WBC2026 ブラジル代表予想 選手名鑑


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最終更新日:2025/5/3

【寸評】長年にわたり日系ブラジル人選手が主力を担ってきたブラジル代表だが、近年は非アジア系選手の台頭が著しい。ヤン・ゴームズやパウロ・オーランドといったメジャーリーガー、リーダー格のレオナルド・レジナットに加え、ビシェット兄弟やルーカス・ラミレス(マニー・ラミレスの息子)など、MLBと縁の深い選手が名を連ね、代表構成は以前より多様化している。

 中でもボー・ビシェットの参加は大きな注目を集めているが、兄ダンテ・Jr.が告白した家庭内の問題は無視できない。家族との断絶、特に父親との深刻な関係性を考慮すれば、兄弟同時招集がチーム内の空気に影響を及ぼす可能性もある。スター選手の力を借りたい一方で、チームマネジメントとしては極めて繊細な判断が求められる。

▼目次 – ブラジル代表選手一覧
【先発】
【リリーバー】
【捕手】
【内野手/ユーティリティ】
【外野手】
【監督/主なコーチ/GM】
【不参加、選考漏れ】
――――――――――――――――――――――――
【参考1:過去の名選手】
【参考2:日本に来た助っ人外国人】

◇先発
ペドロ・レモス (マリナーズ傘下A)
22歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 右投右打
2003年5月22日生/出身地:ブラジル サンパウロ州サントアンドレ
 10代の頃からブラジル代表に名を連ねているミドル・プロスペクト。ファストボールに威力はあるが、変化球の精度には課題がある。

 現在はマリナーズ傘下のマイナー下部に所属。先発とリリーフのどちらで育てるかを見極められている段階にある。

ガブリエル・バルボサ (フィリーズ傘下A)
24歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2002年1月22日生/出身地:ブラジル サンパウロ州バストス
 長らくロッキーズ傘下のRookieリーグでプレーしていたマイナーリーガー。現在はフィリーズ傘下に拾われ、MLB3球団目となるチャンスを得た。

サン・オモサコ (ブルージェイズFRk)
20歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2005年12月2日生/出身地:ブラジル サンパウロ州サンパウロ
 オモサコ3兄弟の三男として知られる先発タイプの右腕。ドミニカンサマーリーグで2年連続して防御率2点台を記録するなど将来を期待させる成績を残している。

 兄のキン・オモサコとともに代表入りが有力視されており、サンは制球力に優れるタイプ。キンとは対照的なスタイルだ。

ジョアン・マロスティカ (栃木ゴールデンイーグルス(BCリーグ))
21歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2004年11月8日生/出身地:ブラジル サンパウロ州ミランドポリス
 身長190cm超の日系人右腕。アンダー世代からブラジル代表で投げている。

 2024年に栃木ゴールデンブレーブス(BCリーグ)に入団。1年目は壊滅状態だったが、徐々に適応し始めている。

エンゾ・サワヤマ(沢山優介) (ヤマハ)
22歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 左投左打
2003年10月15日生/出身地:日本 静岡県浜松市
 掛川西高からヤマハに進んだ将来有望な左腕。力感あふれる投球フォームから、非公式ながら150km/hを計測した実績もある。

 高校時代からドラフト候補として名前が挙がっていたが、社会人野球でメカニクスの改良に成功。今やドラフト1位指名も期待される逸材に。

アーサー・ツジグチ(辻口輝) (日本ウェルネス大学)
20歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2005年11月2日生/出身地:日本 埼玉県八潮市
 ブラジル人の父を持つ長身右腕。日本のリトルリーグ出身で、日本ウェルネス高校・大学へと進学した。

 2023年には迷子の女児を保護したことで話題となり、警察から表彰を受けたエピソードも持つ。

エマノエル・マデイラ
19歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2006年8月20日生/出身地:ブラジル サンパウロ州プレジデンタル・プルデンテ
 ドミニカンサマーリーグで2シーズン投げたが、アメリカ本土でのプレー機会を得られなかった。

モレチ・アレシャンドレ (誉高校)
18歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
不明/出身地:日本 愛知県小牧市
 父はイタリアとブラジル、母は日系ブラジル人というルーツを持つ現役高校球児。ブラジル国籍だが日本で生まれ育っている。ソフトバンクのイヒネ・イツアを目標に掲げて愛知県の誉高校に進学。WBC開催時期には高校卒業を間近に控える。

 身長は190cmを超え、入学後は体重増加と球速アップに取り組みながら着実に成長。現在はNPBの8球団に加え、MLBスカウトからも注目されており、球速150km/h超えを目指して進化を続けている。

◇リリーバー
ディラン・リー (アトランタ・ブレーブス)
31歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 左投左打
1994年8月1日生/出身地:アメリカ合衆国 カリフォルニア州ディニューバ
 アトランタ・ブレーブスのブルペンを支え続けているミドルリリーフ。ファストボールとスライダーのほぼツーピッチの投球割合で投げる。

 デビューイヤーの2021年はレギュラーシーズン2試合だけ登板だった。しかし10月ブレーブスはワールドシリーズで先発の駒不足になり、マイナーでも未経験の先発登板をワールドシリーズで大抜擢させるという前代未聞の起用された。結果、4人中3人を出塁させてしまい、1死満塁の状態でカイル・ライトにバトンタッチ。ライトが無事に抑え、その後のワールドチャンピオンへとつながった。

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エリック・パルディーニョ (ブルージェイズ傘下AAA)
25歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
2001年1月5日生/出身地:ブラジル サンパウロ州ルセーリア
 メジャー昇格が目前の速球派リリーフ右腕。ファストボールは150km/h後半を計時し、ブラジル代表に絶対に必要な存在だ。ただし、故障リスクの高そうな投球フォームをしているのが気掛かり。

 2015年のU-14大会で92マイル(149km/h)を記録し注目を浴び、翌年には16歳の若さでWBC予選のブラジル代表に選出。その後、国際FAとしてブルージェイズと140万ドルで契約した。

 2019年にはBaseball America とMLB公式の有望株ランキングでトップ100に入る高評価を得たが、その後トミー・ジョン手術を受けてしばらく名前を聞かない時期が続いた。ここ最近ようやく完治したのか、2025年はマイナー上位に昇格して好投中。WBC本大会ではメジャーリーガーとして参加しているかもしれない。

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ダニエル・ミサキ (レンジャース傘下AA)
29歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
1996年4月9日生/出身地:日本 静岡県富士宮市
WBC2013
 静岡県で生まれ、ブラジルのヤクルトアカデミーで野球を学んだ元有望株投手。16歳の若さでWBCブラジル代表に選ばれ、大会後にはマリナーズとマイナー契約を結ぶ。将来を嘱望されていたが、大きなケガに立て続けに見舞われ大成できなかった。

 2021年には読売ジャイアンツに所属したが退団。現在は再びアメリカに戻り、マイナーリーグで3Aに昇格。30歳になるシーズンを前に、まだメジャーデビューの可能性も残している。

 なお、アメリカでは名前の表記がミッサキ(Missaki)になっている。

ボー・タカハシ (埼玉西武ライオンズ)
29歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ、先発 右投右打
1997年1月23日生/出身地:ブラジル サンパウロ州プレジデンタル・プルデンテ
 埼玉西武ライオンズに所属する日系3世の投手。

⇒NPB外国人名鑑パ・リーグ編 参照

キン・オモサコ
21歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
2004年6月24日生/出身地:ブラジル サンパウロ州サンパウロ
 オモサコ3兄弟の次男として知られるパワータイプのリリーフ右腕。2024年までドジャース傘下に所属していた。

サリバン・リベイロ
22歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 左投左打
2003年12月16日生/出身地:ブラジル パラナ州コロラド
 アスレチックス球団のドミニカンサマーリーグで4シーズン投げていたが、4年目(2024年)は7回2/3を投げて22四球・5死球を与える大乱調。

 いくらパワーピッチャータイプとはいえ、さすがにこの内容では契約継続は厳しいだろう。

高野ダグラス
26歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
1999年3月18日生/出身地:ブラジル パラナ州マリンガ
 アンダー世代での代表経験があり、2022年のWBC予選にも出場したリリーフ投手。本業は日本食レストランの料理人。

 勤め先のサンパウロのレストランは Googleレビューで★4.7(2025/5月時点)という相当な高評価を受けている。

ヘイター・トカー
25歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 右投右打
2000年10月25日生/出身地:ブラジル サンパウロ州マリリア
 身長は2m弱、体重120kg超に及ぶ若手の巨漢投手。2022年までアストロズ傘下のマイナーリーグ下部でプレーしていた。それ以降は米独立リーグとメキシカンリーグで投げている。

ラファエル・オオハシ
23歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ、先発 右投右打
2002年10月8日生/出身地:ブラジル サンパウロ州モジグアスー
 ピッチングフォームがケビン・ゴーズマン風の日系人投手。早い段階からファストボールは150km/hを超えており、伸びしろが大きいと思われていたが、2024年にブルージェイズのマイナーから放出された。

チアゴ・ダシルバ (メキシカンリーグ:デュランゴ)
40歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ、先発 右投右打
1985年3月28日生/出身地:ブラジル サンパウロ州サンパウロ
 国際大会の常連として知られ、変則フォームを駆使する右投げ投手。オーバースローからサイドスローまで多彩な腕の振りを使い分け、動く速球で打者を斬って取るスタイル。

 イタリアとブラジルの二重国籍を持ち、WBCにはイタリア代表として3大会連続(2009・13・17年)で出場。ヨーロッパ選手権などでもイタリア代表の主力として活躍している。

 ブラジルのヤクルトアカデミーで育成された経緯がある。ノンプロ時代の影響が大きいのか、日系人でないにもかかわらず日本の野球を強くリスペクトしているという。

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金伏ウーゴ
36歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 左投左打
1989年5月22日生/出身地:ブラジル パラナ州マリンガ
WBC2013
 ⇒東京ヤクルトスワローズ(2000年以降)参照

仲尾次オスカル
34歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 左投左打
1991年3月28日生/出身地:ブラジル サンパウロ州サンパウロ
WBC2013
 2016~18年にかけて広島東洋カープにいた日系ブラジル人投手。両親が沖縄出身。

 カープ退団後は社会人野球のかずさマジックなどを経て、現在はオーストラリアンリーグで活躍。近年は2年連続で防御率1点台を記録し、ちょっとしたネットニュースにもなった。

⇒広島東洋カープ(2000年以降)参照

カイオ・アラウホ (アラバマ州立大学)
24歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
2002年2月7日生/出身地:ブラジル サンパウロ州インダイアツーバ
 アラバマ州立大学に在籍するブラジル出身の右腕。2025年のWBC予選メンバーに選出されており、スライダーを武器にハイレベルなリーグで活躍している。

ムリーロ・ゴウベア
34歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
1991年3月28日生/出身地:ブラジル サンパウロ州サンパウロ
WBC2013
 ダシルバ同様、ブラジルとイタリアの二重国籍を持ち、両国の代表として出場しているベテラン投手。

 10年以上前にはホワイトソックスとアストロズ傘下のマイナーに所属し、3Aまで昇格したことも。その後は独立リーグや中南米のウィンターリーグのほか、イタリアに渡って数シーズンプレーもしている。

ヘクター・ビジャロエル
30歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 左投左打
1995年8月12日生/出身地:ベネズエラ エル・ティグレ
 ベネズエラ出身の長身左腕で、前回のWBC予選でもブラジル代表に名を連ねた。身長は196cm。

 若い頃にドミニカンサマーリーグでプレーし、ロッキーズ傘下のRookieリーグで3試合に登板。しかし早々にリリースされ、その後はブラジル国内でプレーを続けている。

フェリペ・ナテル
36歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
1989年4月18日生/出身地:ブラジル サンパウロ州タトゥイー
 沢山優介と一緒にヤマハに所属していたブラジル人投手。プレイヤーとしては2024年をもって引退し、2025年からソフトバンクの四軍投手コーチをしている。メンバーが揃わなければ本線に召集あるかも?

チアゴ・ビエイラ
33歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
1993年1月7日生/出身地:ブラジル サンパウロ州サンパウロ
WBC2013
 MLB通算53試合登板、読売ジャイアンツに所属していた速球派投手。2021年にNPB最速の166km/hの記録を打ち立てた。そこまで悪い成績ではなかったが、コントロール難のイメージがついてしまい、2年で契約を切られた。

 ブラジル代表に数少ないメジャー経験者かつ速球派投手であり、本戦はビエイラ抜きでは戦えない。しかし、2025年のスプリングトレーニング中にヒジを故障。トミー・ジョン手術を受けることとなり、ビエイラのWBC本戦出場は事実上潰えた。

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◇捕手
ガブリエル・ゴームズ
21歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手 右投右打
2004年3月31日生/出身地:ブラジル サンパウロ州アチバイア
 シンシナティ・レッズ傘下のマイナー下部に所属するブラジル人捕手。ドミニカンサマーリーグでプレーし、三振を大きく上回るフォアボールを選び、選球眼の良さが際立つ成績を残している。2026年のWBC本戦では正捕手を務めると思われる。

 なお、同じキャッチャーでブラジル人初のメジャーリーガーとなったヤン・ゴームズと同姓だが、血縁関係はない。

ガブリエル・ド・カルモ
30歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手 右投右打
1995年5月17日生/出身地:ブラジル サンパウロ州マリリア
 フランスでプレーしているブラジル人キャッチャー。マイナーリーグの経験は無いが、パンアメリカン大会などのブラジル代表経験は豊富にある。

マテウス・レリス
23歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手 右投右打
2002年6月12日生/出身地:ブラジル サンパウロ州バストス
 2023年までドミニカンサマーリーグでプレーしていたキャッチャー体型の捕手。守備はそこそこやれていたが、打撃が上向かずアメリカには行けなかった。

 
◇内野手/ユーティリティ
ボー・ビシェット (トロント・ブルージェイズ)
28歳 ※WBC開幕時点 本職:遊撃手 右投右打
1998年3月5日生/出身地:アメリカ合衆国 フロリダ州オーランド
オールスターx2
 オールスター2度選出、MVP投票でも3年連続で票を得ているメジャー屈指のショート。正遊撃手を欠くコンテンダー(例えばドジャースとか…)へのトレードの噂が絶えず取り沙汰されている。

 ファン目線では絶対にメンバー入りしてほしいスター選手だが、現実的にはすんなりとはいかない事情がある。

 前回WBC予選前には「ブラジルが本戦に出場するなら代表入りを希望する」と発言していたものの、2024年に実兄ダンテ・ビシェットJr.がSNSで、父からの深刻な虐待や家族と絶縁状態であることを告白。ビシェット家をめぐる事情が公に明かされ、複雑な背景を抱えている。

 また、ボー自身も2025年シーズン終了後にFAになる見込みで、WBCとのスケジュールやコンディションの兼ね合いも難しい。2025年5月のインタビューでは「改めてWBCに出たい」と明言したが、現時点での彼の置かれた状況を考えると、ブラジル代表として出場している姿は想像できない。

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レオナルド・レジナット (メキシカンリーグ:キンタナロー)
35歳 ※WBC開幕時点 本職:三塁手、遊撃手 右投右打
1990年4月10日生/出身地:ブラジル パラナ州クリティバ
WBC2013
 国際大会でキャプテンを務める、頼れるベテラン内野手。今回のWBC予選では全試合に出場し、13打数5安打・3二塁打・4打点とリーダーにふさわしい活躍を見せた。現在34歳であり、「これが最後のWBCになる」との思いで臨んでいたという。

 WBC第3回大会(2013年)の本選でもメンバーしており、日本戦では安打を放ち、11打数4安打を記録した。アメリカ時代にメジャー昇格は果たせなかったが、3Aまで到達した実力は今なお健在。

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伊藤ヴィットル (阪神タイガース通訳)
31歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投左打
1995年2月16日生/出身地:ブラジル サンパウロ州マリリア
 阪神タイガースで裏方仕事をしている日系ブラジル人。WBC予選では接戦のドイツ戦でショートを守り、抜ければタイムリーになる打球を好捕。本職が通訳とは思えないファインプレーを繰り出した。

ルーカス・ホジョ
31歳 ※WBC開幕時点 本職:三塁手 右投右打
1994年4月5日生/出身地:ブラジル サンパウロ州イビウーナ
WBC2013
 168cm/68kgと小柄なブラジル代表常連の日系人選手。小学生の頃から野球を始め、ヤクルトのベースボールアカデミーで育成された。

 BCリーグ・栃木やKAリーグ北九州のほか、フランスに行ったりと世界のプロリーグを渡り歩いてきた。ファミリーネームのスペルはRojo。

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フェリペ・ミズコシ
31歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投右打
1994年11月26日生/出身地:ブラジル サンパウロ州サンパウロ
 ショートが本職の守備がうまい内野手。国際大会では同じ日系人のホジョと二遊間をよく組んでいる。

オスバルド・カルバーリョ
24歳 ※WBC開幕時点 本職:遊撃手、三塁手 右投左打
2001年6月8日生/出身地:ブラジル サンパウロ州マリリア
 ブラジル国内でショートを守っている若手内野手。国際大会ではミズコシと遊撃手のスタメン争いをしている。ただ、ボー・ビシェットのWBC参戦が実現すれば、彼らは内野の別ポジションで出ないといけなくなる。

ビクトル・マスカイ(コウチーニョ)
25歳 ※WBC開幕時点 本職:一塁手 右投左打
2001年2月10日生/出身地:ブラジル サンパウロ州マリリア
 「コウチーニョ」の名前でBCリーグ・栃木に在籍した日系人内野手。アストロズ傘下のシングルAでプレー経験がある。ウリは長打力。

サロモン・コバ
29歳 ※WBC開幕時点 本職:一塁手、三塁手 右投右打
1997年3月1日生/出身地:ブラジル
 2010年代後半にアンダー世代の代表に毎年選出されていた日系人選手。内野の両コーナーを守れるが代打や指名打者での出場も多い。

 2019年には四国アイランドリーグの高知ファイティングドッグスに入団したことがある。現在は歯科医を本業にしている。

西山チアゴ (日本体育大学)
20歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投左打
2005年11月20日生/出身地:ブラジル サンパウロ州サンパウロ
 日体大に在学中の現役大学生。2025年のWBC予選が初の代表戦出場となった。ルーカス・ラミレスに次いで若い代表メンバーだったが、中国戦ではコールド勝ちが決まる12点目のホームを西山が踏み、その瞬間ブラジルの本戦進出が決まった。

ティム・ロープス
31歳 ※WBC開幕時点 本職:ユーティリティ 右投右打
1994年6月24日生/出身地:アメリカ合衆国 カリフォルニア州ロサンゼルス
 2024年に引退した元メジャーリーガー。二遊間で出場可能なユーティリティとして内外野どこでも守った。メジャーでは94試合出場も、レギュラー奪取まではいかなかった。

 2017年WBCの予選に出場経験がある。年齢的にはまだ身体は動きそうなので、メンツが足りなければ召集できるかも?

◇内野手/ユーティリティ
ルーカス・ラミレス (エンゼルス Rk)
20歳 ※WBC開幕時点 本職:左翼手 右投左打
2006年1月16日生/出身地:アメリカ合衆国 フロリダ州ウェストン
 メジャー555本塁打にオールスター12度、通算OPS.996を誇る、マニー・ラミレスの息子。母親がブラジル人のため出場資格を持ち、ブラジル代表で早くも存在感を示している。

 2024年のドラフトでエンゼルスから17巡目に指名され、現在はRookieリーグでプレーしている。

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ダンテ・ビシェットJr.
33歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
1992年9月26日生/出身地:アメリカ合衆国 フロリダ州オーランド
 メジャー通算274本塁打、オールスター4度選出の父親ダンテ・ビシェットSr.の息子であり、現役スター選手のボー・ビシェットの兄。母親がブラジル人であるため出場資格を有している。自身は2Aまで昇格し、WBC予選ではファーストを守った。金髪姿が印象的だった。

 2024年、Instagram上で父親からの深刻な虐待を告白。​少年野球時代のパフォーマンスを理由に身体的な暴力を受けた経験や、父親がコーチや審判と衝突していたエピソードを赤裸々に綴った。​また、母親からも7年前に家を追い出されたことを明かし、家族とは断絶状態にあることを述べている。

ガブリエル・マシエル
27歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投両打
1999年1月10日生/出身地:ブラジル パラナ州ロンドリナ
 走力とヒッティングツールに自信を持っているスイッチヒッター。センターがメインポジション。

ダニエル米村
34歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
1991年5月11日生/出身地:ブラジル ロンドニア州ポルト・ヴェーリョ
 北海道の独立リーグ・美唄ブラックダイヤモンズで選手兼通訳をしている日系人選手。日本人の父と日系3世の母を持ち、ブラジル国籍を有する。大学卒業までサンパウロで過ごし、オーストラリアでの武者修行を経て日本にやってきた。今回のWBC予選が国際大会初出場となった。

ヴィニシウス・ドスサントス (ジャイアンツ FRk)
18歳 ※WBC開幕時点 本職:左翼手、右翼手 右投右打
2007年6月5日生/出身地:ブラジル サンパウロ州インダイアツーバ
 昨年(2024年)16歳でインターナショナルFAで契約したティーンエイジャー。ドミニカンサマーリーグでプレーしている。

ジャン・トメ (シンシナティ・レッズスカウト)
37歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
1989年2月2日生/出身地:ブラジル サンパウロ州アチバイア
 マリナーズ傘下でプレー経験のあるベテラン外野手。2013年のWBCブラジル代表に出場している。キャリアの初めは投手で、2010年代は外野手との二刀流選手だった。2023年のパンアメリカン大会に出場しているが、この頃すでにレッズのスカウトを担当しており、フルタイムのプレイヤーは引退している。ちなみに、代表キャッチャーのガブリエル・ゴメスをプロ入りさせたのはトメだったりする。

◇参考1:過去の名選手
 アンドレ・リエンゾ
通算rWAR:-1.6
WBC2013
 ブラジル出身として初めてメジャーのマウンドに立った元先発投手。幼少期、母親の教育方針で日系コミュニティに馴染む中で野球と出会い、そこから才能を開花させた。

 スカウトの目に留まり、MLB入りを果たしたリエンゾは、ヤン・ゴームズがメジャーデビューした翌年にホワイトソックスでメジャー昇格。ゴームズの所属するインディアンス(当時)との対戦が実現し、史上初のブラジル人対決として注目を集めた。

 ヤン・ゴームズ
通算rWAR:18.5
オールスターx1 シルバースラッガーx1
 ブラジル人で初めてメジャーリーガーになった名捕手。守備力・リード面ともに高く評価され、現役時代はメジャー全体でもトップレベルに優れたキャッチャーと認識されていた。

 打撃面でも捕手のなかではかなり打てており、シルバースラッガー賞を受賞している。

Embed from Getty Images現役最終年はカブスに在籍。今永昇太とバッテリーを組んだ。

 パウロ・オーランド
通算rWAR:1.7
WBC2013
 2025年WBC予選ではコーチを務めた元メジャーリーガーの外野手。高校時代までは陸上の短距離走で活躍しており、野球でもその圧倒的な身体能力を発揮した。

 マイナーリーグ通算200盗塁を記録し、メジャー昇格後は初安打から3度続けて三塁打を放ち、メジャーでオーランドしか達成していない記録を作った。外野守備もメジャー平均以上の実力を持っていたが、選球眼が悪かったのが響き、一時期レギュラーを掴みかけたがメジャー定着には至らなかった。

 ルイス・ゴハラ
通算rWAR:-0.3
 最速102マイル(約164km/h)を誇ったブラジル出身の剛腕左腕。2017年9月にブレーブスでメジャーデビューを果たし、日系ブラジル人初のメジャーリーガーとなった。

 体重120kgを超す大柄な体格だけでなくピッチングフォームと持ち球から、C.C.サバシアのような投手へ成長することを期待された。メジャーのローテーション投手になりえる逸材だったが、肩の故障によりキャリアがストップし、気付けば表舞台から姿を消していた。

◇参考2:日本に来た助っ人外国人
佐藤滋孝 (阪急1980~82)
アンダーソン・ゴメス (SB2002~05)
玉木重雄 (広島1996~04,楽天05~06)
瀬間仲ノルベルト (中日2003~05)
ユウイチ松元、ツギオ佐藤、片山文男ほか (ヤクルト)