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トゥクピタ・マルカーノ


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Tucupita Marcano (フルネーム/Tucupita Jose Marcano)

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1999-09-16生|183cm82kg|二塁手、左翼手 右投左打

出身地/ベネズエラ デルタアマクロ州トゥクピタ

プロ入り/2016年7月SD契約

メジャーデビュー/2021-4-1
■選手紹介

ベネズエラの町トゥクピタ出身のトゥクピタ・マルカーノ。生まれ故郷が名前の由来だが、もともと父親のあだ名がトゥクピタだったため名付けられた。堅実で球際に強い守備と走力、選球眼に優れる有望株。

マルカーノは2016年に国際FAでサンディエゴ・パドレスに入団。ドミニカン・サマーリーグと翌年のルーキーリーグで三振を倍以上上回る四球を記録。年齢からは考えられない我慢強い打撃が評価され、若手有望株の宝庫だったパドレス内でも急激にランクを上げた。

マイナーリーグ再開となった2021年にいきなりトリプルAで開幕を迎えると、シーズン途中にメジャーに昇格。主にセカンドと両翼で起用され25試合に出場した。打撃でメジャーの洗礼を浴び、マイナー降格後にピッツバーグ・パイレーツへの交換トレードで移籍した。新天地での初出場は翌22年からで、メジャー2年目は好守を連発するも打撃成績が伴わなかった。

パイレーツでも将来のレギュラー奪取を期待されている。特に2022年は好プレーで何度もピンチを救い守備に関しては大いにアピールできており、打撃のメジャーレベルへの適応が待たれる。

寄稿日:2023-02-18 最終更新日:2023-02-18
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼好守で何度もピンチを救うトゥクピタ・マルカーノ

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2021 SD  25  44  8  1 0  0  3  6 0  9  0 .182 .280 .205


ジュリクソン・プロファー


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Jurickson Profar (フルネーム/Jurickson Barthelomeus Profar)

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1993-02-20生|183cm83kg|左翼手、二塁手、遊撃手 右投両打

出身地/オランダ(キュラソー) ウィレムスタット

プロ入り/2009年7月TEX契約

メジャーデビュー/2012-9-2
■選手紹介

オランダ自治領キュラソー出身のユーティリティ。かつては鳴り物入りでテキサス・レンジャースに入団し、マイナー下部在籍時から凄まじく大きな期待をかけられていた。残念ながら球界を代表するショートにはなれなかったが、バッテリー以外ならどこでも可能なユーティリティに転身して居場所を確保。サービスタイムもあと少しで10年に到達する。

プロファー家の3兄弟の長男で全員Jがつく。メジャー昇格は果たせなかったが次男のジェレミア・プロファーもレンジャースの元有望株で、三男のジュドリックは捕手兼投手としてリトルリーグのキュラソー代表に選ばれた逸材。また、オランダ国内リーグではシャベントリー・プロファーという従兄弟がプレーしていたが、腰にできた悪性腫瘍のせいで23歳の若さで急逝している。

【球歴】

キュラソー島で生まれたプロファーは少年時代から一目置かれ、2004・05年に連続でリトルリーグのワールドシリーズに出場。04年にはキュラソーの優勝に大きな貢献をした。16歳になると多くのメジャー球団の争奪戦の末、2009年にレンジャースと契約を交わし渡米した。

プロファーは当時レンジャーズのナンバーワンの新人だった。2012年9月にセプテンバー・コールアップによりメジャーのロースターに入ると、キャリア最初のヒットがザック・マカリスターからのホームランで記録する幕開けだったが、その後の展開は思うようにいかなかった。攻守ともに成績が安定せず、2014~15年は肩のケガと手術のため大きく評価を落とした。

2018年、プロファーは146試合に出場。初めて1シーズンで20本塁打を放ち、失敗ゼロの10盗塁の好成績を残した。シーズン終了後、レンジャーズは3チーム間のトレードでプロファーをアスレチックスに放出した。A'sでは空席になっていたセカンドに回り1年プレーしたのち、パドレスへと移籍した。

パドレスでは外野手にも挑戦し、それなりの打撃成績を期待できるユーティリティへと転身を図った。移籍後は年を追うごとに選球眼が良くなり、2022年は守備中にCJ・エイブラムスと交錯し脳震盪を懸念されたが、レフトのレギュラーの座を掴みキャリア最多の152試合に出場した。

周囲から当初期待された選手像にはならなかったが、貴重ないぶし銀としてまだまだ活躍し続けるだろう。

寄稿日:2023-01-15 最終更新日:2023-01-15
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レフトのレギュラーを掴みフェンス際の大飛球も掴むジュリクソン・プロファー

▼シャーザーをマウンドから引きずり降ろす3ランHRを放つジュリクソン・プロファー

▼プレーオフで際どいハーフスイングを取られゲームセット、激高するジュリクソン・プロファー

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2012 TEX  9  17  3  2 0  1  2  0 0  4  0 .176 .176 .471

2013 TEX 85 286  67 11 0  6 26 26 5 63  2 .234 .308 .336

2016 TEX 90 272  65  6 3  5 20 30 3 61  2 .239 .321 .338

2017 TEX 22  58  10  2 0  0  5  9 1 14  1 .172 .294 .207

2018 TEX 146 524 133 35 6 20 77 54 12 88 10 .254 .335 .458

2019 OAK 139 459 100 24 2 20 67 48 8 75  9 .218 .301 .410

2020 SD  56 180  50  6 0  7 25 15 4 28  7 .278 .343 .428

2021 SD 137 353  80 17 2  4 33 49 6 65 10 .227 .329 .320


チャドウィック・トロンプ


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Chadwick Tromp (フルネーム/Chadwick Chandler Tromp)

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1995-03-21生|173cm100kg|捕手 右投右打

出身地/オランダ(アルバ) オラニエスタッド

プロ入り/2013年5月CIN契約

メジャーデビュー/2020-7-29
■選手紹介

オランダのアルバ生まれの長打力がウリのキャッチャー。2020年のメジャーデビューによってアルバ出身のメジャーリーガーはトロンプで6人目となった。2022年はシーズン初出場の試合で大活躍したが足を痛めて戦線離脱し、メジャー定着のチャンスを生かせなかった。

2016年のヨーロッパ野球選手権や17年のWBC、19年のプレミア12など多くの主要な大会のオランダ代表に選ばれ、豊富な国際試合の経験を持つ。好きな選手はヤディア・モリーナで、17年のWBCでは滞在したホテルで一緒に写真を撮ってもらいご満悦のようだった。

トロンプはカリブ海に浮かぶオランダ自治領のアルバ島で生まれた。"チャドウィック"とミドルネームの"チャンドラー"はアルバでは珍しい名前で、母親が読んだ本に出てきた人の名前がピンときたため名付けられた。何の本だったかは分かっていないが、トロンプ本人は気に入っているらしい。

2013年5月にシンシナティ・レッズと契約。メジャーに昇格できないままファームで7年を過ごした後、ルール5ドラフトにかかり2020年にサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍した。同年は新型コロナの流行により特例でシーズンのオプトアウトが許され、バスター・ポージーがシーズンを全試合欠場する決断をしたことで突如不動の正捕手が不在に。招待選手としてメジャーロスター入りを目指したトロンプは激化する競争に勝ち残りつつあったが、オープン戦終盤に肩を負傷してしまい、正捕手争いから脱落した。その代わり、リハビリ中に打撃改造をした成果が出てホームランを打つ技術を身につけレベルアップした姿を首脳陣に見せつけることができた。

アトランタ・ブレーブスに移籍した2022年は8月にメジャーに呼ばれ、シーズン最初の試合で華々しい新天地デビューを飾る。4打数3安打3打点、2本のツーベースを放ち勝利に貢献したが2本目の走塁中に足(左大腿四頭筋)を痛め、そのまま戦列に戻れず22年はこの1試合だけの出場にとどまった。

肩のケガをきっかけに打撃改造をしたことで打撃型の捕手として見られがちではあるが、プレート周りの動きも上手い部類に入る。攻守両面にバランスの取れた捕手になることを期待している。

寄稿日:2023-01-15 最終更新日:2023-01-15
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼スプリングトレーニングで満塁HRを放つチャドウィック・トロンプ

▼4打数3安打3打点の大活躍も、2塁を回ったところで足を痛めるチャドウィック・トロンプ

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2020 SF  24  61  13  1 0  4 10  1 0 20  0 .213 .219 .426

2021 SF  9  18  4  0 0  1  2  0 0  4  0 .222 .222 .389


エミリオ・パガン


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Emilio Pagan (フルネーム/Emilio Enrique Pagan)

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1991-05-07生|188cm94kg|リリーフ 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 サウスカロライナ州シンプソンビル

ドラフト/2013年SEA10巡目(全体297位)指名

メジャーデビュー/2017-5-3
■選手紹介

高い奪三振率と制球の良さに定評があるリリーフ右腕。2017年のデビュー以降重要な場面を任され続け、一時期クローザーを担ったこともある。アメリカ生まれだが父親がプエルトリコ人のため両代表の出場資格を持っていて、2017年のWBCでプエルトリコ代表として出場経験がある。ピッチャー陣の層が薄いプエルトリコには今後も欠かせない存在である。2022年終了時点でサービスタイムは5年と91日だが既に5球団でプレーしている。そしてトレードされるのはなぜか投手有利な球場のチームばかりというミステリーがある。

ちなみに2006~2016年頃メジャーで活躍したエンゼル・パガンという同じプエルトリコ人の外野手がいたが、残念ながら兄弟ではない。

【球歴】

アメリカのサイスカロライナで生まれたパガンは、地元のJ.L.マン高校から短大、ガードナー・ウェブ大学を経てドラフト10巡目でシアトル・マリナーズに入団。同大からメジャーまでたどり着いた選手はパガン含め3人しかいない。マイナーでは毎年階級を上げ、2017年5月にメジャーに昇格。マイナーオプションがあるため何度かマイナーを行き来させられる中、防御率3.22・イニング数を超える56奪三振をマークした。

2018年のシーズン前にアスレチックスにトレードされ、翌19年にレイズにトレードされた。レイズでは防御率2.31・20セーブを記録して重要なブルペンの一角を担った。また翌年にトレードがありマニュエル・マーゴとの交換でパドレスに移籍した。

パドレスでは2020~21年、ツインズで22年プレーしたが、この3年間は安定した活躍とは言い難かった。レイズ時代までファストボールの平均球速は95マイルを超えていたのが、93マイルに低下した月もあれば97マイルをコンスタントに出す時期もあり好不調の波が大きかった。またフォーシームのスピンレートとカットボールの変化量が悪化しており長打を打たれる場面が多かった。22年にスプリッターを覚えたが交わすピッチングにしか使えておらず、復肩にはレイズ時代の球威を取り戻せるかがポイントになる。

寄稿日:2022-12-31 最終更新日:2022-12-31
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼8回を3者三振に斬って取るエミリオ・パガン

▼トレード相手だったマーゴを見逃し三振に仕留め試合を締めくくるエミリオ・パガン

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2017 SEA 34 2 3 0  3.22 50.1 39 18  7  8 1 56 0.93 7.00

2018 OAK 55 3 1 0  4.35 62.0 55 30 13 19 3 63 1.19 3.32

2019 TB  66 4 2 20  2.31 70.0 45 18 12 13 1 96 0.83 7.38

2020 SD  22 0 1 2  4.50 22.0 14 11  4  9 0 23 1.05 2.56

2021 SD  67 4 3 0  4.83 63.1 56 34 16 18 2 69 1.17 3.83


ルイス・アラエス


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Luis Arraez (フルネーム/Luis Sangel Arraez)

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1997-04-09生|178cm79kg|二塁手、三塁手、一塁手 右投左打

出身地/ベネズエラ ヤラクイ州サン・フェリペ

プロ入り/2013年11月MIN契約

メジャーデビュー/2019-5-18
■選手紹介

メジャー1空振りをしない巧打のベネズエラ人内野手。2022年は春先から好調を維持。オールスターに選ばれ、打率.316を記録しアーロン・ジャッジの三冠王を阻んだ。1三振あたりの打席数12.7はメジャーデビューから116球連続で空振りしなかったあのスティーブン・クワンを差し置いてメジャー最高値だった。守備位置はセカンドが本職だが複数ポジションを守り、ファーストのゴールドグラブ賞のファイナリストになっている。

2016~17年に参加したウィンターリーグで参加者平均より8歳若手ながら打率.335を記録。フィールド全体にヒットをまき散らす姿から、スペイン語でスプリンクラーの意味を持つ"ラ・レガデラ"のニックネームが付けられた。

【球歴】

ベネズエラ出身のアラエスは2013年に国際FAとしてミネソタ・ツインズと契約。ルーキーリーグ時代からすでにコンタクト能力の高さが際立ち、常に打率3割超え・三振を上回る四球を選び続けていた。反面、体格が小柄で打球速度が遅く、守備力の評価も特に高くなかったことからレギュラー獲得は難しいとする声が聞かれた。また、契約当初は脚も評価されていたがシングルA時代に右ひざの前十字靭帯を断裂した影響でスピードが平均レベルになってしまった。

しかし、メジャー初出場を果たした2019年に92試合・打率.334・新人王投票で6位に選ばれる好成績をマーク。翌季以降も様々なポジションに就きながらコンスタントに出場機会を得ると、22年は春先から打率3割5分超えのハイペースでヒットを打ち、自身初のオールスターに選出。後半戦はペースは落ちたが最後まで高打率を維持し、アーロン・ジャッジをかわして首位打者に輝いた。球界を代表する名コンタクトヒッターに成長した。

アラエスの価値をより高めているのがポジションが固定されていない中で結果を出している点だ。1年目は4ポジションでスタメン出場。2年目の2020年に正セカンドの座を掴むが21~22年はチームがアンドレルトン・シモンズ、カルロス・コレアを加入させ押し出される形でユーティリティになった。特に22年は初めて守るファーストでゴールドグラブのファイナリストにまで選出。かつて平凡と言われた守備でも堅守を見せている。

寄稿日:2022-12-29 最終更新日:2022-12-29
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼ノーヒッター寸前のところでヒットを放ち、ディラン・シーズをがっくりさせるルイス・アラエス

▼不規則な回転のハーフライナーを好捕するルイス・アラエス

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2019 MIN 92 326 109 20 1  4 28 36 1 29  2 .334 .399 .439

2020 MIN 32 112  36  9 0  0 13  8 0 11  0 .321 .364 .402

2021 MIN 121 428 126 17 6  2 42 43 2 48  2 .294 .357 .376


ジオ・ウルシェラ


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Gio Urshela (フルネーム/Giovanny Urshela)

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1991-10-11生|183cm98kg|三塁手、遊撃手 右投右打

出身地/コロンビア ボリバル県カルタヘナ

プロ入り/2008年7月CLE契約

メジャーデビュー/2015-6-9
■選手紹介

ヤンキースに移ってから打撃が開眼したコロンビア人内野手。守備位置はサードがメインでショートも守れる。主力級の選手なのに日本では名前の読み方が未だ定まっておらず"ウルシェラ"派と"アーシェラ"派が存在する。"アーシェラ"派がやや優勢か。

2023年のWBCコロンビア代表に出場する可能性が極めて高く、本大会では主軸を任されるだろう。過去にも代表に選ばれている。13年は予選でパナマに敗れたため本戦に出場できず、初めての本大会となった17年は14打数2安打と結果を残せなかった。

【球歴】

コロンビアで生まれ育ったウルシェラは2008年、国際FAとしてインディアンスと契約。2015年にサードでメジャー初出場を果たし、17年にはポストシーズンでもスタメンに抜擢されたものの好守で力不足を露呈し厳しい結果となった。翌18年にブルージェイズを経てヤンキースにトレード移籍すると、これがキャリアのターニングポイントとなる。

19年は期待値ゼロの状態から21本塁打・打率.314・OPS.889と大ブレイク。短縮シーズンとなった翌20年も打率.298・OPS.858、守備でもゴールドグラブの候補に上がる活躍で、2年続けてクリーブランドのファンたちを悶々とさせる好成績を残しメジャーでの地位を確固たるものにした。ツインズに移籍した22年は自己最多の144試合に出場し、打率.285・13本塁打・OPS.767とまずまずの成績を残し、オフシーズンにトレードでエンゼルスへの移籍が決まった。新天地ではサードのみならず外野も含め様々なポジションを守りながら常時スタメン出場する"スーパーユーティリティ"的な立場になる見られている。

寄稿日:2022-12-29 最終更新日:2022-12-29
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼8回に勝ち越しホームランを放つウルシェラ

▼サードの守備も堅いウルシェラ

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2015 CLE 81 267  60  8 1  6 21 18 2 58  0 .225 .279 .330

2017 CLE 67 156  35  7 0  1 15  8 0 22  0 .224 .262 .288

2018 TOR 19  43  10  1 0  1  3  2 1 10  0 .233 .283 .326

2019 NYY 132 442 139 34 0 21 74 25 5 87  1 .314 .355 .534

2020 NYY 43 151  45 11 0  6 30 18 1 25  1 .298 .368 .490

2021 NYY 116 420 112 18 2 14 49 20 1 109  1 .267 .301 .419


クリスチャン・ベタンコート


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Christian Bethancourt (フルネーム/Christian Gabriel Bethancourt)

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1991-09-02生|191cm93kg|捕手、一塁手、外野手 右投右打

出身地/パナマ パナマ県パナマ市

プロ入り/2008年3月ATL契約

メジャーデビュー/2013-9-29
■選手紹介

一時期は三刀流を目指していた素材先行型のキャッチャー。パナマ出身。投手への挑戦がうまくいかず、どのポジションでも成功しないまま居場所を失ったベタンコートはKBO(韓国プロ野球)への移籍を経験。腐らずドミニカウィンターリーグなどでプレーを続けると、2022年に5年ぶりにメジャーへ復帰してキャリアハイの101試合に出場した。メジャーでも最高級の強肩が持ち味で、いかに荒い打撃をメジャーレベルに引き上げるかが課題。

【球歴】

パナマの首都パナマシティで生まれたベタンコートは、両親ともにアマチュア選手だった影響で5歳から野球を始める。最初はサードを守っていたが落ち着きがなく、打球がどこに飛んでも追いかけてしまう子供だった。サードががら空きになってしまい失点するたびに親から叱られるが治らなかったため、追いかけないようキャッチャーをやらせることにした。すると持ち前の強肩が生きてキャッチャーが天職になった。

16歳を迎えた2008年、アトランタ・ブレーブスと国際FAによる契約を交わし翌年からブレーブスのマイナーでプレー。2012年頃から各種媒体の有望株ランキングで100位以内に名前が載るようになる。12・13年には2年続けてフューチャーズゲーム(マイナーのオールスター)に選ばれたほど周囲の期待も高まっていった。

2014年からメジャーで出場機会が増え、盗塁阻止率では好成績を残すもボールブロッキングに難を抱え、それ以上に打撃でアピールすることができなかった。17年に投手転向を目指し通年投手で出場したが失敗に終わり(AAAでの防御率が8点超)、翌年に再びキャッチャーに戻ったが結果が出ず、2019に韓国に活躍の場を求めた。

最後に出場した2017年から5年の時を経てアスレチックスでメジャー昇格。シーズン途中にレイズに移籍し、2チーム合わせて101試合出場。華麗に復帰を果たした。

本格的な投手転向プランは失敗に終わったが、2016年に敗戦処理で投げたときは鮮烈な初登板だった。97マイルのファストボールに加えてナックルボールを操り、制球力さえ身につけば投手でもいけると思わされるピッチングだった。22年も大量点差の試合で4度マウンドに上がっており、プレッシャーゼロの場面で経験を積めば二刀流も・・・と自然と期待してしまう、これからも動向を追いたい存在だ。

寄稿日:2022-12-19 最終更新日:2022-12-19
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼メジャー初アーチはサヨナラHRだったクリスチャン・ベタンコート

▼投手顔負けのファストボールで打ち取りゲームを締めるクリスチャン・ベタンコート

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2013 ATL  1  1  0  0 0  0  0  0 0  1  0 .000 .000 .000

2014 ATL 31 113  28  3 0  0  9  3 1 26  1 .248 .274 .274

2015 ATL 48 155  31  8 0  2 12  5 0 33  1 .200 .225 .290

2016 SD  73 193  44  9 0  6 25 10 0 56  1 .228 .265 .368

2017 SD  8  7  1  0 0  0  0  0 0  3  0 .143 .143 .143


チャド・グリーン


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Chad Green (フルネーム/Chad Keith Green)

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1991-05-24生|191cm98kg|リリーフ 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 サウスカロライナ州グリーンビル

ドラフト/2013年DET11巡目(全体336位)指名

メジャーデビュー/2016-5-16
■選手紹介

90マイル中盤のフォーシームを思いっ切り投げ込み三振の山を築いたリリーフ右腕。ニューヨーク・ヤンキースのミドルリリーバーとして数年に渡り貢献し続けてきたが、FA直前の2022年に右ヒジを壊しトミー・ジョン手術を受けることになってしまった。

サウスカロライナ州で生まれイリノイ州で育ったグリーンは、学生時代はシンシナティ・レッズのファンでケン・グリフィーJr.を応援していた。強豪ルイビル大学で3年を過ごし、大学の先発防御率の歴代記録を作った。また、4人兄弟のうち双子の弟チェイス・グリーンは南イリノイ大学でショートを守った選手で、現在は大学野球のコーチをしている。

【球歴】

2013年のドラフトでデトロイト・タイガースに入団後、15年にリリーフ左腕のジャスティン・ウィルソンの交換要員として1対2のトレードでヤンキースに移籍。16年5月に先発投手としてメジャー初昇格を果たす。翌17年からリリーバーに転向するとこれがハマり、69イニングで103三振を奪う力投。主にセットアップマンに繋ぐ役割を担い、ときにオープナー、第2先発、ロングリリーフもこなし長年ヤンキースのブルペンを支えてきた。

細かいコースは気にせずストライクゾーン目がけて平均95マイル超のフォーシームを投げ込み、スライダーに近い曲がりのカーブで攻めるピッチングスタイル。酷使に耐えうるリリーバーとしてジラルディとブーン両監督から搾取され続け、2022年についにヒジの違和感を訴えて故障離脱。トミー・ジョン手術を受けたシーズンにサービスタイムが6年を超える、投手では最悪のタイミングでフリーエージェントになってしまった。

寄稿日:2022-12-19 最終更新日:2022-12-19
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼イマキュレイト・イニングを達成するチャド・グリーン

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2016 NYY 12 2 4 1  4.73 45.2 49 24 12 15 1 52 1.40 3.47

2017 NYY 40 5 0 0  1.83 69.0 34 14  4 17 2 103 0.74 6.06

2018 NYY 63 8 3 0  2.50 75.2 64 21  9 15 1 94 1.04 6.27

2019 NYY 54 4 4 2  4.17 69.0 66 32 10 19 6 98 1.23 5.16

2020 NYY 22 3 3 1  3.51 25.2 13 10  5  8 0 32 0.82 4.00

2021 NYY 67 10 7 6  3.12 83.2 57 29 14 17 0 99 0.88 5.82


張育成 (ユー・チャン)


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Yu Chang (フルネーム/Yu-Cheng Chang)

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1995-08-18生|185cm82kg|内野手 右投右打

出身地/台湾 台東市

プロ入り/2013年7月CLE契約

メジャーデビュー/2019-6-28
■選手紹介

長らくチャンスを与えられ続けたがメジャーに定着できなかった内野のユーティリティ。パンチ力のある打撃をメジャーではなかなか発揮できず、内野4ポジションを平均レベルに守れる汎用性を活かして幾度となく打席に立ってきたが2022年5月についにガーディアンズをDFAとなった。野手では5人目の台湾出身メジャーリーガーで、既に通算安打数は歴代トップに立っている。

台湾東部の出身で原住民族であるアミ族の血を引いている。キリスト教徒の家に生まれ5人兄弟のなかで育った。兄の張進德は奇しくも台湾のガーディアンズ(富邦ガーディアンズ)でプレーしている。弟の張偉聖は両投げ両打ちの外野手で、投手としても両腕とも130km/h台中盤の速球を投げられるらしい。

【球歴】

張育成は2013年にCPBL(台湾プロ野球)を経ずクリーブランド・ガーディアンズ(当時インディアンス)と契約を交わし渡米した。途中、2016年に球宴捕手ジョナサン・ルクロイの交換要員となるトレードが決まりかけたが、ルクロイがトレード拒否権を行使したため成立せず、引き続きインディアンスでプレーを続け2019年6月にメジャーデビューを果たした。サードのホゼ・ラミレスがパタニティ(育休)リスト入りしたためコールアップされ、ガーディアンズでは元西武のC.C.リーに次ぐ2人目の台湾人メジャーリーガーとなった。

2021年はフランシスコ・リンドーアの放出によってショートが空席になる最大のチャンスが訪れた。張はスプリングトレーニングで猛打を振るい、リンドーアと交換で加入したアーメッド・ロザリオを外野へ追いやり開幕レギュラー取りに成功した。しかしシーズンが開幕するとそれまでの好調さは鳴りを潜め、シーズンの半分程度の89試合出場に終わった。

翌22年は外野の練習をしていたはずのロザリオの守備が突然うまくなり、そのまま正ショートに定着。同じくリンドーアの交換相手の1人のアンドレス・ヒメネスやマイルズ・ストローらが鉄壁のセンターラインを形成するのを尻目に、張はユーティリティに転身し出場機会を求めたものの5月にDFAとなる。以降、パイレーツ→レイズ→レッドソックスに拾われるも解雇を繰り返した。

2022年は結果1シーズンだけで4回DFAの憂き目にあったことになるが決して悪いことばかりではなかった。5月にファーストで出場したエンゼルス戦で大谷翔平がヒットで出塁。すると大谷から「(日ハムで元チームメイトの)陽岱鋼を知ってる?」と話しかけられ笑顔で会話したことが話題になった。また、レイズに移籍後には台湾人初のメジャー通算100安打を記録している。

寄稿日:2022-12-17 最終更新日:2022-12-17
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼塁上で大谷翔平と楽しそうに会話する張育成

▼敗戦処理で登板する張育成

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2019 CLE 28  73  13  2 1  1  6 11 0 22  0 .178 .286 .274

2020 CLE 10  11  2  0 0  0  1  2 0  4  0 .182 .308 .182

2021 CLE 89 237  54 14 3  9 39 11 2 69  1 .228 .267 .426


コナー・ピルキントン


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Konnor Pilkington (フルネーム/Konnor Chase Pilkington)

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1997-09-12生|191cm109kg|先発 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 ミシシッピ-州パスカグーラ

ドラフト/2018年CWS3巡目(全体81位)指名

メジャーデビュー/メジャー経験なし
■選手紹介

伸び悩んでいる感があったが2022年にメジャー初登板を果たし、そこそこの成績を残した先発左腕。大柄な体格のわりに球威はイマイチで、フォーシームの平均球速はメジャー平均を下回る90~93.5マイル程にとどまっている。

ミシシッピ州の生まれで大学も強豪・ミシシッピ州立大学に通い、フライデースターターとして実績を積みプロ入りした。ただし学生時代の好きな球団はロサンゼルス・ドジャースで同じ左腕のクレイトン・カーショウを応援していた。趣味は釣りと狩猟。

【球歴】

ミシシッピ州生まれのピルキントンは、高校卒業後に地元の強豪ミシシッピ州立大に進学。ソフモア(2年生)まではメジャー球団も注目する存在だったが、ジュニア(3年生)シーズンにスランプに嵌まり(防御率4.47)、1学年下のイーサン・スモールにエースの座を明け渡した。2018年ドラフトでも指名順位を3巡目まで下げ、ホワイトソックスと65万ドルで契約した。

コロナ明けの2021年にAAで先発として投げていたところ、8月トレードデッドライン間際にクリーブランド・ガーディアンズに移籍した。翌22年にメジャー昇格のチャンスを得ると塁上をにぎわせながらも何とか投げ切るピッチングで、防御率3.88と表面上は及第点のスタッツを残した。投球内容はかなり怪しく、フォーシームが平均92マイル程度にとどまり、スピンレートも低いのに真ん中高めに集まりがちでよく痛打された。AAAでは防御率は5.88ともっと酷かったのも不安が残る。

2021年の移籍は正二塁手セサール・ヘルナンデスとの1対1の交換トレードだった。ガーディアンズとしてはものにならないと主力選手の出し損になってしまうので、是が非でも育ってもらいたいとファンから過度な?期待を寄せられている。マイナー時代はもう少し速い球を投げていたはず(フォーシームの平均93~94マイル)で球威はもう少し見込めるだろうが、コントロールと変化球のレベルアップなど課題は多い。

寄稿日:2022-12-17 最終更新日:2022-12-17
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼トラウトに史上9人目の7試合連続となる一発を浴びるピルキントン

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

(~2021年メジャー経験なし)