WBC2026 オーストラリア代表予想 選手名鑑


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最終更新日:2025年4月24日

【寸評】前回大会で悲願の初ベスト8進出を果たしたオーストラリアだが、2026年大会ではグループ内の出場国が中国から台湾に入れ替わり、決勝トーナメント進出のハードルは一段と高くなった。

 とはいえ韓国に競り勝った前回大会のように、持ち味である「打って勝つ」スタイルは健在。特にミードやバザーナらを筆頭に、内野には将来を嘱望される若手が揃い、打線は一層の厚みを増している。一方で、先発・ブルペンともにMLBレベルの投手は少なく、継投の巧拙が勝敗を大きく左右することになりそうだ。

▼目次 – オーストラリア代表選手一覧
【先発】
【リリーバー】
【捕手】
【内野手/ユーティリティ】
【外野手】
【監督/主なコーチ/GM】
【不参加、選考漏れ】
――――――――――――――――――――――――
【参考1:過去の名選手】
【参考2:日本に来た助っ人外国人】

◇先発
ジャック・オローリン (アスレチックス傘下AAA)
25歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 左投左打
2000年3月14日生/出身地:オーストラリア 南オーストラリア州アデレード
WBC2023
 2024年にメジャーデビューを果たした大柄な左腕投手。196cm/100kg超の恵まれた体格を誇る。デトロイト・タイガース傘下に所属していたが2024年からオークランド・アスレチックスに移っていた。オーストラリア代表ではエースの働きを求められる。

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ワーウィック・サーポルド
36歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
1990年1月16日生/出身地:オーストラリア 西オーストラリア州パース
WBC2013 WBC2017 WBC2023
 MLBで3年間にわたり82試合に登板した実績を持つ右の先発投手。奪三振を狙うタイプではなく、どちらかといえば打たせて取る軟投派の部類に入る。

 2020年にKBO(韓国)のハンファ・イーグルスを退団して以降、北半球のプロリーグには所属しておらず、現在は母国オーストラリアのリーグでプレーを続けている。

Embed from Getty ImagesMLBではデトロイト・タイガースで3年プレーした MLBではデトロイト・タイガースで3年プレーした

アレクサンダー・ウェルズ
29歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 左投左打
1997年2月27日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州ニューカッスル
 遅い速球と変化球のコントロールで打ち取る軟投派先発投手。ボルティモア・オリオールズで2試合に登板した2022年を最後にプロリーグで投げていなかったが、2024-25年のオーストラリアンリーグでは10試合に先発登板して6勝1敗・防御率1.55で最優秀防御率に輝き、元メジャーリーガーの貫禄を見せた。今度のWBCでは復活を印象付ける活躍を期待。

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ラクラン・ウェルズ
29歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 左投左打
1997年2月27日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州ニューカッスル
WBC2017
 アレクサンダー・ウェルズの双子の弟で、兄と同じく技巧派左腕。こちらは2024年に2Aで防御率3点台半ばの安定した成績を残したが、年齢を嫌われFAとなった。兄と同様、球速は控えめながら、優れた制球力と2種類のブレーキングボールを操る。

ルイス・ソープ (メキシカンリーグ:チワワ)
30歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 左投右打
1995年11月23日生/出身地:オーストラリア ビクトリア州メルボルン
 2022年の途中までミネソタ・ツインズに所属していた27歳のサウスポー。2015年のメジャー公式の有望株100位以内にランクされ、2018年にはフューチャーズゲーム(マイナーの球宴)にも選ばれたことがあったが、相次ぐケガがソープの成長を阻んだ。メジャーデビューは果たしたものの、3年・通算24登板に終わっている。2022年に3Aで2回途中8失点と大炎上して即DFAとなってから、独立リーグを経由してメキシコでプレーを続けている。

 昨季のWBCには間に合わなかったが、2024年秋のプレミア12には代表メンバーに選出。ここからメジャー返り咲きを狙ってほしい。

 以前メルボルンの自宅にカンガルーを飼っていたらしいが、今はどうしているだろうか?

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ミッチ・ニューンボーン (フィラデルフィア・フィリーズ傘下AA)
28歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 右投右打
1997年6月27日生/出身地:南アフリカ共和国 ヨハネスブルグ
WBC2023
 南アフリカ生まれの速球派マイナーリーガー。アメリカの短大を卒業後は一時帰国し、オーストラリアリーグでキャリアを積んでいたが、2023年WBCでは日本戦・韓国戦の両方に登板して好投。その活躍が評価され、直後にフィラデルフィア・フィリーズからオファーが届き、初めてMLB傘下でプレーする機会をゲットした。

 2025年シーズンは2Aでスタートしており、活躍次第ではメジャー昇格の期待も。150km/h中盤の速球を武器にする彼は、速球派が少ないオーストラリア代表において貴重な存在だ。

ティム・アサートン
36歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
1989年11月7日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州ケンプシー
WBC2017 WBC2023
 オーストラリア代表を長年支える、投手のリーダー的存在のベテラン右腕。2015年まではマイナーリーグでプレー経験がある。

 2008年にツインズと契約し、当初は外野手としてプロ入り。その後、オーストラリアンリーグの再設立を機に本格的に投手へ転向した。アメリカ球界へ戻って以降は順調に昇格していったが、2014年にトリプルA初登板で1イニング6失点の大炎上。即日降格後はチャンスに恵まれず、リリースされてしまった。

 以後はオーストラリアを拠点に、国内では毎年エース級の活躍を続けている。前回WBCにも順当に選出されたが、大会期間中に途中離脱している。

カイル・グロゴスキー
27歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 右投右打
1999年1月6日生/出身地:ニュージーランド オークランド
WBC2023
 ニュージーランド生まれの元マイナーリーガー。2022年まではフィリーズ傘下で投げ、3Aまで昇格したが、2Aと3Aではボコボコに打たれていた。

 2023年はシンシナティ・レッズ傘下のシングルA+へ移籍したが、制球不能に陥ってオールスター前にクビになった。以降はオーストラリア国内リーグで登板を続けているが、制球力は依然戻っておらず、次のWBC代表選出は微妙な情勢。

ジョシュ・ガイヤー
31歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ、先発 右投右打
1994年5月27日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州タムワース
WBC2023
 豪州リーグのシドニー・ブルーソックスで10年以上投げている右投げ投手。年によって投球フォームにばらつきがあり、特にコンディションが整わないシーズンは制球難に苦しむ傾向がある。そのせいか起用法も安定せず、先発とリリーフを何度も行き来してきた。

 20代前半にはミネソタ・ツインズ傘下のRookieリーグで3年間プレー経験があるが、シングルAには昇格できなかった。U-18、U-21、U-23代表やプレミア12(2019年、2024年)にも出場経験があり、国際舞台では代表投手陣の中核を担ってきた。

コーエン・ウィン
27歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ、先発 右投右打
1999年1月25日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州ウエストミード
WBC2023
 2023年のWBCでは追加招集ながら中国戦に登板し、好投した長身のリリーフ右腕。2024年のプレミア12にも選ばれており、代表の常連となりつつある。

 大学時代はアリゾナ州のグランドキャニオン大学では全登板がリリーフだったが、母国リーグではシドニー・ブルーソックスのエース格として先発を任されている。

ジャック・ブッシェル
20歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 右投右打
2005年9月30日生/出身地:オーストラリア 南オーストラリア州アデレード
 アンダー世代の代表チームでよく投げていた若手投手。高校卒業前に国内リーグのアデレード・ジャイアンツで少し投げた実績がある。

 アメリカの大学に進学する道もあったが、プロ入りを決断。デトロイト・タイガース傘下のマイナーでプレーしている。今後の飛躍が期待される有望な存在だ。

ジョシュ・ゲスナー
25歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ、先発 右投右打
2000年6月25日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州シドニー
 ドイツと日本のハーフ右腕。かつて愛知県に短期間住んでいたこともあるが、人生の大半を移住先オーストラリアで過ごしている。高校卒業後はアメリカのテュレーン大学(ルイジアナ州)へ野球留学する予定だったが、フィリーズからの指名を受け、約1億円の契約金でプロ入りした。

 2024年をもってアメリカでのプレーから引退。ただ、これまでの実績からWBC2026でも代表候補として名前が挙がる可能性は高い。

◇リリーバー
リアム・ヘンドリクス (ボストン・レッドソックス)
37歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
1989年2月10日生/出身地:オーストラリア 西オーストラリア州パース
オールスターx3 最優秀救援x2 WBC2009
 メジャーでもトップレベルのクローザーだったが、悪性の非ホジキンリンパ腫に罹患。2023年5月にメジャー復帰したのも束の間、夏場にトミー・ジョン手術が必要なケガを負ってしまった。

 100マイルに迫るファストボールとスライダーの威力が戻るのか?次回大会で再び勇姿を見たい。

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ブレイク・タウンセンド (パイレーツ傘下A+)
24歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 左投左打
2001年4月5日生/出身地:オーストラリア ビクトリア州トララルゴン
WBC2023
 オーストラリア代表の常連左腕。2017年のWBCで指名投手枠に選出されると、以降はプレミア12などの主要な大会には必ず呼ばれるようになった。代表では便利屋のような使われ方をしている。Vスライダーがマネーピッチ。

 かつてマリナーズ傘下でミドル・プロスペクトとして期待され、3Aまで昇格したことがある。現在はパイレーツの1A+で投げているが、年齢的に黄信号。

ブランダン・ビドワ (パイレーツ傘下A+)
24歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
2001年6月21日生/出身地:オーストラリア クイーンズランド州ブリスベン
 ピッツバーグ・パイレーツの有望株ランキングに入っているリリーフ右腕。シングルA+でプレーしている。

 ピッチングは最速100マイルに迫るファストボールと、一瞬浮き上がるようなカーブで高い奪三振率を誇る。一方でコントロールにはかなり課題も。

カイ=ノア・ウィンヤード (レンジャース傘下A)
23歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
2002年6月22日生/出身地:オーストラリア 西オーストラリア州レッドクリフ
 テキサス・レンジャーズ傘下に所属しているマイナーリーガー。2023年にシングルAで41.2イニングを投げて防御率2.38・WHIP1.08の好成績をマークし、球団の有望株ランクに名前が載った。

 2024年は1試合だけではあるが、2Aの試合を経験。着実にメジャーに近づいている。

スティーブン・ケント
36歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 左投左打
1989年5月8日生/出身地:オーストラリア キャンベラ
WBC2013 WBC2017 WBC2023
 17歳の時からオーストラリアの代表に選ばれ続け、WBCには3大会連続で出場したベテラン先発左腕。マネーピッチは縦割れカーブ。アトランタ・ブレーブスのマイナーにいたことがあり、2A時代では好投していた。

 2019年に当時所属先のキャンベラとDeNAベイスターズの間に交流があり、DeNAの春季キャンプに参加した。

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サム・ホランド
32歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ、先発 右投右打
1994年2月20日生/出身地:オーストラリア クイーンズランド州ブリスベン
WBC2023
 オーストラリア代表常連のサイドスロー右腕。最大の武器は真横に曲がるスライダーで、ツーシームとあわせて横の揺さぶりで勝負する。代表ではリリーフメインだが、先発もいける。

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ダニエル・マグラス
31歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 左投右打
1994年7月7日生/出身地:オーストラリア ビクトリア州メルボルン
 WBCに2大会連続で選ばれている頼れるサウスポー。メルボルン・エースの主力投手として投げている。190cm超の長身に高いレッグキックと球持ちの長い投球フォームは打ちづらいが、ファストボールの球速が常時130km/h台しか出ない。球威の無さを持ち前のコントロールと高評価のチェンジアップなどの変化球で補う。

 ボストン・レッドソックス傘下の3Aでプレーしたことがあるが、2020年の新型コロナ流行によりマイナーリーグが開催されず、オーストラリアへ帰国する決断をした。

ジョン・ケネディ
31歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 左投左打
1994年9月20日生/出身地:オーストラリア ビクトリア州メルボルン
WBC2017 WBC2023
 新型コロナ前に日本の独立リーグでプレーしていたメルボルンっ子のリリーフ左腕。身長2mを超える恵まれた体格をしている。ブレーブスに縁があるのかアメリカではアトランタ・ブレーブス傘下に、日本では栃木ゴールデンブレーブスに所属していた。速球は140km/hほどだがコントロールに優れる。

 元マイナーリーガーの叔父が長年オーストラリアの野球の発展に貢献してきた人物であり、その叔父の紹介で大リーグを目指した。2Aまで昇格したが解雇され、2019年にBCリーグの栃木と契約を締結。勝ち試合に登板するリリーバーとして活躍し、契約延長を勝ち取ったが翌年の新型コロナ流行の煽りを受けて来日できず、メルボルンに帰ることになった。

リアム・ドーラン
27歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
1998年10月11日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州ブラックタウン
WBC2023
 196cm/104kgのガタイのいいリリーフ右腕。まだ20代半ばには見えない風格がある。

 155km/h前後のファストボールが魅力の粗削りな原石タイプ。2023年にドジャースのシングルAで投げたが、わずか3カ月で退団。2024年は独立リーグのフロンティア・リーグに移ったものの制球不能に陥った。

ウィル・シェリフ
23歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 左投右打
2002年6月2日生/出身地:オーストラリア 西オーストラリア州ブルズブルック
WBC2023
 2023年のWBCでは日本戦に登板、大谷に自分の看板直撃弾を浴びたサウスポー。…と、日本ではずっと言われ続けるであろう運命にある。豪州リーグではパース・ヒートの主力リリーバーを担っている。

カイ・ジャクソン(ジャクソン海) (日本通運)
24歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
2001年5月8日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州シドニー
 母親が日本人の日系二世投手で、一時期は日本にも住んでいた経験を持つ。現在は仙台大学を経て社会人野球の日本通運でプレーしている。

 オーストラリアではアンダー世代の代表にたびたび選出されており、国際舞台での経験も豊富。仙台大学時代には、3年先輩で現オリックスの宇田川優希に強い衝撃を受け、彼のトレーニング方法を自身の成長に活かしている。

 
◇捕手
アレックス・ホール
26歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手 右投両打
1999年6月8日生/出身地:オーストラリア 西オーストラリア州パース
WBC2023
 ミルウォーキー・ブリュワーズ傘下のマイナー下部にいた若いキャッチャー。2023年までシングルA+でプレーしていたがDFAとなった。

 2Aには昇格経験すらないが、2022年に一度だけメジャー昇格し、1試合のみベンチ入りを果たした。これは、正捕手オマー・ナルバエスが新型コロナで急遽IL入りし、3Aの捕手陣が遠征中だったための“緊急招集”という事情によるもの。試合出場はなかったが、いわゆる「幻のメジャーリーガー」として名を残している。

 パース出身のため、北半球のオフシーズンにはパース・ヒートの一員として豪州リーグに出場している。2022-23シーズンには8本塁打・OPS1.000超えとキャリア最高の成績を記録。“ホール”という姓とは裏腹に、穴の少ないプレーヤーぶりを見せている。

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ロビー・パーキンス
31歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手 右投右打
1994年5月29日生/出身地:オーストラリア キャンベラ
WBC2017 WBC2023
 キャンベラ出身のイケメン捕手で、2018年までコロラド・ロッキーズ傘下の球団でメジャーを目指していた元マイナーリーガー。

 2018-19年の豪州リーグでは、横浜DeNAベイスターズと提携して来豪していた今永昇太とバッテリーを組み、6試合で4勝無敗・防御率0.51という好成績を引き出した実績がある。

ライアン・バタグリア
33歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手 右投右打
1992年6月29日生/出身地:オーストラリア クイーンズランド州ブリスベン
WBC2023
 ブリスベン・バンディッツに10年以上所属する守備型キャッチャー。インディアンス傘下の元マイナーリーガーで、最高到達点はシングルA+。2016年にはBCリーグ・石川ミリオンスターズでもプレーした。

 打撃はからっきし苦手で、豪州リーグでのシーズン最高打率は.241(2018-19年)。最近の成績では2023年が.083、2024年も.122と低迷が続いているが、守備面から存在感を示していきたい。

 
◇内野手/ユーティリティ
カーティス・ミード (タンパベイ・レイズ)
25歳 ※WBC開幕時点 本職:三塁手、二塁手 右投右打
2000年10月26日生/出身地:オーストラリア 南オーストラリア州アデレード
 レイズのトッププロスペクトで、Baseball Americaの有望株ランキングTOP100には3年連続でランクイン。2023年にメジャーデビューしているが、オールスターが狙えるレベルには成長してほしい。

 前回大会ではケガのため代表入りを逃したが、メジャーリーガーが少ないオーストラリア代表では間違いなく打線の中軸を担う存在。ミードの出場可否は、チーム全体の戦力に直結する重要なファクターとなる。

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トラビス・バサーナ (ガーディアンズ傘下AA)
23歳 ※WBC開幕時点 本職:二塁手 右投左打
2002年8月28日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州ホーンズビー
 2024年のMLBドラフト全体1位選手として広く知られている二塁手。通常のオーストラリアの選手は国際FAによって入団するが、バザーナはアメリカのカレッジベースボールで実績を挙げてプロ入りする道を決意。猛勉強の末にオレゴン州立大学への進学を勝ち取り、文武両道を貫いた。

 身長183cmと小柄だが、大学時代にドライブライン・ベースボールに通って急成長。ヒッティングツールとスピードを高く評価されている。お手本にしてきたガーディアンスの先輩、ホセ・ラミレスのような二塁手になれるか見守っていきたい。

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リクソン・ウィングローブ (アメリカ独立リーグ)
25歳 ※WBC開幕時点 本職:一塁手 右投左打
2000年5月23日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州ニューカッスル
WBC2023
 196cm/117kgの見た目通りの長距離砲。一塁専任の左バッターで対左投手に弱く、空振り率・三振率がかなり悪いが、前回のWBCでは準々決勝で元MLB左腕ロエニス・エリアスから特大2ランを放った。

 2023年までフィラデルフィア・フィリーズ傘下に所属し、2Aまで昇格。翌年はミネソタ・ツインズ傘下の1A・1A+のチームに年下たちと混じってプレーしたが、シーズン中にリリースされてアトランティック・リーグ(独立リーグ)行きとなった。

2023年のWBC準々決勝では2ランホームランを放った

ロビー・グレンデニング (メキシカンリーグ)
30歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投右打
1995年10月6日生/出身地:オーストラリア 西オーストラリア州パース
WBC2023
 2023年までマイナーリーグに5年いた強打の内野手。2019年のプレミア12ではクリーンアップに君臨。前回のWBCでも活躍、特にプールBの韓国戦では3ランのほか守備でも活躍した。守備は内野4ポジションすべて守れるが一塁以外の守備力の評価は低い。

 学生時代からメジャーリーガーを夢見てアメリカ留学をし、短大卒業後にマックス・シャーザーらを輩出した強豪ミズーリ大学に編入。ドラフト指名されてプロ入りしている。

Embed from Getty Images2023年のWBCプールBの韓国戦、二塁打を放って喜ぶ姜白虎(カン・ベッコ)の足がベースから離れたのを見逃さず、チャレンジの末アウトを奪ったプレーは大きな反響を呼んだ

ニカウ・プアカ=グレゴ (フィリーズ Rk)
21歳 ※WBC開幕時点 本職:二塁手、三塁手 右投左打
2004年9月13日生/出身地:ニュージーランド クライストチャーチ
 マオリ族の血を引くマイナーリーガーで、フィリーズ傘下に所属している有望株。ニュージーランド人の母・プアカとオーストラリア人の父・グレゴの間に生まれ、両親ともにソフトボールの代表経験を持つスポーツ一家に育った。

 本人も10歳の頃からニュージーランド代表に選ばれ、何度もアメリカ遠征をするなど国際大会の経験豊富。2022年にフィリーズと契約し、当初はショートだったが現在は二塁・三塁を守っている。同年には前十字靭帯断裂の大ケガに見舞われ、翌シーズンを全休したが、復帰後はニュージーランド初のメジャーリーガーを目指し奮闘中。

ジェイデン・キム (パイレーツ Rk)
19歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投右打
2006年8月2日生/出身地:大韓民国 京畿道高陽市
 韓国系オーストラリア人の元プロ野球選手デービッド・キムを父に持つ若手選手。デービッドはKBO(韓国プロ野球)のLGツインズで7年間プレーしたが、そのときに生まれた子がジェイデンだった。

 ジェイデンはしばらくしてオーストラリアに移住し、韓国との二重国籍を持っている。U-18オーストラリア代表では正遊撃手を務めており、今後はA代表入りが期待される。

ジャリッド・デイル (オリックス・バファローズ)
25歳 ※WBC開幕時点 本職:遊撃手、二塁手 右投右打
2000年9月11日生/出身地:オーストラリア ビクトリア州メルボルン
WBC2023
 2025年からオリックスの育成選手になった内野手。二遊間を本職とする内野手で、17歳の時からサンディエゴ・パドレスのマイナーでプレーしている。守備範囲が広く、外野両翼でもよく出場している。

 アメリカでは最高で3Aまで昇格し、待ち球系の打撃スタイルで多くのフォアボールとその倍以上の三振を量産した。母国豪州リーグに戻ると、なぜか出塁率低めの早打ちに変身する不思議なバッターでもある。決してパワーヒッターではなく長打はあまり期待できない。

リアム・スペンス (アメリカ独立リーグ)
27歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投右打
1998年4月9日生/出身地:オーストラリア ビクトリア州ジーロング
WBC2023
 強豪テネシー大学に留学しドラフト5巡目でプロ入りした内野手。2023年までシカゴ・カブスのマイナーに在籍しており、3Aで3試合だけプレーしたことがあるがほとんどのシーズンがシングルA~A+に留まった。24年はアメリカン・アソシエーション(独立リーグ)の球団に所属していた。

 コンタクトヒッターで三振が少ないわりにフォアボールを選ぶ能力に優れている。だた、あまり強振せず長打を捨てたバッティングを心掛けているようにも見える。

ローガン・ウェイド
34歳 ※WBC開幕時点 本職:遊撃手、二塁手 右投両打
1991年11月13日生/出身地:オーストラリア クイーンズランド州ブリスベン
WBC2017 WBC2023
 パンチ力も備えた内野手で、主にショートを守る。ただし守備は身体能力に頼りがちで、安定感には課題がある。

 かつてはミネソタ・ツインズ傘下のマイナーに所属していたが、低打率に苦しみシングルA+どまりでアメリカでのキャリアを終えている。

ダリル・ジョージ
32歳 ※WBC開幕時点 本職:三塁手 右投右打
1993年3月14日生/出身地:オーストラリア ビクトリア州カールトン
WBC2023
 前回WBCではLet’s go George コールにスタンドが沸き、時の人となった元NPB内野手。かつてBCリーグのアルビレックス新潟とオリックスの二軍に在籍していた。肩が強いうえに高いユーティリティ性を持っていて、キャッチャーとセンター以外では何試合も守った経験がある。

 2024年秋のプレミア12に選出され、オーストラリア代表の常連になりつつある。しかし、サードにはメジャーリーガーになったミードが、セカンドもドラフト全体1位指名のバザーナが台頭。次のWBCではスタメンはおろか、下手をすれば選外になる可能性も。

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ジェイク・ボウイ
29歳 ※WBC開幕時点 本職:一塁手、捕手 右投左打
1996年7月16日生/出身地:オーストラリア 西オーストラリア州パース
WBC2023
 ファーストがメインポジションだが、チーム事情によってキャッチャーとリリーフ投手も兼任する三刀流選手。2023年の豪州リーグで4試合スタメンマスクを被り、24年は先発4試合&救援1試合登板と多くの役割をこなしている。

 2010年代半ばにアストロズ傘下のRookieリーグに2年だけ在籍し、それ以降は豪州リーグのパース・ヒートでプレー。打撃面で好成績を残しており、特に近年は2023年から2年連続でOPS.900前後をマーク。豪州代表の中でも特にホームランが期待できるパワーヒッターである。

ブレント・アイルデール (アーカンソー大学)
22歳 ※WBC開幕時点 本職:三塁手 右投右打
2003年7月12日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州シドニー
 強豪のアーカンソー大学で打線の中軸を任されている三塁手。MLBのドラフト上位指名が見込まれるほど活躍している。

ジミー・ナティ (スタンフォード大学)
22歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投右打
2003年7月10日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州シドニー
 スタンフォード大学で佐々木麟太郎とチームメイトとなった内野手。シドニー出身で、大学進学を機にアメリカへ渡った。一塁、二塁、三塁に加えて外野両翼も守るユーティリティで、2年生(ソフモア)からは主軸を任される活躍を見せている。将来的にはオーストラリア代表に欠かせないユーティリティとして台頭するかもしれない。

◇外野手
アーロン・ホワイトフィールド (アメリカ独立リーグ)
29歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
1996年9月2日生/出身地:オーストラリア クイーンズランド州ブリスベン
WBC2017 WBC2023
 2020年にMLBデビュー済みの、スピードと守備が得意な外野手。2022年に大谷翔平と同じエンゼルスでプレーしていたため日本でも知名度がある。

 オーストラリアで生まれ育ったが父親がニュージーランド人、母親がオーストラリア人。両親ともに母国のソフトボールの代表選手で、アーロン自身もソフトボールから野球に転身している。

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ティム・ケネリー
39歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
1986年12月5日生/出身地:オーストラリア 西オーストラリア州パース
WBC2013 WBC2017 WBC2023
 豪州リーグの歴代最多安打記録を持つ、代表チームの精神的支柱といえる存在。かつてはフィリーズ傘下のマイナーに9年間在籍し、内野手・捕手・一時は投手までこなす万能選手だった。2014年以降は拠点を豪州に移し、近年は外野手としてプレーしている。

 これまでWBCやプレミア12など、多くの国際大会でキャプテンを務めてきた。しかし、次のWBCでは39歳を迎える。もし選ばれるのであれば、それは世代交代の遅れを象徴しているとも言えるかもしれない。

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ソロモン・マグワイヤ (パイレーツ傘下A)
23歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投左打
2003年3月4日生/出身地:オーストラリア ニューサウスウェールズ州ケリービル
 ピッツバーグ・パイレーツのマイナー下部でプレーしている俊足の外野手。2024年はシングルAに配属されて56試合出場すると、6ホーマーを放つ意外なパンチ力を見せた。ただしRookieリーグ時代から低打率に喘いでおり、打率は.175。今季も投稿時点(25/4月)で打率ゼロ割台と大いに苦しんでおり、マイナーに残れるのか大ピンチの状況に。

ドリュー・デイビース (レッズ Rk)
20歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投左打
2005年12月4日生/出身地:オーストラリア 南オーストラリア州アデレード
 2024年にシンシナティ・レッズとマイナー契約したティーンエイジャー。2026年のWBC選出は厳しいが、比較的デプスが薄い外野陣なだけにチャンスはあるかも。

ウリック・ボヤースキー
27歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
1998年9月15日生/出身地:南アフリカ共和国 イーストロンドン
WBC2023
 南アフリカ生まれ・オーストラリア育ちのブンブン丸。2~3歳の頃にパースに移住し、13歳から野球をやり始めた。その後、デトロイト・タイガースのアジア担当スカウトに見い出されてアメリカに渡った。

 抜群の身体能力を誇り、速いスイングから放たれる打球速度はタイガースのマイナー随一だった。ただ、あまりにフリースインガー過ぎたため、タイガースは彼をマイナー上位に引き上げることが出来なかった。

 2023年オフにタイガースをDFAとされ、出戻った母国リーグではうっぷんを晴らすかのようなバッティングを披露。38試合で打率.352・8本塁打・OPS1.031の凄まじい結果を残した。

ジョーダン・マクアードル
27歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手、一塁手 右投左打
1998年5月2日生/出身地:オーストラリア 南オーストラリア州アデレード
WBC2023
 長打は魅力だがボールがバットに当たらないパワーヒッター。かつてアリゾナ・ダイヤモンドバックスと契約していたが、三振が多すぎてシングルAに上げてもらえなかった。

 守備指標は良くないものの一塁と両翼を守るほか、緊急時にはマスクを被る変則ユーティリティでもある。

ブライリー・ナイト
26歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投左打
1999年6月22日生/出身地:オーストラリア 西オーストラリア州パース
 オーストラリア国内リーグでは打撃で活躍する外野手。ユタ大からポートランド大へ転学し、24歳まで在学していたがドラフトにはかからなかった。

アンドリュー・キャンベル
34歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投左打
1992年2月18日生/出身地:オーストラリア クイーンズランド州イプスウィッチ
WBC2023
 俊足で細身だがホームランを打つ技術を併せ持つ元マイナー中堅手。外野3ポジション可能な守備力は自信あり。

 ただし2024年以降プロリーグでプレーしておらず、選出可能性は低いと思われる。

◇監督/主なコーチ/GM
監督 デービッド・ニルソン
通算rWAR:10.6
オールスターx1 WBC2006
 ディンゴの登録名で中日ドラゴンズに1年だけいた元捕手兼外野手。日本では18試合で打率.180・1本塁打に終わったがメジャーでの実績は凄い。ドラゴンズに来る直前まで6年連続2桁ホームラン、特に前年はキャリアハイの21本塁打・OPS.954の好成績を残していたが2000年のオリンピックに出たいという理由でメジャー球団と契約せず来日した。

 日本ではさっぱり(そもそもやる気が無かった?)だったが同年秋のオリンピックで打ちまくり、4年後アテネオリンピックでは日本を2度破り初めての銀メダル獲得に貢献した。

 日本でダメ外国人のレッテルを貼られているが母国では英雄であり、2008年にイアン・ソープと一緒に国のスポーツ殿堂入りを果たした。

⇒中日ドラゴンズ(2000年以降)参照

◇参考1:過去の名選手
 グラント・バルフォア
通算rWAR:9.2
オールスターx1
 オーストラリア出身選手では歴代2番目に多い登板数、セーブ数を記録している元クローザー。メジャー3球団目のタンパベイ・レイズ在籍時にセットアップマンとしてブレイク。オークランド・アスレチックスではクローザーを任され、2013年にはオールスター出場にシーズン38セーブを挙げた。

 ミネソタ・ツインズでMLBデビューした頃は知名度が低く、一部の日本語サイトでは”グラント・ボールフォア”と表記されていた。

 ピーター・モイラン
通算rWAR:5.9
WBC2006 WBC2017
 オーストラリア人では歴代3位の499試合に登板したサイドスロー投手。通算防御率3.10もオーストラリア出身投手の中で最も優秀な数字である。

 ワンポイント的な使われ方が多く、80試合以上登板したシーズンが3度もある。カンザスシティ・ロイヤルズ時代に79試合に投げた2017年は両リーグ最多登板数だった。

 ライアン・ローランド=スミス
通算rWAR:0.7
WBC2006 WBC2013 WBC2017
 MLBで初めて「ファミリーネームにハイフンが入った」選手として歴史に名を残す左腕投手(Rowland-Smith)。イチローと同時期にシアトル・マリナーズにいたため日本人にも知られている。

 ジョー・クイン
通算rWAR:4.7
 オーストラリア人初のMLBプレイヤー。主にセカンドを守り、1884~1901年までメジャーでプレー。17年の間に1772試合・270盗塁を積み上げた。

 1986年にクレイグ・シプリーがメジャーデビューするまで、100年以上オーストラリア出身選手は現れなかった。現役時代から葬儀屋を経営しており、野球より儲かっていたらしい。。。

◇参考2:日本に来た助っ人外国人
ジェフ・ウィリアムズ (阪神タイガース2003~09)
クリス・オクスプリング (阪神タイガース2006)
マイケル中村 (日本ハムファイターズ2005~08, 読売ジャイアンツ09~11, 西武ライオンズ12)
ドリュー・ネイラー (中日ドラゴンズ2015~16)
トラビス・ブラックリー (楽天イーグルス2014)