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マックス・マンシー


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Max Muncy (フルネーム/Maxwell Steven Muncy)

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1990-08-25生|183cm98kg|三塁手、二塁手、一塁手 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 テキサス州ミッドランド

ドラフト/2012年OAK5巡目(全体169位)指名

メジャーデビュー/2015-4-25
■選手紹介

ドジャース移籍を契機にオールスター選手に成り上がった待ち球系スラッガー。内野の複数ポジションを守りながらレギュラーを張っているが、ランナーと交錯したことでヒジを負傷してから明らかに打撃成績を悪化させている。そろそろファースト専任のチームで主軸を打つ方が合いそうだが、2025年まで契約延長した。ここドジャースで打棒復活なるか?

【球歴】
マンシーはテキサスで生まれ育ち、大学もテキサス州のケラー大学でプレーした。高校生のときにドラフト指名を受けているがプロ入りせず、ケラー大で実績を残してアスレチックスからドラフト5巡目で入団。2015年にメジャーデビュー後、複数ポジションを務めながらメジャー定着を目指したが放出された。

新天地のドジャースで2018年にブレイク。これまでは選球眼に優れた中距離ヒッターだったのが35本塁打を放ってレギュラーに、翌年にはオールスターにも選ばれ、一流選手の仲間入りを果たした。

2021年もオールスター選出・36本塁打をマークするも、シーズン最終戦にファーストの守備中にランナーと交錯してヒジを脱臼してしまう。その影響はポストシーズンに出られなかっただけに留まらず、翌年以降のバッティングに大きく響いた。22年は打率.196・21本塁打と低迷。23年はホームラン数は36本だったが打率.212と不満の残る結果が続いている。

これまで圧倒的に強かったフォーシームに対して、2022年以降は凡退するケースが急増した。2018~23年の対フォーシームの打率は.295→.287→.235→.310→.193→.194。特に2023年は高めの速球にバットが空を切る場面が目立ち、対フォーシームのK%もイメージ通り過去最悪の数字だった。

セカンドとサードを中心に複数ポジションを平均レベルに守ってきたが、ベテランの域に入って守備範囲が急激に狭くなった。元々弱肩なこともありファーストにつかせるのがベスト。しかし、フレディ・フリーマンの加入によって完全にサードに回ると、24年は大谷翔平を迎え入れフルタイムでサードを守らざるを得ない状況になった。

【その他】
2021年のドラフト1巡目全体25位に同姓同名のマックス・マンシーという大学生が指名されたが、指名したのが同じチーム(アスレチックス)だっただけでなく2人の誕生日まで同じだったことが話題になった。

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:2回(19,21)

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2015 OAK 45 102  21  8 1  3  9  9 0 31  0 .206 .268 .392

2016 OAK 51 113  21  2 0  2  8 20 0 24  0 .186 .308 .257

2018 LAD 137 395 104 17 2 35 79 79 5 131  3 .263 .391 .582

2019 LAD 141 487 122 22 1 35 98 90 8 149  4 .251 .374 .515

2020 LAD 58 203  39  4 0 12 27 39 4 60  1 .192 .331 .389

2021 LAD 144 497 124 26 2 36 94 83 11 120  2 .249 .368 .527


ギャビン・ラックス


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Gavin Lux (フルネーム/Gavin Thomas Lux)

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1997-11-23生|188cm86kg|遊撃手、二塁手 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 ウィスコンシン州ケノーシャ

ドラフト/2016年LAD1巡目(全体20位)指名

メジャーデビュー/2019-9-2
■選手紹介

膝の大ケガを乗り越えてショートのレギュラーに就きたい元トッププロスペクト。高校時代に全米の年間最優秀選手に選ばれた野球エリートであり、マイナー時代から二遊間のレギュラーになることを期待され続けている。打撃では余計なボール球を振らない能力に長け、送球は怪しいが内野の守備範囲に定評がある。

ラックスはウィスコンシン州出身。地元の高校のスター選手で、高3のときに打率.560を記録。ゲータレード年間最優秀選手賞に選ばれ全国レベルの知名度を得た。ドジャースからドラフト1巡目(全体20位)指名を受け、名門アリゾナ州立大への進学か悩んだ末、プロ入りを選択した。

ラックスの叔父であるオージー・シュミットもかつてドラフト1巡目でプロ入りしている。同じショートを守っていた。ブルージェイズに全体2位の高順位で入団しただったが、後に5度オールスターに選ばれることになる若き日のトニー・フェルナンデス(1年だけ西武ライオンズに在籍)が台頭した時期と重なり、また自身は故障渦に見舞われメジャーに上がることはなかった。

入団後のラックスはマイナーを問題なくクリアし、2020年にはメジャー公式の有望株ランキング2位の評価を受け、今後のキャリアを期待された。しかしドジャースは生え抜きのコーリー・シーガー、途中加入のトレイ・ターナーや他にもショートを守れるスーパーユーティリティを抱え、選手層が厚すぎるドジャースでは出場機会が限られていた。

2022年オフ、ショートのFA市場に大物が溢れていたが翌年の大谷翔平獲得を控え、ドジャースは大型契約が必要な選手の獲得を回避していた。球団もラックスをショートのレギュラーに据えると公式に発表し、ラックスにとって初めてと言って良い大きなチャンスがやってきた。スプリングトレーニングで精力的にアピールしていた矢先、オープン戦で走塁中に2ヶ所のヒザの靭帯を断裂した。WBCに出るはずだったミゲル・ロハスが辞退して年間をショートで出るための再調整を行った。

2024年のスプリングトレーニングでは、再度レギュラー獲りに向けて順調に備えているように映った。長所だったスピードと守備範囲がどれ程回復したかが大いに気になるところ。今年こそはアマチュア時代からの期待値通りの実績を残せるだろうか?

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2019 LAD 23  75  18  4 1  2  9  7 0 24  2 .240 .305 .400

2020 LAD 19  63  11  2 0  3  8  6 0 19  1 .175 .246 .349

2021 LAD 102 335  81 12 4  7 46 41 3 83  4 .242 .328 .364


エメット・シーアン


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Emmet Sheehan (フルネーム/George Emmet Sheehan)

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1999-11-15生|196cm100kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク

ドラフト/2021年LAD6巡目(全体192位)指名

メジャーデビュー/2023-6-16
■選手紹介

2023年にAAで圧倒的な成績を残したため飛び級でメジャー昇格を果たし、一気にドジャースの先発候補に名乗りを上げた若手右腕。24年は負傷者リストの先輩たちが戻ってくる前に実績を積み上げ、名門の先発ローテーションの座を不動のものとしたい。

【球歴】
シーアンはニューヨーク・ブロンクス生まれ。5歳のときにコネチカット州に移り住んで野球を始めた。ベン・カスパリウス(ドジャースから5巡目指名を受け同期入団)とはそこそこ家が近く、リトルリーグを通じて友人になった。高校はニューヨークにあるフォーダム・プレップに3年通った後、再びコネチカット州の高校に転入。高校在学中はドラフト指名がなかったため、誘いがあったボストン大学へ進み文武両道に明け暮れた。

2021年にドジャースから6巡目指名を受け入団。2023年のダブルAで開幕から快進撃を続けた。リハビリ中のホゼ・アルトゥーベから三振を奪うなど圧倒的なピッチングを披露し、評価が急上昇。メジャーではフリオ・ウリアスのDV問題、ジャスティン・メイトニー・ゴンソリンがともにヒジの再手術で先発ローテに大穴が空き、AAAの有望株たちを差し置いて飛び級でメジャー昇格が実現した。もちろん同期入団の誰よりも早い昇格でもあった。

デビュー戦はフレディ・フリーマン、ムーキー・ベッツの両MVPに助けられながら6回ノーヒットに抑える華々しいものとなった。最終的に防御率4.92であったが被打率、奪三振率はメジャー平均以上の数字で、これからも十分にメジャーでやっていける期待を持たせた。

【投球スタイル】
最近トレンドの低いリリースポイントから浮き上がるようなハイファストボールを投げる。球持ちもリーグ平均以上のデータを残している。

95~97マイルのフォーシームはシンカーに近い動きをする。非速球系は2種類のスライダーとチェンジアップを持ち、どれもレベルが高い。落差の大きなチェンジアップは前評判から高かったが、それ以上にハードスライダー(スイーパーに分類されている)が非常に効果的に使えている。2023年はメジャーでも左右両打席でほとんど打たれなかった。マイナーでカーブを捨ててまでして習得した甲斐があった。

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼先輩たちに助けられながらデビュー戦を6回ノーヒットに抑えるシーアン

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

(~2022年メジャー経験なし)


ディエゴ・カルタヤ


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Diego Cartaya (フルネーム/Diego Armando Cartaya)

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2001-09-07生|191cm99kg|捕手 右投右打

出身地/ベネズエラ アラグア州マラカイ

プロ入り/2018年7月LAD契約

メジャーデビュー/メジャー経験なし
■選手紹介

ドジャース傘下No.1プロスペクトだったベネズエラ産有望株キャッチャー。メジャーで30本を打つ捕手になれると期待されていたが、ダブルA級で思わぬ苦戦を強いられ評価を落とした。

2018年に国際FAでドジャースと契約。各種媒体で最高評価を受けていて、250万ドルの高額契約となった。渡米後はシングルA~A+でプレーした2022年にフューチャーズゲーム(マイナーの球宴)に出場、シーズン後にはドジャース傘下の最優秀選手に選ばれた。しかし翌年のAAでは打撃、守備両面でリーグワースト級の成績を残してしまった。とりわけ非速球系の球に対しては全くダメだった。

正捕手ウィル・スミスをいつか脅かす存在とさえ言われたトッププロスペクトも改めて出直しのシーズンとなる。ゲームプランニング、コミュニケーション能力、リーダーシップ、メイクアップといったキャッチャーに必要な資質は依然評価が高いだけに、キャッチャーとして育ってほしい存在だ。

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

(~2023年メジャー経験なし)


ギャビン・ストーン


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Gavin Stone (フルネーム/Gavin Blaine Stone)

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1998-10-15生|185cm79kg|先発、リリーフ 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 アーカンソー州レイクシティ

ドラフト/2020年LAD5巡目(全体159位)指名

メジャーデビュー/2023-5-3
■選手紹介

メジャー初年度は壁に阻まれた先発の有望株。大学でほとんど使っていなかったチェンジアップとプロ入り後レベルアップしたファストボールを軸に投球を組み立てる。2022年にマイナーで最優秀投手賞を獲得、翌年メジャーデビューもトリプルAでも成績を大きく落とした。まずはメジャー定着を目指す。

セントラルアーカンソー大学でリリーフを中心に投げ、ジュニア(3年生)シーズンに先発に転向。4試合目にノーヒッターを達成したが、コロナパンデミックの影響でこの試合が大学最後の登板となった。2020年のドラフトではドジャースから5巡目(全体159位)指名を受け入団した。大学野球の知名度が低いセントラルアーカンソー大では5巡目は歴代3番目、21世紀に入ってからは最も高い指名順位だった。

この年のドラフトは各球団5巡目までに制限されたシーズンだった。アーカンソー州立大に在籍中の2歳年上の兄コリンも球界入りを目指していたが、コリンの方は2021年まで在学するもドラフトにかからず、独立リーグの球団で1年プレーして引退した。

AA~AAAで過ごした2022年は、マイナーリーグ全体でトップとなる防御率1.48を記録、マイナーの最優秀投手賞(Branch Rickey Minor League Pitcher of the Year)に選出された。しかし23年はAAAでも防御率4.73、メジャーでは防御率9.00、31イニングで8本塁打を浴びメジャーの壁に大いに阻まれた。

【投球スタイル】
速球はプロに入って球威が増したフォーシームとシンカーの2種類。最速は98マイルを計時したがメジャーでは平均94マイルを投げていた。大学時代はほとんど投げていなかったチェンジアップはスプリットに近い握りで、変化量よりスピード差を念頭に置いている。左右どちらにも決め球に使えるクオリティの高い球種だ。スライダーとカットボールは使用頻度が少なく、カーブは封印した。

体格やスタミナ面が先発適正に疑問符を付けられる一方、コマンドは優秀。デビューイヤーに打ち込まれはしたものの制球に困る場面は少なかった。メジャーレベルで空振り率を上昇させられれば、ロングリリーフ~先発ローテ入りが見えてくるか。

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

(~2022年メジャー経験なし)


ジェームズ・アウトマン


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James Outman (フルネーム/James Outman)

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1997-05-14生|191cm98kg|外野手 右投左打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州レッドウッドシティ

ドラフト/2018年LAD7巡目(全体224位)指名

メジャーデビュー/2022-7-31
■選手紹介

ミート以外の4ツールに優れたイケメン外野手。日本への露出が増えると人気沸騰しそうな有力候補。メジャー実質1年目の2023年は新人王こそならなかったが好成績を残し、センターのレギュラーの座を掴んだ。固め打ちする傾向あり。唯一の弱点といえるヒッティングツールがひどすぎるのは少し心配。

カリフォルニア州のベイエリアにある街出身のアウトマン。高校時代は野球とフットボールのスター選手として名を馳せ、カリフォルニア州立大サクラメント校に進学。レギュラーに定着したソフモア(2年生)からは2年連続でチーム最多本塁打を放つも、通算打率.249・四球を大きく上回る135三振を記録しており、プロ入り前から4ツールプレイヤーの型が出来上がっていた。また、積極的に参加したサマーリーグではNCAAのレギュラーシーズン以上に活躍した。

2018年のプロ入り後、マイナーの階級を上がるたびに打撃で適応能力を見せる。過度なプルヒッター傾向を少しずつ最善させ、パワーにより生かせるよう磨かれていった。メジャー昇格時点でも俄然高い空振り率を抱えたままだったが、低打率を長打と選球眼、デッドボールで補った。2021年のアリゾナ秋季リーグではフォールスターズゲーム(秋季リーグのオールスター)に選ばれるほど打ちまくった。

2022年7月にメジャー初昇格すると、初打席でホームランを放ったのを皮切りに2試合で8打数7出塁するという、アウトマンの名前とは真逆の衝撃デビューを果たした。

オフにセンターの大半をスタメン出場したコディ・ベリンジャーが去り、翌年のレギュラー候補の筆頭にアウトマンが浮上。開幕のラインナップに抜擢されるとチーム初ホームランを放ち、3~4月の最優秀新人賞を受賞する活躍で、完全にレギュラーを手中に収めた。

グラウンド外のことだがドジャースの専門サイト"Dodgersnation.com"の取材で、アウトマンはゲン担ぎでロッカと名付けられた石を大事にしている、という小ネタ?が明らかになった。顔が描かれた石はペットという扱いで、疲れたらたまにコーヒーを注いであげている(ので口らしき部分が茶色染みている)とのこと。

寄稿日:2024-02-23 最終更新日:2024-02-23
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

(~2021年メジャー経験なし)


ケストン・ヒウラ


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Keston Hiura (フルネーム/Keston Wee Hing Natsuo Hiura)

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1996-08-02生|183cm92kg|二塁手、一塁手 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州バレンシア

ドラフト/2017年MIL1巡目(全体9位)指名

メジャーデビュー/2019-5-14
■選手紹介

2019年に華々しいデビューイヤーを過ごすも攻守で成績を落とした元トッププロスペクト。2023年はデビュー以来初めてメジャーに昇格できず、日本では新外国人として来日を期待する声も聞かれる。ミドルネームは"ナツオ"。

カリフォルニアで日系人の父と中国人の母の間で生まれ、ドジャースファンとして育つ傍ら5歳か6歳頃から野球を始めた。高校卒業時点では無名な存在だったがカリフォルニア大学アーバイン校在学中に打撃で急成長を遂げ、2017年のドラフトで全体9位指名の高評価を受けてミルウォーキー・ブリュワーズに入団した。

2019年5月に早くもメジャー昇格すると、期待に違わぬ打撃を披露。新人王争いには加われなかったが正セカンドとして打率.303・19本塁打・OPS.938の好成績を残した。一方で25四球に対して107三振の粗さやセカンドの守備範囲に大きな課題を残した。

翌年以降は高めのファストボールが打てない弱点を徹底的に突かれて成績が悪化。守備も向上せずファーストでの出場機会が増えたが、それは同時にセカンド以上の打撃を求められることを意味した。年々厳しい状況に追い込まれ、23年は打撃フォームの改造も実らず、デビュー以来初めてメジャーでプレー機会を得られなかった。

なお、2023年にヒウラとメジャー26人枠を競った元本塁打王ルーク・ボイトも幾度となく日本球界入りを噂されている。ボイトvsヒウラの強打の対決第2ラウンドが海を越えて見られるかもしれない。

寄稿日:2024-01-08 最終更新日:2024-01-08
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

2019 MIL 84 314  95 23 2 19 49 25 8 107  9 .303 .368 .570

2020 MIL 59 217  46  4 0 13 32 16 11 85  3 .212 .297 .410

2021 MIL 61 173  29  9 1  4 19 14 7 77  3 .168 .256 .301


エリック・フェッディ


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Erick Fedde (フルネーム/Erick James Fedde)

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1993-02-25生|193cm91kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ネバダ州ラスベガス

ドラフト/2014年WSH1巡目(全体18位)指名

メジャーデビュー/2017-7-30
■選手紹介

韓国でMVP級の成績を残し、メジャーリーグ返り咲きが期待されるグラウンドボール系先発右腕。もとはワシントン・ナショナルズで先発投手として投げていたが韓国に渡り、チェ・ドンウォン賞(※KBOのサイ・ヤング賞のようなもの)を受賞。アメリカで"第2のメリル・ケリー"になると予想され、日本では新外国人候補に名前が挙がったりと俄かに人気物件になった。ベガス生まれで10代前半の数年間ブライス・ハーパーと同じ学校に通っていた。

高校と大学を地元ラスベガスで過ごし、2014年のドラフト1巡目(全体18位)指名を受けてナショナルズに入団した。この時フェッディはヒジを負傷しており、ドラフトの2日前にトミー・ジョン手術を受けたがナショナルズスカウトからの高評価は変わらなかった。

プロ入り後3年目の2017年、マイナーでこれまで先発で投げてきたのをリリーバーに配置転換されかけた。だがメジャーではスティーブン・ストラスバーグの腕の神経障害やジョー・ロスのトミー・ジョン手術で先発投手の駒不足に陥り、フェッディにスポットスターターとして白羽の矢が立ちメジャー昇格となった。

デビュー年以降も毎年先発をメインに出場機会を与えられる。だが、残念ながら順調だったマイナーリーグの実績をメジャーに繋げることができなかった。デビューからの6年間は屈筋と肩の故障でたびたび負傷者リストに載せられた。また、メジャーでは打者を打ち取る球種が無く、平均以上に四球を出しながらホームランを多く献上する課題を解決できずに煮え切らない成績が続いた。2022年に6勝13敗・防御率5.81と悪化させたところでノンテンダーFAとなった。

2023年から韓国プロ野球のNCダイノスに加入したフェッディは、いきなり20勝6敗・防御率2.06・204奪三振の投手3冠を達成。KBOの歴史で初めて同一シーズン20勝・200奪三振を達成した外国人投手になった。

【投球スタイル】
ファストボールは2シームメインで146~149km/h。過去に97マイルほどを計時したのが最速。アウトピッチはスライダーで、ほかにカットボールとチェンジアップも交える。球種を問わず制球力に優れるが空振りを奪う能力が乏しい。メジャーレベルでは粘り負けして歩かせてしまうことが多々あり、スタッツだけ見ると制球が悪い投手に見えてしまっている。

【その他】
身長は193cmあるが痩せ型。筋肉が付きにくい体質であることを気にしていて、普段から多めの食事をとるよう努力している。

寄稿日:2023-11-12 最終更新日:2023-11-12
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2017 WSH  3 0 1 0  9.39 15.1 25 16  5  8 1 15 2.15 1.88

2018 WSH 11 2 4 0  5.54 50.1 55 31  8 22 0 46 1.53 2.09

2019 WSH 21 4 2 0  4.50 78.0 81 39 11 33 2 41 1.46 1.24

2020 WSH 11 2 4 0  4.29 50.1 47 24 10 22 3 28 1.37 1.27

2021 WSH 29 7 9 0  5.47 133.1 144 81 23 48 4 128 1.44 2.67


ブレント・ハニーウェルJr.


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Brent Honeywell (フルネーム/Brent Lee Honeywell)

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1995-03-31生|188cm88kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 ジョージア州オーガスタ

ドラフト/2014年TBラウンドB(全体72位)指名

メジャーデビュー/2021-4-11
■選手紹介

かつてはトッププロスペクトだったがケガに泣かされ続けた先発右腕。2017年にフューチャーズゲームでMVPを受賞し、誰もがハニーウェルJr.の輝かしいキャリアを想像した。その後は2021年までの間に右ヒジに4度メスを入れ壮絶なリハビリを経験。彼の代名詞とも言えるスクリューボールを捨ててまでして再起を図り、ようやくメジャーのマウンドにたどり着いた。

ハニーウェルJr.は父親がコーチを務める地元ジョージア州の高校を卒業後、コミュニティカレッジで1年プレーした。高校時代に135km/h前後だったファストボールが145~150km/h出るまでに急成長し、タンパベイ・レイズにドラフト2巡目の高順位で入団した。

入団3年目の2016年、シーズン前の有望株ランキング100傑に初めて名前が載り、MLB公式では43位につけた。翌年AAAに昇格するとマイナーのオールスターであるフューチャーズゲームに選出され、アメリカ代表の先発投手として出場した。2017年のフューチャーズゲームは剛腕投手たちが揃い、史上稀にみる豪華な球宴となった。そんな中で2イニングを無失点、4人の打者から三振を奪ったハニーウェルJr.は101マイルの剛速球を連発したマイケル・コペックを退けMVPを受賞。そう遠くないうちにメジャーの表ローテーションで投げることになると、誰もがそう信じた。

翌2018年のプレシーズン、MLB公式のプロスペクトランキングで過去最高の11位にランクされた。しかし2月下旬に春季キャンプを離脱、右ヒジの尺骨側副靱帯断裂が判明し、人生で初めてトミー・ジョン手術を受けた。リハビリも終盤に差し掛かった2019年6月、今度はブルペンでの投球中に右ヒジ内側上顆(※いわゆるゴルフ肘の患部)を骨折。不運は重なり、2020年春に肘部管症候群を発症して瘢痕組織の除去手術。12月にはヒジの不快感を軽減するため関節鏡視下手術を受けた。

2021年4月10日、レイズはハニーウェルJr.をコールアップし、翌日にオープナーとして先発登板。2017年9月19日にAAAで投げて以来1298日ぶり、右ヒジへの4度の異なる手術を乗り越えてついにメジャーデビューを果たした。ただ成績そのものは振るわずメジャーでは3試合の登板に終わり、オークランド・アスレチックスに移籍してからも右ヒジのストレス反応を起こすなど予後が思わしくなかった。そしてサンディエゴ・パドレス、シカゴ・ホワイトソックスと渡り歩き、2023年オフにFAとなった。

【投球スタイル】
​ハニーウェルJr.は5つの球種を駆使する総合力の高い投手だった。なかでも絶滅危惧種と言われるスクリューボールは芸術的な変化をする、まさに"マネーピッチ"であった。ただこの魔球が右ヒジのコンディション不良を招いたと考えられて、熟慮の末に封印することを決めた。現在はカッターとチェンジアップを主体に4シーム、スライダーの4球種を使う。いずれも縦横に鋭い大きな変化量があり、また高い制球力も併せ持っている。

【その他】
右投手にしてスクリューボールを操っていたハニーウェルJr.。その起源は父方の叔父マイク・マーシャルにある。マーシャルはスクリューボールを武器に現役時代2度のオールスターと3度のセーブ王を獲得、1974年にはリリーフ投手では初めてサイ・ヤング賞に輝いたことで知られる。マイナーでプレー経験のある父ハニーウェルSr.が大学時代にマーシャルから投げ方を教わり、それを息子に伝授したのだった。

寄稿日:2023-11-12 最終更新日:2023-11-12
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2021 TB  3 0 0 0  8.31  4.1  5  4  2  3 0  4 1.85 1.33


ハイメ・バリア


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Jaime Barria (フルネーム/Jaime Jonathan Barria)

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1996-07-18生|185cm95kg|先発、リリーフ 右投右打

出身地/パナマ パナマ県パナマ市

プロ入り/2013年4月LAA契約

メジャーデビュー/2018-4-11
■選手紹介

ロサンゼルス・エンゼルスで先発ローテーション争いを続けていたパナマ出身右腕。WBC2023パナマ代表。2022年にスイングマンとして好成績を残したが23年は一転して打ち込まれ、レギュラーシーズン終了後に40人枠を外れた。アジアへの移籍も含めて選択を迫られている。近年のピッチングは速球の球威不足とスライダー偏重の組み立てが目立つ。

パナマシティで生まれたバリアは16歳でエンゼルスと6万ドルで契約。入団5年目の2017年に選手として大きく飛躍。フューチャーズゲーム(マイナーのオールスター)に選ばれ、エンゼルス組織の年間最優秀投手候補に挙がるほどの成長を遂げた。

2018年は開幕をトリプルAで迎え、エンゼルスの先発投手陣に故障離脱が相次ぎメジャーに昇格した。デビュー戦の舞台でいきなり初先発・初勝利を挙げた。翌週、2度目の登板となったサンフランシスコ・ジャイアンツ戦ではブランドン・ベルトとの対戦で、1打席だけで21球を費やすメジャー新記録を打ち立てた(結果はライトフライに打ち取った)。マイナーオプションの残る投手がバリアしかおらず、メジャーとトリプルAを計6往復する過酷な扱いを受けながらチーム最多の10勝(9敗)を挙げ、防御率3.41とチームに大きく貢献した。

2019年のスプリングトレーニングでは5番手として先発ローテ入りすると思われていたが、開幕直前になってエンゼルスはクリス・ストラットンを獲得。その煽りでバリアがロスターから弾き出され、年間で4勝10敗、防御率6.42と大きくモチベーションを落とす結果となってしまった。トレード相手のストラットンはのちに他球団でセットアップマンに成長するのだが、エンゼルスでは起用法が定まらず7試合で防御率8.59・WHIPは2を超える打ち込まれようだった。

しばらく低迷が続き2022年、注目度は低いなか故障者続出のエンゼルス投手陣を先発・リリーフを問わず起用に応え、79イニングを消化し防御率2.61の好成績を残した。貴重な働きが認められ、オフに年俸調停を避け1年105万ドルの契約でチームに残留した。だが、翌年はその反動か大きく成績を落とし、2勝6敗、防御率5.68に終わりシーズン後にFAとなった。

【投球スタイル】
4シームを基本とする2種類の速球に加え、スライダーとチェンジアップを投げる。速球系のスピードはメジャー平均を下回る146~149km/h。かねてより空振りが取れる球種が無いことを懸念されていて、及第点の成績を残しても先発に固定してもらえなかった。

また球威不足の割にはコントロールもアバウトで、4シームはストライクゾーン真ん中に集まりやすく、スライダーは散らばる傾向にある。2022年以降はスライダーに依存し投球の半分以上を占めるようになっている。

寄稿日:2023-11-12 最終更新日:2023-11-12
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2018 LAA 26 10 9 0  3.41 129.1 117 49 17 47 6 98 1.27 2.09

2019 LAA 19 4 10 0  6.42 82.2 92 59 24 27 2 75 1.44 2.78

2020 LAA  7 1 0 0  3.62 32.1 27 13  3  9 1 27 1.11 3.00

2021 LAA 13 2 4 0  4.61 56.2 70 29  8 19 2 35 1.57 1.84