中国は野球後進国ながらWBC全大会に参加し、2013・17年に1勝ずつを挙げた。しかし、ここ何年にも渡って国際大会に不参加を決め込み、WBSCの世界ランキングは参加国中最下位の30位まで下落。選手の成長も鈍化している。 むしろ9月に行われる杭州アジア大会に全力を注ぐつもりのようで、WBCはその準備期間と捉えられている。実力だけでなく本気度も低い。 数少ない見どころは、投手は朱権とアラン・カーター、野手では元ソフトバンク・ホークスの”ミギータ”真砂。
▼目次 – 中国代表選手一覧 【1.投手】 【2.捕手】 【3.内野手】 【4.外野手】 【5.監督・コーチ】 【6.参加できなかった有力選手】 |
【投手】 |
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朱権 |
中国吉林省で生まれ、母親と韓国で暮らした右投げ投手。KBO(韓国プロ野球)のKTウィズでプレーしている。 今季終了後KBOでフリーエージェントになるため、当初はシーズンに集中するため代表入りを断ったが、非常に熱心なオファーを続けられ朱が折れた。2大会連続のWBC出場になるが、2017年のときはまだ無名の21歳だった。その間に実績を積み中国代表で最も警戒すべき選手に成長した。 KBOではほとんどリリーフで投げているがWBCでは先発に回るだろう。 |
アラン・カーター |
西安出身の母親を持つシンガポール生まれの中国系アメリカ人。昨年オフにロサンゼルス・エンゼルスとドラフト外で契約した。190cmの長身で最速155km/h、中国代表の中では最もスケールが大きい。中日ドラゴンズの藤嶋の投げ方に似ている。 |
齊鑫 |
2019年の中国シリーズ(※中国のプロリーグの日本シリーズみたいなもの)で完封勝利を挙げシリーズMVPを受賞した実績あり。140km/hを超える速球を投げるがコントロールが悪く変化球にも乏しいのが弱点。 |
伊健 |
MLBが運営する選手の育成センターに在籍、その後1年だけミルウォーキー・ブリュワーズのルーキーリーグでプレーした。クセがすごいファストボールを投げる。制球もよく中国代表の先発候補。 |
林強 |
知らない人。左投左打ということしか分からない。 |
王唯一 |
現在は蘇州ペガサスの一員だが最近まで下位の球団所属だったため無名の存在。オーバーハンドから140km/h前後のファストボールにスライダー、カーブ、チェンジアップを使い、まとまりのあるピッチングができる。 |
趙冨陽 |
140km/h前後の速球とカーブ、チェンジアップのオーソドックスな配球。投球フォームはちょっと変わったリリースをする。 |
鄭超群 |
2大会連続のWBC出場となるサウスポー。独特なテイクバックからの縦割れカーブがマネーピッチ。 |
宮海成 |
MLB育成センターからアメリカに渡った元マイナーリーガー。中国代表の主力投手で前回のWBCに続き2度目の選出となった。2017年大会では日本戦に登板し、0回2/3を投げて11失点を喫しっている。 |
孫海龍 |
知らない人。調べたけど出てこなかった。左投左打。 |
王翔 |
知らない人。調べたけど出てこなかった。こっちは右投右打。 |
王宇宸 |
2022年にアメリカの大学のサマーリーグに出場した速球派リリーフ右腕。 |
張昊 |
知らない人。調べたけど出てこなかった。右投右打。 知らないことは知らない、分からないと正直に言うことが大事。 |
蘇長龍 |
国際大会に多数出場もWBCは初めての41歳の大ベテラン。左腕からカーブとスプリッター、スライダーを織り交ぜる。速球はたぶん130km/hちょっとしか出ない。 |
【捕手】 |
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陳晨(小) |
同じ代表チームに同姓同名の陳晨がいて、こちらの陳晨は1999年生まれ。(内野手登録の陳晨は1995年)。年下なので陳晨(小)と表記される。 |
李寧 |
前回のWBC以来2度目の選出の経験豊富なキャッチャー。前回大会の3人の捕手のうち王偉と孟偉強が引退し、当時は最年少だった李寧が今大会4人ものキャッチャーを登録した代表チームを引っ張る。 打撃センスを生かすため本職以外の全ポジションで出場可能。WBCでは李寧と樂臣臣のどちらかがマスクを被り、もう一方がレフトに入る予想。 |
李一凡 |
この人は良く知らない。守備がうまいキャッチャーらしい。が、データが無いのでなんとも言えない。 |
陸昀 |
香川県の琴平高校から四日市大学に進み、大学卒業後は中国にいる。真砂の話し相手になってほしい。 |
【内野手】 |
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曹傑 |
身長190cmの若手内野手。守備位置は両コーナーがメインだが二遊間で出場もできる。 |
張宝樹(レイ・チャン) |
カンザスシティ生まれの中華系アメリカ人。両親ともに中国人。メジャー昇格こそ叶わなかったが、3Aでは通算944打席、のべ8年間プレーした。 過去のWBCで何度もアメリカ仕込みのファインプレーでピンチを救い、数少ないWBCでの勝利に貢献してきた。選手としては2016年限りで引退しており、今大会はコーチを兼任する。 |
陳晨(大) |
キャッチャー登録の陳晨とは別人の内野手。4歳年上なので陳晨(大)と表記される。WBCは初めての選出だが国際大会の経験は多い。 |
樂臣臣 |
キャッチャーと内野、両翼もやれるユーティリティ。2018~19年に独立リーグのアメリカン・アソシエーションに大量に中国人選手が派遣されたうちの1人で、その中で一番好成績を残した。今大会のスタメンは確実。 |
寇永康 |
MLB育成センターからミルウォーキー・ブリュワーズへ渡り、ルーキーリーグで1年だけプレーした一塁兼三塁手。長打力に自信がありWBCでは中軸に座るか。「コウ・ヨンカン」と読む。コウの字はむかし学校でならった”元寇”の寇ですよ。 |
楊晋 |
鉄壁の守備力を誇る細身のショート。若手有望株で中国以外の国から視察が来ていた。 |
【外野手】 |
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韓嘯 |
茨城県の鹿島学園高校に野球留学していた経験を持つスラッガー。外野の守備に優れ3ポジションを守れる。 この人も真砂の話し相手になってやってほしい。 |
梁培 |
日本で生まれ、高校は強豪の東海大菅生に通った外野手。社会人になってから初めて中国に住んだため日本語の方がしゃべれるらしい。真砂の話し相手候補。 |
梁栄基 |
10代の頃は投手兼任だったため肩が強い外野手。 |
羅錦駿 |
中国代表のキャプテンを務めるユーティリティ。俊足で内野手登録だが外野も守れる。 |
呂玉恒 |
スピードに定評がある外野手らしい。よく知らない。 |
真砂勇介 |
両親が中国人の京都生まれ。高校通算52本塁打の長距離砲で、ソフトバンクに入団してミギータと期待されたもののプロでは大成せず、昨季から社会人野球の日立製作所でプレーしている。 |
【監督・主なコーチ】 |
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監督 ディーン・トレーナー |
75歳と高齢。指導者歴が長くマイナー球団の監督や投手コーチを歴任し、メジャーではマイアミ・マーリンズのブルペンコーチを3年務めた経験あり。若手マイナーリーガーの頃に肩の腱を負傷した影響で選手生活は短く、指導者になる前は13年間警察官として働いていた。 |
打撃兼捕手コーチ 王偉 |
長らく中国代表のプレートを守ってきた北京出身の元捕手。WBCの第1回大会最初のホームランを打ったのがこの王偉である。WBCには2006・13・17年に出場しているが、唯一出ていない2009年はシアトル・マリナーズのマイナー時代に膝のケガでリハビリ中だった。 |
【参加できなかった有力選手】 |
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強巴仁増 |
珍しいチベット出身の野球選手。北京の学校に野球留学後、MLB育成センターで経験を積んだ。今大会では選ばれず。 |
スティーブン・クワン |
ラーズ・ヌートバーと共に日本代表入りが期待された若手外野手。気の早い日本のメディアが裏も取らずに日本代表入りを報じていた(結局日本代表の資格を満たしていなかった。) そもそも彼は父親が中国人のアメリカチャイナタウン育ち。本当に資格があるか分からなかった日本よりも中国に深いルーツがある。ただし中国代表からオファーがあったかは不明。 |
鈴木博志 |
中日ドラゴンズのドラ1のリリーバー。母親が大連出身のため代表入りの資格があったが選出されなかった。 プロ1年目は一時期クローザーを任される活躍もその後成績が下降。サイドスローにしてみたりキンブレルの真似をしたり試行錯誤している印象。 |
by【MLB名鑑.com専属コラムニスト】デッドボーラー