Tony Kemp (フルネーム/Anthony Allen Kemp)Embed from Getty Images1991-10-31生|168cm73kg|二塁手、外野手 右投左打出身地/アメリカ合衆国 テネシー州フランクリンドラフト/2013年HOU5巡目(全体137位)指名メジャーデビュー/2016-5-17 |
■選手紹介身体は小さいがボールの見極めに長けている二塁手兼外野手。アストロズ在籍時にサイン盗みを拒否した選手の一人と言われている。アスレチックスではセカンドのレギュラーを務めるが、外野もそつなくこなすユーティリティ性も魅力。あまりメジャーにいないタイプの選手に成長した。2016年にメジャー初出場。アストロズのレギュラーに故障者が続出した2018年はメジャーに定着しかけたが、翌年は不振に陥りDFA。マーティン・マルドナドとのトレードでシカゴ・カブスに移籍した。その後、セカンドのレギュラー不在のアスレチックスにトレードで移籍。持ち前のヒッティングスキルと選球眼で1番・セカンドの座を手にした。2020・21年と続けて三振数以上の四球を選んだが、ケンプのほかにはホアン・ソトしかいない希少性の高い記録だった。なお、ケンプのアマチュア時代は高校では野球とフットボールで活躍。黄金期のバンダービルト大学に進学し、フレッシュマン(1年生)からスタメン出場した2011年は同大初のカレッジワールドシリーズ出場に貢献した。絶対的エースとして君臨したタイラー・ビーティ、遅咲きのマイク・ヤストレムスキー、後輩のウォーカー・ビューラーとダンズビー・スワンソンら豪華な面々と一緒にプレーしている。寄稿日:2022-05-15 最終更新日:2022-05-15 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし▼取った本人もビックリのダイビングキャッチを披露したトニー・ケンプ▼古巣アストロズ相手に超好プレーを見せつけるトニー・ケンプ |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打2016 HOU 59 120 26 4 3 1 7 14 0 27 2 .217 .296 .3252017 HOU 17 37 8 1 0 0 4 1 1 5 1 .216 .256 .2432018 HOU 97 255 67 15 0 6 30 32 3 44 9 .263 .351 .3922019 HOU 66 163 37 6 2 7 17 16 4 29 4 .227 .308 .4172019 CHC 44 82 15 3 2 1 12 7 2 18 0 .183 .258 .3052020 OAK 49 93 23 5 0 0 4 15 3 14 3 .247 .363 .3012021 OAK 131 330 92 16 3 8 37 52 6 51 8 .279 .382 .418 |
「選手名鑑」カテゴリーアーカイブ
アダム・オラー
Adam Oller (フルネーム/Adam Oller)Embed from Getty Images1994-10-17生|193cm102kg|先発 右投右打出身地/アメリカ合衆国 テキサス州コンロードラフト/2016年PIT20巡目(全体615位)指名メジャーデビュー/メジャー経験なし |
■選手紹介クリス・バシットの1対2の交換トレードでアスレチックス入りした右の先発候補。メジャー到達までの道のりは険しく、独立リーグやオーストラリアでプレーしていたこともある、いわゆる苦労人。2022年5月に大谷翔平にメジャー通算100本目の一発を献上した。以前はゴーグルのようなメガネを着けて投げていた。2016年にドラフト20巡目で選ばれたオラーは、パイレーツのマイナーで3シーズン過ごしたが、A+より上のクラスに上がれず解雇される。2019年にジャイアンツと契約する前に、オラーはフロンティア・リーグ(独立リーグの1つ)に活躍の場を求めた。2020年シーズンオフに、メッツにマイナーフェーズのルール5ドラフトで指名され、AAとAAAでスターターとして活躍。合計して120回・防御率3.45・138奪三振を記録し、メッツのマイナーリーグ年間最優秀投手に選ばれた。翌年もルール5ドラフトの対象となり、メッツは40人枠にオラーを登録したが、シーズン途中にバシットの交換トレードでオラーを放出した。右のスリークォーターから投げる92〜94マイルのツーシームがメインで、87~89マイルのカッターと85マイルのスライダー、80マイル台後半のチェンジアップが持ち球。チェンジアップはメッツ時代に鍛えられて試合でも使えるようになった。ストライクゾーンで勝負するタイプで、逆に慎重に行くべき場面でもゾーン内で勝負してしまう傾向がある。27歳にしてに初めてメジャーリーグに到達したが、オラーの年齢から考えてある程度結果を残さなければ定着は難しいかもしれない。2022年5月15日現在、デビュー後4試合で0勝3敗・防御率12.27のメッタ打ちにあっているが、AAAでは抑えており、何かきっかけを掴むことができるだろうか。寄稿日:2022-05-15 最終更新日:2022-05-15 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし▼大谷翔平に日本人最速のメジャー通算100号アーチを浴びるオラー |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB(~2021年メジャー経験なし) |
シェルドン・ノイジー
Sheldon Neuse (フルネーム/Sheldon Lynn Neuse)Embed from Getty Images1994-12-10生|183cm105kg|二塁手、三塁手 右投右打出身地/アメリカ合衆国 テキサス州フォートワースドラフト/2016年WSH2巡目(全体58位)指名メジャーデビュー/2019-8-30 |
■選手紹介出戻りとなったアスレチックスで主軸を打つパワー系中距離ヒッター。最初のアスレチックス在籍時はサードにマット・チャップマンがおり他のポジションを模索していたが、出戻り後はチャップマンの放出で空席のサードに収まった。右打ちだが左投手が苦手。初めての満塁ホームランは大量点差の試合で外野手のブレット・フィリップスから放った。オクラホマ大学時代、何度もBig12カンファレンスの1stチームに選ばれる活躍。主にショートを守った。機会は少なかったがたまにリリーフ登板し、大学3年間で29試合・36回1/3・防御率1.60と出れば抑えていた。2016年にナショナルズから2巡目指名を受けて入団した。2021年に2対2のトレードでドジャースへ移籍。このトレードのメインは中継ぎ左腕のアダム・コラレックだったが、ほかにオクラホマ大の元チームメイトのコディ・トーマスも交換相手に含まれていた。ドジャースではOPS.505・66打席でわずか1四球・26三振を喫した。守備面でもミスが多くロサンゼルスのファンからブーイングを浴びた。オフにDFAとなると古巣アスレチックスに拾われた。マイナー時代から左投手をまったく打てていない。メジャーでもその傾向は顕著で、今の能力ではプラトーン起用でないと厳しいかもしれない。守備の評価はもともと高い。わりと広めの守備範囲とわりと強めの肩を備えている。ちなみに、弟のディラン・ノイジーは同じBig12カンファレンスのテキサス工科大で外野を守っていて、2022年からミネソタ・ツインズのマイナーに所属している。似たようなタイプの右投げ右打ちで、同じく左腕に弱い。寄稿日:2022-05-15 最終更新日:2022-05-15 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし▼シェルドン・ノイジーのキャリア初ホームラン▼外野手のフィリップスから容赦なく満塁ホームランを放つノイジー |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打2019 OAK 25 56 14 3 0 0 7 4 0 19 0 .250 .295 .3042021 LAD 33 65 11 1 0 3 4 1 0 26 1 .169 .182 .323 |
シェーン・マクラナハン
Shane McClanahan (フルネーム/Shane McClanahan)Embed from Getty Images1997-04-28生|185cm91kg|先発 左投左打出身地/アメリカ合衆国 メリーランド州ボルチモアドラフト/2018年TB1巡目追補(全体31位)指名メジャーデビュー/2021-4-29 |
■選手紹介スターターながら100マイル超を投げられる左の若手先発投手。サウスポーの先発投手の中では最も球が速く(2022年現在)、曲がりの大きいスライダーとのコンビネーションで三振を量産する。レギュラシーズンの初登板は2021年4月だが、前年の2020年のプレーオフで先にメジャーデビューしている。また、2021年のレッドソックスとの地区シリーズでは、大量5点を取られて降板後のベンチで悔しさのあまり大暴れした姿が全米に流された。マクラナハンはボルティモアに5歳まで住んだ後、フロリダに移り住んでケープコーラル高校でプレーした。高校通算で防御率1.02・123回で187三振を奪い有望選手として知られるようになった。メッツからドラフト26巡目で指名されたがサウスフロリダ大学(USF)への進学を選んだ。USFの入学直後はトミー・ジョン手術を受けて出場できなかったが、ソフモア(2年生)からは快速左腕として主戦を務めた。ドラフト全体31位でレイズ入りすると、2020年のポストシーズンでメジャーデビュー。前年までは近代野球でポストシーズンが初出場だった選手は2人しかいなかったが、2020年はマクラナハン以外にもアレックス・キリロフ、ライアン・ウェザーズもデビューしている。プレーオフ出場枠の拡大とコロナによる短縮シーズンの影響で起きた出来事だった。2021年は4月にレギュラーシーズンデビューを果たすと、オールスターブレイク後に7勝3敗・防御率2.84と活躍。ジョシュ・フレミングと並んでチーム最多のシーズン10勝を挙げた。ピッチングの内容は、とにかく速いファストボールが魅力。マクラナハンの2021年のファストボールは平均球速96.4マイル。同年500球以上投げた投手のうち11番目の速さだが、左腕に限定するとメジャー最速を誇り、2位のカルロス・ロドンの95.4マイルより1マイルも差があった。また、16球のファストボールが100マイル超だったが、2021年ではジェイコブ・デグローム(185球!)、サンディ・アルカンタラ(58球)、ゲリット・コール(31球)に続く4番目の多さ。2015年以降記録を取り始めてから左腕では2番目に多い球数だった。(最多は2016年のジェームズ・パクストンが投げた42球)。また、ファストボールに注目が集まりすぎているがカーブに近いスライダーも強力な奪三振ツールになっている。一方で大学からシングルA時代の頃までは9イニングあたり6個フォアボールを出していて、コントロールが身につかなければリリーフに転向と言われてきた。コマンドは今ひとつだが、メジャー昇格以降の与四球率が大幅に良くなっている。リリーフに収まるにはもったいない素材なのでこのままスターターとして育ててほしい。あとは精度の低いチェンジアップが使えるようになれば、個人タイトルを狙えるレベルになれるだろう。ちなみに、フロリダで育ったがボルティモアに5歳まで住んでおり、オリオールズの試合に家族でよく観戦した。カル・リプケンJr.が一番のお気に入りである。そのため背番号62は足し算してリプケンJr.の背番号8になるように選んだ、かどうかは定かではない。寄稿日:2022-05-11 最終更新日:2022-05-11 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし▼ALDS第4戦で打ち込まれ、ベンチで大暴れするマクラナハン(2:17頃登板、3:40頃降板) |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB2021 TB 25 10 6 0 3.43 123.1 120 47 14 37 2 141 1.27 3.81 |
コーリー・クルーバー
Corey Kluber (フルネーム/Corey Scott Kluber)Embed from Getty Images1986-04-10生|193cm98kg|先発 右投右打出身地/アメリカ合衆国 アラバマ州バーミンガムドラフト/2007年SD4巡目(全体134位)指名メジャーデビュー/2011-9-1 |
■選手紹介輝かしい実績を誇る元サイ・ヤング賞投手。2014・17年の2度のサイ・ヤング賞に加え、最多勝、最優秀防御率に輝いた経験がある。メジャーに定着した2013年には"最もエグい変化球を投げる投手"と言われた。インディアンス時代のような150km/h超えのシンカーは投げられなくなったが、それでも多彩な球種と抜群の制球力でスターターとして価値を保ち続けている。アラバマ州で生まれてテキサス州の高校に通ったが、妻の実家のあるマサチューセッツ州に住んでいる。球種が多く、カットボール・スライダーに近いカーブ・シンカーをそれぞれ3割ぐらい、残りの1割をチェンジアップの配分で投げている。インディアンス時代に比べてフォーシームをあまり投げなくなった。全盛期はシンカーの平均球速が93~94マイル出ていたが、2度目のサイ・ヤング賞を受賞した2017年以降低下し続け、2022年現在は平均90マイル(145km/h)を下回っている。プロ入り前のクルーバーは高校時代、テキサス州ダラス近郊のコッペル高校でプレーしていたが、右ヒジを骨折したためドラフトに掛からなかった。高校時代にコーチから誘われていたステッソン大学ではジュニア(3年生)で圧巻の成績を残し、サンディエゴ・パドレスからドラフト4巡目指名を受けて入団した。2010年にセントルイス・カージナルスを巻き込んだ三角トレードでインディアンスに移籍する。ちなみにこのトレードはパドレスの1人負けのような結果となっている。当時のクルーバーはまだAAで目立った成績を残しておらず、有望株ランクでチーム20位にすら入っていなかった。インディアンス傘下のAAAコロンバスでルーベン・ニーブラ投手コーチの指導でツーシームを取得するとここから急成長を遂げる。(奇しくもニーブラは2021年からパドレスの投手コーチに就任する。)2013年に先発ローテーションに定着し11勝5敗。当時、最もエグい変化球を投げる投手と呼ばれるようになると、翌2014年に大ブレイク。18勝9敗(最多勝)・防御率2.44・269奪三振の好成績で初のサイ・ヤング賞を受賞。2015年は9勝16敗だったが内容は悪くなく、4度完投勝利を挙げていてFIPも2点台の内容でサイ・ヤング賞投票で票が入っている。ようやくオールスターに初選出された2016年はサイ・ヤング賞投票で3位、2017年に18勝4敗・防御率2.25で2度目のサイ・ヤング賞を受賞、最多勝と最優秀防御率の2冠に輝いた。2018年にはシーズン20勝(9敗)でサイ・ヤング賞投票3位とエースとして好結果を残し続けた。2019年はこの頃から球速低下が目立つようになった。シーズン序盤からピリッとしない投球が続き、7試合目の登板で打球を右ヒジに受けてしまい骨折。その後マイナーでの復帰登板中に腹筋などを痛め、メジャーでは登板できず。チームがクルーバーの1,700万ドルのクラブオプションを行使した後、エマニュエル・クラッセとの交換トレードでテキサス・レンジャースへ移籍が決まった。骨折した試合がインディアンスでの最後の登板となった。レンジャースでは大円筋の断裂により1イニングしか登板できなかった。再起をかけて2021年にニューヨーク・ヤンキースと1年契約。自身初のノーヒッターを達成したが、シーズンの半分を故障離脱する評価の難しいシーズンとなった。故障リスクの高い投手のイメージが付いてしまっており、レイズ入りした2022年は年俸800万ドル+先発30試合登板で500万ドルもの出来高の契約を結んでいる。2018年までのインディアンスでのパフォーマンスは望めないだろうが、久々にフルシーズン先発ローテで投げるクルーバーを見てみたいものだ。寄稿日:2022-05-11 最終更新日:2022-05-11 |
オールスター:3回(16,17,18)主な表彰:サイ・ヤング賞2回(14,17)タイトル:最多勝2回(14,17), 最優秀防御率1回(17)▼1試合18奪三振と圧巻のピッチングのクルーバー▼ノーヒッターを達成したクルーバー▼試合中にインタビューを受ける冷静なクルーバー |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB2011 CLE 3 0 0 0 8.31 4.1 6 4 0 3 2 5 2.08 1.672012 CLE 12 2 5 0 5.14 63.0 76 36 9 18 4 54 1.49 3.002013 CLE 26 11 5 0 3.85 147.1 153 63 15 33 5 136 1.26 4.122014 CLE 34 18 9 0 2.44 235.2 207 64 14 51 6 269 1.09 5.272015 CLE 32 9 16 0 3.49 222.0 189 86 22 45 11 245 1.05 5.442016 CLE 32 18 9 0 3.14 215.0 170 75 22 57 7 227 1.06 3.982017 CLE 29 18 4 0 2.25 203.2 141 51 21 36 5 265 0.87 7.362018 CLE 33 20 7 0 2.89 215.0 179 69 25 34 3 222 0.99 6.532019 CLE 7 2 3 0 5.80 35.2 44 23 4 15 3 38 1.65 2.532020 TEX 1 0 0 0 0.00 1.0 0 0 0 1 0 1 1.00 1.002021 NYY 16 5 3 0 3.83 80.0 74 34 8 33 5 82 1.34 2.48 |
ブランドン・ラウ
Brandon Lowe (フルネーム/Brandon Norman Lowe)Embed from Getty Images1994-07-06生|178cm84kg|二塁手、左翼手 右投左打出身地/アメリカ合衆国 バージニア州サフォークドラフト/2015年TB3巡目(全体87位)指名メジャーデビュー/2018-8-5 |
■選手紹介Loweと書いてラウと読ませるレイズの正二塁手。メジャー2年目以降、毎シーズン.500以上の長打率を残している(2022年現在)。2021年に放った39本塁打はカルロス・ペーニャ以来レイズ歴代2位に多いホームラン数だった。ラウはバージニア州の地元の高校に通い、州を代表するプレーヤーとして名を馳せた。高校卒業後はメリーランド大学に進学。デビューするはずだった最初の公式戦の2日前、左膝の前十字靭帯を断裂するケガに見舞われ、フレッシュマン(1年生)では1試合も出場できなかった。2~3年次はカンファレンスで申し分のない成績を残したが、ドラフトのまたしても2日前に腓骨骨折の重傷を負い、3巡目と評価を落としてレイズに指名された。レイズ入団後、すっかり傷が癒えたラウは打撃で猛アピール。2017年に長打率.524・OPS.927の好成績でA+シャーロットの球団記録を更新、フロリダ・ステートリーグのMVPを獲得する活躍で早々にAAに昇格。翌2018年8月にはメジャー昇格の声がかかった。これまでキャリアではあまり守ってこなかった両翼を2018年からサブポジションにするようになった。メジャー2年目の2019年、開幕前にチームから長期契約の打診があり、2年のオプションを含む6年2400万ドルで契約延長した。現状の活躍を考えれば超格安契約となっている。レギュラーシーズンでは前半戦の活躍によりオールスターに選出されたが、その後は足の怪我により長期離脱。スラッシュライン.270/.336/.514の好成績ではあったが82試合の出場にとどまった影響で、新人王投票は3位に終わった。短縮シーズンとなった2020年はさらにラウの価値を高めた。8月第2週に4本塁打を放ち、初めての週間MVPに選出。14本塁打・37打点・出塁率.362・長打率.554の成績で、全米野球記者協会のタンパベイのメンバーからチームMVPに選ばれた。プレーオフでは、ラウはワールドシリーズの第1戦まで56打数6安打と極度の不振。しかしレイズはラウを上位打線に置き続けると、第2戦で2ホーマーを放ち、以降はスランプを脱した。2021年は5月17~23週の週間MVPに選ばれ、シーズン全体でも39本塁打、MVP投票10位の好成績をマークした。打撃で進化を続けるラウだが、強いて言えばチームワーストのDRS-10(2021年)だった守備を改善したい。妻のマディソンは学生時代、メリーランド州を代表するソフトボール選手だったが、新型コロナの自粛期間中にSNSに上げたスイーツの写真がバズり、スウィート&ラウ・ベーカリーを開店した。ブランドンはそこの"非公式の味見係"ということになっている。寄稿日:2022-05-11 最終更新日:2022-05-11 |
オールスター:1回(19)主な表彰:ALL-MLB 2nd1回(20)タイトル:なし▼3本塁打7打点の大爆発でヤンキースを粉砕するブランドン・ラウ |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打2018 TB 43 129 30 6 2 6 25 16 2 38 2 .233 .324 .4502019 TB 82 296 80 17 2 17 51 25 5 113 5 .270 .336 .5142020 TB 56 193 52 9 2 14 37 25 4 58 3 .269 .362 .5542021 TB 149 535 132 31 0 39 99 68 9 167 7 .247 .340 .523 |
レネ・ピント
Rene Pinto (フルネーム/Rene Rafael Pinto)Embed from Getty Images1996-11-02生|178cm88kg|捕手 右投右打出身地/ベネズエラ アラグア州マラカイプロ入り/2013年10月TB契約メジャーデビュー/メジャー経験なし |
■選手紹介プロ契約10年目にして初めてメジャーデビューを果たしたベネズエラ人キャッチャー。2013年にプロ入りしてから長い道のりだったが、2022年4月にメジャー初昇格。ホームランも放っている。実はケビン・キアマイアーに次いで2番目のレイズの古株選手でもある(2022年現在)。2013年に国際FAでレイズに入団し、そこから昇格には時間がかかった。A+で初めてプレーしたのが2018年、翌2019年は通年AAで過ごした。2021年はブレイク候補として球団から注目される年となる。これまで年間9本以上ホームランを打ったシーズンはなかったが、この年AAとAAAで計20本塁打。ポストシーズンではタクシー・スクワッドに選ばれチームに帯同した。もしマイク・ズニーノにアクシデントがあったら、メジャー史上4人目のレギュラーシーズンより先にポストシーズンでプレーしたメジャーリーガーになる可能性があった。シーズン終了後、ピントの流出を阻止するため、レイズはAA以下のほか捕手より優先してメジャー40人枠に登録した。2022年4月にメジャーデビューを果たし、ホームランも1本放ったものの、攻守両面で課題が残った。前年にAAモンゴメリーとAAAダーラムで計93試合・20本塁打・60打点・OPS.825の好成績だったが、一方で30%近い三振率に6%未満の四球率の荒い打撃はメジャーでは厳しい。また、守備の評価が高かったがメジャー5試合で2個のエラー、パスボールは無かったがワイルドピッチが4個あり、盗塁阻止率も.000(0個/2盗塁企図)と厳しい結果となった。現状、ズニーノとスランシスコ・メヒアに続く3番手捕手の位置付けであることに違いない。1~2歳若いキャッチャーの有望株フォード・プロクターとブレイク・ハントがメジャーに呼ばれる前に良いところを見せておきたい。寄稿日:2022-05-11 最終更新日:2022-05-11 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし▼キャリア初ホームランを放つピント |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打(~2021年メジャー経験なし) |
トリストン・カサス
Triston Casas (フルネーム/Triston Casas)Embed from Getty Images2000-01-15生|193cm114kg|一塁手、三塁手 右投左打出身地/アメリカ合衆国 フロリダ州マイアミドラフト/2018年BOS1巡目(全体26位)指名メジャーデビュー/メジャー経験なし |
■選手紹介近い将来ボストンの4番に君臨しているであろうスラッガー。各媒体から将来性を高く評価されている。2021年の東京五輪でアメリカ代表としてタイラー・オースティンの後ろを打ち、青柳(阪神)から逆方向に3ランホームランを放ったことで日本人にも名前が知られるようになった。フロリダのアメリカン・ヘリテージ高校(エリック・ホズマーの母校)でファースト兼サードとしてプレー。強肩のためマウンドに上がり、96マイルを投げたこともあった。2017年に行われたWBSC・U-18ワールドカップではアメリカ代表の金メダル獲得に貢献し、自身も大会MVPに選ばれている。ドラフト資格を得るために1年早く高校を卒業。2018年に1巡目(全体26位)でレッドソックスから指名され、契約金2,552,800ドルで入団した。カサスはその辺にいるパワーヒッターとは一線を画している。193cm・113kgの恵まれた体格と強靭なリストを活かしたスイングスピードだけでなく、広角に打球を飛ばす能力に長けていて、パワーに頼らないバッティングができる。以前から悪くなかった選球眼もAA昇格以降さらに磨きがかかり、ボール球に手を出さなくなった。ルーキーリーグでの出場2試合目に右手親指の靱帯を断裂するケガを負ったが、それ以降は順調に階級を駆け上がり、2021年にAAとAAAあわせて86試合・27本塁打・打率.279・出塁率.394・長打率.484を記録。打率も出塁率も残す恐いスラッガーに成長しつつある。また、打撃だけでなくファーストの守備も評価が高く、フレディ・フリーマンやマット・オルソンのようにゴールドグラブとシルバースラッガーの両方に縁がある選手になれる。スピードが無いのは唯一の欠点かもしれないが、カサスに走力は求められていないので問題ないだろう。2022年開幕時点の有望株ランキングでMLB公式から全体16位、ベースボール・アメリカ19位、ベースボール・プロスペクタス44位と軒並み高い評価を受けている。いずれも2022年中にメジャー昇格すると予想されていて、レッドソックスファンは真のスラッガーの誕生を待ち切れずにいる。寄稿日:2022-05-05 最終更新日:2022-05-05 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし▼AAAで477フィート(145m)の特大アーチを放つカサス |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打(~2021年メジャー経験なし) |
ボビー・ダルベック
Bobby Dalbec (フルネーム/Robert Vernon Dalbec)Embed from Getty Images1995-06-29生|193cm103kg|一塁手、三塁手 右投右打出身地/アメリカ合衆国 ワシントン州シアトルドラフト/2016年BOS4巡目(全体118位)指名メジャーデビュー/2020-8-30 |
■選手紹介レッドソックスのファーストを守るスラッガー。2020年からレギュラーとして出場しているが名門ボストンのファーストとしては物足りなさが否めず、有望株トリストン・カサスの足音が迫っている。ダルベックはプロ入り前、コロラド州にあるレジェンド高校に通い、肩が強かったためショート兼ピッチャーとしてプレーした。バスケットもプレーする有望な選手だったが、高校卒業後はアリゾナ大学進学を熱望しており、ドラフト指名は見送られた。アリゾナ大では主軸として活躍。ジュニア(3年生)時代にやや成績を落としたものの、レッドソックスからドラフト4巡目指名を受けて入団した。同年のドラフト指名された大学生の中では1・2を争うパワーヒッターとの評価だった。なお、大学ではクローザーも務めていたがプロでは野手一択だった。2018年にA+・AAあわせて32本塁打。翌2019年はWBSCプレミア12のアメリカ代表として出場し、ファーストのベストナインに選ばれている。2020年に25歳で開幕メジャーの座を勝ち取ると、メジャー史上初となる"デビューから10試合以内の5試合連続本塁打"を記録した。また、5戦連発はテッド・ウィリアムズらに並ぶレッドソックスの球団記録でもあった。翌シーズンも開幕からスターティングラインナップに名を連ねたが、率系の成績が悪化。ホームランバッターにもかかわらず453打席で28個しか四球を選べなかった一方、156個の三振を喫し、ヒッティングツールに大きな課題を残した。ファーストとしてスタメン出場してはいるものの、カサスのメジャー昇格を見越してユーティリティの道を模索している。ラファエル・ディバースがいるため出場機会が無いが、サードはマイナー時代から平均以上の守備力を見せている。2021年はショートも少し経験し、ALCS最終戦では選手を使い果たしてセカンドを守らされた。今後はレフトを守る機会も出てくるだろう。なお、ダルベックはコロラドの高校に通っていたが生まれはシアトルで、MLBはマリナーズ、NFLはシアトル・シーホークスのファンだった。また、父親はドラマーでレコード会社の役員を務めており、両親が出会ったのはラジオ局だった。その影響もあって以前からピアノとギターをかじっていたが、新型コロナの流行でシーズン中断した時期に毎日ギターを弾くようになった。野球選手を辞めたらミュージシャン転向もあるかもしれない。寄稿日:2022-05-05 最終更新日:2022-05-05 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし▼5試合連続ホームランを放つルーキー時代のダルベック |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打2020 BOS 23 80 21 3 0 8 16 10 2 39 0 .263 .359 .6002021 BOS 133 417 100 21 5 25 78 28 7 156 2 .240 .298 .494 |
ニック・ピベッタ
Nick Pivetta (フルネーム/Nicholas Johncarlo Pivetta)Embed from Getty Images1993-02-14生|196cm97kg|先発 右投右打出身地/カナダ ブリティッシュコロンビア州ビクトリアドラフト/2013年WSH4巡目(全体136位)指名メジャーデビュー/2017-4-30 |
■選手紹介2021年のポストシーズンで好投し、熱いハートの持ち主だったことが分かった本格派先発右腕。高めのフォーシームとボールゾーンに落ちるカーブを組み合わせたオーソドックスなスタイルで三振を量産する。メジャー昇格間近の2017年にWBCカナダ代表として登板経験がある。メジャーデビュー後の3年半をフィラデルフィア・フィリーズで過ごした。スタイルが良い。2013年にドラフト4巡目でワシントン・ナショナルズに入団。メジャーに上がる前にジョナサン・パペルボンとの交換トレードでフィリーズ入りする。2017年4月にAAAで5勝無敗・防御率1.41を記録して同月30日にメジャー25人枠に登録、即日メジャー登板した。2018年は一時期AAAに落ちることもあったがほぼ先発ローテを守り、7勝14敗ながら164イニング・188奪三振を記録。10.32のK/9は同年のナ・リーグ5位、フィリーズの投手では1998年のカート・シリングに次ぐ球団史上2番目に高い記録だった。2020年8月にボストン・レッドソックスに移籍。フィリーズはこの年リリーフ防御率が一時期8点台になるほどの壊滅状態。ピベッタと有望株コナー・シーボルドの両スターターを、決してトップレベルとは言えないブランドン・ワークマンとヒース・ヘンブリーのリリーフ2枚と交換した。2021年はボストンでも開幕からローテーション入りすると、5月までで6勝無敗。特に4月29日にジェイコブ・デグロームとの投手戦に投げ勝った試合はチームを勢い付けた。シーズン後半は息切れしたが、ポストシーズンでは活躍。ディビジョン・シリーズ第3戦では延長13回まで4イニングを投げ切った試合は、2018年のネイサン・イバルディを彷彿とさせる好投だった。持ち球は6~7割を占めるフォーシームのほかスライダー、ナックルカーブがメイン。フォーシームは93~97マイルの球速表示以上の威力がある。75~80マイルのナックルカーブは高めのフォーシームとのコンビネーションで多くの三振を奪っている。85マイルのスライダーはうまく制球できているが、ナックルカーブに比べると打たれていてフライボール率も高い。たまにチェンジアップを投げているが投球フォームが変わってしまう。魅力的なピッチャーだが、明確な弱点がある。フライボール率が高く被弾・炎上グセがあり、序盤で試合を壊してしまうことがある点。また、チェンジアップが良くないため左バッターとの相性が悪い点。これまで所属したフィリーズとレッドソックスのボールパークがピベッタ向きでないのも原因だが、これまで通年先発ローテーションに入っていてもシーズン2桁勝利、防御率3点台をクリアしたことが一度もない。もう1段上のピッチャーをなって人気投手になってほしいものだ。寄稿日:2022-05-04 最終更新日:2022-05-04 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし▼ポストシーズンで延長戦を4イニング無失点で投げ切ったピベッタ▼大谷にグリーンモンスター超えの11号ソロを献上するピベッタ |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB2017 PHI 26 8 10 0 6.02 133.0 144 89 25 57 4 140 1.51 2.462018 PHI 33 7 14 0 4.77 164.0 163 87 24 51 5 188 1.30 3.692019 PHI 30 4 6 1 5.38 93.2 103 56 20 39 4 89 1.52 2.282020 PHI 3 0 0 0 15.88 5.2 10 10 3 1 1 4 1.94 4.002020 BOS 2 2 0 0 1.80 10.0 8 2 1 5 0 13 1.30 2.602021 BOS 31 9 8 1 4.53 155.0 137 78 24 65 5 175 1.30 2.69 |