カイル・ライト


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Kyle Wright (フルネーム/Kyle Hardy Wright)

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1995-10-02生|193cm98kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 アラバマ州ハンツビル

ドラフト/2017年ATL1巡目(全体5位)指名

メジャーデビュー/2018-9-4
■選手紹介

ドラフト全体5位の好素材ながら脆いメンタル面が課題と言われ続けてきた本格派右腕。同じドラフト1巡目スターターのイアン・アンダーソンがポストシーズンで大活躍するのとは対照的に、メジャーになかなか定着できずにいた。しかし2022年は開幕からエース級のピッチングを続け、オールスター前に11勝をマーク。少し時間がかかったが、ドラフト時からの大きな期待に応えつつある。

アマチュア時代のライトは強豪バンダービルト大学で3年間プレーし、2017年のドラフト前には全体1位指名候補に挙げられるほど高く評価されていた。最終的に全体5位でブレーブスが指名。ブレーブスは2016年にも全体3位で大学生のイアン・アンダーソンを指名しており、2年連続でエース候補の大学生の獲得となった。

プロ入り後、2018年にメジャーデビューすると2020年にチャンスを掴みかける。同年はシーズンが進むにつれて防御率が良くなり、ライトはポストシーズンの先発投手のメンバーに入った。地区シリーズ第3戦で6回無失点・7奪三振と好投し、地区シリーズ突破に導いた。しかし次の登板はある意味転機となる。ドジャースとのリーグ優勝決定シリーズ第3戦で先発マウンドを任されるが、2アウトしか取れずに7失点を喫し、その後ブレーブス投手陣は初回に11失点。歴史的な敗戦の戦犯となったライトは当然その後は登板機会が与えられなかった。

翌2021年は本人だけでなく、ブレーブスとファンも屈辱の敗戦を引きずっているかのようだった。ライトは1年のほとんどをAAAで過ごし、2回だけあった登板機会も2試合とも5回持たずに降板。球団から見切られたまま終わるかと思われたが、最後に奇跡が起きる。ワールドシリーズまで進んだブレーブスだったが、チャーリー・モートンが打球を足に受けて骨折。先発投手が足りなくなり、シリーズ第4戦でディラン・リーがオープナーとして登板するも1回持たずに降板。あとを継いだライトは初回のピンチを乗り切ると5回まで1失点と好投。その後逆転勝ちを収め、ブレーブスのワールドチャンピンへの大きな1戦となった。

2022年は開幕から先発ローテに食い込むと、前年の勢いそのままに好投を披露。以前はマウンド上で感情が顔に出すぎ、それがピッチングにも伝染してしまっていたが、もはや精神面の脆さは消え去ったようなマウンドでの振る舞いを続けている。ライトはオールスター前に11勝を挙げ、ブレーブスでは11年のジェア・ジャージェンス以来11年ぶりとなる快投を披露した。

2010年代のブレーブスには何年か暗黒期があったが、ドラフトでエースになれる人材をしっかり指名し、20年代に入って質の高い先発投手陣を築きつつある。一時はドラフト指名された時がピークなどと言われたこともあったライトが、その先発陣のエースに成り上がれるかは弱点だったメンタルが完全に克服できているか次第だろう。

寄稿日:2022-07-24 最終更新日:2022-07-24
オールスター:なし

主な表彰:なし

タイトル:なし

▼11三振を奪いゲームを支配するカイル・ライト

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2018 ATL  4 0 0 0  4.50  6.0  4  3  2  6 0  5 1.67 0.83

2019 ATL  7 0 3 0  8.69 19.2 24 19  4 13 1 18 1.88 1.38

2020 ATL  8 2 4 0  5.21 38.0 35 22  7 24 0 30 1.55 1.25

2021 ATL  2 0 1 0  9.95  6.1  7  7  2  5 4  6 1.89 1.20