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WBC2023(4)オーストラリア代表 選手名鑑


過去のWBCより戦力的には劣っているが、国内リーグのオーストラリアン・ベースボール・リーグ(ABL)は11月~1月がシーズンのため、大会に向けたコンディション調整がしやすいのが強み。

▼目次 – オーストラリア代表選手一覧
【1.投手】
【2.捕手】
【3.内野手】
【4.外野手】
【5.監督・コーチ】
【6.参加できなかった有力選手】

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WBC2023(3)中国代表 選手名鑑


 中国は野球後進国ながらWBC全大会に参加し、2013・17年に1勝ずつを挙げた。しかし、ここ何年にも渡って国際大会に不参加を決め込み、WBSCの世界ランキングは参加国中最下位の30位まで下落。選手の成長も鈍化している。 むしろ9月に行われる杭州アジア大会に全力を注ぐつもりのようで、WBCはその準備期間と捉えられている。実力だけでなく本気度も低い。 数少ない見どころは、投手は朱権とアラン・カーター、野手では元ソフトバンク・ホークスの”ミギータ”真砂。

▼目次 – 中国代表選手一覧
【1.投手】
【2.捕手】
【3.内野手】
【4.外野手】
【5.監督・コーチ】
【6.参加できなかった有力選手】

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WBC2023(2)韓国代表 選手名鑑


WBC2006・09年大会で準優勝の強豪も、ここ2大会は1次ラウンドで敗退している韓国代表。メジャーリーグ経験者が多数参加しているが、最も招集したかったキーマンたちを入れられなかった。グループB突破は間違いないが投手陣が不安。トミー・ジョン手術のリハビリ中の柳賢振は仕方ないとして、昨季KBO最優秀投手の安佑鎭を招集できなかったのが痛い。韓国球界のスター選手となった李政厚と、トミー・エドマンと金河成の今大会最高の二遊間コンビは熱い。

▼目次 – 韓国代表選手一覧
【1.投手】
【2.捕手】
【3.内野手】
【4.外野手】
【5.監督・コーチ】
【6.参加できなかった有力選手】

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WBC2023(1)台湾代表 選手名鑑


WBC開催まであと1カ月少し。本戦参加国の代表メンバーが徐々に固まってきた。MLB名鑑.comは選手名鑑という位置づけなので、各国のロスター入りメンバーを選手名鑑らしく紹介していきたい。

まずは合宿参加メンバーが先んじて決まった台湾代表から。

台湾系アメリカ人メジャーリーガーに代表入りを打診したが断われ、台湾国内リーグ中心の選手構成となった。マイナーリーガーもトリプルAレベルの選手は不在。俄然プールA突破の有力候補に挙げられているものの激戦が予想され、過去の大会のようには勝ち抜けないかもしれない。

▼目次 – 代表合宿参加者36名の一覧
【1.捕手】
【2.内野手】
【3.外野手】
【4.投手】
【5.監督・コーチ】
【捕手】
4 吉力吉撈鞏冠(味全/台湾)
 コロナがなければメジャーリーガーになっていたかもしれない打撃型キャッチャー。以前クリーブランド・インディアンスのマイナーでプレーしトリプルAまで到達していた。2020年にインディアンスの春季キャンプに招かれ、オープン戦でタイムリーを放つなど大いにアピールしたが新型コロナのせいで開幕戦の延期が決定。その間に台湾リーグでプレーすることを決断し帰国してしまった。
 帰国後の2021年から味全ドラゴンズに入団すると打棒を振るい、昨季は14本塁打を記録してホームラン王に輝いた。
 以前は台湾人っぽく朱立人(Li-Jen Chu)と名乗っていたが、2019年に自身のルーツであるパイワン族の名前”吉力吉撈鞏冠”に変更した。読み方は… ギリギラオ・カンクァン?? 5chにチリチラと呼んでいる住人がいる。 
57 林岱安(統一/台湾)
 台湾を代表する強肩キャッチャー。「甲斐拓也」というストレートなニックネームが付けられている。最近は守っていないがプロ入り時には遊撃手も兼任していた。ギリギラオとは対照的な守備型捕手であり、今大会ではギリギラオか林岱安のどちらかが正捕手を務めると思われる。
 読み方は「リン・ダイアン」。プロ入りしてから2度名前を変えて林岱安になった。
65 高宇杰(中信兄弟/台湾)
 身長184cm・体重90kgの台湾では大柄な部類に入るキャッチャー。どちらかというと打撃より守備型のタイプか。2019年のプレミア12では打撃でいい働きをした。
 読み方は「ガオ・ユージェ」
95 戴培峰(富邦/台湾)
 2000年生まれの伸び盛りのキャッチャー。2018年にドラフト1巡目で富邦ガーディアンズに入団すると10代のうちに公式戦デビューを果たし、22歳の昨季は103試合に出場。台湾プロ野球で年間100試合以上マスクを被った選手は10年ぶりとなる快挙だった。安定したスローイングの評価が高い。
 読み方は「ダイ・ペイフォン」
【内野手】
1 鄭宗哲(パイレーツ傘下A)
 ピッツバーグ・パイレーツのシングルAに所属する韋駄天遊撃手。小学校時代は陸上の中距離走の全国大会に出場したほど脚が速い。170cm・69kgの体格のせいで過小評価されているがマイナーでの打撃成績は優秀。選球眼に優れているうえ意外にパンチ力があり、守備範囲と肩もハイレベル。
 昨季のスプリングトレーニング中に筒香嘉智からバットとバチグロをプレゼントされたことで話題になった。読み方は「チェン・ツェンチー」
5 林子偉(オークランド/豪州(NZL))
 CPBL(台湾プロ野球)の球団を経ずに直接レッドソックスと契約した内野手。2017年にメジャー初出場。初打点はダルビッシュ有から記録している。長いことレッドソックスからチャンスをもらい続けたが芽が出ず、2021年以降は流離(さすらい)の身となっている。ポジションは二遊間とサードを守れる。2020年にはチーム事情で台湾人メジャーリーガー初となるキャッチャーをやらされたことがある。
 読み方は「リン・ズーウェイ」。アメリカでのあだ名はツナミだった。
6 王威晨(中信兄弟/台湾)
 パワー以外の4ツールに秀でる三塁手。高打率を見込めるコンタクトスキルと盗塁王受賞歴のあるスピードに加え、2019年から4年連続でゴールドグラブ獲得の安定した守備力も兼ね備えている。父親の王光輝も台湾の元スター選手で、父に憧れて野球を始めた。
 読み方は「ワン・ウェイチェン」
18 張育成(FA/前レッドソックス)
 台湾人では初めてメジャー通算100安打を放った内野手。高校卒業後にクリーブランド・インディアンスと契約を交わし、2019年にメジャーデビューした。2022年は4球団をDFAとなり、今季も現時点で所属先は未定でありメジャーリーグ生活の岐路に立たされている。一度代表入りを断っているが粘り強い打診を受けて合宿への参加が決まった。
 読み方は「チャン・ユーチェン」だがメジャーではユー・チャンと縮めて呼ばれている。
39 呉念庭(西武ライオンズ)
 西武ライオンズに所属する若手内野手。岡山県の高校に留学し、高校卒業年に四国アイランドリーグの球団からドラフト指名を受けるもプレーせず第一工業大学に進学、その後西武ライオンズに入団した。台北市出身だが日本の高校・大学に在籍したため外国人枠を外れている。遠投110m、50m走5秒8の優れたスペックだけでなく、広角に打てる技術と内野全ポジションにレフトをこなすユーティリティ性も魅力。
 WBCでは主にファーストを守るか。読み方は「ウー・ネンティン」
46 范国宸(富邦/台湾)
 ここ2年進化を続ける身体能力に優れた一塁手。球団で長く正一塁手としてプレーしていた林益全(リン・イーチェン=12年連続で打率3割超を記録)の後継者としてファンから期待され、2021年にレギュラー格に成長。続く昨季は初のオールスターに選出、ゴールドグラブ賞とベストテンのダブル受賞を果たした。 打撃では投高打低のシーズンのなか2年連続で9本塁打を記録。選球眼がイマイチなのと一塁手専任であればもう少し長打が欲しい。守備は両コーナーを守れることになっているが、2020年にはサードで.780の悲惨な守備率を残している。
 読み方は「ファン・クォチェン」
83 林立(楽天/台湾)
 昨季、台湾リーグでMVPを獲得したスター選手。台湾原住民族のアミ族出身。「台湾の山田哲人」と呼ばれている。2019年にレギュラーを掴み取ると昨季は大ブレイク。打率.335・83打点を記録し首位打者と最多打点の二冠を獲得。ホームランも最多タイの14本を放ったが、積み上げ系のタイトルは打席数が少ない選手が優先されるという独自ルールのせいで三冠王を逃している。
 読み方は「リン・リー」。CPBLでは二塁手での出場が多いが、WBCでは手薄な外野を守るかもしれない。
90 江坤宇(中信兄弟/台湾)
 中信兄弟の若き主力選手。高卒で2018年に中信兄弟に入団し、20年に正遊撃手の座を勝ち取ると3年連続でゴールドグラブ賞を受賞。ベストテンは昨季まで2年連続選出と、台湾を代表する内野手に成長した。
 読み方は「ジャン・コンユ」
98 岳東華(中信兄弟/台湾)
 総合力が高いユーティリティプレイヤー。打率・長打ともに見込める打力を期待されたが戦線離脱するケガが多く能力を活かしきれていない。↑で書いた江坤宇との正遊撃手争いに敗れ、ポジションを求めてユーティリティに転身した。遊撃手のほか二塁と三塁、外野3ポジションで出場可能。
3兄弟の長男で、2019年に三男・政華が入団し5組目の”中信兄弟”の兄弟選手になり、21年には次男の少華がCPBL入りしたことでCPBL史上3組目の3兄弟が誕生した。
 読み方は「ユエ・ドンファ」。
【外野手】
2 郭天信(味全/台湾)
 2年連続で打率3割を記録している新進気鋭の若手外野手。2000年生まれ。高校卒業後に直接メジャー球団と契約しようとしたが、国際FAに必要な手続きが出来ずに断念。大学に1年籍を置いて台湾球界入りした過去がある。
 読み方は「クオ・テンシン」ニックネームは”テン兄”。
9 王柏融(日本ハム・ファイターズ)
 日本ハム・ファイターズに所属する台湾球界の至宝。CPBLでは歴代最高の打率.414、初の200本安打、台湾人初の三冠王など数々の偉業を成し遂げ、日本球界に挑戦。ポスティングシステムを利用し日本ハムに入団するが、日本では苦戦が続き今季から育成契約として再スタートを切ることになった。
 読み方は「ワン・ボーロン」。2017年のWBCの時は所属球団が選手の派遣をボイコットしたため、今回が初めてのWBC参加となる。
12 陳晨威(楽天/台湾)
 昨季のCPBLで盗塁王に輝いたスピードスター。高雄市出身。守備でも内外野全ポジションを守れる有用性がある。中学時代は身長が145cmしかなかったが高校生の時に急激に伸び180cmに達した。
 読み方は「チェン・チェンウェイ」
24 陳傑憲(統一/台湾)
 台湾球界きってのイケメンとして知られる外野手。台湾の俳優のニッキー・ウー(呉奇隆)激似と言われ高い人気を誇っている。かつてはショートを守っていたが拙守が続き外野に転向し、昨季はベストテンとゴールドグラブのダブル受賞を成し遂げた。
 父親の薦めで日本に留学し、高校3年間を岡山共生高校(※呉念庭と同じ高校)で過ごした。読み方は「チェン・ジェシェン」
35 成晉(楽天/台湾)
 見た目とプレイスタイルのギャップが大きい外野手。幼少期から体格に恵まれリトルリーグ(小学校)時代に120km/h超、高校時代には145km/hの速球を投げる逸材と注目を集めていた。ラミゴ(現楽天モンキーズ)に投手として入団後まもなく外野手に転向した。 184cm90kgと大柄だがパワーに欠ける反面、俊足かつバントが得意。昨季はほぼ三冠王の林立に次ぐ打率.316を記録した。
 読み方は「チェン・ジン」
77 林安可(統一/台湾)
 台湾代表の中でも指折りのパワーヒッター。2020年に王柏融が持っていた新人のホームラン記録を塗り替える32本塁打を放ち新人王・ホームラン王を獲得。昨季は手首を骨折して長期離脱を余儀なくされたが、プロ入り後に二刀流にチャレンジするほどスケールがデカく、対戦相手にとっては警戒すべき存在だ。
統一ライオンズに入る前の2018年に楽天イーグルスの入団テストを受けに来日したことがあるが、左ヒジの状態を懸念され契約を見送られた。
 読み方は「リン・アンクゥ」。母親がアルゼンチン人。昨年9月に予選を控えたアルゼンチン代表チームからオファーがあったが、故障明けであることを理由に断っている。
【投手】
15 呂彦青(中信兄弟/台湾)
 2018~20年に阪神タイガースに所属していたサウスポー。140km/h台中盤の速球にスライダーとチェンジアップを織り交ぜ、三振よりも打たせて取るタイプのピッチングスタイル。阪神時代は先発でイマイチも帰国後リリーフに転向して覚醒。台湾リーグ2年目の昨季はチームの2連覇を決める胴上げ投手になった。
 読み方は「ルー・イェンチン」
16 王維中(味全/台湾)
 非常に強い海外志向を持つ元メジャーリーガー。高校卒業後に渡米して以来海外でプレーを続けていたが、新型コロナの流行でマイナーリーグが中止に追い込まれ、世界で唯一観客を動員していた台湾球界へ入ることを決意した。ただし味全ドラゴンズと結んだ5年半契約には3年経過後に海外球団と自由に契約可能な移籍条項が盛り込まれており、よほど台湾でのプレーが不本意なようだ。ちなみに代理人はあのボラスコーポレーションである。 ピッチングはスリークォーターから150km/h超えの速球とスライダー、カットボール、チェンジアップを投げ、30歳に差し掛かった2021年にも155km/hを計測していた。
 読み方は「ワン・ウェイチュン」
17 陳冠宇(楽天/台湾)
 かつてDeNAとロッテに所属していたリリーフ左腕。台湾に帰国後はCPBLに復帰しオールスターに出場するなど一線級で投げているがあまり抑えている印象は無く、最終メンバーに残れるかは微妙。
 読み方は「チェン・グァンユウ」
19 張奕(西武ライオンズ)
 今季は覚醒の兆しがある快速リリーフ右腕。昨季までオリックス・バファローズに所属していたが森友哉の人的補償で西武に移籍することになった。日ハムと巨人にいた陽岱鋼の従兄弟としても知られている。
 読み方は「ジャン・イー」だが日本ではチョウ・ヤクと読まれている。
21 李振昌(中信兄弟/台湾)
 C.C.リーという登録名でメジャーと日本(西武ライオンズ)でプレーしたベテラン中継ぎ右腕。サイドハンド気味のフォームからのツーシームで攻めるストライクスロワー。2013~15年にクリーブランド・インディアンスで計47試合に登板。インディアンスには2000年代にC.C.サバシアとクリフ・リーというサイ・ヤング賞経験者がいたので、当時は名前負けしている感が否めなかった。
 翌16年に所属した西武では潮崎投手コーチとソリが合わなかったが、中信兄弟に入団後はクローザーとして好成績を残している。
 読み方は「リー・ジェンチャン」。2009年のWBCに出た古参選手であり、選ばれれば実に14年ぶりの代表となる。
29 鄧愷威(ジャイアンツ傘下AA)
 メジャーを目指してダブルAで奮闘中の193cm117kgの巨漢投手。最速156km/hのファストボールを投げるがここ2年コントロール難に陥っている。ナックルカーブの使い手は台湾代表には少ないので起用法次第では活躍できるかも。 シングルA+時代にグローブに忍ばせた粘着物質が見つかって10試合の出場停止処分を食らっている。
 読み方は「テン・カイウェイ」
32 陳禹勲(楽天/台湾)
 昨季の最優秀中継ぎ右腕。台湾はクローザーとそれ以外のリリーバーは別にタイトルが設定されていて、クローザー以外から選ばれる方の投手賞を受賞している。なお、楽天モンキーズのクローザーはヘーゲンズ(元広島カープ)が務めている。
 読み方は「チェン・ユーシェン」
37 曾仁和(楽天/台湾)
 シカゴ・カブスで3試合登板経験のある元メジャーリーガー。高校卒業後カブスと契約を交わすと22歳の若さでメジャーデビュー。しかし登板機会は2年で3試合のみに終わると、レンジャースへ移籍後に肩を故障。新型コロナのパンデミックもあり一昨年台湾に帰国した。
 読み方は「ツェン・ジェンホー」。姉もプロ野球選手になるため女子プロ野球の愛知ディオーネに入団したことがある。
43 宋家豪(楽天イーグルス)
 日本の楽天イーグルス所属の大卒投手。2017年にCPBLを経ずにイーグルスと契約すると徐々に頭角を現し、昨季は自己最多の63試合に登板。後半戦にはクローザーを務めるほどに出世した。WBCでも試合終盤の勝負所で出てくるだろう。
 読み方は「ソン・チャーホウ」
58 胡智為(統一/台湾)
 歴代12人目の台湾人メジャーリーグ経験者。台中市出身。大学卒業後に直接アメリカに渡ってメジャーリーガーになった。かつては最速98マイルを投げ、マイナーリーグのオールスターであるフューチャーズゲームに選ばれたこともある有望株だった。2021年からCPBLでのプレーを選び、今でも安定して150km/hの速球を投げられる。WBCでは重要な試合で先発登板するだろう。
 読み方は「フー・ジーウェイ」
59 陳冠偉(味全/台湾)
 昨季新人王を獲得した味全ドラゴンズのセットアップマン。台湾製栗林(※筆者のイメージ)。直角に近い角度から投げ下ろす投球フォームで、140km/h前半のフォーシームと落差の大きい無回転フォークのコンビネーションで攻める。コマンドは今ひとつだが与四球で崩れるシーンは少ない。
 読み方は「チェン・ガンウェイ」
60 曾峻岳(富邦/台湾)
 まだ21歳の若きクローザー候補。高卒で富邦ガーディアンズに入団してすぐに1軍で起用され、2021~22年で104試合に登板した。少し力んだピッチングフォームから150km/h台中盤の速球で相手打線を抑え込む。
 読み方は「ツェン・ジュンユエ」
69 黃子鵬(楽天/台湾)
 大柄だがアンダースローで投げる先発右腕。CPBLの先発投手は外国人にタイトルを取られ続けていたが、昨季の黃は防御率2.33を記録し、8年ぶりに台湾人による最優秀防御率賞に輝いた。幼いころから高身長だったがサイドスローで投げているのを野球部のコーチにオーバーハンドに矯正されかけたが、郭源治(元中日ドラゴンズ)の指導で元に戻してもらった。
 読み方は「ホワン・ズーポン」
71 江少慶(富邦/台湾)
 トリプルAで2年投げた経験のある剛球先発右腕。2018~19年にデトロイト・タイガース傘下のマイナーで投げ、メジャー昇格まであと少しのところまで行ったがトリプルAでは防御率5.00を切ることが出来ずDFAとなった。現在はCPBLの富邦ガーディアンズに所属。昨季は不調だったが、2019年のプレミア12では台湾代表のエースに君臨しており、今回のWBCでも貴重な戦力になるはず。
 読み方は「チェン・シャオチン」
81 陳仕朋(富邦/台湾)
 球速の無さをキレと投球術で補う技巧派左腕。持ち球は落差の大きい縦割れカーブとスライダー、カットボール。右打者から逃げる球種は持っていないが左右関係なく果敢にカーブを投げ込む。一昨年までは派手に打ち込まれる試合も多く、国際大会でどの程度通用するのか疑問が残る。
 読み方は「チェン・スーポン」。高校時代にイップスに陥ったが克服した。
93 呉哲源(中信兄弟/台湾)
 昨季、CPBLで著しい成長を遂げた選手に送られる「最大成長賞」に輝いたラッキーボーイ。2021年までリリーフでしか登板経験が無かったが、元メジャーリーガーの王建民投手コーチから高速シンカーを伝授されるとゴロアウト率が急上昇する。チーム事情で昨季は先発で起用されたのが功を奏し、これまでも評価が高かった制球力が生きて安定感のあるピッチングを展開。昨季のレギュラーシーズンで11勝1敗・防御率2.85の好成績を残し、ポストシーズンでも白星を挙げる大躍進を果たした。
 読み方は「ウー・チェハン」
99 林凱威(味全/台湾)
 アメリカのマイナーリーグでプレーした後、独立リーグを経て昨季味全ドラゴンズに入ったばかりのリリーフ右腕。メジャーレベルと評されるスライダーと150km/h超の速球は威力充分なのだが、他に3つある変化球を上手く使えず実質2球種だけで組み立てているのは問題。
 読み方は「リン・カイウェイ」。小学校に入学するはずの年に幼稚園に通ってしまい、1年進級が遅れたせいで小中高それぞれ最高学年の公式戦には出場できなかった。
【監督・主なコーチ】
監督:林岳平(リン・イエピン=統一/台湾)
3月の本戦開催時点で41歳の若い監督。現在は統一ライオンズの監督を務めている。現役時代は最速154km/h・常時140km/h後半を計時する快速球が魅力の右腕投手で、2005~17年まで統一ライオンズ一筋でプレーしCPBLの歴代最多セーブを記録した。2007年に心臓病が発覚して選手生命の危機に陥ったが、大手術を経て現役復帰を果たした経験を持つ。現ヤクルト監督の高津臣吾に似ている。
投手コーチ:許銘傑(シュウ・ミンチェ=楽天/台湾)

西武ライオンズなどで主に先発として活躍した元投手。2000~13年まで14年もプレーした。現役時代はスライダーとシュートの横の揺さぶりを軸に多彩な変化球を投げていた。現役引退の翌2017年から投手コーチを務める。

ブルペンコーチ:王建民(ワン・チェンミン=中信兄弟/台湾)
ニューヨーク・ヤンキースで2年連続19勝を挙げた、台湾人野球選手最高の成功者。現役時代は高速シンカーを多投するスタイルで、ある試合では103球すべて高速シンカーを投げたことも。コーチ歴は5年程度だが既に何人もの元有望株を育てあげていて、名コーチになる予感が漂っている。

by【MLB名鑑.com専属コラムニスト】デッドボーラー


WBC2023 各出場国の選手名鑑


WBC開催まであと1カ月少し。本戦参加国の代表メンバーが徐々に固まってきた。MLB名鑑.comは選手名鑑という位置づけなので、各国のロスター入りメンバーを選手名鑑らしく紹介していきたい。

まずは合宿参加メンバーが先んじて決まった台湾代表から順次アップロードしていく。

プールA
1.台湾   https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster01/
2.オランダ https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster02/
3.キューバ https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster03/
4.イタリア https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster04/
5.パナマ  https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster05/
プールB
6.日本   
7.韓国      https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster07/
8.オーストラリア https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster08/
9.中国      https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster09/
10.チェコ
プールC
11.アメリカ  https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster11/
12.メキシコ  https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster12/
13.コロンビア
14.カナダ
15.イギリス
プールC
16.プエルトリコ  https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster16/
17.ベネズエラ   https://mlbmeikan.com/wbc2023-roster17/
18.ドミニカ共和国
19.イスラエル
20.ニカラグア

by【MLB名鑑.com専属コラムニスト】デッドボーラー