンズ
通算rWAR:36.5
ゴールドグラブx4 プラチナゴールドグラブx1 WBC2013 WBC2017 WBC2023
 ブレーブスでのメジャーデビュー後、すぐに超ハイレベルな守備で名を馳せた名ショートストップ。キャリア中盤はエンゼルスに在籍し、大谷翔平とも一時期チームメイトになった。

 10年ぐらい前までオランダ代表といえば、シモンズを筆頭にグレゴリアス、ボガーツ、プロファーらが揃う”ショートの宝庫”だったのに、近年はむしろ人材難になっている。

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◇参考2:日本に来た助っ人外国人
ヘンスリー・ミューレンス (千葉ロッテマリーンズ1994, ヤクルトスワローズ95~96)
ランドール・サイモン (オリックス・バファローズ2005)
アンドリュー・ジョーンズ (楽天イーグルス2013~14)
ウラジーミル・バレンティン (ヤクルトスワローズ2011~19, SBホークス20~21)
リック・バンデンホーク (SBホークス2015~20, ヤクルトスワローズ21)