ビンス・ベラスケス


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Vince Velasquez (フルネーム/Vincent John Velasquez)

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1992-06-07生|191cm96kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州モンクレール

ドラフト/2010年HOU2巡目(全体58位)指名

メジャーデビュー/2015-6-10
■選手紹介

抜群の身体能力を誇るも、あまり生かし切れないままベテランの域に差し掛かっている本格派先発右腕。6年以上過ごしたフィリーズを解雇された後パドレスとマイナー契約、2022年はホワイトソックスの先発ローテの一角としてプレーする。

ベラスケスのプレーは日本で何度も取り上げられている。1度目は2018年6月、アダム・イートンが打ったピッチャーライナーを右腕で受けてしまい、とっさに左手で送球しアウトを奪ったシーン。ベラスケスは痛みで地面を転がったが、それより利き手と反対の腕で90マイルを放ったことが話題となった。2度目は2019年8月、先発登板した翌日の試合が延長14回に入り、選手が足りなくなりベラスケスがレフトの守備についたシーン。1死二塁でレフト前に転がった打球をベラスケスが本職顔負けの好返球でホームに送球、二塁走者の生還を阻止した。続く15回にはレフト前に落ちそうな打球をダイビングキャッチ。この打球の捕球確率は15%の難しい打球だった。3度目は2022年のオープン戦、大谷翔平に開始6秒でホームランを浴びたシーンも幾度となく地上波で流された。

カリフォルニアで生まれ育ったベラスケスは高校で野球とフットボールを中心に複数のスポーツで活躍していた。地元カリフォルニア州立大フラートン校からコミットを受けていたが、2010年にアストロズに2巡目指名されて入団した。高校2年次に右ヒジの骨棘のせいで投球を制限され、左でも投げれるよう練習したことが先述のプレーに繋がっている。高校卒業後、プロ入りしてすぐにトミー・ジョン手術を受けて出遅れるがその後はハイペースで昇進。2015年にAAAを飛び越えてメジャーデビューを果たす。55回2/3を投げて58奪三振のパワーピッチを見せ、ローテーションを担う人材と思われていた。しかし同年オフにクローザーのケン・ジャイルズやドラフト全体1位指名のマーク・アペルを巻き込んだ大型トレードでフィリーズに移籍する。

フィリーズ移籍後の2016年4月14日のサンディエゴ・パドレス戦で初の完投勝利を完封で記録した。被安打3・無四球・16奪三振の凄まじい内容で、過去に無四球かつ16奪三振以上を記録した投手はドワイト・グッデン、ケリー・ウッド、ロジャー・クレメンス、ランディ・ジョンソン、マックス・シャーザーの錚々たるメンツしか記録していない内容だったため、ファンの期待が自然と高まっていった。しかしその後は好投する試合があっても制球難と一発病を克服できず、また指の血行障害など故障離脱を繰り返し、信頼を勝ち取れないまま2021年9月14日にフィリーズをDFAとなった。翌日15日にパドレスに拾われるが、12イニングで6本のホームランを浴びた。

それでも2022年、ルーカス・ジオリートとランス・リンの両エース格を故障で欠き、スターターを探していたホワイトソックスと1年300万ドルのメジャー契約を取り付けた。6月に30歳を迎える現在もファストボールの威力は衰えていない。デビュー以来、規定投球回・2桁勝利・防御率4点未満のいずれも1度も達成したことがない。今季こそポテンシャルに見合った活躍をできるだろうか?

寄稿日:2022-04-25 最終更新日:2022-04-25
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼ビンス・ベラスケスが被安打3・無四球・16奪三振の素晴らしい内容で完封勝利

▼利き手と反対の左投げでバッターランナーをアウトにするベラスケス

▼レフトに入ってレーザービーム&ダイビングキャッチで観客を沸かすベラスケス

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2015 HOU 19 1 1 0  4.37 55.2 50 27  5 21 2 58 1.28 2.76

2016 PHI 24 8 6 0  4.12 131.0 129 60 21 45 1 152 1.33 3.38

2017 PHI 15 2 7 0  5.13 72.0 74 41 15 34 3 68 1.50 2.00

2018 PHI 31 9 12 0  4.85 146.2 138 79 16 59 8 161 1.34 2.73

2019 PHI 33 7 8 0  4.91 117.1 120 64 26 43 9 130 1.39 3.02

2020 PHI  9 1 1 0  5.56 34.0 36 21  5 17 3 46 1.56 2.71

2021 PHI 21 3 6 0  5.95 81.2 76 54 17 45 4 85 1.48 1.89

2021 SD  4 0 3 0  8.53 12.2 15 12  6  4 0 16 1.50 4.00