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グリフィン・キャニング


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Griffin Canning (フルネーム/Griffin Alexander Canning)

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1996-05-11生|188cm82kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州ミッションビエホ

ドラフト/2017年LAA2巡目(全体47位)指名

メジャーデビュー/2019-4-30
■選手紹介

今季復活を期す先発投手。短縮シーズンながら先発ローテを守った2020年にゴールドグラブを受賞も、その後のケガでスぺ体質との烙印を押されてしまっている。

キャニングはエンゼルスタジアムからほど近い、オレンジ郡のミッションビエホで生まれた。大学はUCLAに通いエンゼルスに入団・メジャーデビューした正真正銘の地元っ子である。UCLAではエースとして君臨し、ゴールデン・スパイク賞のセミファイナリストの実績を引っ提げドラフト2巡目でプロ入りした。

2018年にA+からスタートしたキャニングはマイナー各階級で好投。AAのモバイル・ベイベアーズでは2度の継投ノーヒッターに絡み、翌年のプロスペクトランキングでは63位(メジャー公式)に急上昇。翌19年は開幕からAAAで3試合を投げ防御率0.56・WHIP0.938・与四球率1.1。マイナーでやることがなくなり1年ちょっとでメジャーに到達した。

短縮シーズンとなった2020年に開幕から先発として投げ続け、防御率3.99を記録。同年は新型コロナによる影響でレギュラーシーズンは同地区内のチームでしか対戦しなかったため、ゴールドグラブの選考がデータに基づいて決められた。結果、両リーグ合わせて11人(18人中)が初受賞となり、キャニングもその1人となった。ちなみにア投手のファイナリストには前田健太もノミネートされていた。

21年は夏場に腰椎を疲労骨折し、それに関連して背中を痛めて戦線離脱。22年シーズン終了まで投げられず、19年に右ひじの故障でシャットアウトになった過去もあって故障に弱い選手のイメージが定着してしまった。

2023年はスプリングトレーニングで平均球速は95マイルを計時。健康体をアピールしていたのも束の間、開幕直前になって鼠径部の痛みであえなく負傷者リストで開幕を迎えることになった。復帰後は一度手放した先発ローテの座の奪還を誓う。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:ゴールドグラブ賞1回(20),

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2019 LAA 18 5 6 0  4.58 90.1 80 46 14 30 8 96 1.22 3.20

2020 LAA 11 2 3 0  3.99 56.1 54 25  8 23 1 56 1.37 2.43

2021 LAA 14 5 4 0  5.60 62.2 65 39 14 28 1 62 1.48 2.21


アーロン・ループ


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Aaron Loup (フルネーム/Aaron Christopher Loup)

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1987-12-19生|180cm95kg|リリーフ 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 ルイジアナ州レースランド

ドラフト/2009年TOR9巡目(全体280位)指名

メジャーデビュー/2012-7-14
■選手紹介

トレード下手のエンゼルスがリスクを冒して獲得した元・左殺し専門のリリーバー。2012年からメジャーでプレーしており22年にサービスタイムが10年を超えた。

【球歴】
少年時代にブレーブスの先発3本柱を目標にしてきたループは、2009年に地元ルイジアナ州の大学からトロント・ブルージェイズへドラフト9巡目で入団した。11年にシングルA+で打ち込まれて自信を失いかけていたループに投手コーチがサイドスローに挑戦させ、これがキャリアを好転させた。

スライダーとシンカーのキレが良くなり、A+で防御率が一時期7点台だったときから1年ちょっとでメジャーに到達。対左打者で積極的に起用され、シチュエーショナル・レフティの座を確固たるものにした。

2020年にルール改正があり、最低3人投げなければイニング途中に交代できなくなった。右打者対策にチェンジアップを磨き、21年にキャリア最高の防御率0.95の好成績をマーク。オフにエンゼルスから2年1700万ドル+球団オプションの好契約を獲得した。

22年のシーズン序盤は前年と変わらぬ好調を維持していたが、チームが泥沼の14連敗を喫したのと同調するかのようにループも打たれ始め、シーズン後半の防御率は4点台に終わった。慣れないセットアップマンの役割を担ったせいか、もしくは年齢による衰えなのかは23年シーズンに判明する。

【その他】

ベースボール・リファレンスによるとエアリン・ループと発音するらしいが、そのような表記をしている日本語サイトは皆無。MLB名鑑.comも右に倣えでアーロンと表記している。

三冠王の声も上がるほど好調だったフレディ・フリーマンにぶつけて骨折させてしまったことでクラッシャーと揶揄された。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2012 TOR 33 0 2 0  2.64 30.2 26  9  0  2 0 21 0.91 10.5

2013 TOR 64 4 6 2  2.47 69.1 66 19  5 13 7 53 1.14 4.08

2014 TOR 71 4 4 4  3.15 68.2 50 24  4 30 6 56 1.17 1.87

2015 TOR 60 2 5 0  4.46 42.1 47 21  6  7 6 46 1.28 6.57

2016 TOR 21 0 0 0  5.02 14.1 15  8  2  4 3 15 1.33 3.75

2017 TOR 70 2 3 0  3.75 57.2 59 24  4 29 6 64 1.53 2.21

2018 TOR 50 0 0 0  4.54 35.2 44 18  4 13 3 42 1.60 3.23

2018 PHI  9 0 0 0  4.50  4.0  4  2  0  1 1  2 1.25 2.00

2019 SD  4 0 0 0  0.00  3.1  2  0  0  1 1  5 0.90 5.00

2020 TB  24 3 2 0  2.52 25.0 17  7  3  4 3 22 0.84 5.50

2021 NYM 65 6 0 0  0.95 56.2 37  6  1 16 4 57 0.94 3.56


パトリック・サンドバル


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Patrick Sandoval (フルネーム/Patrick Jordan Sandoval)

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1996-10-18生|191cm86kg|先発 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州ミッションビエホ

ドラフト/2015年HOU11巡目(全体319位)指名

メジャーデビュー/2019-8-5
■選手紹介

大谷翔平の同僚として日本でも有名な先発左腕。2023年のWBCのメキシコ代表に選ばれ、準決勝で日本打線を苦しめたのは記憶に新しい。サウスポーが多いエンゼルス先発陣の柱としてこれまで以上の活躍が期待される。

メキシコ人の父親を持つサンドバールは、エンゼルスの本拠地に近いカリフォルニア州オレンジ郡で生まれ、8歳のときに挑戦して以来ピッチャーとしてプレーするようになった。高校も地元に通い、野球とフットボールを両立させ、高校卒業時にはエンゼルスの同僚のグリフィン・キャニングらとともにオレンジ郡を代表するプレイヤーとして注目を集めた。

高校卒業後は南カリフォルニア大学(当初はバンダービルト大学だった)から内定をもらっていたが、ドラフト指名されたヒューストン・アストロズに入団を決めた。11巡目指名だったが標準を80万ドル以上上回る90万ドルの契約金をゲtット。当時のドラフト10巡目以下のオーバースロット額の最高記録だった。入団4年目の2018年、マーティン・マルドナドとの交換トレードでエンゼルスに移籍した。

翌19年にデビューし、メジャー初昇格を果たすと、毎年登板機会を増やし続け、22年にブレイク。27試合の登板で6勝9敗と負け越したが防御率2・91の好成績をマーク。8月のタイガース戦にはマダックス(100球未満の完封)を成し遂げた。

ピッチングはファストボールの平均球速93マイルほどだが、チェンジアップ、スライダー、カーブを制球よく投げ分ける。新人の頃はフォーシーム主体だったところをシンカー中心にシフトしてごろ打球比率をアップさせた。コントロールは決して悪くないが三振狙いで決めきれず歩かせるケースがあり、与四球率の改善が課題になっている。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2019 LAA 10 0 4 0  5.03 39.1 35 22  6 19 1 42 1.37 2.21

2020 LAA  9 1 5 0  5.65 36.2 37 23 10 12 0 33 1.34 2.75

2021 LAA 17 3 6 1  3.62 87.0 69 35 11 36 4 94 1.21 2.61


ライアン・テペラ


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Ryan Tepera (フルネーム/Dennis Ryan Tepera)

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1987-11-03生|185cm88kg|リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 テキサス州ヒューストン

ドラフト/2009年TOR19巡目(全体580位)指名

メジャーデビュー/2015-5-10
■選手紹介

グラウンド外で2度有名になったことがあるリリーフ右腕。2022年から2年1400万ドルでエンゼルスに迎え入れられた。移籍初年度はセットアップマンとしては不満の残る成績に終わり、今季は巻き返しを誓っている。

2015年にメジャーデビューしたテペラはトロント・ブルージェイズのセットアップマンとしてはまあまあな成績を残していたが、19年オフにDFA。翌年シカゴ・カブスに拾われると21年に同じシカゴのホワイトソックスに途中移籍し、両チームで防御率2点台をマークして自身の価値を上げた。オフにエンゼルスからリリーバーとしては高額な2年1400万ドルの好待遇で招き入れられた。

1度目に有名になったのはカブス時代の2020年。ナ・リーグのMVP投票で1人の記者がトレイ・ターナー(Turner)を選ぶつもりが誤って1つ上(Tepera)を選択してしまい、テペラに1ポイントが入った。記録上もちゃんとMVP投票18位タイとなっており、1人だけrWAR0.2の平凡な選手が混じっている異様な状態になっている。

2度目はホワイトソックスに移籍した21年のポストシーズン。アストロズと当たった地区シリーズの3戦が終わったあとの会見で、アストロズの再びサイン盗みを疑う発言をした。17年にサイン盗みをしていたことが公になったアストロズだが、21年はテペラが言うような疑惑の根拠がなく、逆にアストロズのモチベーションを高める養分になってしまった。チームは呆気なく敗退、不用意な発言は物議を醸した。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2015 TOR 32 0 2 1  3.27 33.0 23 12  8  6 3 22 0.88 3.67

2016 TOR 20 0 1 0  2.95 18.1 17  6  1  8 3 18 1.36 2.25

2017 TOR 73 7 1 2  3.59 77.2 57 31  7 31 8 81 1.13 2.61

2018 TOR 68 5 5 7  3.62 64.2 55 26  9 24 4 68 1.22 2.83

2019 TOR 23 0 2 0  4.98 21.2 20 12  5  8 0 14 1.29 1.75

2020 CHC 21 0 1 0  3.92 20.2 17  9  2 12 1 31 1.40 2.58

2021 CHC 43 0 2 1  2.91 43.1 22 14  3 12 3 50 0.78 4.17

2021 CWS 22 0 0 1  2.50 18.0 13  5  1  7 1 24 1.11 3.43


タッカー・デービッドソン


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Tucker Davidson (フルネーム/Joseph Tucker Davidson)

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1996-03-25生|188cm98kg|先発、ロングリリーフ 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 テキサス州アマリロ

ドラフト/2016年ATL19巡目(全体559位)指名

メジャーデビュー/2020-9-26
■選手紹介

2022年に抑えのライゼル・イグレシアスの交換トレードでエンゼルス入りした先発左腕。23年は先発6番手兼ロングリリーフで開幕を迎えるが、結果が出なければ早いうちに切られる可能性もある。

テキサス州北部で生まれたデービッドソン。高校では野球のほかアメフトでクォーターバックを務めるアスリートだった。高校卒業後にMLBに入りたかったがドラフトで指名漏れしたため、NAIAに属するミッドランド大学に進学し2年後のドラフト指名を待った。

2016年のプロ入り後は投球フォームとスライダーを改良に成功。順調に昇格し20年シーズン終盤に初昇格を果たす。メジャーデビューまではとんとん拍子だったが初登板では2回持たず7失点の大炎上だった。翌年のレギュラーシーズンでは4試合しか登板機会がなかったが、ワールドシリーズの第5戦に急遽先発登板した。

22年は出場機会を増やすも調子が上がらず、8月にライゼル・イグレシアスとのトレードの駒となりエンゼルスに移籍。新天地でも1勝5敗・防御率6点台と結果を残せなかった。

ファストボールはメジャー平均以上の93~95マイルが出てスライダーもある程度メジャーで使えているが、制球力が悪い。与四球率が多いのも問題だが、空振りをとりたいときに変化球を狙ったところに投げられずにBB/K(与四球と奪三振の比率)が非常に悪い。

2023年はマイナーオプションが切れているデービッドソンが若手より優先して26人ロースターに入る。結果が出ないようだとグリフィン・キャニングやチェイス・シルセスあたりの若手先発候補に代わられる可能性が高く、結構危ない立ち位置にいる。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2020 ATL  1 0 1 0 10.80  1.2  3  2  1  4 0  2 4.20 0.50

2021 ATL  4 0 0 0  3.60 20.0 15  8  3  8 0 18 1.15 2.25


セサール・バルデス


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Cesar Valdez (フルネーム/Cesar Miguel Valdez)

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1985-03-17生|188cm102kg|先発、リリーフ 右投右打

出身地/ドミニカ共和国 首都地区サントドミンゴ

プロ入り/2005年5月ARI契約

メジャーデビュー/2010-5-3
■選手紹介

2023年に38歳となってもまだ先発で投げている大ベテラン。ドミニカ共和国のサントドミンゴ出身で2017・23年のWBCの代表に選ばれている。

2005年に国際FAでアリゾナ・Dバックスと契約し、10年にメジャー初出場を果たすもオフにDFA。ここからジャーニーマンの人生を歩むことになる。

翌年、メジャー3球団をたらい回しになったあと、メキシカンリーグでも3球団でプレー。そこから台湾のラミゴ・モンキーズに移籍するが不振で2か月で解雇。アメリカに戻りアストロズのAAAで12勝1敗の好成績を残すもののメジャーから声はかからなかった。

2017年にWBCのドミニカ共和国代表に選出されると運が向いてきたのか、アスレチックスで7年ぶりにメジャー昇格を果たした。それから再びメキシカンリーグに行ったが2020年にオリオールズで3年ぶりにメジャー復帰し一時はクローザーを任されるほど戦力になった。

2022年からエンゼルスとマイナー契約を結び、AAAで先発投手として待機。メジャー再昇格を待ち続けている。

もともとファストボールは速くないが、近年は投球の80%以上をチェンジアップに頼っている。チェンジアップはグリップを変えることで違う変化をさせることができるため、実質3球種以上変化球を持っているようなピッチングをする。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2010 ARI  9 1 2 0  7.65 20.0 29 17  2 10 1 13 1.95 1.30

2017 OAK  4 0 0 0  9.64  9.1 14 10  4  4 0  5 1.93 1.25

2017 TOR  7 1 1 0  6.75 21.1 27 16  3  7 1 16 1.59 2.29

2020 BAL  9 1 1 3  1.26 14.1  7  2  0  3 0 12 0.70 4.00

2021 BAL 39 2 2 8  5.87 46.0 62 30  8 14 1 45 1.65 3.21


タイラー・アンダーソン


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Tyler Anderson (フルネーム/Tyler John Anderson)

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1989-12-30生|188cm100kg|先発 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 ネバダ州ラスベガス

ドラフト/2011年COL1巡目(全体20位)指名

メジャーデビュー/2016-6-12
■選手紹介

ベガス生まれの遅咲き先発左腕。ドラフト1巡目指名でプロ入りした野球エリートだったが33歳になった2022年にようやくブレイク。オフにエンゼルスと複数年契約を結んだ。足のあげ方が独特なピッチングフォームから90~91マイル(146km/h前後)のファストボールを投げる。球は遅いが低めのボールは球威があり、制球力を活かしてゴロアウトを積み重ねる。

【球歴】

ラスベガスの高校からオレゴン大学へ進学し、常に同世代のトッププレイヤーとして注目を集めてきた。2011年に1巡目(全体20位)でコロラド・ロッキーズに入団し、とんとん拍子にマイナーの階級を駆け上がっていったが2014年に左ヒジを疲労骨折。このあたりから故障離脱が目立つようになった。

丸1シーズンを全休して迎えた2016年、初めてのAAAも難なくクリアしメジャー初昇格を果たすと19試合すべてに先発登板して防御率3.54の好成績を収めた。ゴロ率はメジャー平均を大きく上回る50%超えを記録しており、クアーズフィールドを物ともしないロッキーズ向きの投手として期待が高まった。しかし翌年以降はヒザを痛めて平凡な成績が続き、19年オフに解雇された。

20年にメジャー契約でサンフランシスコ・ジャイアンツに加入すると、翌21年には初めてコンテンダーのチーム(マリナーズ)へトレードに出される経験をした。そして22年に入団したドジャースでは開幕をブルペン要員で迎え、春先にアンドリュー・ヒーニーの故障離脱を受けて先発ローテ入り。そこから連勝街道を突き進みオールスターに選出。シーズン終盤まで好調は変わらず15勝5敗・防御率2.57と大ブレイクした。また、受賞は逃したがゴールドグラブ賞の最終候補者にもなった。

昨年は出来過ぎとの声がある中、22年オフに同じロスのエンゼルスから3年3900 万ドルをゲット。先発ローテ入りが決まった状態で新シーズンを迎える。

【その他】

ニックネームは"ミスター・ダック"。オレゴン大学のスポーツチームがダックスで、同大史上最高の選手だったことが由来。昨年オールスターに選ばれたが、オレゴン・ダックス出身者では初の選出となった。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:1回(22)

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2016 COL 19 5 6 0  3.54 114.1 119 45 12 28 3 99 1.29 3.54

2017 COL 17 6 6 0  4.81 86.0 88 46 16 26 2 81 1.33 3.12

2018 COL 32 7 9 0  4.55 176.0 165 89 30 59 3 164 1.27 2.78

2019 COL  5 0 3 0 11.76 20.2 33 27  8 11 0 23 2.13 2.09

2020 SF  13 4 3 0  4.37 59.2 58 29  5 25 4 41 1.39 1.64

2021 PIT 18 5 8 0  4.35 103.1 99 50 16 25 1 86 1.20 3.44

2021 SEA 13 2 3 0  4.81 63.2 71 34 11 13 0 48 1.32 3.69


カルロス・エステベス


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Carlos Estevez (フルネーム/Carlos Samuel Estevez)

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1992-12-28生|198cm126kg|リリーフ 右投右打

出身地/ドミニカ共和国 首都地区サントドミンゴ

プロ入り/2011年5月COL契約

メジャーデビュー/2016-4-23
■選手紹介

198cm/122kgの大柄どおりの速球を投げるパワーピッチャー。2022年までコロラド・ロッキーズのセットアップマンを務めていた。平均97~98マイルのフォーシームとチェンジアップで押すスタイルで、エンゼルスではクローザー候補と期待されている。

エステベスはドミニカ共和国の首都サントドミンゴで生まれた。高校時代、ジュニア(3年生)のときにバージニア州の高校に野球留学し、ロッキーズ傘下のドミニカン・サマーリーグで2年過ごしたあと20歳になってから渡米した。

2016年にメジャー初昇格。腹斜筋とヒジを痛めた18年を除いてロッキーズの大事なリリーバーとして使われた。22年オフにFAとなり、エンゼルスから2年1350万ドルのリリーフでは好条件の契約をゲットした。

新天地ではクローザーが不在で、リリーフの顔ぶれを見るとエステベスが本命とみられる。打者有利のクアーズフィールドを本拠地にするロッキーズではホームで防御率5点台半ばであった一方、ビジターでは3点台半ばを記録している。山を下りれば他球団のセットアップマンと遜色ない成績を残せそうだ。

なお、ロッキーズ時代は登板時に野球映画の『メジャーリーグ』のテーマソングであるWild Thing を使用していたが、エンゼルス移籍後も使用するようだ。主人公を演じた俳優チャーリー・シーンの本名が同じカルロス・エステベスであることから交流があり、曲の使用も公認されている。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2016 COL 63 3 7 11  5.24 55.0 50 32  6 28 5 59 1.42 2.11

2017 COL 35 5 0 0  5.57 32.1 39 20  3 14 1 31 1.64 2.21

2019 COL 71 2 2 0  3.75 72.0 70 30 12 23 1 81 1.29 3.52

2020 COL 26 1 3 1  7.50 24.0 33 20  6  9 3 27 1.75 3.00

2021 COL 64 3 5 11  4.38 61.2 71 30  8 21 2 60 1.49 2.86


マット・ムーア


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Matt Moore (フルネーム/Matthew Cody Moore)

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1989-06-18生|191cm95kg|リリーフ 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 フロリダ州フォートウォルトンビーチ

ドラフト/2007年TB8巡目(全体245位)指名

メジャーデビュー/2011-9-14
■選手紹介

2020年にソフトバンクで投げた元先発左腕。いつ見ても制球に苦労していてフォアボールを出している。小学生の頃に沖縄に住んでいたことがある。

郡内に3つの空軍施設があるフロリダ州の西部の町に生まれた。父親がヘリコプター部隊所属の軍人だったため何度か引っ越しており、7~11歳の頃に沖縄の嘉手納基地で過ごしたあと、ニューメキシコ州に移り住んだ。

2007年に高卒でタンパベイ・デビルレイズに入団。どの階級でも好成績を残し、AAAに到達した頃にはマイク・トラウトやブライス・ハーパーと同列に語られるレベルの超有望株となる。11年にメジャーデビューするとジョー・マドン監督の奇襲戦法でプレーオフに先発に抜擢され勝利投手に。この活躍で翌年の先発ローテ入りを確約された。

2013年はキャリア最高の17勝4敗・防御率3.29を挙げ、サイ・ヤング賞の得票も得た。だがシーズン終盤にヒジを痛め、ここからキャリアが暗転していった。14年の序盤にトミー・ジョン手術を受けて以降、かつての球威を取り戻せないまま球団を転々し、19年オフにソフトバンクと契約。日本での好投を認められ、1年でメジャーに復帰しリリーバーに転向した。

2023年からエンゼルスでプレーすることになった。セットアップマンタイプのリリーバーがいないチーム状況のため、8~9回を投げる役回りを担う可能性も。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:1回(13)

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2011 TB  3 1 0 0  2.89  9.1  9  3  1  3 0 15 1.29 5.00

2012 TB  31 11 11 0  3.81 177.1 158 75 18 81 7 175 1.35 2.16

2013 TB  27 17 4 0  3.29 150.1 119 55 14 76 4 143 1.30 1.88

2014 TB  2 0 2 0  2.70 10.0 10  3  1  5 0  6 1.50 1.20

2015 TB  12 3 4 0  5.43 63.0 74 38  9 23 4 46 1.54 2.00

2016 TB  21 7 7 0  4.08 130.0 125 59 20 40 5 109 1.27 2.73

2016 SF  12 6 5 0  4.08 68.1 59 31  5 32 1 69 1.33 2.16

2017 SF  32 6 15 0  5.52 174.1 200 107 27 67 7 148 1.53 2.21

2018 TEX 39 3 8 0  6.79 102.0 128 77 19 41 5 86 1.66 2.10

2019 DET  2 0 0 0  0.00 10.0  3  0  0  1 0  9 0.40 9.00

2021 PHI 24 2 4 0  6.29 73.0 78 51 15 38 2 63 1.59 1.66


クリス・ロドリゲス


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Chris Rodriguez (フルネーム/Chris Rodriguez)

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1998-07-20生|188cm84kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 フロリダ州コーラルスプリングス

ドラフト/2016年LAA4巡目(全体126位)指名

メジャーデビュー/2021-4-2
■選手紹介

エンゼルスには数少ないパワー系の先発ピッチャー。2021年にメジャーデビュー済み。チームの有望株ランキングの上位に入っていたが故障が多く、22年は肩の故障で全休となった。

フロリダ出身のロドリゲスは、多くの著名人を輩出しているモンシニョール・エドワード・ペース高校に通い、ドラフト4巡目でエンゼルスに入団した。

プロ入り3年目の2018年に背中のストレス反応と疲労骨折を起こし、18・19年の大半を欠場。しかし、復帰後はファストボールが98マイル(157km/h)に達し、以前より球威が増したため、投手の有望株に乏しいエンゼルスでは久々の本格派として将来のローテーション入りを期待された。

21年に初めてメジャーに昇格。2先発を含め30イニング弱を投げた段階で広背筋を負傷しシーズンが終了。翌年完治したもののまたしてもシーズンを全休してしまった。

常時95マイル以上が出る2種類の速球と、スライダー、チェンジアップ、カーブはどれも投球の組み立てに使える。コントロールも悪くない。ケガの回避をしつつ、プロ入り後7年でたった119イニングしか投げていない経験不足を早く挽回したい。

寄稿日:2023-03-30 最終更新日:2023-03-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2021 LAA 15 2 1 0  3.64 29.2 28 12  0 15 4 29 1.45 1.93