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ボビー・ダルベック


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Bobby Dalbec (フルネーム/Robert Vernon Dalbec)

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1995-06-29生|193cm103kg|一塁手、三塁手 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ワシントン州シアトル

ドラフト/2016年BOS4巡目(全体118位)指名

メジャーデビュー/2020-8-30
■選手紹介

レッドソックスのファーストを守るスラッガー。2020年からレギュラーとして出場しているが名門ボストンのファーストとしては物足りなさが否めず、有望株トリストン・カサスの足音が迫っている。

ダルベックはプロ入り前、コロラド州にあるレジェンド高校に通い、肩が強かったためショート兼ピッチャーとしてプレーした。バスケットもプレーする有望な選手だったが、高校卒業後はアリゾナ大学進学を熱望しており、ドラフト指名は見送られた。アリゾナ大では主軸として活躍。ジュニア(3年生)時代にやや成績を落としたものの、レッドソックスからドラフト4巡目指名を受けて入団した。同年のドラフト指名された大学生の中では1・2を争うパワーヒッターとの評価だった。なお、大学ではクローザーも務めていたがプロでは野手一択だった。2018年にA+・AAあわせて32本塁打。翌2019年はWBSCプレミア12のアメリカ代表として出場し、ファーストのベストナインに選ばれている。

2020年に25歳で開幕メジャーの座を勝ち取ると、メジャー史上初となる"デビューから10試合以内の5試合連続本塁打"を記録した。また、5戦連発はテッド・ウィリアムズらに並ぶレッドソックスの球団記録でもあった。翌シーズンも開幕からスターティングラインナップに名を連ねたが、率系の成績が悪化。ホームランバッターにもかかわらず453打席で28個しか四球を選べなかった一方、156個の三振を喫し、ヒッティングツールに大きな課題を残した。

ファーストとしてスタメン出場してはいるものの、カサスのメジャー昇格を見越してユーティリティの道を模索している。ラファエル・ディバースがいるため出場機会が無いが、サードはマイナー時代から平均以上の守備力を見せている。2021年はショートも少し経験し、ALCS最終戦では選手を使い果たしてセカンドを守らされた。今後はレフトを守る機会も出てくるだろう。

なお、ダルベックはコロラドの高校に通っていたが生まれはシアトルで、MLBはマリナーズ、NFLはシアトル・シーホークスのファンだった。また、父親はドラマーでレコード会社の役員を務めており、両親が出会ったのはラジオ局だった。その影響もあって以前からピアノとギターをかじっていたが、新型コロナの流行でシーズン中断した時期に毎日ギターを弾くようになった。野球選手を辞めたらミュージシャン転向もあるかもしれない。

寄稿日:2022-05-05 最終更新日:2022-05-05
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼5試合連続ホームランを放つルーキー時代のダルベック

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2020 BOS 23  80  21  3 0  8 16 10 2 39  0 .263 .359 .600

2021 BOS 133 417 100 21 5 25 78 28 7 156  2 .240 .298 .494


ニック・ピベッタ


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Nick Pivetta (フルネーム/Nicholas Johncarlo Pivetta)

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1993-02-14生|196cm97kg|先発 右投右打

出身地/カナダ ブリティッシュコロンビア州ビクトリア

ドラフト/2013年WSH4巡目(全体136位)指名

メジャーデビュー/2017-4-30
■選手紹介

2021年のポストシーズンで好投し、熱いハートの持ち主だったことが分かった本格派先発右腕。高めのフォーシームとボールゾーンに落ちるカーブを組み合わせたオーソドックスなスタイルで三振を量産する。メジャー昇格間近の2017年にWBCカナダ代表として登板経験がある。メジャーデビュー後の3年半をフィラデルフィア・フィリーズで過ごした。スタイルが良い。

2013年にドラフト4巡目でワシントン・ナショナルズに入団。メジャーに上がる前にジョナサン・パペルボンとの交換トレードでフィリーズ入りする。2017年4月にAAAで5勝無敗・防御率1.41を記録して同月30日にメジャー25人枠に登録、即日メジャー登板した。2018年は一時期AAAに落ちることもあったがほぼ先発ローテを守り、7勝14敗ながら164イニング・188奪三振を記録。10.32のK/9は同年のナ・リーグ5位、フィリーズの投手では1998年のカート・シリングに次ぐ球団史上2番目に高い記録だった。

2020年8月にボストン・レッドソックスに移籍。フィリーズはこの年リリーフ防御率が一時期8点台になるほどの壊滅状態。ピベッタと有望株コナー・シーボルドの両スターターを、決してトップレベルとは言えないブランドン・ワークマンとヒース・ヘンブリーのリリーフ2枚と交換した。

2021年はボストンでも開幕からローテーション入りすると、5月までで6勝無敗。特に4月29日にジェイコブ・デグロームとの投手戦に投げ勝った試合はチームを勢い付けた。シーズン後半は息切れしたが、ポストシーズンでは活躍。ディビジョン・シリーズ第3戦では延長13回まで4イニングを投げ切った試合は、2018年のネイサン・イバルディを彷彿とさせる好投だった。

持ち球は6~7割を占めるフォーシームのほかスライダー、ナックルカーブがメイン。フォーシームは93~97マイルの球速表示以上の威力がある。75~80マイルのナックルカーブは高めのフォーシームとのコンビネーションで多くの三振を奪っている。85マイルのスライダーはうまく制球できているが、ナックルカーブに比べると打たれていてフライボール率も高い。たまにチェンジアップを投げているが投球フォームが変わってしまう。

魅力的なピッチャーだが、明確な弱点がある。フライボール率が高く被弾・炎上グセがあり、序盤で試合を壊してしまうことがある点。また、チェンジアップが良くないため左バッターとの相性が悪い点。これまで所属したフィリーズとレッドソックスのボールパークがピベッタ向きでないのも原因だが、これまで通年先発ローテーションに入っていてもシーズン2桁勝利、防御率3点台をクリアしたことが一度もない。もう1段上のピッチャーをなって人気投手になってほしいものだ。

寄稿日:2022-05-04 最終更新日:2022-05-04
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼ポストシーズンで延長戦を4イニング無失点で投げ切ったピベッタ

▼大谷にグリーンモンスター超えの11号ソロを献上するピベッタ

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2017 PHI 26 8 10 0  6.02 133.0 144 89 25 57 4 140 1.51 2.46

2018 PHI 33 7 14 0  4.77 164.0 163 87 24 51 5 188 1.30 3.69

2019 PHI 30 4 6 1  5.38 93.2 103 56 20 39 4 89 1.52 2.28

2020 PHI  3 0 0 0 15.88  5.2 10 10  3  1 1  4 1.94 4.00

2020 BOS  2 2 0 0  1.80 10.0  8  2  1  5 0 13 1.30 2.60

2021 BOS 31 9 8 1  4.53 155.0 137 78 24 65 5 175 1.30 2.69


カッター・クロフォード


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Kutter Crawford (フルネーム/Kutter Martin Crawford)

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1996-04-01生|185cm95kg|先発、リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 フロリダ州オキチョービー

ドラフト/2017年BOS16巡目(全体491位)指名

メジャーデビュー/2021-9-5
■選手紹介

カッターよりカーブの評価が高いカッター・クロフォード。大学在学中はその名の通りカッターを武器にしていたが、プロ入り後はカーブがベストピッチになった。2021年のデビュー戦は2回5失点と打ち込まれたが、2022年はスプリングトレーニングで好投したため開幕メジャーロースター入りを勝ち取っている。新型コロナワクチンを打っていないためトロント入りできない選手の1人。

クリス・セールの母校でもあるフロリダ・ガルフコースト大学でプレーし、2017年にボストン・レッドソックスにドラフト16巡目で入団。AAで投げた2019年秋にトミー・ジョン手術、翌年夏に骨片除去手術に成功し、2021年シーズン終盤にメジャーデビューを果たした。

2度のヒジの手術を受けたクロフォードの球威は手術前よりアップした。フォーシームの球速が92~95マイル出るようになり、カーブの変化量が大幅に向上。それまで武器としていたカッターは第2の変化球になった。80マイル台中盤のスプリッターに近いチェンジアップを持っているがストライクを取れずに苦労している。チェンジアップを操れるようになれば4~5番手のスターターかマルチイニングリリーフとしてメジャー定着ができるだろう。

兄のジョナソン・クロフォードも投手で、2013年に1巡目全体20位で指名された逸材だった。しかし、プロ入り後は徐々にコントロールを乱すようになりAAにすら上がれなかった。マイナー最終年はA+で0勝10敗・87回1/3を投げて94与四死球・13暴投の記録を残して野球界を離れ、2022年現在は現役復帰して独立リーグでプレーしている。

寄稿日:2022-05-04 最終更新日:2022-05-04
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼ウインターリーグで5回無失点と好投するカッター・クロフォード

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2021 BOS  1 0 1 0 22.50  2.0  5  5  1  2 0  2 3.50 1.00


コナー・ウォン


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Connor Wong (フルネーム/Connor Sun-Han Wong)

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1996-05-19生|185cm82kg|捕手、二塁手、三塁手 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 テキサス州ヒューストン

ドラフト/2017年LAD3巡目(全体100位)指名

メジャーデビュー/2021-6-22
■選手紹介

キャッチャーとしては小柄だが、案外メジャーで爪痕を残すかもしれないキャッチャー兼内野手。セカンドとサードも守れる。大学時代は公式戦でピッチャー以外の8ポジションを守った経験がある。

テキサス州の高校でショートとしてプレーし、ヒューストン大学へ進学。2017年にドジャースにドラフト3巡目(全体100位)指名で入団。ちなみに大学でよくバッテリーを組んだセス・ロメロは全体25位・契約金280万ドルでプロ入りしている。

ドジャースのマイナーでは2019年にA+、AAあわせて111試合で24本塁打を放つなど、小柄ながら長打力を見せる。2020年のオフにムーキー・ベッツの大型トレードでレッドソックスに移籍した。AAAでは平凡な成績だったが、バックアップ捕手のケビン・プラウェッキがIL入りしたため昇格。リード面に課題を残したままプラウェッキの復帰に伴いAAAへ降格した。

2022年も4月にプラウェッキが新型コロナによるIL入りでメジャー昇格。正捕手クリスチャン・バスケスも陽性反応を示したため、4月19日(現地時間)の試合でスタメン出場を果たすと、試合終盤に勝ち越しとなる犠牲フライを放った。AAAでは打撃で苦戦しており、高い三振率を減らしてもう少し確実性を上げたいところだ。

ところで、名前からしてゴールドグラバーのコルテン・ウォンの弟か?と思ってしまうが赤の他人。コルテン・ウォンの弟はエンゼルスのマイナー(2022年5月現在)にいるキーン・ウォン。

寄稿日:2022-05-04 最終更新日:2022-05-04
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼ウォルシュの盗塁を阻止するウォン

▼7回裏に勝ち越し犠牲フライを放つウォン

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2021 BOS  6  13  4  1 1  0  1  1 0  7  0 .308 .357 .538


ビンス・ベラスケス


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Vince Velasquez (フルネーム/Vincent John Velasquez)

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1992-06-07生|191cm96kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州モンクレール

ドラフト/2010年HOU2巡目(全体58位)指名

メジャーデビュー/2015-6-10
■選手紹介

抜群の身体能力を誇るも、あまり生かし切れないままベテランの域に差し掛かっている本格派先発右腕。6年以上過ごしたフィリーズを解雇された後パドレスとマイナー契約、2022年はホワイトソックスの先発ローテの一角としてプレーする。

ベラスケスのプレーは日本で何度も取り上げられている。1度目は2018年6月、アダム・イートンが打ったピッチャーライナーを右腕で受けてしまい、とっさに左手で送球しアウトを奪ったシーン。ベラスケスは痛みで地面を転がったが、それより利き手と反対の腕で90マイルを放ったことが話題となった。2度目は2019年8月、先発登板した翌日の試合が延長14回に入り、選手が足りなくなりベラスケスがレフトの守備についたシーン。1死二塁でレフト前に転がった打球をベラスケスが本職顔負けの好返球でホームに送球、二塁走者の生還を阻止した。続く15回にはレフト前に落ちそうな打球をダイビングキャッチ。この打球の捕球確率は15%の難しい打球だった。3度目は2022年のオープン戦、大谷翔平に開始6秒でホームランを浴びたシーンも幾度となく地上波で流された。

カリフォルニアで生まれ育ったベラスケスは高校で野球とフットボールを中心に複数のスポーツで活躍していた。地元カリフォルニア州立大フラートン校からコミットを受けていたが、2010年にアストロズに2巡目指名されて入団した。高校2年次に右ヒジの骨棘のせいで投球を制限され、左でも投げれるよう練習したことが先述のプレーに繋がっている。高校卒業後、プロ入りしてすぐにトミー・ジョン手術を受けて出遅れるがその後はハイペースで昇進。2015年にAAAを飛び越えてメジャーデビューを果たす。55回2/3を投げて58奪三振のパワーピッチを見せ、ローテーションを担う人材と思われていた。しかし同年オフにクローザーのケン・ジャイルズやドラフト全体1位指名のマーク・アペルを巻き込んだ大型トレードでフィリーズに移籍する。

フィリーズ移籍後の2016年4月14日のサンディエゴ・パドレス戦で初の完投勝利を完封で記録した。被安打3・無四球・16奪三振の凄まじい内容で、過去に無四球かつ16奪三振以上を記録した投手はドワイト・グッデン、ケリー・ウッド、ロジャー・クレメンス、ランディ・ジョンソン、マックス・シャーザーの錚々たるメンツしか記録していない内容だったため、ファンの期待が自然と高まっていった。しかしその後は好投する試合があっても制球難と一発病を克服できず、また指の血行障害など故障離脱を繰り返し、信頼を勝ち取れないまま2021年9月14日にフィリーズをDFAとなった。翌日15日にパドレスに拾われるが、12イニングで6本のホームランを浴びた。

それでも2022年、ルーカス・ジオリートとランス・リンの両エース格を故障で欠き、スターターを探していたホワイトソックスと1年300万ドルのメジャー契約を取り付けた。6月に30歳を迎える現在もファストボールの威力は衰えていない。デビュー以来、規定投球回・2桁勝利・防御率4点未満のいずれも1度も達成したことがない。今季こそポテンシャルに見合った活躍をできるだろうか?

寄稿日:2022-04-25 最終更新日:2022-04-25
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼ビンス・ベラスケスが被安打3・無四球・16奪三振の素晴らしい内容で完封勝利

▼利き手と反対の左投げでバッターランナーをアウトにするベラスケス

▼レフトに入ってレーザービーム&ダイビングキャッチで観客を沸かすベラスケス

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2015 HOU 19 1 1 0  4.37 55.2 50 27  5 21 2 58 1.28 2.76

2016 PHI 24 8 6 0  4.12 131.0 129 60 21 45 1 152 1.33 3.38

2017 PHI 15 2 7 0  5.13 72.0 74 41 15 34 3 68 1.50 2.00

2018 PHI 31 9 12 0  4.85 146.2 138 79 16 59 8 161 1.34 2.73

2019 PHI 33 7 8 0  4.91 117.1 120 64 26 43 9 130 1.39 3.02

2020 PHI  9 1 1 0  5.56 34.0 36 21  5 17 3 46 1.56 2.71

2021 PHI 21 3 6 0  5.95 81.2 76 54 17 45 4 85 1.48 1.89

2021 SD  4 0 3 0  8.53 12.2 15 12  6  4 0 16 1.50 4.00


スターリング・マーテイ


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Starling Marte (フルネーム/Starling Javier Marte)

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1988-10-09生|185cm88kg|中堅手、左翼手 右投右打

出身地/ドミニカ共和国 首都地区サントドミンゴ

プロ入り/2007年1月PIT契約

メジャーデビュー/2012-7-26
■選手紹介

パイレーツで実績を積んだ後、トレード市場の人気物件になったスター外野手。オールスター出場、ゴールドグラブ賞受賞経験がある。全盛期は30-30を狙える人材と期待されたが30本塁打には届かなかった。結婚しているが妻は2020年に心臓発作を起こして亡くなった。息子2人と娘1人がおり、上の息子の名前はスターリングJr.で下はスマーリング。

マーテイはドミニカ共和国出身で、9歳の時に母親を亡くして祖母に育てられた。祖母には孫が50人、ひ孫が40人以上いる大所帯だった。2007年に国際FAでパイレーツと契約。マイナーでスピードと外野守備の評価が高く、AAに昇格してからは長打も出るようになり5ツールプレーヤー候補とみられるようになった。2012年は初めてのAAAで開幕を迎え、ベースボール・プロスペクタスの有望株ランキングでは全体56位、ベースボール・アメリカの73位にランクされた。

2012年7月にメジャーに昇格し、パイレーツのドミニカ共和国の野球アカデミー卒業生で初めてのメジャーリーガーとなった。また、初出場となった対アストロズ戦に1番レフトでスタメン出場すると、ダラス・カイケルの投じた初球をスタンドに叩き入れた。初打席初球ホームランはメジャー史上28人目の珍記録で、それを初回先頭バッターの初球で記録したのは2人目の快挙だった。ちなみに1人目は2004年の松井稼頭央である。

2014年の開幕直前、マーテイはパイレーツと6年3100万ドルの長期契約を結んだ。2015年に19ホーマーを放って4年連続ホームラン数を伸ばし、守備面でもレフトとして初めてゴールドグラブ賞とフィールディング・バイブル賞を併せて受賞した。2016年はキャリア初の打率3割超え(.311)と47盗塁に加え、前年より1個多い17捕殺を記録して2年連続ゴールドグラブ賞とフィールディング・バイブル賞受賞となった。

翌2017年、第4回WBCドミニカ共和国代表に選ばれたが、4月中旬に禁止薬物(ナンドロロン)に陽性反応を示したため80試合の出場停止となり、チームとファンに謝罪した。7月に復帰後、これまでレフトのレギュラーだったがセンターでの出場機会が増えていった。主軸のアンドリュー・マカッチェンのセンターの守備に衰えが目立つようになり、マカッチェンをCF→RF、グレゴリー・ポランコをRF→LF、マーテイをLF→CFにシャッフルする案が浮上していた。翌年からマカッチェンがサンフランシスコ・ジャイアンツに移籍したため、マーテイは空席のセンターのレギュラーとなった。

2018~19年は出場した試合はすべてセンターを守った。打撃面で2年続けて20本塁打以上を放ち、30-30を期待されるほどの活躍をしたが、一方で守備面では陰りが見え始めた。2020年は春季キャンプ前、最初からポストシーズンを諦めているパイレーツはアリゾナ・ダイヤモンドバックスにマーテイを売り払うが、そのDバックスもシーズン序盤から負けが込み、7月末にマイアミ・マーリンズへ移籍した。翌2021年はマーリンズが低迷して、前年同様トレード期限間際にアスレチックスに移籍した。同年は自身初めて両リーグ最多の盗塁(47個)をマークしたが、リーグを跨いでいるため残念ながら盗塁王を逃した。

2022年は昨年ロックダウン前にニューヨーク・メッツと4年7800万ドルで契約した。30-30を狙える5ツールプレイヤーと言われた男もパワーと守備範囲に陰りが見え始めている。メッツでは補強次第だがセンターを任されることになりそうだが、大型契約した選手が軒並み成績を落とすことで知られるメッツで若々しいパフォーマンスを見せられるのか注目だ。

寄稿日:2022-01-02 最終更新日:2022-01-02
オールスター:1回(16)

主な表彰:ゴールドグラブ賞2回(15,16)

タイトル:なし

▼HRキャッチとHRを同じ試合で披露するマーテイ

▼4安打の固め打ちをするマーテイ

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2012 PIT 47 167  43  3 6  5 17  8 3 50 12 .257 .300 .437

2013 PIT 135 510 143 26 10 12 35 25 24 138 41 .280 .343 .441

2014 PIT 135 495 144 29 6 13 56 33 17 131 30 .291 .356 .453

2015 PIT 153 579 166 30 2 19 81 27 19 123 30 .287 .337 .444

2016 PIT 129 489 152 34 5  9 46 23 16 104 47 .311 .362 .456

2017 PIT 77 309  85  7 2  7 31 20 8 63 21 .275 .333 .379

2018 PIT 145 559 155 32 5 20 72 35 8 109 33 .277 .327 .460

2019 PIT 132 539 159 31 6 23 82 25 16 94 25 .295 .342 .503

2020 ARI 33 122  38  8 1  2 14 10 5 19  5 .311 .384 .443

2020 MIA 28 106  26  6 0  4 13  2 4 22  5 .245 .286 .415

2021 MIA 64 233  71 11 1  7 25 32 8 57 22 .305 .405 .451

2021 OAK 56 234  74 16 2  5 30 11 5 42 25 .316 .359 .466


トラビス・デメリット


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Travis Demeritte (フルネーム/Travis Timothy Demeritte)

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1994-09-30生|183cm82kg|二塁手、外野手、三塁手 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク

ドラフト/2013年TEX1巡目追補(全体30位)指名

メジャーデビュー/2019-8-2
■選手紹介

殻を破れずにいる2013年ドラフト1巡目の元有望株。2022年はメジャーデビュー前に在籍したブレーブスに出戻り再起を図る。ロナルド・アクーニャJr.が復帰する5?6月までにアピールできなければ、近いうちに日本か韓国の助っ人外国人になっているかもしれない。

デメリットはニューヨーク生まれだがジョージア州の高校に通い、ショート兼ピッチャーとして州でも有名な高校生だった。最終学年はトップバッターを務めて29試合・42得点・打率.404・12本塁打・37打点、投げてはチームのエースとして8勝1敗・防御率0.69の圧倒的な成績を残した。また、バスケットボールも有能だった。

ドラフト前の評価では1巡目の後半あたりで指名され、2巡目には残らないだろうと見込まれていた。また、23位と30位の指名権を持っていたレンジャースがピックするとの予想があり、実際に30位指名を受けた。30位はFAでエンゼルスと大型契約を結んだジョシュ・ハミルトンの補償による指名権だった。

プロ入りした2年目のシーズン中にショートからセカンドへ本格的にコンバートされた。2015年に禁止薬物(フラセミド)の陽性反応が出て80試合の出場停止処分が下されたが、復帰後は力強い打球を飛ばして徐々に名誉挽回していった。2016年は6月にシングルAでベンチ総出の乱闘騒ぎを起こし、7月にフューチャーズゲーム(マイナーのオールスターゲーム)に選ばれた後アトランタ・ブレーブスにトレードされた。

移籍先のブレーブスでは強打を見せAAAに昇格。2019年7月末(トレード期限最終日)、ブレーブスはポストシーズンに向けたブルペン強化のためシェーン・グリーンを獲得。見返りにデメリットをデトロイト・タイガースに放出した。タイガースは同じ日にレフトのニック・カステヤーノスを売り払っていたため、デメリットをメジャー昇格させてレギュラー争いのチャンスを与えた。同年は186打席、2020年は30打席立つもビッグリーグの壁は高く、タイガースをDFAになりブレーブス傘下のAAAに出戻ると、2021年はメジャーには上がれなかったが81試合で21本塁打・OPS.939をたたき出した。

選手としての特徴は、打撃はラインドライブヒッターでありながらバットスピードが速く、シーズン20本前後ホームランを打つポテンシャルを持っている。コンタクト力は伸び悩み気味。四球が多いのは空振りが多くカウントが深くなりやすいためで、選球眼には疑問符が付く。守備面は高校ではショートの他にサード、セカンドを守れる触れ込みで入団したが、肩が強いがグラブ捌きとフットワークは遅めだったため、将来的にサードに回るべきだと言われてきた。プロ入り後はセカンドとサードを守るようになり、近頃はライトでの出番が増えている。

デメリットなどという縁起の悪い名前だがスペルが違う(demerit)ので問題なし。また、2016-17年にメジャーで投げたライアン・メリットとは2019年にトリプルAで対戦したことがあり、7打数無安打1四球2三振に打ち取られた。

寄稿日:2021-12-30 最終更新日:2021-12-30
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼ミギーと2者連続弾を放つデメリット

▼好判断でホームを陥れるデメリット

▼マウンドへ詰め寄り乱闘を引き起こすデメリット

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2019 DET 48 169  38  7 2  3 10 14 1 63  3 .225 .286 .343

2020 DET 18  29  5  1 0  0  4  3 1 14  0 .172 .273 .207


アイザイア・カイナー=ファレファ


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Isiah Kiner-Falefa (フルネーム/Isiah Kiner-Falefa)

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1995-03-23生|180cm86kg|三塁手、遊撃手、二塁手、捕手 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ハワイ州ホノルル

ドラフト/2013年TEX4巡目(全体130位)指名

メジャーデビュー/2018-4-10
■選手紹介

手堅い守りでレンジャースを支える内野手。マイナー時代も含めて年間2桁本塁打を放った年は1度もないが、様々なポジションを守れる守備力で評価を高めている。デビュー年と2年目はキャッチャーとしても出場している。2021年オフはレンジャースが大物野手を次々と獲得したため、トレードの引き合いが急増している。

ハワイのホノルルで生まれたカイナー=ファレファには母方の祖先に日本人がいる。"The Hawaiian Hustle"というニックネームがつけられている。ホノルルの高校卒業後、2013年ドラフトではレンジャースから4巡目指名を受けた。レンジャースは契約金が嵩みそうだったチチ・ゴンザレスとトラビス・デメリットを1巡目に指名したため、2巡目以下は評価が低めの選手を選択した。そのため、ほとんど無名だったカイナー=ファレファが4巡目130位で呼ばれ、その代わり相対的に低い202,000ドルで契約を交わした。前後に指名された選手の契約金は129位のジョナ・ハイムが389,700ドル、131位のディラン・コビーは370,000ドルだった。

レンジャースに入団したカイナー=ファレファは、マイナーで様々なポジションをこなして守備力をアピール。徐々にチーム内の評価を上げ、2018年はルール5ドラフト対策で40人枠に入れられた。同年初めてのAAAで開幕を迎えたが、5試合出ただけでメジャーに引き上げられた。メジャーで111試合に出場し、そのうち46試合で正ポジションのサードについたが、35試合をキャッチャーとして出場している。

2019年は夏場にケガと不調のため2ヶ月近くAAAでの調整を強いられ、出場試合数は65に留まった。短縮シーズンとなった2020年はサードに固定され、シーズン前は誰も予想していなかったゴールドグラブを受賞。2021年はチーム事情でショートを守ることが多かったが無難に守り抜き、全ポジション中ア・リーグ5位となるDefensive War +2.0の好成績を残した。

バッティングは長打はまったく期待できず、マイナー時代から評価される際「パワーレスだが…」と必ず触れられてきた。コンタクト能力はまずまずで空振りが少ないが、待ち球タイプでもないため四死球が少ない。そのため、スラッシュラインが2割5分前後/3割台/3割台になりがち。メジャーデビュー以来4年間で2019年にギリギリ出塁率.299が満たさなかったのを除いてこのスラッシュラインに収まっている。

守備は本職はサードだが投手以外の全ポジションを守れる。AA級にいた2017年にメジャーでの出場機会を増やすためキャッチャーを守れるように教育された。二遊間とキャッチャーを兼任する野手は珍しく希少価値が高い。マイナー時代はセンターも守らされたことがあり、実践でセンターライン4ポジションを経験済み。メジャーデビューした2018年はロビンソン・チリノスのバックアップが誰もおらずサード兼第2捕手の位置付けとなり、翌年は本来は控え捕手にしたいジェフ・マシスと併用する形で使われた。2021年はエルビス・アンドレスがいなくなり、翌年ショートのFA市場が大豊作になることを見越してレンジャースはカイナー=ファレファを転向させた。

寄稿日:2021-12-26 最終更新日:2021-12-26
オールスター:なし

主な表彰:ゴールドグラブ賞1回(20)

タイトル:なし

▼2020年に初のGGを獲得するカイナー=ファレファ

▼ソロホームランを放つカイナー=ファレファ

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2018 TEX 111 356  93 18 2  4 34 28 6 62  7 .261 .325 .357

2019 TEX 65 202  48 12 1  1 21 14 4 49  3 .238 .299 .322

2020 TEX 58 211  59  4 3  3 10 14 2 32  8 .280 .329 .370

2021 TEX 158 635 172 25 3  8 53 28 11 90 20 .271 .312 .357


ニック・キンガム


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Nick Kingham (フルネーム/Nicholas Gordon Kingham)

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1991-11-08生|196cm107kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 テキサス州ヒューストン

ドラフト/2010年PIT4巡目(全体117位)指名

メジャーデビュー/2018-4-29
■選手紹介

パイレーツの先発ローテーション投手になることを期待されていた長身右腕。パイレーツをDFAになったあと韓国に渡ってプレーを続け、再びメジャーを目指す。

2010年にパイレーツからドラフト4巡目指名を受け、オレゴン大学への入学を断って高卒での入団を決めた。プロ入り後はマイナーの階級を徐々に上げ、2014年にAAAに到達すると、翌シーズン開幕前の有望株ランキングでメジャー公式サイトから全体58位、ベースボール・プロスペクタス社からは67位の高評価を得るまでになった。同年中にメジャーでの先発ローテーション争いに加わると予想されていたが、ヒジの故障でトミー・ジョン手術を受けたためデビューが大幅に遅れることになった。2017年はTJのリハビリを終えて開幕メジャーの可能性が高まったがスプリングトレーニング中に足首を故障し、またしてもメジャー初登板が延期された。

翌2018年4月29日にようやくメジャー初昇格をすると、初登板のカージナルス戦で球史に残る好投を披露する。7回途中までヒットを許さず、ポール・デヨングに単打を打たれるまで完全試合ペース。7回を1安打・無四球・9奪三振の素晴らしい内容でメジャー初勝利をマークした。だが次戦以降は相手打線を圧倒することができず、同年は結局18試合(先発15試合)・5勝7敗・防御率5.21と平凡な成績。2019年はさらに打ち込まれ、シーズン途中にパイレーツをDFA。衝撃的だったデビュー戦で期待値は非常に高まっていただけに、パイレーツファンにとって落胆の大きい結果となった。

2020年から韓国に渡ってSKワイバーンズでプレーすることを選択する。しかし、開幕前にヒジの違和感を覚え登板が延期。2試合しか登板できずSKを解雇された。2021年はヒジの怪我が癒えたと判断したハンファ・イーグルスがキンガムを獲得。シーズン中に大きな故障なく先発ローテを守り10勝を挙げた。

196センチ107キロと恵まれた体格だが、フォーシームの平均球速は91~93マイルと平均的。トミー・ジョン手術を受ける前の球威を取り戻せずにいる。変化球は80マイル前後のハードカーブで空振りを多く奪っている。チェンジアップも第3の球種としては及第点。カットボールやツーシームを織り交ぜる試合もある。コントロールはフォーシーム、カーブ、チェンジアップとも悪くはないが、パワーピッチャーでないのでもう少し精度が高くあって欲しい。

同じイニシャルの弟ノーラン・キンガムはテキサス大学からアトランタ・ブレーブスに入団した先発投手。ニックのメジャー初登板のときはテキサス大学に通っていたが、デビュー戦の日にたまたまウエストバージニア大学と試合があり、ピッツバーグから近かったのでニックの快挙を生で見ることが出来た。なお、ノーランの2021年はAAでは好投もAAAで滅多打ちに遭い、メジャーリーガーになれるか微妙な立ち位置にいる。

寄稿日:2021-12-17 最終更新日:2021-12-17
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼あわや完全試の好投でメジャーデビューを果たすキンガム

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2018 PIT 18 5 7 0  5.21 76.0 79 44 18 26 5 69 1.38 2.65

2019 PIT 14 1 1 1  9.87 34.2 54 38  7 17 0 32 2.05 1.88

2019 TOR 11 3 1 0  3.00 21.0 24  7  4  8 0 14 1.52 1.75


ステファン・クライトン


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Stefan Crichton (フルネーム/Stefan Brook Crichton)

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1992-02-29生|191cm94kg|リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 テキサス州ヒューストン

ドラフト/2013年BAL23巡目(全体699位)指名

メジャーデビュー/2017-4-16
■選手紹介

2月29日生まれとして知られている右のリリーフピッチャー。スリークォータースローからシンカーとカーブのほぼ2種類の球種だけで勝負するが、30歳を待たずに球速が低下。2021年は炎上する試合が増え、メジャー定着に赤信号が灯っている。姉は映画製作の仕事をしている。

テキサス州生まれのクライトンは大学も地元のテキサス・クリスチャン大で3年間プレーした。元広島カープのケビン・クロンは1学年、アレックス・ヤングは2学年後輩で、後にダイヤモンドバックスで再びチームメイトになる。フレッシュマン(1年生)では防御率1点台の好成績を収めたが、所属カンファレンスが変わったジュニア(3年生)では成績を悪化させた。ドラフトではオリオールズに23巡目で指名された。

オリオールズに入団後はリリーフ投手として起用されるようになり、2017年にメジャー昇格。8試合を投げて投球回数の倍以上の26安打を浴び、防御率8.03。あっさりオリオールズをDFAとなった。その後ダイヤモンドバックスでマイナーから出直しを図り、2019年に2年ぶりのメジャー復帰を果たし、28試合に登板。翌2020年はほとんどフルシーズンメジャーで過ごし。26試合に登板。シーズン途中でアーチー・ブラッドリーが放出をされてクライトンが暫定クローザーとして5セーブを挙げた。開幕から新クローザー候補として期待された2021年は一転して火だるまになり、シーズン後半はマイナー暮らしとなった。

投球フォームは通算324セーブを挙げたヒューストン・ストリートに似ていて、若干身体を前に倒しながらインステップ気味なスリークォーターで投げる。配球はカーブとシンカーの2球種が大半を占める。カーブはスライダーに近い、というよりスライダーにしか見えないが本人がカーブと言っている。変化量が大きいシンカーはデビュー当初は平均93マイル出ていたのが2021年は平均90マイルしか出ていなかった。第3の球種を身につけるにしろ、シンカーの球速を取り戻さない限り2019~20年のような活躍は厳しく、日本や韓国行きを検討することになるだろう。

なお、2月29日生まれのメジャーリーガーはニグロリーグを含めて15人目で、2021年時点でメジャー経験のある現役選手はクライトンただ1人。まったく同じ日に生まれたキューバ人のヘラルド・コンセプションはクライトンより1年先にメジャーデビューしたが既に引退している。また、史上13人目はあのレーザービームでイチローに刺されたテレンス・ロングである。

寄稿日:2021-12-17 最終更新日:2021-12-17
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼キャリア初セーブを挙げるステファン・クライトン

▼打球を指に当て負傷降板するクライトン

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2017 BAL  8 0 0 0  8.03 12.1 26 11  2  4 0  8 2.43 2.00

2019 ARI 28 1 0 0  3.56 30.1 23 12  3  8 2 33 1.02 4.13

2020 ARI 26 2 2 5  2.42 26.0 22  7  1  9 4 23 1.19 2.56

2021 ARI 31 0 4 4  7.33 23.1 33 19  3 12 4 17 1.93 1.42