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グレイソン・グレイナー


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Grayson Greiner (フルネーム/Grayson James Greiner)

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1992-10-11生|198cm108kg|捕手 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 サウスカロライナ州コロンビア

ドラフト/2014年DET3巡目(全体99位)指名

メジャーデビュー/2018-5-6
■選手紹介

2021年までデトロイト・タイガースでバックアップを務めていた守備型キャッチャー。打撃面でチームに貢献できず2021年オフにDFAとなり、フリーエージェントになる道を選択した。サラリーは高くないが、医療を中心にボランティアや寄付に積極的な選手である。グレイソン・グレイナーは韻を踏んでいるような名前だが、息子はハドソンと普通の名前だ。

サウスカロライナ州生まれのグレイナーは、大学も地元のサウスカロライナ大学に進学。最もハイレベルなサウスイースタン・カンファレンス所属の同大で正捕手としてプレーした。ジョーダン・モンゴメリーは同級生だった。シニアの年に全米で最も優れたキャッチャーに贈られるジョニー・ベンチ賞の候補に挙がった。

2014年にタイガースからドラフト3巡目指名で入団し、守備型キャッチャーとして高く評価され2018年にメジャーに到達。以降毎年出場してはいるものの打撃が弱いことであまり出場機会を得ることはできなかった。先発投手が整いつつあるタイガースは正捕手候補のタッカー・バーンハートを獲得。マイナーにキャッチャーの有望株が控えており、昇給が予想されたグレイナーは同年オフにノンテンダーFAとなったまま12月2日を迎え球界はロックアウトに入った。

守備面での評価は高く、肩、ボールブロッキング、リードなどキャッチャーとして必要な能力はすべてメジャー平均より優れている。打撃面がメジャーレベルに適応できないまま。2021年は.236/.321/.333とキャリアハイの成績を残したが、これはBABIPが4割超えと非常に運が良かったからであり、打力が向上した結果ではなかった。ケガが多いのもマイナス材料。腰痛と脳震盪に苦しめられ続け、2021年はスプリングトレーニングで顔面にデッドボールを受けて鼻を骨折した。あまり選手生命は長くないかもしれない。

寄稿日:2021-12-17 最終更新日:2021-12-17
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼俊足のルプローを刺すグレイソン・グレイナー

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2018 DET 30  96  21  6 0  0 12 17 0 32  0 .219 .328 .281

2019 DET 58 208  42  5 1  5 19 13 1 70  0 .202 .251 .308

2020 DET 18  51  6  2 0  3  8  3 1 20  0 .118 .182 .333

2021 DET 31  72  17  4 0  1  7  9 0 31  0 .236 .321 .333


マニュエル・マーゴ


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Manuel Margot (フルネーム/Manuel Margot)

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1994-09-28生|180cm82kg|外野手 右投右打

出身地/ドミニカ共和国 サン・クリストバル州サン・クリストバル

プロ入り/2011年7月BOS契約

メジャーデビュー/2016-9-21
■選手紹介

メジャー屈指の俊足とそれを活かしたディフェンスが魅力の中堅手。ドミニカ共和国出身。脚が速いだけでなく落下点までの入り方が上手く強肩、ホームランキャッチも得意と外野守備に関しては非の打ち所がない。口ヒゲを生やすとラッパーの50 cent激似と言われている。

マーゴは17歳だった2011年にボストン・レッドソックスと契約金80万ドルで入団。キャリアのスタートとなった2012年のドミニカン・サマーリーグで68試合に出場して38盗塁したが、それ以上に25安打を超える36四球を選んだことが球団内での評価を急上昇させた。同年リーグのオールスターのほか、レッドソックスのマイナー組織MVPに選ばれた。AAでプレーした2015年オフ、レッドソックスはクレイグ・キンブレルを獲得するためにマーゴを含めた4人の若手をパドレスに放出した。4人の中では最も将来性がある有望株と見なされていた。

マーゴはトレードされた2015年はルール5ドラフトに該当していたため、パドレス入りしてすぐにメジャー40人枠に入れられた。翌年開幕からAAAで過ごし、9月にメジャー初昇格を果たし、次のブレイク候補として期待度が高まった。2017年はスプリングトレーニング前にヒザを怪我して準備が万全ではなかったがシーズン開幕戦でレギュラーの座を確保した。しかし同年ふくらはぎの故障でシーズンを離脱すると、2018年も肋骨の骨折で長期離脱を経験。バッティングで目立った成績を残せずにいると、パドレスはベテランの域に差し掛かりつつあるウィル・マイヤーズをセンターで起用する試合を増やした。次第にプラトーンとして扱われる試合が増え、2019年は自己最多の151試合に出場したもののスタメン出場は100試合を切った。

2020年のスプリングトレーニング前、セットアップマンのエミリオ・パガンとの2対1のトレードでレイズへ移籍する。レイズにはメジャーNo.1中堅手のケビン・キアマイアーがいるため、ライトを中心とした外野のユーティリティとして出場機会を与えられた。センター以外のポジションはデビューイヤーの2016年にライトで1試合だけ出たことがあるのみで、3,104イニングぶりにセンター以外で出場した。レギュラーシーズンで1本塁打にとどまったが、ポストシーズンでは5本のホームランを叩き出した。守備ではフェンスと飛び越えて打球を手離さなかったファウルボールキャッチはTシャツになった。また、ワールドシリーズ第5戦ではホームスチールを敢行。スローで見ても際どいタイミングだったが、シリーズの行方に影響を与えたプレーを演出した。また、この年はプライベートで厄年だったようで、家族とレンタカーで移動中に車が炎上し、危うく焼け死ぬ事態に遭った。また、実の父親が新型コロナウイルスに罹患して亡くなった。

2021年は守備では持ち味を発揮したが打撃成績でイマイチな結果に終始した。オールスター前は長打は出るもボール球の見極めに苦しみ出塁率.300を割り込み、オールスター後は左ハムストリングスを痛めて3週間弱離脱してからは出塁するようになったものの1本塁打に終わった。ポストシーズンの出場機会も3試合しか与えられず、爪痕を残せなかった。

能力は先述の通り守備に関しては申し分なく、レギュラーが与えられればゴールドグラブ賞の常連になれるだけの守備力を持っている。スピードはメジャー屈指だが脚力に頼ったプレーをしがちなため盗塁成功率が低い。打撃面に関してはマイナー時代は空振りが少なくコンタクトスキルの高さを評価されていたが、メジャー定着してから5年間で出塁率3割前後の年が続き、パワーの乏しさを考えると物足りなさを感じる。また、必ずどこかをケガして故障者リスト入りしている間にポジションを脅かされるのを毎年繰り返している。

寄稿日:2021-12-06 最終更新日:2021-12-06
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼守備中に風船ガムを落としたことを指摘された1か月後、ガムを落とさずランニングキャッチに成功するマー

▼Tシャツにもなったマーゴの超絶ファウルボールキャッチ

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2016 SD  10  37  9  4 1  0  3  0 0  7  2 .243 .243 .405

2017 SD 126 487 128 18 7 13 39 35 2 106 17 .263 .313 .409

2018 SD 141 477 117 26 8  8 51 32 2 88 11 .245 .292 .384

2019 SD 151 398  93 19 3 12 37 38 2 88 20 .234 .304 .387

2020 TB  47 145  39  9 0  1 11 13 0 25 12 .269 .327 .352

2021 TB 125 421 107 18 3 10 57 37 1 70 13 .254 .313 .382


ジョシュ・ロハス


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Josh Rojas (フルネーム/Joshua Luke Rojas)

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1994-06-30生|185cm94kg|外野手、二塁手、遊撃手 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 アリゾナ州リッチフィールドパーク

ドラフト/2017年HOU26巡目(全体781位)指名

メジャーデビュー/2019-8-12
■選手紹介

内外野6ポジションを守れる使い勝手のいいユーティリティ。メジャーデビューから2年は打撃で苦しんだが3年目の2021年に11本塁打を記録し、さらなる成長が期待されている。地元アリゾナ州出身。阪神タイガースが獲得を目指していたことがある。

ジョシュ・ロハスはチェイスフィールドから30分以内の場所にあるリッチフィールドパークで生まれ、Dバックスファンとして育った。地元の高校を卒業し、アリゾナにあるコミュニティカレッジを修了後ハワイ大学に転入。ジュニア(3年生)はイマイチだったがシニア(4年生)では中心選手として活躍した。

2017年にアストロズに26巡目指名を受けて入団。マイナー初年度から内外野の複数ポジションで出場する。2018年にAAのテキサスリーグ・オールスターに選出される活躍をし、MLB公式の有望株ランキング球団30位以内に名前が挙げられるようになる。AAAでプレーしていた2019年7月、アストロズがザック・グレインキーを獲得するため4人の若手有望株を手放し、ロハスは生まれ故郷に本拠を置くDバックスに移籍することとなった。

アリゾナに移籍して間もなく、初めてのメジャーリーグで41試合に出場して2本塁打・打率.217を記録した。翌年は腰のケガがあって17試合の出場に終わり、打率が2割を切った。同年シーズンオフに阪神タイガースが獲得を目指しているとの報道が流れた。2021年はメジャー3年目にしてほぼフルシーズン降格せずに過ごし、139試合に出場し打率.264・11本塁打・出塁率.341・長打率.411・OPS.752と及第点の打撃成績を残した。

守備の評価が高く、外野手登録だが内野4ポジションがすべて出場可能で、逆にセンターは守れない。打球反応と肩が良く、特に投げミスを犯さない正確な送球が魅力。ただし2019~20年は守備機会107回でノーエラーだったのが2021年は373回で15エラーを犯し、dWAR(Defensive WAR)は-1.6を記録しており注意が必要だ。平均以上のスピードを守備で存分に活かしているが、盗塁の技術は微妙。マイナー時代に2年連続で30盗塁を記録しているが、メジャーではあまり盗塁企図していない。

ところで、ロハスはアリゾナ州で生まれDバックスでメジャーデビューを果たした史上2人目のメジャーリーガーなのだが、1人目はチャールズ・ブリュワーという通算4試合しか登板していない投手。こちらはチェイス・フィールドから15分の町で育ち、Dバックスから指名されて入団している。ブリュワーはUCLA(カリフォルニア州立大ロサンゼルス校)、ロハスはハワイ大学に通っていて、両者ともアリゾナ州外の大学を経由している。いつの日かアリゾナから一度も出ないままDバックスで生え抜きデビューする"真のアリゾナっ子"メジャーリーガーは誕生するだろうか?

寄稿日:2021-11-15 最終更新日:2021-11-15
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼タティスJr.のホームランを奪い取るジョシュ・ロハス

▼大谷翔平のボークで生還するジョシュ・ロハス

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2019 ARI 41 138  30  7 0  2 16 18 1 41  4 .217 .312 .312

2020 ARI 17  61  11  0 0  0  2  7 0 16  1 .180 .257 .180

2021 ARI 139 484 128 32 3 11 44 58 0 137  9 .264 .341 .411


ミゲル・ロハス


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Miguel Rojas (フルネーム/Miguel Elias Rojas)

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1989-02-24生|183cm85kg|遊撃手、一塁手、三塁手 右投右打

出身地/ベネズエラ ミランダ州ロステケス

プロ入り/2005年11月CIN契約

メジャーデビュー/2014-6-6
■選手紹介

中南米出身の若手選手が多いチームをまとめる、マーリンズの精神的支柱。ゴールドグラブ賞ファイナリストに残るほどの守備力以上にリーダーシップを称賛されている。そのせいか(?)どことなくヤディア・モリーナに似ている。

2006年に16歳でベネズエラから国際アマチュアFAでレッズと契約し、ベネズエラン・サマーリーグで2年間プレーした後、ルーキーリーグで本格的なキャリアが始まった。パワーレスな打撃のせいで評価がなかなか上がらず、2012年シーズン終了後にレッズから契約を見送られ、ドジャースと新たに契約を結ぶ。2014年は開幕からAAAに割り当てられると51試合で打率.302と3割台に乗せ、同年6月に初めてメジャーから声がかかった。長かったマイナー生活は8年半で725試合・2558打席にも及んだ。ドジャースではクレイトン・カーショウのノーヒッターをアシストする好守を見せるなど、地味ながらチームに貢献した。

2014年オフ、ドジャースとマーリンズ間の3対4の大規模なトレードに巻き込まれる。ロハスは同年盗塁王に輝いた売り出し中のディー・ゴードン、西海岸の球団でなければ投げないと言っていたダニー・ヘイレンの大物2人とともにマーリンズへ、ドジャースへはアンドリュー・ヒーニー、クリス・ハッチャー、オースティン・バーンズ、キケ・ヘルナンデスが移籍した。主力選手の売却を繰り返していたマーリンズでロハスは出場機会を多くゲットすることができた。ここから毎年打撃成績を向上させて、2018年に初めてシーズンのホームラン数を2桁に乗せた(11本)。2020年は短縮シーズンながら打率.304・OPS.888を記録した。2021年終盤のメッツ戦では初回先頭打者として打席に立った初球を本塁打にすると、その裏のメッツの先頭打者(ジョナサン・ビヤー)も初球本塁打を放ち、メジャー史上初の両軍先頭打者初球ホームランという珍記録達成に一役買った。

マイナー時代からパワーレスで打率も高くない打撃面のせいでマイナー暮らしが長くなった。しかし毎年進化を続け、非常に優れたコンタクト能力を身につけた。空振りが少なく特に左投手相手に発揮する。内野守備は非常に優秀。打球反応と肩の強さ・正確性がいずれもハイレベルで、dWAR(Defensive WAR)がマイナスになったシーズンは一度もない。2020年にはゴールドグラブ賞受賞こそならなかったがファイナリストまで残った。

数年に渡ってリーダー的存在だったマーティン・プラドが2019年に引退。マーリンズはロハスに対して次期リーダーになることを期待して契約を延長し続けてきた。2021年もオフに2023年までの契約を結んだが、共同オーナーを務めているデレク・ジーターの意向が大きいと言われている。ヤンキースで長年キャプテンを務めたジーターだからこそロハスの価値を認めているのだろう。かつては悪徳オーナーのもと主力選手の売却を繰り返してきたマーリンズだったが、2020年は久々にポストシーズンに進出。2017年オフにデジーターがチームに加わってから徐々に良い方向に変わりつつあり、その中心にいるのがミゲル・ロハスなのだ。

寄稿日:2021-11-15 最終更新日:2021-11-15
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼野球IQの高さが感じられるミゲル・ロハスの好プレー

▼史上初!両軍先頭打者初球ホームランを打ち合うミゲル・ロハスとジョナサン・ビヤー

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2014 LAD 85 149  27  3 0  1  9 10 2 28  0 .181 .242 .221

2015 MIA 60 142  40  7 1  1 17 11 0 16  0 .282 .329 .366

2016 MIA 123 194  48 12 0  1 14 11 1 27  2 .247 .288 .325

2017 MIA 90 272  79 16 2  1 26 27 4 32  2 .290 .361 .375

2018 MIA 153 488 123 13 0 11 53 24 9 69  6 .252 .297 .346

2019 MIA 132 483 137 29 1  5 46 32 5 62  9 .284 .331 .379

2020 MIA 40 125  38 10 1  4 20 16 2 18  5 .304 .392 .496

2021 MIA 132 495 131 30 3  9 48 37 5 74 13 .265 .322 .392


D.J.ルメイヒュー


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DJ LeMahieu (フルネーム/David John LeMahieu)

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1988-07-13生|193cm100kg|二塁手、一塁手、三塁手 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州バイセイリア

ドラフト/2009年CHC2巡目(全体79位)指名

メジャーデビュー/2011-5-30
■選手紹介

両リーグで首位打者を獲得した巧守巧打の二塁手。ロッキーズの正二塁手として活躍したあと、2019年からヤンキースでプレーしているロッキーズからFAとなった際はクアーズ・フィールド以外では打てなくなることを懸念されていたが、フタを開けるとヤンキース入り後はロッキーズ時代よりも打つようになった。ヤンキースとは2026年まで契約延長した。

ルメイヒューが子供の頃は、高校バスケ部で監督をやっていた父親に野球を教えてもらった。7歳までカリフォルニア州で育ったがラスベガスに1年、ウィスコンシン州に5年住んでからミシガン州に定住した。高校では遊撃手兼投手として数々の表彰を受け、とりわけバッティングを評価された。特にシニア(4年生)ではリードオフマンとして打率.574・8本塁打を打ち、92打席で2回しか三振しなかった。進学したルイジアナ州立大で2年間プレーした後カブスから2巡目指名を受けプロ入りした。

プロ入りから2年後の2011年にメジャーデビューし、同年オフにロッキーズへトレードされた。2013年のオールスター後から二塁手で常時スタメン出場するようになった。それまでは「守備がうまいセカンド」の印象だったのが2015年に打率.301を記録したことでバッティングも注目されるようになり、翌2016年に.348のハイアベレージを記録して首位打者となった。2017年も打率.310を記録したが、FA直前の2018年は.276に終わり打率3割は3年連続で途切れた。

前年から突然冷え込んだFA市場は引き続き低調で交渉がなかなか進まない。ロッキーズでは首位打者に輝いたが、FA直前の年に打率を下げたこと、本拠地が打者天国であったことが不安視された。最終的にヤンキースと2年2400万ドルのバーゲン価格で契約成立した。それも二塁手としてではなくユーティリティ扱いで、レギュラーは確約されていない条件だった。

迎えた2019年、ヤンキース野手陣に故障者が続出するなか1年を通じて試合に出続け、その日のラインナップにあわせてセカンドとファースト、サードでスタメン出場した。6/24~30週に週間MVPを受賞(意外にもキャリア初受賞だった)して、同月の月間MVPも受賞。オールスターにも選出された。バッティングではシーズン終盤まで首位打者を争いを演じ、197安打・33二塁打・26本塁打・102打点・長打率.518でキャリハイを記録した。オフにはシルバースラッガー賞受賞が決まった。

新型コロナの影響で短縮シーズンとなった2020年は、6月の検査で陽性反応を示し、本格的に練習を再開したのが開幕2日前になってしまう。ほとんどぶっつけ本番の状態で開幕2戦目から戦列復帰したが、それでも序盤から好調で最初の65打席で打率.411を残した。途中で親指を負傷して短期離脱したが、打率.364で首位打者を獲得した。これで両リーグで首位打者を獲得したことになったが、実に1900年以降では初めての快挙だった。また、出塁率.421とOPS1.011もリーグトップの好成績で、MVP投票では3番目に多く票を集めた。オフにクオリファイング・オファーを蹴って再びFAとなったが、翌年1月にヤンキースと6年9000万ドルで再契約。今回はチームに不可欠な存在としてヤンキースが誠意を見せた6年契約だった。

メジャーに昇格したての頃はどちらかといえば守備型の内野手として見られていたが、ショートを守っていた高校時代は身長が高かったためコーチからたびたび外野へのコンバートを勧められていた。30代になっても打球反応、送球ともに優秀だ。バッティングはヤンキース移籍後に球場にあわせて右方向に強い打球を飛ばすバッティングを心掛けた結果、パワーがあるわけではないのにホームランが急増した。2021年は打球のプル率24.8%はメジャー全体で最も低く、反対に反対方向への割合35.8%は最も高い数字だった。足は平均より遅くバントも上手くないがヤンキースなので不問に付されている。

寄稿日:2021-11-14 最終更新日:2021-11-14
オールスター:3回(15,17,19)

主な表彰:ALL-MLB 1st2回(19,20), ゴールドグラブ賞3回(14,17,18), シルバースラッガー賞2回(19,20)

タイトル:首位打者2回(16,20)

▼ライトポール際に三塁打を放つルメイヒュー(ビデオ判定)

▼エンターテイナーな取り方で最後のアウトをもぎ取るルメイヒュー

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2011 CHC 37  60  15  2 0  0  4  1 0 12  0 .250 .262 .283

2012 COL 81 229  68 12 4  2 22 13 0 42  1 .297 .332 .410

2013 COL 109 404 113 21 3  2 28 19 1 67 18 .280 .311 .361

2014 COL 149 494 132 15 5  5 42 33 2 97 10 .267 .315 .348

2015 COL 150 564 170 21 5  6 61 50 1 107 23 .301 .358 .388

2016 COL 146 552 192 32 8 11 66 66 3 80 11 .348 .416 .495

2017 COL 155 609 189 28 4  8 64 59 6 90  6 .310 .374 .409

2018 COL 128 533 147 32 2 15 62 37 2 82  6 .276 .321 .428

2019 NYY 145 602 197 33 2 26 102 46 2 90  5 .327 .375 .518

2020 NYY 50 195  71 10 2 10 27 18 2 21  3 .364 .421 .590

2021 NYY 150 597 160 24 1 10 57 73 4 94  4 .268 .349 .362


ホゼ・スアレス


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Jose Suarez (フルネーム/Jose Rances Suarez)

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1998-01-03生|178cm102kg|先発 左投左打

出身地/ベネズエラ カラボボ州ナグアナグア

プロ入り/2014年7月LAA契約

メジャーデビュー/2019-6-2
■選手紹介

層の薄いエンゼルス投手陣で奮闘した先発左腕。大谷翔平と一緒にローテーションを回していたため日本人にもそこそこ知られている。178cm/100kg超の体型で愛嬌があるがプロ入り前は痩せていた。一部のファンからは太りすぎでは?と心配する声が上がっている。チームのムードメーカー的な存在でいつも笑っているため、同僚のパトリック・サンドバルから「お前はセブンイレブンみたいだな、いつも口が開いているから」と言われた。

2014年7月にベネズエラから国際フリーエージェントでエンゼルスに入団。身長が180cmに満たず、渡米してしばらくは体重も70kg台で線が細く当初は期待されていなかったが、徐々に筋力を付けると2018年に頭角を現す。A+で9イニングを投げて18個の三振を奪い、初めてのAAでも29.2イニングで51奪三振。同年夏に一気にAAAまで駆け上がって残りのシーズンを降格することなく過ごし、シーズン終了後にメジャー40人枠に登録された。

2019年はシーズン開幕前にMLB公式の有望株ランキング5位に選ばれると、肩の故障から復帰した6月にメジャー初登板。デビュー戦はマリナーズ相手に勝利投手となったが、この試合も含めてデビューから7試合連続でホームランを打たれた。エンゼルスでなければAAAでやり直すところだろうが、他に投げれる投手がいなかったためシーズン終盤まで投げ続け、シーズン全体で81イニングで23本ものアーチを浴びた。短縮シーズンとなった翌2020年は2試合先発してどちらも2回持たずに降板し、球団史上ワースト4位のシーズン防御率38.57を記録し、オフに40人枠を外された(ちなみに5位は同年大谷が記録した37.80)。

2021年は5月にメジャー再昇格。ロングリリーフから出直すと7月に先発ローテーションに戻されてからは最後までローテの座を守り抜いた。8月22日のリトルリーグ・クラシックに登板日が回ってきたため先発登板を経験し、9月4日にはレンジャース相手に無四球1失点完投勝利を挙げた。シーズン全体で8勝8敗・防御率3.75と健闘、課題だった被本塁打グセも98回1/3で11本と成長の跡を見せた。

球種は92~94マイルのフォーシームとチェンジアップ、大きな曲がりのカーブがメイン。特にチェンジアップの評価が高い。元々はストライクスロワーで、全ての球種を内外角にうまく投げ分ける上手さを評価されていた。ただ2019~20年はメジャーでは浅いカウントからストライクを取りに行ったボールをことごとく捕えられてしまい、その反省から配球を見直した結果、2021年は防御率3点台に抑えたものの与四球率(BB/9)は3.3だった。球威が無いので2.5以下に抑えないとローテーションに居続けるのは厳しいのではないか?2021年後半から取り入れたシンカーはクセや制球に改善が必要だが、野球IQは高いだけに上手く使えるようになれば一皮むけるかもしれない。

寄稿日:2021-11-14 最終更新日:2021-11-14
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼シーズン8勝目を挙げるホゼ・スアレス

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2019 LAA 19 2 6 0  7.11 81.0 100 64 23 33 10 72 1.64 2.18

2020 LAA  2 0 2 0 38.57  2.1 10 10  1  5 1  2 6.43 0.40

2021 LAA 23 8 8 0  3.75 98.1 85 41 11 36 4 85 1.23 2.36


レンジャー・スアレス


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Ranger Suarez (フルネーム/Ranger Jose Suarez)

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1995-08-26生|185cm98kg|先発 左投左打

出身地/ベネズエラ ピエデクエスタ

プロ入り/2012年4月PHI契約

メジャーデビュー/2018-7-26
■選手紹介

2021年後半に快投を見せ、2022年は先発ローテーションに定着できるか真価が問われるサウスポー。もし前年と同レベルのピッチングが見せられれば、オールスターはおろかサイ・ヤング賞の大穴候補に挙げられるかもしれない。ベネズエラ出身で幼少期から野球をやっている。本格的に投手をやり始めたのは15歳になってからだが、その割には22歳と比較的早い年齢でメジャーデビューを果たしている。

2012年に国際FAとしてフィリーズと25万ドルで契約し、ベネズエラン・サマーリーグでキャリアをスタートして3年ベネズエラに留まった。アメリカ本土での本格的なプレーが2016年にずれ込んだ理由は、2014年に禁止薬物スタノゾールの使用が発覚して50試合の出場禁止処分受けたことと、翌年に左ヒジ痛を発症したことが原因だった。しかしシングルA-で迎えた2016年は7イニングながらノーヒッターを達成するなど好投を続け、22歳となった2018年にはメジャーにたどり着いた。

2019年はフィリーズの有望株ランキング10位以内に挙げられると、主にロングリリーフとして起用され37試合・6勝1敗・防御率3.14とまずまずの結果を残す。そのため翌年はさらに期待が高まり開幕からローテーションで投げることになったが、新型コロナの流行で開幕戦が延期。伸びに伸びた7月の開幕直前にはスアレス自身がコロナに感染し、約1ヶ月隔離生活を余儀なくされた。調整不足のままシーズンが終了し結局4イニングしか投げられなかった。心機一転の2021年、前半戦はAAAに置かれたが夏場にメジャー昇格すると最初の数試合クローザーを務めた後、先発ローテーションに入って好投を連発する。9/25にはパイレーツ相手に97球で完封勝利を挙げ、防御率1.36の好成績でシーズンを終えた。規定投球回には届かなかったものの、100イニング以上を投げた投手の中で最も優秀な防御率だった。

スアレスはフィリーズと契約してからほとんどを先発投手として投げてきたが、2019~21年中盤にかけてはリリーバーとして起用された。先発かリリーフかでピッチレパートリーが異なっていて、先発投手としてはスライダーの投球割合が多く、リリーフではシンカーとチェンジアップの組み合わせが多かった。フォーシーム・ツーシームの平均時速は93マイル(150km/h)前後で、腕の振りがまったく同じなので空振りを多く奪うことができている。投球フォームも力みがなく理想的な投げ方をしている。

ちなみに、日本人には感覚的にわからないが"レンジャー"というファーストネームは珍しいらしく、長いメジャー史でもレンジャー・スアレスが初めてだそうだ。また、スアレス家ではRで始まる名前を付ける習わしがあり、他の3兄弟はレイマー(Raymer)とロズマー(Rosmer)、レンジャーリン(Rangerlin)と名付けられている。

寄稿日:2021-11-14 最終更新日:2021-11-14
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼メジャー初完封勝利を挙げるレンジャー・スアレス

▼7回を投げてキャリアハイの9三振を奪うレンジャー・スアレス

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2018 PHI  4 1 1 0  5.40 15.0 21  9  3  6 0 11 1.80 1.83

2019 PHI 37 6 1 0  3.14 48.2 52 17  6 12 1 42 1.32 3.50

2020 PHI  3 0 1 0 20.25  4.0 10  9  1  4 1  1 3.50 0.25

2021 PHI 39 8 5 4  1.36 106.0 73 16  4 33 5 107 1.00 3.24


ジョシュ・スポーツ


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Josh Sborz (フルネーム/Joshua Alan Sborz)

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1993-12-17生|191cm98kg|リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ワシントンDCワシントン

ドラフト/2015年LADラウンドB(全体74位)指名

メジャーデビュー/2019-6-20
■選手紹介

バージニア大学時代に輝かしい実績を残した右のリリーフ投手。ジュニア(3年生)だった2015年にカレッジワールドシリーズで優勝し、クローザー兼スターターとして活躍したスポーツは最優秀選手賞(Most Outstanding Player)に選ばれている。兄のジェイ・スボーツも元メジャーリーガーで通算1試合出場。

ワシントンD.C.出身のスボーツは高校生の頃から有名だった。バージニア州の地元マクリーン高校に通い、投手と一塁で出場して高校通算20勝・20本塁打を積み上げた。3年次は投手として9勝2敗3S・防御率0.84・58回2/3・95奪三振を、打者として打率.422・7本塁打・28打点を記録し、バージニア州最優秀選手に選ばれた。

高校卒業後は強豪バージニア大学に進学、投手として3シーズンプレーした。フレッシュマン(1年生)ではリリーバーとして防御率1点台を記録した。ソフモア(2年生)のシーズン中に先発ローテーションに入った。チームはカレッジワールドシリーズ決勝まで進出し、バンダービルト大との最終戦に先発登板した。コントロール難に襲われるシーンが度々あったことでジュニアではリリーバーに戻されたが、カレッジワールドシリーズの大事な場面では先発登板。2年連続でバンダービルト大との対戦となったカレッジワールドシリーズ決勝では第2戦で勝利投手になるなど、4試合を投げて3勝1S、スコアレスイニングは13回にも上りカレッジワールドシリーズの最優秀選手に選ばれた。

2015年ドラフトでドジャースから2巡目指名を受けて入団。プロ入り初年度は先発・ブルペン両方で起用された。2年目から先発投手として育成が始まったが制球難が改善されず、大学時代と同じようにリリーバーに転向させられた。2019年にメジャー昇格したがシーズン100勝のドジャースでは分厚いリリーフ陣に割って入れず、2021年にレンジャースへ放出された。層の薄い新天地ではフルシーズンをメジャーで過ごし、セットアップマンを務めることもあった。

フォーシームの球速は年を追うごとに速くなっていて、2021年の平均球速は97マイルに達した。大学時代から落ちるスライダーとカッターを武器にしている。プロ入り後に覚えたカーブは第4の球種で使用頻度は少ないものの、ゴロアウトに打ち取る率が高い。大学時代からコントロールを乱す場面がよくあり、初のメジャー定着となった2021年も59イニングで32個フォアボールを出しているように制球難が付きまとっている。

ところで、ラストネームのSborzはMLB公式によると「スポーツ」と読ませるようだが、日本語のウェブサイトだと検索に引っ掛からないので敢えて「スボーツ」と記載している。

寄稿日:2021-11-04 最終更新日:2021-11-04
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼バージニア大学時代のスポーツ

▼大谷にセカンドのグラブを破壊するほどのハードヒットを打たれるスボーツ

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2019 LAD  7 0 1 0  8.00  9.0 10  8  2  4 0  7 1.56 1.75

2020 LAD  4 0 0 0  2.08  4.1  2  1  1  1 0  2 0.69 2.00

2021 TEX 63 4 3 1  3.97 59.0 52 26  7 32 0 69 1.42 2.16


ルイス・ガルシア


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Luis Garcia (フルネーム/Luis Heibardo Garcia)

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1996-12-13生|185cm111kg|先発 右投右打

出身地/ベネズエラ ボリバル州ボリバル

プロ入り/2017年7月HOU契約

メジャーデビュー/2020-9-4
■選手紹介

2017年の20歳のときにベネズエラから連れてこられた右投げ先発投手。ランナー無しの状態ではダンスをしているかのようにステップを踏んで始動するフォームが話題を呼んだ。先発ローテに定着した2021年は大谷翔平に39号ソロを浴びた投手として日本のファンの記憶に残っている。

ベネズエラ人のガルシアは2013年の時点でアメリカ行きを模索していたが希望の条件を提示する球団が現れず、20歳になった2017年にようやくアストロズと契約。契約金は2万ドルだった。

プロ入り直後は平均80マイル後半だったフォーシームがしだいに速くなり、92~95マイル出るようになった。2020年にメジャー公式(MLB Pipeline)のアストロズNo.6の有望株にランクされると、同年9月にメジャー昇格。レギュラーシーズン5試合とプレーオフ先発1試合に登板した。

2021年はジャスティン・バーランダーの故障などでローテーションに空きがあり、先発4番手の有力候補として挙げられる。スプリングトレーニングではイマキュレイトイニングを達成するなど好調で首脳陣を安心させ、レギュラーシーズンのほとんどの期間ローテーションを守った。同年ポストシーズンに主力投手として臨み、リーグ優勝決定シリーズ第2戦ではレッドソックス相手に戦意喪失気味に降板したが、第6戦では6回途中まで無安打に抑えてリベンジした。フォーシームの球速が普段より3~5マイルも速く、絶対に打たれまいと思っているのが伝わってくるピッチングだった。

フォーシームのほかにスラーブ気味のカーブと左打者殺しのチェンジアップ、カッターを操る。球速が速くないので地味な印象があるが、11勝8敗を記録した2021年はルーキー資格を残している。ア・リーグ新人王の可能性がありそうなルーキーが多数現れたが飛び抜けた候補はおらず、執筆時点では未発表だが、MLB名鑑.comではランディ・アロザレナやアドリス・ガルシア、エマニュエル・クラッセあたりと大混戦の末ルイス・ガルシアが受賞するのではないか?と予想している。

なお、アストロズのルイス・ガルシアはMLB史上5人目の"ルイス・ガルシア"であり、2021年はカージナルスとナショナルズにも同姓同名のガルシアが同時に26人ロースターに存在していた。ナショナルズのルイス・ガルシアは同じ2020年メジャーデビュー組なので混同しがちだ。

寄稿日:2021-10-26 最終更新日:2021-10-26
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼ユラユラ投法(?)が特徴的なガルシア、大谷に39号ソロをお見舞いされる

▼2021年のSTでイマキュレイトイニングを達成するガルシア

▼2021年ALCSでレッドソックスに雪辱を果たすガルシア

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2020 HOU  5 0 1 0  2.92 12.1  7  4  1  5 1  9 0.97 1.80

2021 HOU 30 11 8 0  3.48 155.1 133 60 19 50 3 167 1.18 3.34


フィル・メイトン


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Phil Maton (フルネーム/Phillip Louis Maton)

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1993-03-25生|193cm93kg|リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ケンタッキー州パデューカ

ドラフト/2015年SD20巡目(全体597位)指名

メジャーデビュー/2017-6-11
■選手紹介

メジャー最高クラスのスピンレートのフォーシームを投げるリリーフ右腕。ニックネームはずばり"スピンレート"。2021年にアストロズにトレードされ、ライアン・プレスリーイミ・ガルシアらと高回転数リリーフ陣を形成している。初めてメジャーのロースター入りして以来、移籍しても背番号88をつけ続けている。

メイトンは高校卒業後ルイジアナ工科大に在学して4年間プレーした。1~2年次はNCAA1部のWAC(ウエスタン・アスレチックカンファレンス)で主力投手として投げ、オールWACの1stチームに選出された。翌年から大学の所属リーグが変わって成績が落ち込んだが、シニア(4年生)では変化球の制球力が改善されてリーグ2位の90三振を奪った。大学通算324奪三振はルイジアナ工科大歴代2位、投球回358イニング2/3は最多記録となっている。

2015年ドラフト20巡目でパドレスに入団後、A-からクローザーとしてキャリアをスタートさせると、早くも翌2016年にAAAへ昇格、この頃からメイトンの速球の回転数の高さが注目され始めた。2017年6月にメジャーへ初昇格。2018年は最初の16イニングを防御率0.56と抑えていたが広背筋を痛めて故障者リスト入りする。戦列復帰後は球威が戻らないスライダーを狙い撃ちされ、以降の防御率は6.32と大幅に悪化した。

パドレスの将来のクローザー候補から外れてしまい、2019年7月にインディアンスへトレードされた。インディアンスではブルペンでの役割が定まらず、3イニングを投げた試合もあった。2021年7月に恐らく高回転数に惹かれたであろうアストロズがメイトンをトレードで獲得した。

何度も書いているようにピッチングの特徴はスピンレートの高さだ。フォーシームの球速は古傷の影響によって年によってバラついており、デビューイヤーや2020年は平均93マイル出ていたのが2019・21年は91マイル前後にとどまった。それでもメジャーでも上位5%に入る回転数の多さで凡フライを量産している。変化球は平均スピンレート2,900回転に迫るカーブがアウトピッチ。かつてカッターを投げていたが、アストロズに来てからは一切使わずスライダーを多投するようになった。

メイトン家はスポーツ一家で4人兄弟。三男ニックが2021年にメジャーデビューしたことでメジャー史上430組目の兄弟メジャーリーガーとなり、四男ジェイコブもコースタル・カロライナ大学に進学して投手としてプレーしている。次男マークはクロスカントリーの道に進んで大学卒業後選手として活躍した。両親も大学時代はアスリートで父は陸上、母はバレーボールをやっていた。

寄稿日:2021-10-26 最終更新日:2021-10-26
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼カージナルス打線から三振を奪うメイトン

▼1安打ピッチングのガルシアの後を1球で片づけるメイトン (2021年ALCS)

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2017 SD  46 3 2 1  4.19 43.0 41 20 10 14 1 46 1.28 3.29

2018 SD  45 0 2 0  4.37 47.1 50 23  3 23 2 55 1.54 2.39

2019 SD  21 0 0 0  7.77 24.1 34 21  6  6 1 20 1.64 3.33

2019 CLE  9 0 0 0  2.92 12.1  4  4  1  6 1 13 0.81 2.17

2020 CLE 23 3 3 0  4.57 21.2 23 11  1  6 4 32 1.34 5.33

2021 CLE 38 2 0 0  4.57 41.1 36 21  4 20 3 61 1.35 3.05

2021 HOU 27 4 0 0  4.97 25.1 29 14  2 12 3 24 1.62 2.00