コーリー・クルーバー


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Corey Kluber (フルネーム/Corey Scott Kluber)

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1986-04-10生|193cm98kg|先発 右投右打

出身地/アメリカ合衆国 アラバマ州バーミンガム

ドラフト/2007年SD4巡目(全体134位)指名

メジャーデビュー/2011-9-1
■選手紹介

輝かしい実績を誇る元サイ・ヤング賞投手。2014・17年の2度のサイ・ヤング賞に加え、最多勝、最優秀防御率に輝いた経験がある。メジャーに定着した2013年には"最もエグい変化球を投げる投手"と言われた。インディアンス時代のような150km/h超えのシンカーは投げられなくなったが、それでも多彩な球種と抜群の制球力でスターターとして価値を保ち続けている。アラバマ州で生まれてテキサス州の高校に通ったが、妻の実家のあるマサチューセッツ州に住んでいる。

球種が多く、カットボール・スライダーに近いカーブ・シンカーをそれぞれ3割ぐらい、残りの1割をチェンジアップの配分で投げている。インディアンス時代に比べてフォーシームをあまり投げなくなった。全盛期はシンカーの平均球速が93~94マイル出ていたが、2度目のサイ・ヤング賞を受賞した2017年以降低下し続け、2022年現在は平均90マイル(145km/h)を下回っている。

プロ入り前のクルーバーは高校時代、テキサス州ダラス近郊のコッペル高校でプレーしていたが、右ヒジを骨折したためドラフトに掛からなかった。高校時代にコーチから誘われていたステッソン大学ではジュニア(3年生)で圧巻の成績を残し、サンディエゴ・パドレスからドラフト4巡目指名を受けて入団した。

2010年にセントルイス・カージナルスを巻き込んだ三角トレードでインディアンスに移籍する。ちなみにこのトレードはパドレスの1人負けのような結果となっている。当時のクルーバーはまだAAで目立った成績を残しておらず、有望株ランクでチーム20位にすら入っていなかった。インディアンス傘下のAAAコロンバスでルーベン・ニーブラ投手コーチの指導でツーシームを取得するとここから急成長を遂げる。(奇しくもニーブラは2021年からパドレスの投手コーチに就任する。)

2013年に先発ローテーションに定着し11勝5敗。当時、最もエグい変化球を投げる投手と呼ばれるようになると、翌2014年に大ブレイク。18勝9敗(最多勝)・防御率2.44・269奪三振の好成績で初のサイ・ヤング賞を受賞。2015年は9勝16敗だったが内容は悪くなく、4度完投勝利を挙げていてFIPも2点台の内容でサイ・ヤング賞投票で票が入っている。ようやくオールスターに初選出された2016年はサイ・ヤング賞投票で3位、2017年に18勝4敗・防御率2.25で2度目のサイ・ヤング賞を受賞、最多勝と最優秀防御率の2冠に輝いた。2018年にはシーズン20勝(9敗)でサイ・ヤング賞投票3位とエースとして好結果を残し続けた。

2019年はこの頃から球速低下が目立つようになった。シーズン序盤からピリッとしない投球が続き、7試合目の登板で打球を右ヒジに受けてしまい骨折。その後マイナーでの復帰登板中に腹筋などを痛め、メジャーでは登板できず。チームがクルーバーの1,700万ドルのクラブオプションを行使した後、エマニュエル・クラッセとの交換トレードでテキサス・レンジャースへ移籍が決まった。骨折した試合がインディアンスでの最後の登板となった。レンジャースでは大円筋の断裂により1イニングしか登板できなかった。

再起をかけて2021年にニューヨーク・ヤンキースと1年契約。自身初のノーヒッターを達成したが、シーズンの半分を故障離脱する評価の難しいシーズンとなった。故障リスクの高い投手のイメージが付いてしまっており、レイズ入りした2022年は年俸800万ドル+先発30試合登板で500万ドルもの出来高の契約を結んでいる。2018年までのインディアンスでのパフォーマンスは望めないだろうが、久々にフルシーズン先発ローテで投げるクルーバーを見てみたいものだ。

寄稿日:2022-05-11 最終更新日:2022-05-11
オールスター:3回(16,17,18)

主な表彰:サイ・ヤング賞2回(14,17)

タイトル:最多勝2回(14,17), 最優秀防御率1回(17)

▼1試合18奪三振と圧巻のピッチングのクルーバー

▼ノーヒッターを達成したクルーバー

▼試合中にインタビューを受ける冷静なクルーバー

▼レギュラーシーズン個人成績

年  チーム 試 勝 敗 セ 防御率 イニング 安 責 本 四 死 三振 WHIP K/BB

2011 CLE  3 0 0 0  8.31  4.1  6  4  0  3 2  5 2.08 1.67

2012 CLE 12 2 5 0  5.14 63.0 76 36  9 18 4 54 1.49 3.00

2013 CLE 26 11 5 0  3.85 147.1 153 63 15 33 5 136 1.26 4.12

2014 CLE 34 18 9 0  2.44 235.2 207 64 14 51 6 269 1.09 5.27

2015 CLE 32 9 16 0  3.49 222.0 189 86 22 45 11 245 1.05 5.44

2016 CLE 32 18 9 0  3.14 215.0 170 75 22 57 7 227 1.06 3.98

2017 CLE 29 18 4 0  2.25 203.2 141 51 21 36 5 265 0.87 7.36

2018 CLE 33 20 7 0  2.89 215.0 179 69 25 34 3 222 0.99 6.53

2019 CLE  7 2 3 0  5.80 35.2 44 23  4 15 3 38 1.65 2.53

2020 TEX  1 0 0 0  0.00  1.0  0  0  0  1 0  1 1.00 1.00

2021 NYY 16 5 3 0  3.83 80.0 74 34  8 33 5 82 1.34 2.48