エドウィン・ディアス


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Edwin Diaz (フルネーム/Edwin Orlando Diaz)

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1994-03-22生|191cm88kg|リリーフ 右投右打

出身地/プエルトリコ ナグアボ

ドラフト/2012年SEA3巡目(全体98位)指名

メジャーデビュー/2016-6-6
■選手紹介

プエルトリカンには珍しい剛速球でねじ伏せるピッチングが持ち味のクローザー。平均99マイル、最速103マイルにも到達するフォーシームとスライダーの2球種が持ち味。最初に入団したマリナーズでメジャーに定着後、大型トレードで移籍したメッツでクローザーを務めている。2023年WBCのプエルトリコ代表として出場すると発表されている。2022年はキャリア最高の成績になりそうな活躍に加え、登場シーンがカッコ良いことで話題になっている。

ディアスはプエルトリコのナグアボ生まれ。7歳で野球を始めて、同年代のカルロス・コレアやホゼ・ベリオスらと一緒にプレーした。将来は外野手としてメジャーリーガーになりたいと思っていたが、10代前半の頃に父親から投手になるよう言われ、抗議したがしぶしぶ投手の練習をするようになった。

2012年、ドラフト3巡目98位でシアトル・マリナーズに入団。プロ入り直後は平均92~93マイルだったフォーシームがみるみるうちに速くなり、15年に選ばれたフューチャーズゲーム(マイナーリーグのオールスター)では98マイルを計時した。

スターターとしてマイナーの階級を順調に上がっていったが、2016年はAA在籍時にチーム事情でリリーバーに配置転換される。同年6月にメジャーに初招集されると11イニング連続で三振を奪い、7月19~22日の間に8者連続奪三振を記録。8月にはスティーブ・シシェックに代わってクローザーを任された。ルーキーイヤーは25回1/3で50個もの三振を奪い、メジャーを代表するクローザーへの成長を予感させた。

2018年のマリナーズは勝つときは僅差で、負ける時は大量失点を喫する試合が続き、1点差ゲームが続いた。確実にゲームを締めていったディアスは、フランシスコ・ロドリゲスが2008年に挙げた62セーブを達成した時よりもハイペースでセーブを量産。初めてオールスターに選ばれ、フェルナンド・ロドニーが持っていた球団記録の48セーブを更新したうえ、当時のK-RODより早く50セーブに到達した。終盤にセーブ機会があまり訪れず57セーブに落ち着いたが、チーム全体で677得点・711失点と苦しい得失点だったにも関わらずマリナーズは89勝73敗の好成績を残した。西地区がハイレベルだったためワイルドカード獲得は逃したが、ディアスの活躍無くしてあり得ないシーズンとなった。

ところで、上司のスコット・サービス監督は「(ディアスが)50セーブを挙げたら同じ髪型にする」と公言していて、記録達成後に本当に同じ髪型にする出来事があった。いつもはセーブを挙げた試合の公式球を持ち帰っているディアスだが、約束を守ったサービス監督に敬意を表して50セーブ目の試合球をプレゼントした。ちなみにディアスのお気に入りの理容師がハサミを入れたが、普段はワシントン州タコマで働く理容師を50セーブ達成目前の遠征に帯同させて、いつでもカットできるよう準備していた。

同年のシーズンオフ、不良債権化しつつあったロビンソン・カノーとセットの形で2対5の大型トレードでメッツに移籍。19年から変わった公式ボールの質に苦しんで成績を落とし、19~21年はセーブ失敗が目立つようになった。それでも辛うじてクローザーの座を守っていたディアスは、22年は序盤から好調を維持。キャリアハイに迫る好成績を残しそうな活躍をしている。

なお、2017年にプエルトリコ代表でWBCに出場経験があるが、23年の第5回大会WBCにも参加すると発表された。キャッチャーとショートに才能が偏るプエルトリコにあってディアスは欠かせない存在だ。22年にメジャーデビューした弟のアレクシス・ディアスがWBCに参加するかどうか投稿時点では不明だが、接戦の試合終盤を兄弟で締めれば一層盛り上がるに違いない。

寄稿日:2022-09-10 最終更新日:2022-09-10
オールスター:1回(18)

主な表彰:最優秀救援投手1回(18)

タイトル:最多セーブ1回(18)

▼ティミー・トランペットの生演奏で登場する演出がカッコよすぎるエドウィン・ディアス

▼「打てるもんなら打ってみろ」と言わんばかりの103マイルの剛速球を投げるエドウィン・ディアス

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2016 SEA 49 0 4 18  2.79 51.2 45 16  5 15 3 88 1.16 5.87

2017 SEA 66 4 6 34  3.27 66.0 44 24 10 32 3 89 1.15 2.78

2018 SEA 73 0 4 57  1.96 73.1 41 16  5 17 6 124 0.79 7.29

2019 NYM 66 2 7 26  5.59 58.0 58 36 15 22 4 99 1.38 4.50

2020 NYM 26 2 1 6  1.75 25.2 18  5  2 14 2 50 1.25 3.57

2021 NYM 63 5 6 32  3.45 62.2 43 24  3 23 9 89 1.05 3.87