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ジョシュ・ロハス


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Josh Rojas (フルネーム/Joshua Luke Rojas)

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1994-06-30生|185cm94kg|外野手、二塁手、遊撃手 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 アリゾナ州リッチフィールドパーク

ドラフト/2017年HOU26巡目(全体781位)指名

メジャーデビュー/2019-8-12
■選手紹介

内外野6ポジションを守れる使い勝手のいいユーティリティ。メジャーデビューから2年は打撃で苦しんだが3年目の2021年に11本塁打を記録し、さらなる成長が期待されている。地元アリゾナ州出身。阪神タイガースが獲得を目指していたことがある。

ジョシュ・ロハスはチェイスフィールドから30分以内の場所にあるリッチフィールドパークで生まれ、Dバックスファンとして育った。地元の高校を卒業し、アリゾナにあるコミュニティカレッジを修了後ハワイ大学に転入。ジュニア(3年生)はイマイチだったがシニア(4年生)では中心選手として活躍した。

2017年にアストロズに26巡目指名を受けて入団。マイナー初年度から内外野の複数ポジションで出場する。2018年にAAのテキサスリーグ・オールスターに選出される活躍をし、MLB公式の有望株ランキング球団30位以内に名前が挙げられるようになる。AAAでプレーしていた2019年7月、アストロズがザック・グレインキーを獲得するため4人の若手有望株を手放し、ロハスは生まれ故郷に本拠を置くDバックスに移籍することとなった。

アリゾナに移籍して間もなく、初めてのメジャーリーグで41試合に出場して2本塁打・打率.217を記録した。翌年は腰のケガがあって17試合の出場に終わり、打率が2割を切った。同年シーズンオフに阪神タイガースが獲得を目指しているとの報道が流れた。2021年はメジャー3年目にしてほぼフルシーズン降格せずに過ごし、139試合に出場し打率.264・11本塁打・出塁率.341・長打率.411・OPS.752と及第点の打撃成績を残した。

守備の評価が高く、外野手登録だが内野4ポジションがすべて出場可能で、逆にセンターは守れない。打球反応と肩が良く、特に投げミスを犯さない正確な送球が魅力。ただし2019~20年は守備機会107回でノーエラーだったのが2021年は373回で15エラーを犯し、dWAR(Defensive WAR)は-1.6を記録しており注意が必要だ。平均以上のスピードを守備で存分に活かしているが、盗塁の技術は微妙。マイナー時代に2年連続で30盗塁を記録しているが、メジャーではあまり盗塁企図していない。

ところで、ロハスはアリゾナ州で生まれDバックスでメジャーデビューを果たした史上2人目のメジャーリーガーなのだが、1人目はチャールズ・ブリュワーという通算4試合しか登板していない投手。こちらはチェイス・フィールドから15分の町で育ち、Dバックスから指名されて入団している。ブリュワーはUCLA(カリフォルニア州立大ロサンゼルス校)、ロハスはハワイ大学に通っていて、両者ともアリゾナ州外の大学を経由している。いつの日かアリゾナから一度も出ないままDバックスで生え抜きデビューする"真のアリゾナっ子"メジャーリーガーは誕生するだろうか?

寄稿日:2021-11-15 最終更新日:2021-11-15
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼タティスJr.のホームランを奪い取るジョシュ・ロハス

▼大谷翔平のボークで生還するジョシュ・ロハス

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2019 ARI 41 138  30  7 0  2 16 18 1 41  4 .217 .312 .312

2020 ARI 17  61  11  0 0  0  2  7 0 16  1 .180 .257 .180

2021 ARI 139 484 128 32 3 11 44 58 0 137  9 .264 .341 .411


ミゲル・ロハス


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Miguel Rojas (フルネーム/Miguel Elias Rojas)

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1989-02-24生|183cm85kg|遊撃手、一塁手、三塁手 右投右打

出身地/ベネズエラ ミランダ州ロステケス

プロ入り/2005年11月CIN契約

メジャーデビュー/2014-6-6
■選手紹介

中南米出身の若手選手が多いチームをまとめる、マーリンズの精神的支柱。ゴールドグラブ賞ファイナリストに残るほどの守備力以上にリーダーシップを称賛されている。そのせいか(?)どことなくヤディア・モリーナに似ている。

2006年に16歳でベネズエラから国際アマチュアFAでレッズと契約し、ベネズエラン・サマーリーグで2年間プレーした後、ルーキーリーグで本格的なキャリアが始まった。パワーレスな打撃のせいで評価がなかなか上がらず、2012年シーズン終了後にレッズから契約を見送られ、ドジャースと新たに契約を結ぶ。2014年は開幕からAAAに割り当てられると51試合で打率.302と3割台に乗せ、同年6月に初めてメジャーから声がかかった。長かったマイナー生活は8年半で725試合・2558打席にも及んだ。ドジャースではクレイトン・カーショウのノーヒッターをアシストする好守を見せるなど、地味ながらチームに貢献した。

2014年オフ、ドジャースとマーリンズ間の3対4の大規模なトレードに巻き込まれる。ロハスは同年盗塁王に輝いた売り出し中のディー・ゴードン、西海岸の球団でなければ投げないと言っていたダニー・ヘイレンの大物2人とともにマーリンズへ、ドジャースへはアンドリュー・ヒーニー、クリス・ハッチャー、オースティン・バーンズ、キケ・ヘルナンデスが移籍した。主力選手の売却を繰り返していたマーリンズでロハスは出場機会を多くゲットすることができた。ここから毎年打撃成績を向上させて、2018年に初めてシーズンのホームラン数を2桁に乗せた(11本)。2020年は短縮シーズンながら打率.304・OPS.888を記録した。2021年終盤のメッツ戦では初回先頭打者として打席に立った初球を本塁打にすると、その裏のメッツの先頭打者(ジョナサン・ビヤー)も初球本塁打を放ち、メジャー史上初の両軍先頭打者初球ホームランという珍記録達成に一役買った。

マイナー時代からパワーレスで打率も高くない打撃面のせいでマイナー暮らしが長くなった。しかし毎年進化を続け、非常に優れたコンタクト能力を身につけた。空振りが少なく特に左投手相手に発揮する。内野守備は非常に優秀。打球反応と肩の強さ・正確性がいずれもハイレベルで、dWAR(Defensive WAR)がマイナスになったシーズンは一度もない。2020年にはゴールドグラブ賞受賞こそならなかったがファイナリストまで残った。

数年に渡ってリーダー的存在だったマーティン・プラドが2019年に引退。マーリンズはロハスに対して次期リーダーになることを期待して契約を延長し続けてきた。2021年もオフに2023年までの契約を結んだが、共同オーナーを務めているデレク・ジーターの意向が大きいと言われている。ヤンキースで長年キャプテンを務めたジーターだからこそロハスの価値を認めているのだろう。かつては悪徳オーナーのもと主力選手の売却を繰り返してきたマーリンズだったが、2020年は久々にポストシーズンに進出。2017年オフにデジーターがチームに加わってから徐々に良い方向に変わりつつあり、その中心にいるのがミゲル・ロハスなのだ。

寄稿日:2021-11-15 最終更新日:2021-11-15
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼野球IQの高さが感じられるミゲル・ロハスの好プレー

▼史上初!両軍先頭打者初球ホームランを打ち合うミゲル・ロハスとジョナサン・ビヤー

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2014 LAD 85 149  27  3 0  1  9 10 2 28  0 .181 .242 .221

2015 MIA 60 142  40  7 1  1 17 11 0 16  0 .282 .329 .366

2016 MIA 123 194  48 12 0  1 14 11 1 27  2 .247 .288 .325

2017 MIA 90 272  79 16 2  1 26 27 4 32  2 .290 .361 .375

2018 MIA 153 488 123 13 0 11 53 24 9 69  6 .252 .297 .346

2019 MIA 132 483 137 29 1  5 46 32 5 62  9 .284 .331 .379

2020 MIA 40 125  38 10 1  4 20 16 2 18  5 .304 .392 .496

2021 MIA 132 495 131 30 3  9 48 37 5 74 13 .265 .322 .392


D.J.ルメイヒュー


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DJ LeMahieu (フルネーム/David John LeMahieu)

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1988-07-13生|193cm100kg|二塁手、一塁手、三塁手 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州バイセイリア

ドラフト/2009年CHC2巡目(全体79位)指名

メジャーデビュー/2011-5-30
■選手紹介

両リーグで首位打者を獲得した巧守巧打の二塁手。ロッキーズの正二塁手として活躍したあと、2019年からヤンキースでプレーしているロッキーズからFAとなった際はクアーズ・フィールド以外では打てなくなることを懸念されていたが、フタを開けるとヤンキース入り後はロッキーズ時代よりも打つようになった。ヤンキースとは2026年まで契約延長した。

ルメイヒューが子供の頃は、高校バスケ部で監督をやっていた父親に野球を教えてもらった。7歳までカリフォルニア州で育ったがラスベガスに1年、ウィスコンシン州に5年住んでからミシガン州に定住した。高校では遊撃手兼投手として数々の表彰を受け、とりわけバッティングを評価された。特にシニア(4年生)ではリードオフマンとして打率.574・8本塁打を打ち、92打席で2回しか三振しなかった。進学したルイジアナ州立大で2年間プレーした後カブスから2巡目指名を受けプロ入りした。

プロ入りから2年後の2011年にメジャーデビューし、同年オフにロッキーズへトレードされた。2013年のオールスター後から二塁手で常時スタメン出場するようになった。それまでは「守備がうまいセカンド」の印象だったのが2015年に打率.301を記録したことでバッティングも注目されるようになり、翌2016年に.348のハイアベレージを記録して首位打者となった。2017年も打率.310を記録したが、FA直前の2018年は.276に終わり打率3割は3年連続で途切れた。

前年から突然冷え込んだFA市場は引き続き低調で交渉がなかなか進まない。ロッキーズでは首位打者に輝いたが、FA直前の年に打率を下げたこと、本拠地が打者天国であったことが不安視された。最終的にヤンキースと2年2400万ドルのバーゲン価格で契約成立した。それも二塁手としてではなくユーティリティ扱いで、レギュラーは確約されていない条件だった。

迎えた2019年、ヤンキース野手陣に故障者が続出するなか1年を通じて試合に出続け、その日のラインナップにあわせてセカンドとファースト、サードでスタメン出場した。6/24~30週に週間MVPを受賞(意外にもキャリア初受賞だった)して、同月の月間MVPも受賞。オールスターにも選出された。バッティングではシーズン終盤まで首位打者を争いを演じ、197安打・33二塁打・26本塁打・102打点・長打率.518でキャリハイを記録した。オフにはシルバースラッガー賞受賞が決まった。

新型コロナの影響で短縮シーズンとなった2020年は、6月の検査で陽性反応を示し、本格的に練習を再開したのが開幕2日前になってしまう。ほとんどぶっつけ本番の状態で開幕2戦目から戦列復帰したが、それでも序盤から好調で最初の65打席で打率.411を残した。途中で親指を負傷して短期離脱したが、打率.364で首位打者を獲得した。これで両リーグで首位打者を獲得したことになったが、実に1900年以降では初めての快挙だった。また、出塁率.421とOPS1.011もリーグトップの好成績で、MVP投票では3番目に多く票を集めた。オフにクオリファイング・オファーを蹴って再びFAとなったが、翌年1月にヤンキースと6年9000万ドルで再契約。今回はチームに不可欠な存在としてヤンキースが誠意を見せた6年契約だった。

メジャーに昇格したての頃はどちらかといえば守備型の内野手として見られていたが、ショートを守っていた高校時代は身長が高かったためコーチからたびたび外野へのコンバートを勧められていた。30代になっても打球反応、送球ともに優秀だ。バッティングはヤンキース移籍後に球場にあわせて右方向に強い打球を飛ばすバッティングを心掛けた結果、パワーがあるわけではないのにホームランが急増した。2021年は打球のプル率24.8%はメジャー全体で最も低く、反対に反対方向への割合35.8%は最も高い数字だった。足は平均より遅くバントも上手くないがヤンキースなので不問に付されている。

寄稿日:2021-11-14 最終更新日:2021-11-14
オールスター:3回(15,17,19)

主な表彰:ALL-MLB 1st2回(19,20), ゴールドグラブ賞3回(14,17,18), シルバースラッガー賞2回(19,20)

タイトル:首位打者2回(16,20)

▼ライトポール際に三塁打を放つルメイヒュー(ビデオ判定)

▼エンターテイナーな取り方で最後のアウトをもぎ取るルメイヒュー

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2011 CHC 37  60  15  2 0  0  4  1 0 12  0 .250 .262 .283

2012 COL 81 229  68 12 4  2 22 13 0 42  1 .297 .332 .410

2013 COL 109 404 113 21 3  2 28 19 1 67 18 .280 .311 .361

2014 COL 149 494 132 15 5  5 42 33 2 97 10 .267 .315 .348

2015 COL 150 564 170 21 5  6 61 50 1 107 23 .301 .358 .388

2016 COL 146 552 192 32 8 11 66 66 3 80 11 .348 .416 .495

2017 COL 155 609 189 28 4  8 64 59 6 90  6 .310 .374 .409

2018 COL 128 533 147 32 2 15 62 37 2 82  6 .276 .321 .428

2019 NYY 145 602 197 33 2 26 102 46 2 90  5 .327 .375 .518

2020 NYY 50 195  71 10 2 10 27 18 2 21  3 .364 .421 .590

2021 NYY 150 597 160 24 1 10 57 73 4 94  4 .268 .349 .362


ホゼ・スアレス


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Jose Suarez (フルネーム/Jose Rances Suarez)

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1998-01-03生|178cm102kg|先発 左投左打

出身地/ベネズエラ カラボボ州ナグアナグア

プロ入り/2014年7月LAA契約

メジャーデビュー/2019-6-2
■選手紹介

層の薄いエンゼルス投手陣で奮闘した先発左腕。大谷翔平と一緒にローテーションを回していたため日本人にもそこそこ知られている。178cm/100kg超の体型で愛嬌があるがプロ入り前は痩せていた。一部のファンからは太りすぎでは?と心配する声が上がっている。チームのムードメーカー的な存在でいつも笑っているため、同僚のパトリック・サンドバルから「お前はセブンイレブンみたいだな、いつも口が開いているから」と言われた。

2014年7月にベネズエラから国際フリーエージェントでエンゼルスに入団。身長が180cmに満たず、渡米してしばらくは体重も70kg台で線が細く当初は期待されていなかったが、徐々に筋力を付けると2018年に頭角を現す。A+で9イニングを投げて18個の三振を奪い、初めてのAAでも29.2イニングで51奪三振。同年夏に一気にAAAまで駆け上がって残りのシーズンを降格することなく過ごし、シーズン終了後にメジャー40人枠に登録された。

2019年はシーズン開幕前にMLB公式の有望株ランキング5位に選ばれると、肩の故障から復帰した6月にメジャー初登板。デビュー戦はマリナーズ相手に勝利投手となったが、この試合も含めてデビューから7試合連続でホームランを打たれた。エンゼルスでなければAAAでやり直すところだろうが、他に投げれる投手がいなかったためシーズン終盤まで投げ続け、シーズン全体で81イニングで23本ものアーチを浴びた。短縮シーズンとなった翌2020年は2試合先発してどちらも2回持たずに降板し、球団史上ワースト4位のシーズン防御率38.57を記録し、オフに40人枠を外された(ちなみに5位は同年大谷が記録した37.80)。

2021年は5月にメジャー再昇格。ロングリリーフから出直すと7月に先発ローテーションに戻されてからは最後までローテの座を守り抜いた。8月22日のリトルリーグ・クラシックに登板日が回ってきたため先発登板を経験し、9月4日にはレンジャース相手に無四球1失点完投勝利を挙げた。シーズン全体で8勝8敗・防御率3.75と健闘、課題だった被本塁打グセも98回1/3で11本と成長の跡を見せた。

球種は92~94マイルのフォーシームとチェンジアップ、大きな曲がりのカーブがメイン。特にチェンジアップの評価が高い。元々はストライクスロワーで、全ての球種を内外角にうまく投げ分ける上手さを評価されていた。ただ2019~20年はメジャーでは浅いカウントからストライクを取りに行ったボールをことごとく捕えられてしまい、その反省から配球を見直した結果、2021年は防御率3点台に抑えたものの与四球率(BB/9)は3.3だった。球威が無いので2.5以下に抑えないとローテーションに居続けるのは厳しいのではないか?2021年後半から取り入れたシンカーはクセや制球に改善が必要だが、野球IQは高いだけに上手く使えるようになれば一皮むけるかもしれない。

寄稿日:2021-11-14 最終更新日:2021-11-14
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼シーズン8勝目を挙げるホゼ・スアレス

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2019 LAA 19 2 6 0  7.11 81.0 100 64 23 33 10 72 1.64 2.18

2020 LAA  2 0 2 0 38.57  2.1 10 10  1  5 1  2 6.43 0.40

2021 LAA 23 8 8 0  3.75 98.1 85 41 11 36 4 85 1.23 2.36


レンジャー・スアレス


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Ranger Suarez (フルネーム/Ranger Jose Suarez)

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1995-08-26生|185cm98kg|先発 左投左打

出身地/ベネズエラ ピエデクエスタ

プロ入り/2012年4月PHI契約

メジャーデビュー/2018-7-26
■選手紹介

2021年後半に快投を見せ、2022年は先発ローテーションに定着できるか真価が問われるサウスポー。もし前年と同レベルのピッチングが見せられれば、オールスターはおろかサイ・ヤング賞の大穴候補に挙げられるかもしれない。ベネズエラ出身で幼少期から野球をやっている。本格的に投手をやり始めたのは15歳になってからだが、その割には22歳と比較的早い年齢でメジャーデビューを果たしている。

2012年に国際FAとしてフィリーズと25万ドルで契約し、ベネズエラン・サマーリーグでキャリアをスタートして3年ベネズエラに留まった。アメリカ本土での本格的なプレーが2016年にずれ込んだ理由は、2014年に禁止薬物スタノゾールの使用が発覚して50試合の出場禁止処分受けたことと、翌年に左ヒジ痛を発症したことが原因だった。しかしシングルA-で迎えた2016年は7イニングながらノーヒッターを達成するなど好投を続け、22歳となった2018年にはメジャーにたどり着いた。

2019年はフィリーズの有望株ランキング10位以内に挙げられると、主にロングリリーフとして起用され37試合・6勝1敗・防御率3.14とまずまずの結果を残す。そのため翌年はさらに期待が高まり開幕からローテーションで投げることになったが、新型コロナの流行で開幕戦が延期。伸びに伸びた7月の開幕直前にはスアレス自身がコロナに感染し、約1ヶ月隔離生活を余儀なくされた。調整不足のままシーズンが終了し結局4イニングしか投げられなかった。心機一転の2021年、前半戦はAAAに置かれたが夏場にメジャー昇格すると最初の数試合クローザーを務めた後、先発ローテーションに入って好投を連発する。9/25にはパイレーツ相手に97球で完封勝利を挙げ、防御率1.36の好成績でシーズンを終えた。規定投球回には届かなかったものの、100イニング以上を投げた投手の中で最も優秀な防御率だった。

スアレスはフィリーズと契約してからほとんどを先発投手として投げてきたが、2019~21年中盤にかけてはリリーバーとして起用された。先発かリリーフかでピッチレパートリーが異なっていて、先発投手としてはスライダーの投球割合が多く、リリーフではシンカーとチェンジアップの組み合わせが多かった。フォーシーム・ツーシームの平均時速は93マイル(150km/h)前後で、腕の振りがまったく同じなので空振りを多く奪うことができている。投球フォームも力みがなく理想的な投げ方をしている。

ちなみに、日本人には感覚的にわからないが"レンジャー"というファーストネームは珍しいらしく、長いメジャー史でもレンジャー・スアレスが初めてだそうだ。また、スアレス家ではRで始まる名前を付ける習わしがあり、他の3兄弟はレイマー(Raymer)とロズマー(Rosmer)、レンジャーリン(Rangerlin)と名付けられている。

寄稿日:2021-11-14 最終更新日:2021-11-14
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼メジャー初完封勝利を挙げるレンジャー・スアレス

▼7回を投げてキャリアハイの9三振を奪うレンジャー・スアレス

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2018 PHI  4 1 1 0  5.40 15.0 21  9  3  6 0 11 1.80 1.83

2019 PHI 37 6 1 0  3.14 48.2 52 17  6 12 1 42 1.32 3.50

2020 PHI  3 0 1 0 20.25  4.0 10  9  1  4 1  1 3.50 0.25

2021 PHI 39 8 5 4  1.36 106.0 73 16  4 33 5 107 1.00 3.24


ジョシュ・スポーツ


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Josh Sborz (フルネーム/Joshua Alan Sborz)

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1993-12-17生|191cm98kg|リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ワシントンDCワシントン

ドラフト/2015年LADラウンドB(全体74位)指名

メジャーデビュー/2019-6-20
■選手紹介

バージニア大学時代に輝かしい実績を残した右のリリーフ投手。ジュニア(3年生)だった2015年にカレッジワールドシリーズで優勝し、クローザー兼スターターとして活躍したスポーツは最優秀選手賞(Most Outstanding Player)に選ばれている。兄のジェイ・スボーツも元メジャーリーガーで通算1試合出場。

ワシントンD.C.出身のスボーツは高校生の頃から有名だった。バージニア州の地元マクリーン高校に通い、投手と一塁で出場して高校通算20勝・20本塁打を積み上げた。3年次は投手として9勝2敗3S・防御率0.84・58回2/3・95奪三振を、打者として打率.422・7本塁打・28打点を記録し、バージニア州最優秀選手に選ばれた。

高校卒業後は強豪バージニア大学に進学、投手として3シーズンプレーした。フレッシュマン(1年生)ではリリーバーとして防御率1点台を記録した。ソフモア(2年生)のシーズン中に先発ローテーションに入った。チームはカレッジワールドシリーズ決勝まで進出し、バンダービルト大との最終戦に先発登板した。コントロール難に襲われるシーンが度々あったことでジュニアではリリーバーに戻されたが、カレッジワールドシリーズの大事な場面では先発登板。2年連続でバンダービルト大との対戦となったカレッジワールドシリーズ決勝では第2戦で勝利投手になるなど、4試合を投げて3勝1S、スコアレスイニングは13回にも上りカレッジワールドシリーズの最優秀選手に選ばれた。

2015年ドラフトでドジャースから2巡目指名を受けて入団。プロ入り初年度は先発・ブルペン両方で起用された。2年目から先発投手として育成が始まったが制球難が改善されず、大学時代と同じようにリリーバーに転向させられた。2019年にメジャー昇格したがシーズン100勝のドジャースでは分厚いリリーフ陣に割って入れず、2021年にレンジャースへ放出された。層の薄い新天地ではフルシーズンをメジャーで過ごし、セットアップマンを務めることもあった。

フォーシームの球速は年を追うごとに速くなっていて、2021年の平均球速は97マイルに達した。大学時代から落ちるスライダーとカッターを武器にしている。プロ入り後に覚えたカーブは第4の球種で使用頻度は少ないものの、ゴロアウトに打ち取る率が高い。大学時代からコントロールを乱す場面がよくあり、初のメジャー定着となった2021年も59イニングで32個フォアボールを出しているように制球難が付きまとっている。

ところで、ラストネームのSborzはMLB公式によると「スポーツ」と読ませるようだが、日本語のウェブサイトだと検索に引っ掛からないので敢えて「スボーツ」と記載している。

寄稿日:2021-11-04 最終更新日:2021-11-04
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼バージニア大学時代のスポーツ

▼大谷にセカンドのグラブを破壊するほどのハードヒットを打たれるスボーツ

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2019 LAD  7 0 1 0  8.00  9.0 10  8  2  4 0  7 1.56 1.75

2020 LAD  4 0 0 0  2.08  4.1  2  1  1  1 0  2 0.69 2.00

2021 TEX 63 4 3 1  3.97 59.0 52 26  7 32 0 69 1.42 2.16


ルイス・ガルシア


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Luis Garcia (フルネーム/Luis Heibardo Garcia)

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1996-12-13生|185cm111kg|先発 右投右打

出身地/ベネズエラ ボリバル州ボリバル

プロ入り/2017年7月HOU契約

メジャーデビュー/2020-9-4
■選手紹介

2017年の20歳のときにベネズエラから連れてこられた右投げ先発投手。ランナー無しの状態ではダンスをしているかのようにステップを踏んで始動するフォームが話題を呼んだ。先発ローテに定着した2021年は大谷翔平に39号ソロを浴びた投手として日本のファンの記憶に残っている。

ベネズエラ人のガルシアは2013年の時点でアメリカ行きを模索していたが希望の条件を提示する球団が現れず、20歳になった2017年にようやくアストロズと契約。契約金は2万ドルだった。

プロ入り直後は平均80マイル後半だったフォーシームがしだいに速くなり、92~95マイル出るようになった。2020年にメジャー公式(MLB Pipeline)のアストロズNo.6の有望株にランクされると、同年9月にメジャー昇格。レギュラーシーズン5試合とプレーオフ先発1試合に登板した。

2021年はジャスティン・バーランダーの故障などでローテーションに空きがあり、先発4番手の有力候補として挙げられる。スプリングトレーニングではイマキュレイトイニングを達成するなど好調で首脳陣を安心させ、レギュラーシーズンのほとんどの期間ローテーションを守った。同年ポストシーズンに主力投手として臨み、リーグ優勝決定シリーズ第2戦ではレッドソックス相手に戦意喪失気味に降板したが、第6戦では6回途中まで無安打に抑えてリベンジした。フォーシームの球速が普段より3~5マイルも速く、絶対に打たれまいと思っているのが伝わってくるピッチングだった。

フォーシームのほかにスラーブ気味のカーブと左打者殺しのチェンジアップ、カッターを操る。球速が速くないので地味な印象があるが、11勝8敗を記録した2021年はルーキー資格を残している。ア・リーグ新人王の可能性がありそうなルーキーが多数現れたが飛び抜けた候補はおらず、執筆時点では未発表だが、MLB名鑑.comではランディ・アロザレナやアドリス・ガルシア、エマニュエル・クラッセあたりと大混戦の末ルイス・ガルシアが受賞するのではないか?と予想している。

なお、アストロズのルイス・ガルシアはMLB史上5人目の"ルイス・ガルシア"であり、2021年はカージナルスとナショナルズにも同姓同名のガルシアが同時に26人ロースターに存在していた。ナショナルズのルイス・ガルシアは同じ2020年メジャーデビュー組なので混同しがちだ。

寄稿日:2021-10-26 最終更新日:2021-10-26
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼ユラユラ投法(?)が特徴的なガルシア、大谷に39号ソロをお見舞いされる

▼2021年のSTでイマキュレイトイニングを達成するガルシア

▼2021年ALCSでレッドソックスに雪辱を果たすガルシア

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2020 HOU  5 0 1 0  2.92 12.1  7  4  1  5 1  9 0.97 1.80

2021 HOU 30 11 8 0  3.48 155.1 133 60 19 50 3 167 1.18 3.34


フィル・メイトン


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Phil Maton (フルネーム/Phillip Louis Maton)

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1993-03-25生|193cm93kg|リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ケンタッキー州パデューカ

ドラフト/2015年SD20巡目(全体597位)指名

メジャーデビュー/2017-6-11
■選手紹介

メジャー最高クラスのスピンレートのフォーシームを投げるリリーフ右腕。ニックネームはずばり"スピンレート"。2021年にアストロズにトレードされ、ライアン・プレスリーイミ・ガルシアらと高回転数リリーフ陣を形成している。初めてメジャーのロースター入りして以来、移籍しても背番号88をつけ続けている。

メイトンは高校卒業後ルイジアナ工科大に在学して4年間プレーした。1~2年次はNCAA1部のWAC(ウエスタン・アスレチックカンファレンス)で主力投手として投げ、オールWACの1stチームに選出された。翌年から大学の所属リーグが変わって成績が落ち込んだが、シニア(4年生)では変化球の制球力が改善されてリーグ2位の90三振を奪った。大学通算324奪三振はルイジアナ工科大歴代2位、投球回358イニング2/3は最多記録となっている。

2015年ドラフト20巡目でパドレスに入団後、A-からクローザーとしてキャリアをスタートさせると、早くも翌2016年にAAAへ昇格、この頃からメイトンの速球の回転数の高さが注目され始めた。2017年6月にメジャーへ初昇格。2018年は最初の16イニングを防御率0.56と抑えていたが広背筋を痛めて故障者リスト入りする。戦列復帰後は球威が戻らないスライダーを狙い撃ちされ、以降の防御率は6.32と大幅に悪化した。

パドレスの将来のクローザー候補から外れてしまい、2019年7月にインディアンスへトレードされた。インディアンスではブルペンでの役割が定まらず、3イニングを投げた試合もあった。2021年7月に恐らく高回転数に惹かれたであろうアストロズがメイトンをトレードで獲得した。

何度も書いているようにピッチングの特徴はスピンレートの高さだ。フォーシームの球速は古傷の影響によって年によってバラついており、デビューイヤーや2020年は平均93マイル出ていたのが2019・21年は91マイル前後にとどまった。それでもメジャーでも上位5%に入る回転数の多さで凡フライを量産している。変化球は平均スピンレート2,900回転に迫るカーブがアウトピッチ。かつてカッターを投げていたが、アストロズに来てからは一切使わずスライダーを多投するようになった。

メイトン家はスポーツ一家で4人兄弟。三男ニックが2021年にメジャーデビューしたことでメジャー史上430組目の兄弟メジャーリーガーとなり、四男ジェイコブもコースタル・カロライナ大学に進学して投手としてプレーしている。次男マークはクロスカントリーの道に進んで大学卒業後選手として活躍した。両親も大学時代はアスリートで父は陸上、母はバレーボールをやっていた。

寄稿日:2021-10-26 最終更新日:2021-10-26
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼カージナルス打線から三振を奪うメイトン

▼1安打ピッチングのガルシアの後を1球で片づけるメイトン (2021年ALCS)

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2017 SD  46 3 2 1  4.19 43.0 41 20 10 14 1 46 1.28 3.29

2018 SD  45 0 2 0  4.37 47.1 50 23  3 23 2 55 1.54 2.39

2019 SD  21 0 0 0  7.77 24.1 34 21  6  6 1 20 1.64 3.33

2019 CLE  9 0 0 0  2.92 12.1  4  4  1  6 1 13 0.81 2.17

2020 CLE 23 3 3 0  4.57 21.2 23 11  1  6 4 32 1.34 5.33

2021 CLE 38 2 0 0  4.57 41.1 36 21  4 20 3 61 1.35 3.05

2021 HOU 27 4 0 0  4.97 25.1 29 14  2 12 3 24 1.62 2.00


イミ・ガルシア


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Yimi Garcia (フルネーム/Yimi Garcia)

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1990-08-18生|188cm103kg|リリーフ 右投右打

出身地/ドミニカ共和国 エスパイジャト州モカ

プロ入り/2009年1月LAD契約

メジャーデビュー/2014-9-1
■選手紹介

サイドハンド気味のフォームでスピンレートの高い速球を繰り出すリリーフ右腕。ドジャースとマーリンズを経て2021年途中にアストロズにやってきた。フォーシーム(平均96マイル)とスライダー(90マイル)に依存したピッチングをしていたが、アストロズに来てからはチームの方針かカーブとシンカーも織り交ぜるようになった。

2009年に海外FAとしてはやや高齢の18歳でドジャースに入団。2年間は先発かリリーフどちらか適性をテストされていたが先発としては見限られ、2011年以降はリリーフとしてメジャーを目指すことになった。試合終盤の大事な場面で投げる機会が増え、2013年レギュラーシーズン後ドジャースはガルシアをメジャー40人枠へ登録するのと同時にAAAアイソトープスに昇格させた。

2014年のシーズンの大半をAAAで過ごした後、9月にメジャー初昇格。デビュー戦では、最初の打者のブライス・ハーパーにヒットを許しながらその後は2イニングをパーフェクトに抑えた。翌2015年はリリーフ陣の主力として59試合に起用された(うち1試合スターターとして登板)。2016年は9試合に登板したところで4月下旬に上腕二頭筋の痛みで戦線離脱。マイナーで6度リハビリ登板するも挫折しメジャーに戻れず。同年9月に左膝関節の内視鏡手術、10月にトミー・ジョン手術を相次いで受けた。ドジャースは2017年を全休したガルシアに対して年俸調停を回避するため63万ドルの1年契約を交わした。

TJからの復帰イヤーとなった2018年は5/3に久々の復帰登板を果たすと、次の日メキシコのモンテレーで行われたパドレス戦で3番手として1イニングを投げ、4投手の継投によるノーヒッターを達成した。2019年はキャリア最多の64試合に登板。防御率3.61ながら被打率.178に抑え、WHIP0.87はナ・リーグではジョシュ・ヘイダーとジョバニ・ガイエゴス(0.81)に次いで3番目に優秀な成績を残し、TJの影響を完全に払しょくした。ただしドジャースは年俸高騰を嫌ってガルシアに契約の打診をせず、ノンテンダーFAとなった。

2020年はマーリンズと契約。新型コロナに罹患してプレーできなかった期間がありながら14試合・15イニングを被安打9・被本塁打ゼロ・失点1・防御率0.60に抑えた。9月にセーブを記録したが、意外なことにルーキーイヤーに挙げたキャリア初セーブ以来5年ぶりとなったうえ、シーズン唯一の失点をこの試合で喫している。2021年はトレード期限間際にアストロズへ移籍。これとケンドール・グレイブマンの2件はアストロズの弱点だったブルペンを強化しつつ、ぜいたく税を課される総年俸スレスレを攻めたトレードになっており、2021年から就任したジェームズ・クリック新GMの評価を高めることとなった。

メジャー公式サイトによると"ジミー"という名の息子がいることは紹介されているが、自分から前に出る性格ではないせいか、ガルシアのドミニカ共和国での少年時代のことや現在の私生活についてはベールに包まれている。

寄稿日:2021-10-24 最終更新日:2021-10-24
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼デビュー戦を2回無失点に切り抜けるガルシア

▼5年ぶりのセーブを挙げるガルシア

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2014 LAD  8 0 0 0  1.80 10.0  6  2  2  1 0  9 0.70 9.00

2015 LAD 59 3 5 1  3.34 56.2 44 21  8 10 2 68 0.95 6.80

2016 LAD  9 0 0 0  3.24  8.1  9  3  0  1 1  4 1.20 4.00

2018 LAD 25 1 2 0  5.64 22.1 29 14  7  4 2 19 1.48 4.75

2019 LAD 64 1 4 0  3.61 62.1 40 25 15 14 6 66 0.87 4.71

2020 MIA 14 3 0 1  0.60 15.0  9  1  0  5 0 19 0.93 3.80

2021 MIA 39 3 7 15  3.47 36.1 31 14  5 13 1 35 1.21 2.69

2021 HOU 23 1 2 0  5.48 21.1 18 13  3  5 0 25 1.08 5.00


ケンドール・グレイブマン


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Kendall Graveman (フルネーム/Kendall Chase Graveman)

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1990-12-21生|188cm91kg|リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 アラバマ州アレグサンダーシティ

ドラフト/2013年TOR8巡目(全体235位)指名

メジャーデビュー/2014-9-5
■選手紹介

バックドア2シームで押しまくる頼れるリリーバー。スターターとして2桁勝利を挙げたこともあるが、2020年に首の良性骨腫瘍が見つかり、負担軽減のためリリーフに転向した。

アラバマ州アレクサンダーシティ出身のグレイブマンは地元ベンジャミンラッセル高校で、投手兼遊撃手として活躍。シニア(4年生)の年には63イニングで防御率1.19、打者として.390を記録している。進学したミシシッピ州立大学では4年間在籍。ソフモア(2年生)以降は主力投手となり、大学通算で68試合・19勝13敗・防御率3.69を記録した。いずれも後輩のハンター・レンフロー、ブランドン・ウッドラフ、アダム・フレイジャーが元チームメイトだった。また、学業は機械工学を専攻して成績優秀だった。

2013年のドラフトでブルージェイズから8巡目指名を受けた。大学時代の奪三振率が低かったせいで上位では指名されなかったが、カレッジベースボール屈指のサウスイースタン・カンファレンスで投げた実力はダテでなく、翌年9月にメジャー初登板を果たし、レギュラーシーズンで5試合に登板した。2013年ドラフト組では5番目に早いメジャーデビューだった(最速は5/17デビューのカイル・クロケット)。

2014年オフにジョシュ・ドナルドソンの4人の交換要員の1人としてアスレチックスへトレードされる。A'sでは先発ローテーション投手として抜擢。2015~17年に合計71試合に先発登板した。2016年にはA'sでただ1人ローテーションを崩さず規定投球回以上を投げ、10勝11敗を記録した。同年4/20のヤンキース戦に先発登板した試合では正三塁手のダニー・バレンシアが負傷交代、二遊間を守れるジェド・ラウリーのDHを解除したためグレイブマンに打席が回ってきたのが新・ヤンキースタジアムで初めて打席に立った投手となった。2017年はA'sのエースだったソニー・グレイが開幕に間に合わず、グレイブマンに初めての開幕投手に選ばれ勝利投手になったがその後はケガに苦しみ2度故障者入りした。

2018年は2年続けてグレイブマンが開幕投手に選ばれたが、5試合登板しても調子が上がらずAAAに降格した。この間0勝5敗・防御率8.89の大乱調だった。しばらく経って右ヒジの故障が発覚してトミー・ジョン手術を受け、シーズンオフにアスレチックスをDFAとなった。翌2019年はシカゴ・カブスにメジャー最低年俸の1年契約で拾われたが、TJからの回復が遅くマイナーで2試合の登板にとどまった。

2020年はマリナーズと1年契約を交わし、7月下旬に丸2年ぶりのメジャー復帰を果たした。しかし8月に痙攣をともなう首痛を発症。検査で頸椎に良性腫瘍が見つかった。完治には難易度の高い手術が必要になることから外科的手術は回避し、メジャー復帰後は負担軽減のためリリーバーとしてプレーすることになった。初めてリリーバーとして開幕を迎えた2021年、開幕からオールスター級の大活躍でクローザーの座を掴み取り、7月にセットアッパーとしてアストロズに迎え入れられた。

先発投手の頃は92~95マイル程度だった2シームが、リリーバーに転向後は平均96マイル台にアップ。2021年4・5月の平均球速は97マイルを超えていた。変化球は横の変化多めのものと縦方向の2種類のスライダーを全投球の1~2割程度投げ、相手打者との愛称でチェンジアップとカーブを見せ球に使用する。なお、スライダーは2021年から使い始めたボールで、かつて投げていたカットボールは封印した。

寄稿日:2021-10-24 最終更新日:2021-10-24
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼2021年ALCS第1戦で2イニングをパーフェクトに抑えるグレイブマン

▼素早い牽制球で1塁ランナーを刺すグレイブマン

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2014 TOR  5 0 0 0  3.86  4.2  4  2  0  0 0  4 0.86  ∞

2015 OAK 21 6 9 0  4.05 115.2 126 52 15 38 5 77 1.42 2.03

2016 OAK 31 10 11 0  4.11 186.0 196 85 22 47 7 108 1.31 2.30

2017 OAK 19 6 4 0  4.19 105.1 114 49 12 32 4 70 1.39 2.19

2018 OAK  7 1 5 0  7.60 34.1 44 29  9 13 1 27 1.66 2.08

2020 SEA 11 1 3 0  5.79 18.2 15 12  2  8 0 15 1.23 1.88

2021 SEA 30 4 0 10  0.82 33.0 15  3  2  8 3 34 0.70 4.25

2021 HOU 23 1 1 0  3.13 23.0 20  8  1 12 5 27 1.39 2.25