WBC2026 チェコ代表予想 選手名鑑


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最終更新日:2025/7/13

【寸評】「チェコって野球やるの?」前回大会では恐らく多くのファンはまったく知らない存在だったチェコ代表。しかし、大方の予想を覆して1勝を挙げ、自動的に2026年大会の本戦出場権を獲得した。当時、試合が始まるまでは“ミステリーチーム”として見られていたが、基本に忠実で守備力が高く、そのスタイルは意外にも日本野球に近いものがあった。

 国内には「エクストラリーガ」と呼ばれる独自のプロリーグがあり、前回大会では代表選手の多くがこのリーグの所属選手だった。2026年もエクストラリーガを中心に編成される見通しだが、さらなる上積みも期待されている。通算200本塁打超の実績を持つランダール・グリチック、カブス傘下で活躍するレット・クーバ、さらにチェコに帰化したライアン・ジョンソンら“外部の力”も加わる可能性があるからだ。

 同組には格上チームが並ぶが、前回以上に楽しみな布陣となるかもしれない。

▼目次 – チェコ代表選手一覧
【先発】
【リリーバー】
【二刀流】
【捕手】
【内野手/ユーティリティ】
【外野手】
【監督/主なコーチ/GM】


◇先発
フィリップ・チャプカ
27歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 右投右打
1998年11月4日生/出身地:チェコ ブルーノ
WBC2023
 140km前後のストレートにチェンジアップと複数のブレーキングボールを織り交ぜる。技巧派といえるスタイルで、変化球の割合が多い。WBCでは日本戦に登板したが、アウトを取れずに降板と苦い経験も。

 2023年にホーフトクラッセ(オランダ国内リーグ)で好成績を残したのち、2024年から母国リーグに復帰。復調が期待される。

トマシュ・ドゥフェク
36歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 左投右打
1989年9月12日生/出身地:チェコ プラハ
WBC2023
 ロー・スリークォーターのアングルで投げる左腕投手。ファストボールの130km/h未満ながら複数の変化球とあわせて打ち取る。2023年WBCでは日本戦で救援登板し2回無失点と好投した。

 意識してやっているのか、リリースポイントを不規則に変えて投げるスタイル。左バッター相手に適任。

ルカシュ・エルコリ
29歳 ※WBC開幕時点 本職:投手 左投右打
1996年4月17日生/出身地:チェコ ラウドニツェ
WBC2023
 チェコ野球協会の広報を務める傍ら、WBCでは韓国戦に先発登板。ある意味チェコらしい経歴を持っている左腕投手。

 130km/h台中頃のファストボールに多彩な変化球を持つ技巧派だが、近年は不調に悩んでいた。とはいえ、2024年夏以降に復調の兆しも見られており、再び代表の一角としての活躍を期待したい。

 見ていて気になったが、彼のグラブは全部の紐がビロビロのまま使用されていたこと。自分も大学時代にグラブの紐をあえて結ばずビロビロさせていて、それがカッコいいと思ってやっていた口なので、ある種の親近感を覚えた。

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マレク・ミナリク
32歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 右投右打
1993年6月28日生/出身地:チェコ ロウニー
WBC2023
 前回WBCでは中国戦の9回を締めくくり、代表の初勝利に貢献した右腕投手。2011~15年にフィリーズのマイナー下部でプレーしていた経歴を持つ。現在は不動産会社に勤務しているとされている。

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ヤン・ノバーク
32歳 ※WBC開幕時点 本職:投手 左投右打
1994年1月19日生/出身地:チェコ プラハ
WBC2023
 2014年から2015年にかけてオリオールズ傘下のルーキーリーグで登板経験あり。国内リーグでの安定した実績を背景に、経験豊富な先発候補として名を連ねている。

ダニエル・パディサーク
25歳 ※WBC開幕時点 本職:投手 右投右打
2000年7月2日生/出身地:チェコ プラハ
WBC2023
 チェコ投手陣ではNo.1と称される速球派で、好調時は150km/h台中盤を投げられる。2023年WBC中国戦では先発し4回無失点の好投した。

 アメリカの大学野球でも活躍し、NCAA1部で好成績を残していた。現在は故障により日本・新潟アルビレックスを退団したが、回復すれば再び代表ローテーションの柱となる可能性が高い。

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オンドレイ・サトリア
29歳 ※WBC開幕時点 本職:投手 右投右打
1997年2月26日生/出身地:チェコ オストラバ
WBC2023
 前回WBCで格上日本相手に善戦した軟投派投手。立ち上がりにヌートバー・近藤・大谷を打ち取ったのは圧巻だった。普段はチェコ電力に勤務する電気技師で、まさにリアル二刀流であることも話題になった。

 ファストボールは130km台に届かず、チェンジアップはさらに遅い110km台。代表では長年エース格として君臨しており、エクストラリーガでは年間14勝を挙げたこともある。

ジェイク・ラビノビッツ
38歳 ※WBC開幕時点 本職:投手 右投右打
1987年10月29日生/出身地:アメリカ合衆国 ニューヨーク
WBC2023
 長らく二刀流でプレーしていた大ベテラン選手。出身はニューヨーク、チェコ代表では珍しいアフリカ系の血を引いている。チェコ女子代表の監督経験もある。

 前回WBCでは日本戦で無死満塁の場面から登板。1人生還を許したものの被安打ゼロ・自責点ゼロと結果を残した。

ダビド・クレチェック
19歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2006年10月27日生/出身地:チェコ プラハ
 エクストラリーガで18歳にして防御率0.62を記録した新星。キレのあるファストボールに加え、チェコ代表投手では希少なカットボールを武器にしている。アメリカでプレーしてほしい選手。

ミハエル・セナイ (フロリダ大学)
19歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2006年7月24日生/出身地:アメリカ合衆国
 強豪のフロリダ大学でプレーしているチェコ系アメリカ人右腕。140km/h台中盤のファストボールとスライダーを投げるが、球速以上にキレを感じる。

 2023年にWBCでのチェコ代表の躍進を見て、アメリカを拠点にしていながらチェコ代表としてプレーしたいと自ら売り込んだ。異例の形でアンダー世代のチェコ代表に選ばれると、そのまま2024年秋にA代表に抜擢。侍ジャパンとの強化試合では、4回を無失点に抑える好投を披露した。

 大学でも着実に成長を続けており、次のWBCでは先発起用もありうる。要注目。

オンドレイ・バンク
20歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
2005年4月25日生/出身地:チェコ プラハ
 2005年生まれのプロスペクト右腕。2023年U-18W杯に出場したほか、エクストラリーガでも若くして頭角を現した。

 ファストボールとナックルカーブを軸に高い奪三振率を誇る一方、コントロールには課題も。次回WBCで選ばれればリリーフ起用されそう。

ボリス・ベチェルカ
22歳 ※WBC開幕時点 本職:投手 右投右打
2003年8月22日生/出身地:チェコ ブルーノ
 兄のビクター・ベチェルカは2019年にロイヤルズと契約こそしたものの、コロナ禍の影響で渡米できずに夢を諦めた。

 弟のボリスはエクストラリーガで投手としてプレーしており、成績は振るわなかったが、最速150km/hの速球とキレのあるチェンジアップ、スライダーを武器に複数のメジャー球団から注目された。

 最終的にDバックスとマイナー契約を結び、「100マイルも可能なダイヤの原石」と高評価を受けた(ダイヤモンドバックスだけに…)。2023年WBC終了後に1Aへ配属されたものの公式戦登板はなく、翌2024年にトミー・ジョン手術を受けて退団した。

 しかしリハビリは順調で、球威もかなり回復しているそう。次回WBCでの代表復帰も視野に入る。

レット・クーバ (アストロズ傘下AAA)
26歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投右打
1999年9月3日生/出身地:アメリカ合衆国 オクラホマ州ウッドワード
 アストロズ傘下3Aに所属するアメリカ人右腕。2023年にはダブルA(コーパスクリスティ・フックス)で年間最優秀投手に選出されるなど、将来性ある好投手と評価されている。チェンジアップを武器にしている。

 WBCチェコ代表がクーバの招集を検討していると噂されているが、チェコ系ルーツの詳細は不明。名前の印象からチェコとのつながりは高そうだが、両親の出身地など信頼できる情報は見当たらない。正式な代表入りの可否は今後の情報待ちとなる。

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ヤン・バショウレク
34歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、リリーフ 右投右打
1991年10月31日生/出身地:チェコ プラハ
 2メートル近い長身からちょっと緩めのテンポで投げるベテラン右腕。スライダーを武器にしている。

 2008年にレッズとマイナー契約した経験を持ち、現在は国内強豪ドラツィ・ブルノの柱として活躍中。

トマシュ・オンドラ
29歳 ※WBC開幕時点 本職:先発 右投左打
1996年3月20日生/出身地:チェコ
 優れたコントロールを持ち、エクストラリーガで防御率2点台を維持し続ける右腕投手。2023年のWBCには選ばれなかったが、その年の欧州選手権では先発の柱を担い、プラハ・ベースボール・ウィークではMVPに輝くなど実績十分。

その他の選手 ルーカシュ・パチャル、ダビド・メルガンス、ヤン・コゼル

◇リリーバー
ヤン・トメク
34歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
1992年1月29日生/出身地:チェコ フリーデク=ミーステク
WBC2023
 変化球の持ち球が多いベテラン投手。ドイツ・ブンデスリーガで長年プレーし、2024年に母国チェコへ復帰した。

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フィリップ・コルマン
20歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ、先発 右投右打
2005年6月22日生/出身地:チェコ
 太い眉毛が印象的な2005年生まれの若手右腕。アンダー世代の代表経験あり。球速のわりにフォアボールが少なく、成長が楽しみな存在。

ルカシュ・フロウフ
25歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投右打
2000年12月12日生/出身地:チェコ トシェビーチ
WBC2023
 前回WBCでは日本戦の2番手で登板した長身投手。チェコ代表の中では速球派といえるピッチングスタイル。

ミハル・コバラ (ジョージア工科大学)
22歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 右投左打
2003年12月28日生/出身地:チェコ オストラバ
WBC2023
 まだ大学生ながらハジム監督からの信頼が厚いリリーフ右腕。前回WBC本戦では中国相手に一時逆転を許す悔しい内容だった。

 ファストボールに頼るピッチングスタイルなので、球速がどれほどアップするかが野球人生を左右しそう。

トマシュ・フルベク
24歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ 左投左打
2002年1月27日生/出身地:チェコ
 コルマンと同じく球速のわりに制球力が良いリリーバーだが、こちらはサウスポー。未来のチェコ代表のセットアップマンになってほしい。

その他の選手 ジェフ・バルト
◇二刀流
マルティン・シュナイダー
40歳 ※WBC開幕時点 本職:投手、遊撃手 右投右打
1986年3月4日生/出身地:チェコ オロモウツ
WBC2023
 チェコ代表を長年支えてきたベテラン二刀流選手。2023年WBCでは真っ先に代表入りが発表され、先発や遊撃手として活躍した。

 20代後半の頃、ミネソタ・ツインズと契約寸前まで進んだことがある。普段は消防士として働いており、時間が限られるなか投打にフル回転してきた。

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ライアン・ジョンソン
33歳 ※WBC開幕時点 本職:先発、一塁手 左投左打
1992年9月29日生/出身地:カナダ マニトバ州ウィニペグ
 2021年からエクストラリーガでプレーする、カナダ出身の二刀流選手。大柄な体格だけに頼らないプレイスタイルで、毎年リーグで投打ともに好成績を残している。

 2025年、ついにチェコ国籍を取得。WBC代表選出が大いに期待されている。

マチャシュ・トルチカ
20歳 ※WBC開幕時点 本職:リリーフ、捕手、内野手 右投右打
2005年11月8日生/出身地:チェコ
 まだ若く今後の成長が期待される二刀流選手。2021年にエクストラリーガデビューし、リリーバーのほか捕手や三塁手としても出場する。

◇捕手
マルティン・チェルベンカ
33歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手、内野手 右投右打
1992年8月3日生/出身地:チェコ プラハ
WBC2023
 チェコ代表の“顔”のような存在。WBC代表のハジム監督からも絶大な信頼を置かれている。

 16歳でクリーブランド・インディアンスと契約し、3Aまで到達。チェコ生まれの選手としては最もMLBに近づいた。しかも高校卒業後に単身渡米してからマイナーで10年以上プレーしながら、チェコの大学で工学の学位も取得したという文武両道の人格者でもある。

 2023年WBCでは4番捕手として日本戦でも躍動し、2024年の侍ジャパンとの強化試合でも再び4番に座った。次のWBCでもまだ30代前半、変わらずチームを引っ張って行く。

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ダニエル・バブルシャ
34歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手 右投右打
1991年7月9日生/出身地:チェコ プラハ
WBC2023
 ニューヨーク・ヤンキースがヨーロッパの選手をマイナー契約したのは、バブルシャが初めてだった。エクストラリーガ屈指の強打を誇り、WBCや欧州選抜でも中軸を任されてきた。守備では肩が強く、本職のキャッチャー以外に三塁や外野に就くこともある。

 父親のトマシュ・バブルシャはチェコ野球の殿堂入りしている元大物選手。現在は親子で野球用品店を経営し、一緒に国内野球の普及に力を注いでいる。

ベンジャミン・モーガン
20歳 ※WBC開幕時点 本職:二塁手 右投右打
2005年12月11日生/出身地:
 二遊間とキャッチャーを守る、若き変則ユーティリティプレイヤー。俊足と堅実な守備、そしてバッティングでは優れた選球眼を持ち合わせている。

 スタメンでなくても代走や守備固めにも適しており、WBC代表では貴重な戦力となっている可能性あり。

マルティン・ゼレンカ (ノースカロライナ大学ウィルミントン校)
25歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手、一塁手、三塁手 右投右打
2000年12月20日生/出身地:
 アメリカのカレッジベースボールで主力として活躍する有望な大学生。知名度はまだないがスカウト間の評価は高く、ひょっとするとドラフト指名の可能性もある逸材だ。

 打撃面はヒッティングツールに課題があるが、四球を選ぶ能力と一発のあるパワーは大きな魅力。守備はキャッチャーをやりつつ一塁や三塁もを守る、パワーヒッターによくあるタイプといえる。

マトウシュ・ブベニーク
20歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手 右投右打
2005年10月28日生/出身地:チェコ
 18歳にしてA代表に選出された経験を持つ、イケメンの若手捕手。速いスイングスピードが持ち味で、長打力に自信を持っている。

シモン・ドラペラ
23歳 ※WBC開幕時点 本職:捕手 右投右打
2002年5月30日生/出身地:チェコ
 打撃より守備の評価が高い、若手の守備型キャッチャー。外野両翼も守れる。

 代表入りの実力はあるが、ほかの代表入り候補のキャッチャーより長打力に乏しい点がマイナス評価か。


◇内野手/ユーティリティ
エリック・ソガード
39歳 ※WBC開幕時点 本職:二塁手 右投左打
1986年5月22日生/出身地:アメリカ合衆国 アリゾナ州フェニックス
WBC2023
 アスレチックスなどでレギュラーを数シーズン務めた元メジャーリーガー。内野守備と小技がうまい小兵選手の代表格だったが、1シーズンだけ2ケタホームランを放ったことも。トレードマークのメガネが話題を呼び、「Nerd Power(オタクの力)」という愛称で高い人気を誇った。

 母親はプラハ近郊の出身で、”プラハの春”後の旧ソ連による軍事侵攻から逃れるためアメリカへ移住。その後エリックが誕生し、彼はのちにチェコ市民権を取得した。

 2023年のWBCでは代表に合流し、ベテランとしてチームを支えた。代表入りに際して希望した背番号「9」は、中心選手だったジーマから快く譲られたという美談もある。

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テリン・バブラ (オリオールズ傘下AAA)
28歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投左打
1997年5月12日生/出身地:アメリカ合衆国 ウィスコンシン州メノモニー
 オリオールズでメジャーデビューを果たし、2023〜24年にかけて通算67試合に出場した元メジャーリーガー。2026年WBCに向けて、パベル・ハジム監督ら首脳陣から代表入りを打診されていることが報じられている。

 ただし、Vavra(バブラ)は確かにチェコ語圏に多い姓だが、本人の出自に関する情報は公開されておらず、代表資格があるかどうかは今のところ不明。

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ウィリー・エスカラ (米独立リーグ ミルウォーキー)
27歳 ※WBC開幕時点 本職:二塁手、遊撃手 右投両打
1998年12月11日生/出身地:アメリカ合衆国 フロリダ州マイアミ
WBC2023
 佐々木朗希からデッドボールを受けてお菓子をもらい、一躍有名になった選手。二塁手がメインポジションだが、前回WBCでは主力のドゥボビーが故障離脱したため、エスカラが外野に回って穴を埋めた。

 生まれはフロリダ。チェコ人の母とキューバ人の父を持つアメリカ人だったが、WBC後にチェコ国籍を取得。次回大会ではチェコ人として国を背負うことになる。

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ボイテフ・メンシーク
27歳 ※WBC開幕時点 本職:遊撃手 右投右打
1998年5月24日生/出身地:チェコ ブルーノ
WBC2023
 強豪ノースカロライナ州立大学でレギュラーとして大活躍し、カレッジワールドシリーズにも出場した元有望株。ドラフトにはかからなかったが、エンゼルス傘下で1年だけプレーした。

 2023年WBCでは全試合1番・ショートで出場。佐々木朗希の100マイルのファストボールにも対応できる高い打撃技術を見せた。兄のマチェイ・メンシークは外野を守っている。

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フィリップ・スモラ
28歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投左打
1997年10月4日生/出身地:チェコ プラハ
WBC2023
 アメリカのチャールストン大学で学業・野球の両面で優秀な成績を収めた、まさに文武両道の内野手。卒業後はチェコに戻り、エクストラリーガで活躍している。

 本職はショートで、前回WBCではサードに回った。チェコ代表が予選突破から本戦プール4位という快進撃を見せた背景には、彼とメンシーク兄によるハイレベルな三遊間コンビの存在があった。

ミラン・プロコップ
23歳 ※WBC開幕時点 本職:遊撃手、三塁手 右投右打
2003年2月12日生/出身地:チェコ ブルーノ
WBC2023
 BCリーグ(独立リーグ)の神奈川フューチャードリームスでもプレー経験のある若きスラッガー。大柄なパワーヒッタータイプでありながら三遊間をメインに守り、走力もある。

 昨年のスイス代表戦で先発登板したトレバー・バウアーから二塁打を放ち、アピールに成功。将来のチェコ打線の中心打者になるかも。

ペテル・ジーマ
36歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投右打
1989年7月28日生/出身地:チェコ プラハ
WBC2023
 2022年のWBC予選でキャプテンを務めた精神的支柱。16歳からハジム監督の下でプレーしており、一度は引退を表明するも監督の説得で復帰し、チェコ代表の躍進に貢献した。

 メジャー経験者でチェコ人ではないソガードの代表入りが決まった際、長年つけてきた背番号9を譲って自身は「99」に変える漢気をみせた。次回大会では30代後半になっているが、なんらかの形で帯同してほしい存在。

ヤクブ・クビツァ
27歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投左打
1998年3月13日生/出身地:チェコ オストラバ
WBC2023
 俊足と内野守備の評価が高く、出塁能力も兼ね備える内野手。メインは遊撃手だが内野4ポジションすべてを平均以上にこなせる。前回大会のようにスタメンにはなれなくても、彼が控えにいるのは心強い。

 WBC日本戦の先発投手サトリアが電力会社勤務という経歴が話題になったが、クビツァも同じチェコ電力で働いている。

ヤクブ・ハイトマル
38歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投右打
1987年6月14日生/出身地:チェコ ブルーノ
WBC2023
 15年以上前にRookieリーグで1年だけプレーしていた。

トミー・バレロ (ルイス&クラーク大学)
※WBC開幕時点 本職:三塁手 ?
?/出身地:
 次のWBCチェコ代表に勧誘されていると噂があるチェコ系カナダ人。クラブチームのオンタリオ・ブルージェイズで頭角を現し、アメリカの大学に在学中。主にサードを守っている。

 大学のウェブサイトによると、母親が学生時代にトロント大学のテニス選手だったらしいので、きっと父親がチェコスロバキア系なのだろう。

その他の選手 シモン・ブラジェク

◇外野手
ランダール・グリチック (アリゾナ・Dバックス)
34歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
1991年8月13日生/出身地:アメリカ合衆国 テキサス州ローゼンバーグ
 2025年3月、ハジム監督が「次回WBCで通算200本塁打のメジャーリーガーが加わる可能性がある」とコメント。個人名こそ伏せられていたが、2024年終了時点で通算203本塁打を放っていたグリチックが該当すると見られており、ファンの間では“事実上の発表”として受け止められた。

 実際、ブルージェイズ時代の球団公式インタビューの動画の中で、「(ウクライナ人ですか?との質問に)チェコスロバキア系とロシア系の血を引いている」と本人が答えており、出自に裏付けがある。

 キャリアは終盤に差し掛かっているが、今シーズンも準レギュラーのような立ち位置で出場しており、代表入りすれば大きな戦力になるのは間違いない。ファン目線でもWBCで見れたら嬉しい。

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マレク・フルプ (読売ジャイアンツ)
27歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
1999年1月9日生/出身地:チェコ トゥルノフ
WBC2023
 2024年途中に読売ジャイアンツに育成選手として入団し、2025年夏に支配下登録を勝ち取ったパワーヒッター。俊足・強肩の持ち主でセンターも守れる外野手であり、走攻守すべてに光るものを持つ。

 6歳から野球を始め、高校卒業後はアメリカに野球留学。ノースカロライナ州立大ではメンシーク弟とルームメイトになり、チームの主力として活躍した。

 大学生としては年齢が高かったせいでドラフトにはかからず、卒業後は北米独立リーグでプレー。2023年WBCで佐々木朗希から二塁打を放った場面が、彼のキャリアにおける大きな転機となった。

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ミハル・シンデルカ
20歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
2005年11月4日生/出身地:チェコ ブルーノ
 フルプがNPBで支配下登録を勝ち取った今、次に主要プロリーグでの活躍が期待されているのがこのシンデルカ。2024年は10代でありながらエクストラリーガでOPS1.000近くを記録し、プレーオフではホームランを放った。年齢を超えた打撃力で注目を集め、2025年には渡米してMLBドラフトリーグに参加した。

 次回WBCでは、チェコ打線の中心選手として打棒を振るうと期待。

アルノシュト・ドゥボビー
33歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
1992年4月1日生/出身地:チェコ ブルーノ
WBC2023
 高校教師として働きながらプレーするベテラン外野手。俊足とそれを生かした守備力がストロングポイント。

 2022年のWBC予選で主力として貢献。翌年の本戦ではスタメン最有力と思われたが、直前に骨折してしまい出場できなかった。

マルティン・ムジーク
29歳 ※WBC開幕時点 本職:一塁手、外野手、捕手 右投右打
1996年4月23日生/出身地:チェコ チェスケー・ブジェヨヴィツェ
WBC2023
 2023年WBCでは主に一塁を守ったが、本職の外野のほかに捕手もこなすスラッガー。中国戦で9回に逆転スリーランを放ち、劇的勝利の立役者となった。2022年のWBC予選でも本塁打を放っており、チェコ躍進に大きく貢献している。

 パワーヒッティングだけでなく走力もあり、攻守にわたってハイレベルなプレーを見せる。

 2024年春には千葉ロッテマリーンズの招待で来日した。普段はチームのユース世代のコーチとしても活動している。

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マテイ・メンシーク
33歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
1992年5月11日生/出身地:チェコ ブルーノ
WBC2023
 強打がウリの外野手。引っ張り一辺倒ではなく、それなりに広角に飛ばす能力がある。

 内野のボイテフ・メンシークの兄であり、前回のWBCでは兄弟で代表入り。1番・ショートの弟がチェコではWBC初の打席に立ち、兄マテイはチーム初ホームランを放ち、ともにチェコ球史に名を刻んだ。

マレク・クレイチリク
24歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手、二塁手 右投左打
2001年6月27日生/出身地:チェコ ブルーノ
WBC2023
 セカンドと外野をソツなくこなすユーティリティプレイヤー。俊足と守備力のほか打席での我慢強さも持ち合わせており、チェコ人らしい堅実なプレイスタイルをしている。

ヤン・ポスピーシル (ピット・コミュニティ・カレッジ)
22歳 ※WBC開幕時点 本職:内野手 右投左打
2003年10月21日生/出身地:チェコ
 高い身体能力を誇る外野手のホープ。2023年にブルーノのシーズン最多安打記録(58本)を塗り替える好成績を残すと、アメリカに渡ってNJCAA(全米大学体育協会2部)の大学で活躍した。

 ジュニア世代ではすでに代表経験があり、次回WBC選出も充分あり得る。

マルティン・カラーベク
29歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投左打
1997年2月27日生/出身地:チェコ ブルーノ
 2016~17年にコロンビア大学ミズーリ校でプレーした中堅外野手。エクストラリーガではドラツィ・ブルノの古参選手として活躍している。

ライアン・チェルマーク (レイズ傘下A+)
24歳 ※WBC開幕時点 本職:外野手 右投右打
2001年6月2日生/出身地:アメリカ合衆国 イリノイ州ヒンズデール
 次のWBCで代表入りの噂が立ったチェコ系アメリカ人。パワーヒッティングが魅力で、ポジションはライトとセンターを守る。

 Rookieリーグは卒業したが、2025年7月現在の階級はシングルA+。リーグ平均より2歳年を食っており、そろそろ結果を残さないとリリースされそう。

その他の選手 ヤクブ・グレプル、シモン・クラツル
◇監督/主なコーチ/GM
監督 パベル・ハジム
通算rWAR:-
 チェコの名門ドラチ・ブルノで活躍した元二刀流選手(外野・リリーフ)。リーグ10連覇を支え、通算OPSは.900超の強打者としても知られる。

 代表監督としてのキャリアは2010年から始まり、年代別代表を経て2023年WBCでチェコ代表を率いた。地元リーグと代表チーム双方をよく知る、まさにチェコ野球の顔ともいえる人物。なお、本業は神経内科医をやっている。