John Means (フルネーム/John Alan Means)Embed from Getty Images1993-04-24生|191cm107kg|先発 左投左打出身地/アメリカ合衆国 カンザス州オレイサドラフト/2014年BAL11巡目(全体331位)指名メジャーデビュー/2018-9-26 |
■選手紹介シーズン100敗クラブのオリオールズで唯一メジャーレベルの先発投手。2021年5月にマリナーズ相手にノーヒッターを達成。限りなく完全試合に近いノーヒッターで、与四死球と味方のエラーはゼロ。振り逃げで出したランナーも盗塁阻止したため27人すべて仕留めた史上初のケースだった。ミーンズの登板予定の日は本拠地の観客動員数が少しだけ多い。2019年に結婚した妻は元女子プロサッカー選手。2018年シーズン終盤にメジャーデビューし、同年は1試合だけ登板。翌2019年はロングリリーフとして開幕ロースター入りを果たすと1ヶ月と経たないうちに先発登板の機会をゲット。そのままローテーションを守り12勝11敗・防御率3.60を記録。新人ながらオールスターに選ばれ、新人王投票ではヨーダン・アルバレスに次いで2位にランクインした。2020年はなかなか始まらないシーズンの日程にうまく対応できず、内定していた開幕投手までに調整できなかった。シーズンでは10試合に先発して2勝4敗・防御率4.53。防御率は悪化したが奪三振率(7.03→8.66)と与四球率(2.21→1.44)をメジャーでも上位レベルに改善させた。目下、最も大きな課題は一発病の克服だ。2020年は登板した10試合中9試合で被弾し、200イニング換算で55本打たれる計算だった(2001年以降の最多記録はブロンソン・アローヨの46本)。本拠地を含めア・リーグ東地区はホームランファクターが高い球場が多いことも災いしている。全投球の8割を占めるフォーシームとチェンジアップがどちらもフライになりやすい。フォーシームの平均球速はほぼメジャー平均とほぼ同じ93マイル弱で、メジャーデビュー時より3マイル近く速くなった。チェンジアップのほかにカーブとスライダーを持っていて4球種とも同じ投球フォームで投げることができる。プロ入りする前はまったく無名な存在だった。カンザス州の地元ガードナー・エドガートン高校に通い、在学中にドラフト指名されたが46巡目の低評価だったため大学へ進学。その後転学を経て11巡目でプロ入りした。一方、高校の同級生にスーパースターのババ・スターリングがいた。スターリングは全米が注目するドラフトの目玉で、地元ロイヤルズから全体5位指名を受け三顧の礼で迎え入れられた。それが今や期待外れのドラフト上位指名選手の代表格として名前が挙がるようになってしまった。アスレチックスのビリー・ビーン球団社長が頑なに大学生の指名にこだわったように、高校生を上位指名する難しさがわかる事例となった。寄稿日:2021-08-23 最終更新日:2021-08-23 |
オールスター:1回(19)主な表彰:なしタイトル:なし▼与四球なしのノーヒッターを達成するジョン・ミーンズ |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB2018 BAL 1 0 0 0 13.50 3.1 6 5 1 0 0 4 1.80 ∞ 2019 BAL 31 12 11 0 3.60 155.0 138 62 23 38 5 121 1.14 3.182020 BAL 10 2 4 0 4.53 43.2 36 22 12 7 4 42 0.98 6.002021 BAL 26 6 9 0 3.62 146.2 125 59 30 26 4 134 1.03 5.15 |
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ババ・スターリング
Bubba Starling (フルネーム/Derek Starling)Embed from Getty Images1992-08-03生|193cm100kg|外野手 右投右打出身地/アメリカ合衆国 カンザス州ガードナードラフト/2011年KC1巡目(全体5位)指名メジャーデビュー/2019-7-12 |
■選手紹介かつて高校生No.1として注目を浴びた元・超有望株。まだ現役だがメジャー昇格することなく消える可能性がある。プロに入る前は野球とアメフト両方で全米に名を轟かせ、バスケットボールでも州代表に選ばれるほどのアスリートだった。2011年のドラフトの前評判は凄まじかった。スピードと肩とそれを活かした守備力、パワーヒッティング…マネーボールに描かれているビリー・ビーンと同じような評価をされていた(投手としても95マイルを投げられるオマケも付いていた)。高校生の上位指名が避けられる傾向にあり、全体1位でゲリット・コールを皮切りに1~3位に大学生が指名された。全体5位の指名権を持つ地元ロイヤルズがスターリングを指名。高校生としてはMLB史上最高額の契約金750万ドルで合意した。この2年前のドラフトで話題をさらったスティーブン・ストラスバーグが750万ドルだったことから期待の高さが窺える。翌2012年にルーキーリーグからスタート。2016年に初めてAAAに昇格。決して遅いペースではなかったが、どの階級でも図抜けた成績は残せないうちに1階級ずつ昇格を繰り返してのAAA到達だった。AAAではこれまで目立たなかった打撃でのアプローチの悪さを露呈。打率.181に終わり、このあたりから明らかに将来性を疑問視されるようになっていった。それと同時に相次ぐ故障に見舞われ、2017年は80試合、2018年は20試合にしか出場できなかった。2018年シーズン終了後にFAとなってマイナー契約でロイヤルズに残留するとようやくAAAで結果が出るようになり、72試合で打率.310・7本塁打・9盗塁・OPS.806を記録。遅すぎたメジャー初昇格を果たした。昇格後の2年間に250打席以上チャンスをもらったがメジャーレベルの球に対応できず、83三振を喫し打率.204・OPS.544。振り遅れてライト線ギリギリに落ちた2ベースが1本あるだけで、他の長打はすべてレフト方向にしか打てなかった。特に最後の23打席は連続して凡退。通算WAR-1.8と残念な成績だけが残っている。打撃での選球眼とアプローチの悪さが弱点になっていったのも現役時代のビーンGMのようだった。2020年オフに再びノンテンダーとなり、ロイヤルズとマイナー契約を結び直してメジャーを目指すことになった。東京オリンピックではアメリカ代表に選ばれ、3試合に出場。オープニングラウンドの2試合で2本の左前打を放つまでは良かったが、日本とのノックアウトステージではセンターの守備で記録に残らないミスを連発。途中交代して以降、大会で出場機会が与えられなかった。打球処理の際に軽く足を痛めたのが原因かもしれないが、得意なはずの守備で心証を悪くしたのは残り少ないキャリアに悪影響を及ぼすだろう。寄稿日:2021-08-23 最終更新日:2021-08-23 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打2019 KC 56 186 40 7 0 4 12 9 1 56 2 .215 .255 .3172020 KC 35 59 10 1 0 1 5 4 0 27 0 .169 .219 .237 |
カル・クアントリル
Cal Quantrill (フルネーム/Cal Paul Quantrill)Embed from Getty Images1995-02-10生|191cm88kg|先発 右投左打出身地/カナダ オンタリオ州ポートホープドラフト/2016年SD1巡目(全体8位)指名メジャーデビュー/2019-5-1 |
■選手紹介パドレスにドラフト1巡目指名され、マイク・クレベンジャーとのトレードでインディアンスにやってきた2世選手。財政の厳しいインディアンスの先発ローテーション定着を大いに期待されている。スタンフォード大学出身。ピッチングスタイルは平均95マイル弱のフォーシームとツーシームの2種類の速球を投げ、カッター、スライダー、チェンジアップで強気に押す。スライダー、チェンジアップはどちらも85~86マイルの球速帯で変化する。カットボールは2021年からスライダーの割合を減らして投げるようになった新球で、ベースの手前で鋭く落ちるなかなか使えるボールだ。コントロールはアバウトで、今のところ上手に散らせているが先発1~2番手になるには今後の制球力アップは不可欠。父親は主にリリーフ投手として841試合に登板したポール・クアントリル。1990~2000年代にブルージェイズやドジャースなどでセットアップマンとして長く活躍。イチローと対戦実績があり、晩年のヤンキース時代には松井秀喜とチームメイトだった。なお、ポールはプロ入り後もカナダに自宅を構えていたので、1995年はフィリーズ所属だったがカルも父と同様カナダで産まれている。寄稿日:2021-08-20 最終更新日:2021-08-20 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB2019 SD 23 6 8 0 5.16 103.0 106 59 15 28 3 89 1.30 3.182020 SD 10 2 0 1 2.60 17.1 17 5 2 6 2 18 1.33 3.002020 CLE 8 0 0 0 1.84 14.2 14 3 2 2 1 13 1.09 6.502021 CLE 40 8 3 0 2.89 149.2 129 48 16 47 9 121 1.18 2.57 |
サム・ヘンジェス
Sam Hentges (フルネーム/Samuel David Hentges)Embed from Getty Images1996-07-18生|198cm111kg|先発 左投左打出身地/アメリカ合衆国 ミネソタ州メープルウッドドラフト/2014年CLE4巡目(全体128位)指名メジャーデビュー/2021-4-20 |
■選手紹介ビッグリーグで生き残るには課題が多い先発左腕。インディアンスの生え抜きだが産まれも育ちもミネソタのツインズファンで、好きな選手はトリー・ハンターだった。2021年4月にメジャー初昇格、先発投手としてローテ入りする。ただ、この年のインディアンスは先発投手陣に故障が相次ぎ、健康体のトリストン・マッケンジーは開幕からピリッとせずAAAに降格。無名の先発投手を複数メジャーデビューさせざるを得ず、そのうちの1人であるヘンジェスはAAAでも結果を出しておらず、当然メジャーでも防御率7~8点台で推移する苦戦ぶり。一方で昇格が早すぎただけとの肯定的な評価もあり、課題はいくつもあるが大柄な体格とメジャー平均より速いフォーシームなどアドバンテージを活かしたい。球種は93~96マイルのフォーシームにカーブ、カッター、チェンジアップを投げる。フォーシームが一番の武器だが、スピンレートはほぼ平均で、球威は中の下。コントロールがいまいちなので甘いコースに投げミスしてしまい痛打される場面が目立つ。カーブは曲がりの大きいスライダーのような球種で、コースを間違えなければ打たれないが狙ったところに投げられない。カッターはプロ入り後に覚えた球種でまだまだ発展途上。チェンジアップの向上は最大の課題で、対左バッターに対して逃げる球種がこれしかないので使っているがAAA以上ではまったく通用していない。なお、発音はヘンジェスもしくはヘンジスが正しいが、注目度の低い選手ということもあって日本では表記が定まっていない。2021/8月現在ウィキペディアに載っている「ヘンゲス」は誤りで、他にもヘンチズやヘントゲスなどと書いている媒体もあり、読者の皆さんは気を付けてほしい。寄稿日:2021-08-16 最終更新日:2021-08-16 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし▼高めに外した誘い球を豪快にHRにする大谷翔平(投手はヘンジェス) |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB2021 CLE 30 1 4 0 6.68 68.2 90 51 10 32 0 68 1.78 2.13 |
デーン・ダニング
Dane Dunning (フルネーム/Dane Anthony Dunning)Embed from Getty Images1994-12-20生|193cm102kg|先発 右投右打出身地/アメリカ合衆国 フロリダ州オレンジパークドラフト/2016年WSH1巡目追補(全体29位)指名メジャーデビュー/2020-8-19 |
■選手紹介大谷翔平を無安打に抑えてちょっとだけ有名になったドラフト1巡目右腕。2021年8月の試合で大谷を2打席ノーヒットに抑え、レンジャースの公式Twitterから「sho stopper.」と褒められた。通算でもこの試合までで8打数1安打と打ち取っている。兄のジェイク・ダニングは2013?14年にメジャーで30試合に登板している。母親が韓国人なのでWBCの韓国代表に選ばれる権利がある。2016年にナショナルズからドラフト1巡目追補指名され入団。ルーキーリーグとA-で8試合しか投げていないが同年オフにトレードの駒となりホワイトソックスに移籍した。ナショナルズはアダム・イートンを獲得するためにルーカス・ジオリートとレイナルド・ロペス、ダニングの3人を差し出し、対価が大き過ぎると疑問視する向きもあるトレードだった。2019年はトミー・ジョン手術のためリハビリに費やした。2020年8月19日に先発投手としてメジャーデビューを果たし、4回1/3を3失点・7奪三振の結果だった。対戦相手の先発ケイシー・マイズもメジャー初登板。MLB史上3組目のドラフト1巡目同士のメジャーデビュー対決となったが、そのうえマイズも4回1/3を3失点・7奪三振と同じ投球内容で降板する奇跡を引き起こした。寄稿日:2021-08-16 最終更新日:2021-08-16 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし▼8月の試合で大谷を凡打に打ち取るダニング |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB2020 CWS 7 2 0 0 3.97 34.0 25 15 4 13 2 35 1.12 2.692021 TEX 27 5 10 0 4.51 117.2 126 59 13 43 7 114 1.44 2.65 |
ルイス・ヒール
Luis Gil (フルネーム/Luis Angel Gil)Embed from Getty Images1998-06-03生|188cm84kg|先発 右投右打出身地/ドミニカ共和国 アスア州アスアプロ入り/2015年2月MIN契約メジャーデビュー/2021-8-3 |
■選手紹介ヤンキース傘下のマイナーにはパワー系右投げ投手が多いが、その中でも1番ファストボールの評価が高い有望株。2022~23年あたりにメジャー昇格する予想されていたが2021年に先発としてメジャー昇格を果たしている。ドミニカ出身のヒールは2015年2月にツインズと契約。2016年は肩の故障で全く投げず、翌年オフにジェイク・ケイブとのトレードでヤンキースに移籍する。ツインズ時代に1イニングに1個以上出していたフォアボール率は4~5個/9イニング程度まで改善し、ヤンキースの有望株ランキング上位に位置するようになる。昨年までA+が最上位だったが2021年はAAからスタートすると7月にメジャーで先発登板を果たし、2試合連続で5イニング以上を無失点に抑える快挙を達成している。評価が高いフォーシームは95~98マイルを誇り、最速101マイルを計時したこともある。平均スピンレートがメジャー平均よりかなり高い2500rpm以上。スライダーの評価も高く、80マイル後半のスピードで浮き上がりながら鋭く横滑りする。チェンジアップはブレーキが効いているが安定感がなくメジャーレベルで投げるには心許ない。ヒジの大きな故障はまだないが、2016年にまったく投げられなかった年がある肩に故障歴が懸念されている。制球力もマイナー時代から大きな課題で、これらの明確な弱点をクリアしなければ先発として投げ続けるのは難しいと見られている。ところで、ラストネームはGilと綴って「ヒール」と読むのでぜひ覚えてほしい。寄稿日:2021-08-13 最終更新日:2021-08-13 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB2021 NYY 6 1 1 0 3.07 29.1 20 10 4 19 1 38 1.33 2.00 |
アレック・マノーア
Alek Manoah (フルネーム/Alek Isaac Manoah)Embed from Getty Images1998-01-09生|198cm118kg|先発 右投右打出身地/アメリカ合衆国 フロリダ州ホームステッドドラフト/2019年TOR1巡目(全体11位)指名メジャーデビュー/2021-5-27 |
■選手紹介2019年ドラフト1巡目指名の先発右腕。118kgの巨漢(2021年現在)。メジャー初登板の試合はヤンキース相手に6回2安打無失点7奪三振で勝利を挙げ、以降マイナーに落ちることなく先発ローテーションを守っている。地元の高校で投打に活躍していたがドラフトでは指名されず、ウエストバージニア大学に進学する。大学では投手に専念し、3年次にコントロールが見違えるようによくなりドラフト直前に大きく評価が上がった。事前予想では全体10位以内指名の声もあり、最終的に11番目のブルージェイズによって指名された。プロ入り後はマイナーでも大きく制球を乱すことはなく、周囲の予想を上回すスピード出世を果たした。スピンレートが高い95~98マイルのフォーシームと85マイル超のスライダーが武器。他にチェンジアップとカットボールを持っている。スライダーはクリス・セールのスライダーとデリン・ベタンセスのカットボールの握りを研究してアレンジしたマネーピッチである。先述のとおり大学3年次に身につけた制球力はプロ入り後も狂っていない。2歳上の兄エリックJr.は現在マイナーリーガー。アレックと同じ高校を卒業後すぐにプロ入りしているがA+より上に昇格したことがない。また、身長は同じ188cmだがエリックJr.の体重は86kgしかない。寄稿日:2021-08-10 最終更新日:2021-08-10 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB2021 TOR 20 9 2 0 3.22 111.2 77 40 12 40 16 127 1.05 3.18 |
リード・デトマース
Reid Detmers (フルネーム/Reid Kristien Detmers)Embed from Getty Images1999-07-08生|188cm95kg|先発 左投左打出身地/アメリカ合衆国 イリノイ州ノコミスドラフト/2020年LAA1巡目(全体10位)指名メジャーデビュー/2021-8-1 |
■選手紹介エンゼルスから2020年ドラフト1巡目(全体10位)指名を受け、先発ローテーション入りを期待されているサウスポー。強豪ルイビル大卒。イリノイ州ノコミスで育ったデトマースは地元のノコミス高校でプレーすると無双状態で、バンダービルト大やミズーリ大など多くの強豪校からオファーが殺到。最終的にルイビル大に入ることを約束し、高校最終学年によりレベルの高いグレンウッド高校に編入した。ミズーリ大1年次こそ防御率4.85に終わったがオフに投球フォームを見直し、2年次にエースに昇格。3年次は新型コロナの影響で試合数が限られたが4先発して3勝無敗・防御率1.23。22イニングに対して48個も三振を奪い、ドラフトの注目選手として取り上げられるようになった。エンゼルスに入団して初年度の2021年、いきなりAAからスタートして防御率3点台をキープ。大学時代に引けを取らないほど三振を奪い、フューチャーズゲーム(マイナーリーグのオールスター)にも選出された。7月末のトレードデッドライン間際に、エンザルスは先発ローテーション投手のアンドリュー・ヒーニーを放出。同時に、AAAで先発登板の準備をしていたデトマースを取りやめさせ、メジャーで投げさせる方針を固めた。AAAではまだ1試合しか投げておらず昇格が早すぎるのでは?との疑問の声もあり、現地では賛否両論聞かれる。フォーシームの球速は89~92マイル程度と遅いが、それを補って余りある変化球と制球力を持ち合わせる。3種類の変化球はどれも一級品。特にカーブはスピンレート2,600~2,700の高回転を誇り、70マイル台前半で縦方向に割れる。右打者には80マイルのチェンジアップを外角低めに落とし、左打者には70マイル台後半の横滑りするスラーブを混ぜる一貫性のあるピッチングをする。速球系はツーシームも取り入れている。なお、大学野球部の"ルイビル・カージナルス"は近年特に強くなっていて、ここ数年の勝率7割台。2015年以降7年間で8人がドラフト1巡目指名でプロ入りし、2021年はヘンリー・デービスが全体1位指名を受けた。寄稿日:2021-08-01 最終更新日:2021-08-01 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB2021 LAA 5 1 3 0 7.40 20.2 26 17 5 11 2 19 1.79 1.73 |
ジョーイ・ギャロ
Joey Gallo (フルネーム/Joseph Nicholas Gallo)Embed from Getty Images1993-11-19生|196cm113kg|外野手 右投左打出身地/アメリカ合衆国 ネバダ州ヘンダーソンドラフト/2012年TEX1巡目追補(全体39位)指名メジャーデビュー/2015-6-2 |
■選手紹介とてつもないパワーと強肩でファンを魅了する、真のホームランアーティスト。2017~18年に2年連続で40ホーマー以上を叩き出している。長期低迷中のレンジャースでは2022年オフにFAを迎えるギャロ放出のタイミングを窺っており、ついに2021年デッドライン間際にヤンキースへトレードされた。2012年にテキサス・レンジャースから1巡目追補で入団し、マイナーでホームランを打ちまくり2015年にメジャー昇格。2017・18年に2年連続で40本以上を放つ。2019年は7月に右手有鈎骨を痛めて欠場。ただし初めてOPSが.900を上回りフルシーズン換算なら40本塁打ペースの好成績であった。5月に通算100本塁打目を放ち、これは単打100本を打つ前に100本塁打を達成したメジャー史上初の珍記録となった。2020年は前年痛めた右手有鈎骨の治りがイマイチで、打率.181に終わったがライトの守備ではゴールド・グラブ賞を獲得した。不振からの脱却を狙うギャロの2021年は序盤は低調だったものの6月に10ホーマーと調子を上げ、オールスターに選出。ジョン・ダニエルズGMはここがギャロの売り時と判断しトレードデッドライン間際にヤンキースへ放出した。2対4のトレードで、4人の中にトッププロスペクトはいないがいずれも球団トップ30位に入っている有望株を引き出すことができた。ヤンキースへ移ったもう1人は元中日ドラゴンズのジョエリー・ロドリゲスだった。低打率でホームランか三振か(もしくはフォアボールか)の豪快なスタイルはアダム・ダン2世と呼ばれた。本家と大きく異なるのは意外と足が速いことと並外れた強肩も武器である点だ。守備ではメジャー昇格後はサードを守っていたがエラーを連発。一塁、外野日替わり3ポジションを経てライトに固定された。ギャロのスペックはどう考えてもライトに適性があり、なかなかライトのポジションにつかせなかった球団首脳に対しファンは不満の声を上げていた。新天地のヤンキースでは2番ライトが定位置となる見込み。寄稿日:2021-08-01 最終更新日:2021-08-01 |
オールスター:2回(19,21)主な表彰:ゴールドグラブ賞2回(20,21), タイトル:なし▼ライトのアッパーデッキに叩き込むギャロ |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打2015 TEX 36 108 22 3 1 6 14 15 0 57 3 .204 .301 .4172016 TEX 17 25 1 0 0 1 1 5 0 19 1 .040 .200 .1602017 TEX 145 449 94 18 3 41 80 75 8 196 7 .209 .333 .5372018 TEX 148 500 103 24 1 40 92 74 3 207 3 .206 .312 .4982019 TEX 70 241 61 15 1 22 49 52 2 114 4 .253 .389 .5982020 TEX 57 193 35 8 0 10 26 29 4 79 2 .181 .301 .3782021 TEX 95 310 69 6 1 25 55 74 4 125 6 .223 .379 .4902021 NYY 58 188 30 7 0 13 22 37 2 88 0 .160 .303 .404 |
アンドリュー・アルバース
Andrew Albers (フルネーム/Andrew William Albers)Embed from Getty Images1985-10-06生|185cm91kg|先発 左投右打出身地/カナダ サスカチュワン州ノースバトルフィールドドラフト/2008年SD10巡目(全体315位)指名メジャーデビュー/2013-8-6 |
■選手紹介2018~2020年にオリックス・バファローズで投げていた先発左腕。アメリカ独立リーグ、韓国にも渡ったなかなかの苦労人。カナダ出身で2013・17年のWBCに出場している。2004年のドラフト12巡目指名を蹴ってケンタッキー大学へ進学。在学中に教員免許を取得。同級生のジェームズ・パクストンはエースとして活躍していた。2008年にドラフト10巡目指名でパドレスに入団し、翌年にトミー・ジョン手術。シングルAにすら昇格できずに解雇され、アメリカの独立リーグに流れ着く。2011年にツインズ傘下のマイナーに入団。2013年はシーズン開幕前にWBCカナダ代表に選ばれて国際大会を経験、同年中盤にメジャー初昇格、8月に1完封を含む2勝を挙げた。しかしオフにDFAとなるジェットコースターのようなシーズンを送った。2014年はKBO(韓国プロ野球)に1年だけプレーし2015年はマイナーで再びビッグリーグを目指した。2017年春はWBCに2度目の出場。するとシーズン中にマリナーズに拾われ、9試合登板・5勝1敗1セーブと奮闘。しかしまたしてもオフにDFAとなり、今度はNPBのオリックス・バファローズと契約した。2018年こそ9勝2敗だったが、2年契約を結んで臨んだ2019~20年は腰痛に苦しんだ。2021年はマイナー契約でツインズに復帰。5月に東京オリンピック最終予選のカナダ代表に選ばれ、最終戦の対ドミニカ共和国戦に先発登板。元中日ラウル・バルデスと投げ合って4回3失点、負けはつかなかったがカナダは1点差で敗れオリンピック出場を逃した。2018年に来日するまでシーズンオフに中学の臨時教員として教壇に立っていたことから、日本人のネット民からアルバース先生と呼ばれている。寄稿日:2021-08-01 最終更新日:2021-08-01 |
オールスター:なし主な表彰:なしタイトル:なし |
▼レギュラーシーズン個人成績年 チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB2013 MIN 10 2 5 0 4.05 60.0 64 27 6 7 2 25 1.18 3.572015 TOR 1 0 0 0 3.38 2.2 1 1 1 2 0 1 1.13 0.502016 MIN 6 0 0 0 5.82 17.0 27 11 5 6 0 16 1.94 2.672017 SEA 9 5 1 1 3.51 41.0 43 16 6 10 2 37 1.29 3.702021 MIN 5 1 2 0 7.58 19.0 24 16 9 9 1 12 1.74 1.33 |