MLB用語 – さ行


サービスタイム
MLS(Major League Service) Time
メジャーリーグのアクティブ・ロースターに入っていた期間。172日を1年としてカウントする。
サービスタイムが3年に達すれば年俸調停権を、6年に達すればFA権を取得できる。
サイ・ヤング賞
レギュラーシーズンで最も活躍した投手に与えられる賞。両リーグから1名ずつ選出される、全米記者協会所属の記者28人の投票によって選ばれる。サイ・ヤングは史上最多の511勝を挙げた投手。
サイクルヒット
バッターの記録のひとつで、1試合で単打・二塁打・三塁打・本塁打を1本以上打つ記録。英語ではhit for the cycleという(中にはハットトリックと呼ぶ人もいる)。
なお、単打→二塁打→三塁打→本塁打の順に達成したものをナチュラル・サイクル、その逆順はリバース・サイクルと呼ばれる珍しい記録である。
サイレントトリートメント
MLBで伝統的に行われている代表的な新人いじめのひとつ。自軍の新人選手がホームランを打ってベンチに戻ってきてもチームメイトは目を合わせなかったり寝たふりをしたりして無視する。ドッキリの一種なので最終的にはしっかり祝福してくれる。
新人いじめ
サイン盗み
捕手が出す球種やコースなどのサインを読み取って打者に伝達する行為。2017年から2018シーズン前半にかけてアストロズが違法な手段でサイン盗みを行っていたことが発覚。球団と当時の首脳3人にMLB機構から処分が下されたが、恩恵を受けたはずの選手には一切罰則がなかった。
サウス・アトランティックリーグ
AにクラスされるMLB傘下のリーグ組織のひとつ。
サウスポー
左投げの投手のこと。”ポー”は先住民族の言葉で腕という意味。アメリカの球場の多くは野球規則にのっとってホームプレートが西に向いており、左投げ投手の腕が南側から出てくるように見えたことが語源だとする説が有力。
サザンリーグ
A+にクラスされるMLB傘下のリーグ組織のひとつ。
サスペンデッド・ゲーム
急に天候が悪くなるなどの理由で続行できなくなった試合。後日、途中から再開される。
サブウェイ・シリーズ
同じニューヨークを本拠地にもつニューヨーク・ヤンキースとメッツの交流戦のこと。ヤンキースタジアムと旧シェイ・スタジアム(現在のメッツの本拠地はシティ・フィールド)を地下鉄で移動できるほど距離が近いためこう呼ばれる。
サムズダウン
2017年にヤンキースナインとファンの間で流行ったポーズ。9月のレイズ戦でヤンキースのトッド・フレイジャーが放ったホームランに観衆が沸く中、白ヒゲの初老の男性ファンが無表情で親指を地に向ける姿がウケ、ヤンキースナインに広まった。のちにこの男性は長年のメッツファンであることが判明しているが、この試合はハリケーンの影響でフロリダで試合ができず、メッツの本拠地シティ・フィールドで開催されていた。
⇒動画
シチュエーショナルレフティ
中継ぎ投手の役割のひとつで、左打者を抑えるために出てくる左投げのリリーバー。対左・右打者の被打率の差が大きい投手が担う。サイドスローの投手も多い。日本の野球でいう”ワンポイントリリーフ”。
2020年からのルール改正によりイニング内では3人以上と対戦しなければ降板できなくなったため、シチュエーショナルレフティは絶滅危惧種になる恐れがある。
シトラス・シリーズ
同じフロリダを本拠地をもつレイズとマーリンズのマッチアップのこと。フロリダ州がオレンジなどの柑橘類(シトラス)が名産であることが由来。
ジャーニーマン
選手の入れ替わりが頻繁なMLBにおいても特に多くのチームを渡り歩いてきた選手のこと。
⇔フランチャイズ・プレイヤー
ジャッキー・ロビンソン・デー
ジャッキー・ロビンソンが黒人選手として初めてメジャーデビューした日を記念して設定されたイベント日。毎年4月15日を「ジャッキー・ロビンソン・デー」として定められており、この日の試合はすべての選手がロビンソンの背番号42をつけてプレーすることができる。
シャットアウト
完封
招待選手
メジャー40人枠に入れなかったものの球団からスプリングトレーニングに招待され、ほかの選手たちとメジャー契約やアクティブ・ロースター入りを目指す選手のこと。
シルバースラッガー賞
レギュラーシーズンで最も打撃で活躍した選手に与えられる賞。各チームの監督とコーチが自チーム以外の選手に投票し、リーグ別に各ポジション1人ずつ選ばれる。1980年よりバット製造会社のHillerich & Bradsby社が自社商品”ルイビル・スラッガー”の名前をとって表彰するようになった。
新人いじめ
メジャー1年目の選手に対して仕掛けるイタズラのこと。一人前のメジャーリーガーになるための通過儀礼として定着している。
代表的な新人いじめのひとつに恥ずかしいコスチュームで外を歩かせるイタズラがあるが、2016年の労使協定で女装させることが禁止になった(スパイダーマンのようなキャラものはOK。)
スイーパー
スライダーの一種で、水平方向の大きな曲がり幅が特徴の変化球。ブレイキングボールにカテゴライズされる。2022年に大谷翔平が多投するようになった頃から俄かに取り上げられるようになった。
スイープ
3連戦以上の同一カードを全勝すること。
スイッチヒッター
両打ちの選手のこと。
スウィングマン
ロングリリーフとして投げつつ、ローテーションの谷間に先発登板する役回りの投手のこと。
スーパー2
メジャー経験が3年に達していないが例外規定により年俸調停権を得る選手のこと。
ビッグリーグでの活躍が約束された超有望株は、開幕から数週間メジャーデビューを遅らせることでスーパー2にさせるのを防ぐ手法が横行している。
年俸調停権
スターター
先発投手のこと。2018年より流行し始めたオープナー戦術で先発する投手(=オープナー)とは区別する。
オープナー
スタッツ
statisticsの略で、選手やチームの様々な成績を数値化したデータのこと。
スタットキャスト
ボールの軌道を計測するトラックマン(Trackman)や選手の軌跡を解析するトラキャブ(Tracab)のデータ収集機器を使って解析を行うためのシステム。2015年からメジャー30球団すべての球場に導入されている。
得られたデータを受けて、球界でフライボール・レボリューションやオープナー戦術といった新しいトレンドが起きている。
トラックマン
スティーブ・バートマン事件
2003年のナ・リーグ優勝決定シリーズ第6戦8回表に起きた、カブスファンの観客が自軍の選手の捕球を妨害した出来事のこと。
カブスはここまで3勝2敗でワールドシリーズ進出に王手をかけ、95年ぶりのワールドシリーズ制覇に向けて期待が高まっていた。試合もあとアウト5つのところから、このプレーの直後8点を失って逆転負け。第7戦も流れを変えることができずにシリーズを敗退した。
捕球を妨害してしまったバートマンは試合直後に襲撃されたうえ多くの嫌がらせや殺害予告を受けたため、仕事と名前を変えて身を隠すように生活せざるをえなくなった。
ステロイド(アナボリックステロイド)
もっとも代表的な禁止薬物のひとつで、テストステロンの作用を持たせたステロイド。筋肉増強効果がある。
ドーピング
ストーブリーグ
シーズンオフの野球が行われていない時期に飛び交う、選手のトレードや契約に関する話題のこと。
ストリーク
連勝、または連敗のこと。
スピットボール
もっとも有名な不正投球の1つ。ピッチャーがボールに唾をつけて指にかかりやすくし、ボールを鋭く変化させる。
1991年に野球殿堂入りしているゲイロード・ペリーが得意としていた。
スプラッシュヒット
サンフランシスコ・ジャイアンツの本拠地オラクル・パーク(旧AT&Tパーク)のライト席の向こう側の海(マッコビー湾)に飛び込む場外ホームランのこと。バリー・ボンズが多く放った。このホームランボールをゲットするためだけに複数のファンがカヌーで待機している。

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スプリット・スクワッド形式
スプリングトレーニング中にチームを2組に分けてオープン戦を行うこと。多くの選手に出場機会を与えることが目的。
スプリングトレーニング
各球団が2月中旬~開幕前に行う練習や試合のこと。プロ野球でいうところの春季キャンプに似ているが、オープン戦をスプリングトレーニング中に行う点が異なる。
スプレーヒッター
広角にヒット性の打球を飛ばせるバッターのこと
スラッガー
1.強打者のこと 2.日本スポーツ企画が出版している日本唯一のメジャーリーグ専門誌(SLUGGER)。以前は月刊誌だったが2016年3・4月号より隔月となってしまった。
スラッシュライン
打率・出塁率・長打率を並べて表記したもの。3つを/(=スラッシュライン)で区切る。
例).330/.405/.523
ぜいたく税
ラグジュアリータックス
セイバーメトリクス
統計学的な手法を用いて選手の能力やチームの勝利への寄与の度合いを数値化し、戦術に生かすために行うデータ分析のこと。この分野の専門家をセイバーメトリシャンという。
マネーボールの出版・上映で広く知られるようになった。
マネーボール
セットアップ
中継ぎ投手の役割のひとつで、同点か僅差でリードした場面でクローザーの前に投げるリリーバー。セットアップマンという。なお、日本の野球でいう”セットアッパー”は和製英語である。
ゼネラルマネージャー(GM)
チーム編成の責任者の肩書。メジャーからマイナー組織まですべてを統括する立場。
なお、近年はGMを超える権限を持つ役職(編成本部長など)を置く球団が多い。
セプテンバー・コールアップ
9月1日にアクティブ・ロースターが拡大するのにあわせて、若手有望株をメジャーリーグに引き上げてプレーさせること。
2020年より9月1日以降の拡大ロースターが28人枠となったが、それ以前は最大40人まで登録可能であった(ただし40人もダグアウトに入らないので30人程度の人数にする球団が多かった)。
ロースター(40人枠)
セブンスイニングストレッチ
7回表の終了後、Take me out to the ball game(私を野球に連れてって)が流れ、次の本拠地チームの攻撃の応援の準備をする時間。観客が背伸びをするなどしてリラックスすることが由来。
私を野球に連れて
全体1位
ドラフトで一番最初に指名を受ける選手。MLBは完全ウェーバー制であるので、その年でもっとも価値のある新人が最初に1名だけ指名されるわけで(契約金の関係でそうならないこともあるが、)入団後も〇〇年全体1位指名と肩書のように言われ続ける。
戦力均衡ラウンド
メジャー球団の戦力にできるだけ差が出ないようにするためのドラフトのしくみ。収益力が乏しい・本拠地のマーケットが小さいチームに上位のドラフト指名権(ラウンドA・B)が与えられる。