スティーブン・クワン


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Steven Kwan (フルネーム/Steven Robert Kwan)

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1997-09-05生|175cm77kg|外野手 左投左打

出身地/アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロスガトス

ドラフト/2018年CLE5巡目(全体163位)指名

メジャーデビュー/メジャー経験なし
■選手紹介

2022年にメジャーデビューしてすぐに旋風を巻き起こした有能外野手。パワー以外の4ツールに優れ、特に振りをしない能力は飛び抜けている。プロ入り後の注目度は低い地味な存在だったが、22年に開幕スタメンを勝ち取ると春先から自慢のコンタクト能力を遺憾なく発揮。新人王こそならなかったがrWAR5.5(5以上でオールスター級と言われる)を記録、守備でもゴールドグラブ賞を受賞した。

現在の身長175cmで、小さい頃から体格に恵まれていなかったこともあってイチローとデーブ・ロバーツ(現ドジャース監督)を目標にしてきた。1シーズンで3回ノーヒッターを食らうなど機能不全に陥った2021年のガーディアンズ打線の火付け役となったクワンの活躍は、フライボール革命によるホームラン偏重のなかにおいて大きな価値を持っている。

日本のスポーツニュースでも散々取り上げられているのが、22年オフに栗山ジャパンから日本代表入りのオファーを受けた件。父親がサンフランシスコのチャイナタウン出身の中華系アメリカ人である一方、母方の祖父母が山形県出身。22年オフに栗山ジャパンから正式に日本代表入りのオファーを受け、クワン自身も前向きに検討していると報じられている。

▼球歴

クワンはサンフランシスコ郊外のロスガトスで生まれ育った。高校卒業後は強豪オレゴン州立大学に進んでレギュラーに定着。特にジュニア(3年生)の2018年のチームは歴代でも類を見ない強さで勝ちまくりカレッジワールドシリーズを制覇している。この時のチームメイトにアドリー・ラッチマン、ニック・マドリガル、トレバー・ラーナック、ドリュー・ラスムッセンがおり、クワンも含め入団から4年経たないうちに5人もメジャーに上がったことになる。ラーナック以外は既に主力級を実績を残している。

2018年のドラフトでインディアンスが5巡目で指名。ドラフト組の中でも巧みなバットコントロールは抜きんでていたが、柵越えはオレゴン州立大3年間で3本だけ。プロ入り後も最初の2年は3本に留まっていた。しかしコロナ明けの2021年にAAとAAAに上がるとホームランが打てるようになり、唯一のマイナス点を払拭した。

24歳となった2022年に正左翼手のレギュラーを掴むと開幕から大当たり。デビューからの4試合で15出塁、116球連続空振り無しという2000年以降では新記録を作り、メジャーリーグ公式サイトにも大きく取り上げられた。4月に文句なしの月間最優秀新人賞を受賞した後、一時は不振に陥ったが夏場に持ち直し、最終的に打率.298・出塁率.373・長打率.400・BB/K 1.03(60三振に対し62四球)の好成績でガーディアンズの地区優勝に大きく貢献。ポストシーズンでもヤンキースとの地区シリーズで全5試合で安打を放ち独り気を吐いた。レギュラーシーズンの空振り率3.1%は首位打者ルイス・アラエズに次ぐメジャーで2番目に良い数字、持ち味の空振りをしない技術を存分に発揮した。また、例年以上にハイレベルな戦いとなった新人王争いでは3位となった。

ちなみに、クワンがメジャーNo.1に輝いた記録に"Average HR Trot"というものがある。これはホームランになった打席でのベースランニングの平均タイムで、規定打席到達者の中で最速の18.9秒だった(最遅はゲレーロJr.の28.9秒)。

寄稿日:2022-12-10 最終更新日:2022-12-10
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼1点リードの7回2死で魅せたスティーブン・クワンのダイビングキャッチ

▼ファウルボールの跳ね返りを頭で受けちゃったスティーブン・クワン

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 打席 安打 2B 3B 本 打点 四 死 三振 盗 打率 出塁 長打

(~2021年メジャー経験なし)