◆ホゼ・ピレラ (三星ライオンズ)
Embed from Getty Images ピレラは2020年に広島カープに所属していた二塁手兼外野手です。ホームランバッターではありませんが広角に長打を打つ能力があります。明るく真面目な人格者で、カープを退団後、帰国する日にカープの主力選手たちが空港まで見送りに来たエピソードがあります。
今季は打率.284・28本塁打・95打点・OPS.847を記録し、バッティングは今でもAAA卒業レベルにあることを示しました。2022年は三星ライオンズから契約延長を勝ち取りましたが、次も好成績を残せば再来年は春季キャンプ招待選手か日本球界復帰を果たしているのではないでしょうか?
◆アリエル・ミランダ (斗山ベアーズ)
Embed from Getty Imagesミランダはソフトバンクで投げていたこともあるキューバ出身の先発投手です。2021年に斗山ベアーズと契約を交わし、シーズンではエース級のピッチングを披露しました。最優秀防御率と最多奪三振の二冠に輝き、元ヤクルトのデービッド・ブキャナンと最多勝争いを繰り広げる大活躍。特に225奪三振は37年ぶりにKBO歴代最多を更新する好成績となりました。
メジャーで最後に投げたのは2017年。マリナーズでローテーション投手でしたが、ア・リーグワースト2位の37ホーマーを被弾。球威不足を嫌われて大リーグを追われています。今回の大活躍によって、メジャーは無理でも日本の球団から声がかかるはずです。
ちなみに、韓国に来る前年はCPBL(台湾プロ野球)でプレーしたため3大アジアプロ野球を制覇したことになりますが、これはキューバ人では初めての快挙(?)です。
◆オドリサマー・デスパイネ (KTウィズ)
Embed from Getty Images デスパイネはメジャーで6年プレー経験があるベテラン右腕です。ソフトバンクのあのデスパイネと同じキューバ出身ですが血縁関係はありません。メジャー1年目の2014年はパドレスで16先発して防御率3.36と健闘しましたが、それ以降は成績を落とし、メジャーに定着することができませんでした。2020年から韓国でプレーする道を選び、KTウィズと契約を結びました。今季はエース格としてリーグ最多の33先発・188.2/3イニングを投げ、チーム創成以来初めてのチャンピオンに貢献しました。ちょっとだけ顔がデービッド・オルティスに似ています。
コントロールは悪くなく球種も豊富ですが空振りが取れる球種がなく、粘られるとフォアボールを出す傾向にあります。そのためメジャーで重要視されるK/BB(奪三振÷与四球)が低くなりがちで、今後のMLB復帰の障壁になっています。ただ、NPBに来れば140km/h前半のシンカーと110~125km/hの多彩な変化球で打者を翻弄できるのではないでしょうか?
なお、ヒザを高く上げる投げ方はキューバの至宝オーランド・ヘルナンデスを意識している、とデッドボーラーは勝手に解釈しています。。
◆ウィルマー・フォント (SSGランダース)
フォントはベネズエラ出身の先発・リリーフどちらもこなす右投げ投手です。まだ31歳ですが2006年にプロ入りしています。2012年にメジャーデビューしたあとは色々渡り歩いていて、独立リーグに在籍したこともあります。
昨年オフにSKワイバーンズ(現SSGランダース)入りを決めたフォントは、25試合すべて先発登板し8勝5敗・防御率3.46を記録。145回2/3に対して157奪三振、45与四球に抑えました。5回持たずに降板したのは2試合しかなく、1度だけ5点を取られた試合があるだけでそれ以外は4失点以内に抑えました。球数も1試合平均100球以上を投げ、フォントの安定したピッチングは主力の先発投手が相次いで故障離脱したSSGを救いました。
今でも150km/h以上のファストボールを投げていますので、まだまだ一線級でプレーできる力はあるはずです。
◆ニック・キンガム (ハンファ・イーグルス)
Embed from Getty Images キンガムはかつてピッツバーグ・パイレーツで将来の先発ローテ候補として期待されていた投手でした。メジャー公式の有望株ランキング100位以内にランクされたことがあるほどで、2018年のデビュー戦は7回途中までノーヒットピッチングの素晴らしい内容で初先発初勝利を挙げましたが、良かったのは最初だけ。同年の成績は18試合(先発15試合)・5勝7敗・防御率5.21に終わり、翌年シーズン中に解雇されると2020年から韓国SKワイバーンズでプレーすることになりました。
SKではヒジの故障で2試合しか登板できず解雇されましたが、ハンファ・イーグルスと契約を結び直した2021年はケガが癒えて10勝を挙げました。かつての期待値を考えるとKBOでは勿体ない投手ですので、圧倒的な成績を残してメジャー復帰を目指してほしいところです。
◆マイク・モンゴメリー (元 三星ライオンズ)
Embed from Getty Imagesモンゴメリーは2015年のロイヤルズ時代にワールドシリーズ優勝投手になったサウスポーです。今年から韓国に渡りましたがKBOがよほど肌に合わなかったのか、登板すればフォアボールを連発。最後はボークの判定にブチ切れ、主審にロジンバッグを投げつけて彼のKBOシーズンは終わりました。2022年は韓国以外のどこかでプレーすることになりますが、球威はそれほど落ちていないので環境が変わればまだやれるはず!
◆ウィル・クレイグ (キウム・ヒーローズ)
クレイグは長打が魅力の一塁手ですが、まずい守備を披露して全米の注目を浴びてしまいました。クレイグの名前を知らなくても問題のシーンなら覚えている人は少なくないはず。誰にでも失敗あるものなのに、懸命にプレーする若者が面白おかしくメディアに取り上げられて気の毒でした。
ところで、クレイグが所属していたキウム・ヒーローズは、空いた外国人枠に阪神タイガースのジェリー・サンズの再獲得を目指していると噂されています。もともとサンズはキウム時代の2018年、打点王に輝いたことでNPBに栄転した選手です。クレイグがタイガースに加入して、サンズとの交換トレードのようになれば面白いですよね?!
<文責:【MLB名鑑.com専属コラムニスト】デッドボーラー>